関東大学リーグ戦1部
対流経大
2022年11月27日(日)
江戸川陸上競技場
前節、東洋大に敗戦したことで5年ぶりの大学選手権出場を逃した法大。今シーズンラストの相手は好調・流経大。最後は勝利で終わりたい法大は先制トライを許すも序盤から果敢に攻め込み、石岡の2トライを含む3トライを奪い前半を11点リードで終える。後半もこのまま逃げ切りたかったが、終盤に相手に怒涛の3連続トライを許し32-42で悔しい敗戦。4年生ラストゲームを勝利で飾ることはできず、勝ち点14の6位で今シーズンを終えた。
試合結果
トータル試合結果
32 法大 |
25 | 前半 | 14 | 42 流経大 |
---|---|---|---|---|
7 | 後半 | 28 |
ポイント詳細
3/1 | T | 2/4 |
---|---|---|
2/1 | G | 2/4 |
2/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:石岡2、井口、高城 G:石岡3 PG:石岡、田中 |
※前半/後半、得点者は法大のみ記載
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 石母田健太 | 4 | 國學院栃木 |
2 | HO | 井口龍太郎 | 4 | 静岡聖光学院 |
3 | PR | 河村龍成 | 4 | 明和県央 |
4 | LO | 竹部力 | 3 | 大分舞鶴 |
5 | LO | 細川幹太 | 1 | 國學院久我山 |
6 | FL | 佐々木康成 | 4 | 大分舞鶴 |
7 | FL | 吉永昴生 | 4 | 東福岡 |
8 | NO.8 | 高城喜一 | 3 | 金光藤蔭 |
9 | SH | 小山田裕悟 | 1 | 桐蔭学園 |
10 | SO | 金侑悟 | 2 | 大阪朝鮮 |
11 | WTB | 南部翔大 | 4 | 京都成章 |
12 | CTB | 田中大誠 | 1 | 國學院栃木 |
13 | CTB | 中井駿 | 2 | 大分舞鶴 |
14 | WTB | 坂田龍之介 | 4 | 東海大仰星 |
15 | FB | 石岡玲英 | 3 | 御所実業 |
16 | Re | 石川空悟 | 3 | 佐賀工業 |
17 | Re | 中野一樹 | 3 | 國學院栃木 |
18 | Re | 渡辺明志 | 2 | 佐賀工業 |
19 | Re | 渡部創太郎 | 3 | 桐蔭学園 |
20 | Re | 板橋愛翔 | 3 | 日体大柏 |
21 | Re | 北川拓来 | 1 | 昌平 |
22 | Re | 熊田経道 | 3 | 大阪産業大附属 |
23 | Re | 小高巧 | 4 | 目黒学院 |
戦評
9月に開幕したリーグ戦もいよいよ最終戦。今シーズンのラストを締めくくる相手は、前節に大学選手権出場を決め、この試合の結果によっては優勝の可能性も残されている流経大。法大は大学選手権こそ逃したものの、4年生にとって集大成となるラストゲームをなんとしても勝利で飾り、笑顔でシーズンを終えたいところだ。
スタメンは前節から2人を入れ替え、田中大誠(1)がリーグ戦初先発、中井駿(2)が2試合ぶりの先発出場となった。また、ここまでリーグ戦全試合で先発出場し、東洋大戦で負傷交代した山下武準(3)のポジションには、佐々木康成(4)が入った。同じくSOとしてリーグ戦全試合先発出場していた熊田経道(3)はベンチスタートとなり、金侑悟(2)が司令塔を務める。
会場に集まった約2000人の観客が見守る中、法大にとってシーズン最後の試合がキックオフ。まずゲームの主導権を握ったのは好調、流経大。1分、自陣22mラインでラインブレイクを許すと、一気に走り込まれ先制トライを奪われる。すかさず法大も4分、16分と相手の反則を誘い、田中と石岡玲英(3)のPGで1点差まで迫るが、19分にラインアウトからボールをスティールされると、一気に逆サイドに展開されトライを許し、点差は再び8点まで開く。しかし3分後の22分、敵陣でのラインアウトを再びスティールされるもゴール前で奪い返し、最後は井口龍太郎(4)が飛び込みトライ。石岡のCKも決まり再び1点差に迫る。このトライを機に法大が一気に試合の主導権を握り始める。28分、法大らしい素早いパス回しを活かした縦に速い攻撃で一気に敵陣深くまで攻め入ると、最後は石岡がインゴール隅に飛び込みながらのトライを決め、逆転に成功する。さらに前半終了間際の40分、素早いパス回しでサイドに展開すると、センターライン付近で石岡が一気にラインブレイクし、南部翔大(4)との見事な連携で相手を突き放すトライを決める。このまま前半が終了し、25-14で3試合ぶりにリードして試合を折り返す。
1年生ながら今シーズン全試合フル出場を果たしたSH・小山田
後半さらに点差を離したい法大だったが、52分、相手ボールのモールから抜け出した外国人留学生の勢いを止められずトライを許してしまう。それでも直後の55分、素早いパス回しから右サイドに展開し、この試合No.8として出場していた高城喜一(3)が敵陣10mライン付近でボールをもらうと、そのままラインブレイク。最後は相手のタックルを受けながらも走り切ってトライを決めきる。石岡のこの日3本目のCKも決まり再び点差を突き放す。このまま逃げ切りたい法大だったが、試合終盤に流経大が猛攻を仕掛ける。72分に見事な連携から突破を許しトライを決められると、その3分後にも相手のグラバーキックが法大の選手に不運な形で当たり、センターライン付近で一気に抜け出され、守備の手薄になった所を走りきられ勝ち越しを許してしまう。なんとか再び逆転したい法大は攻撃を仕掛けるが81分、勢いの止まらない流経大にラインブレイクを許してしまい、そのまま試合を決定づけるトライを奪われてしまう。法大も最後までトライを狙いに攻撃を仕掛けるが、試合終了のホイッスルが鳴り、万事休す。32-42で悔しい3連敗となり、リーグ戦6位でシーズンを終えることとなった。
ラインブレイクから見事なトライを決めた高城
4年生にとっては大学ラストゲームとなった今試合。なんとしても勝って終わりたかったが、相手の勢いを止めることができなかった。新宮孝行監督が「これが今のうちのチームの目一杯のところ」と語るように、試合終盤に一本トライを奪われた後、そのまま立て直せずに流れを持っていかれたことで立て続けに失点し、結果的に敗戦に繋がってしまった。しかし一時はリードしている時間もあったように、トライシーンでは法政らしいグラウンドを広く使った縦に速い展開ラグビーを随所に見ることができた。さらに、その攻撃を3年生が引っ張っていた事も来シーズンに向けての明るい材料になるだろう。結果こそ負けてしまったものの、今シーズンの課題と収穫が明確に見えた最終戦となった。
史上稀に見る混戦となった今シーズンのリーグ戦。法大にとっても10シーズンぶりの開幕連勝でスタートし、一時は5年ぶり大学選手権出場が近づいていた。しかし結果は昨シーズンと同じ6位。選手たちにとっては悔しいシーズンとなったはずだ。来シーズンのチームを引っ張るのは現3年生。FWでは竹部力(3)、BKでは石岡や熊田といった1年生から主力として出場してきた選手をはじめ、経験を積んできている選手が多くいる。6年ぶりの大学選手権出場のためには、彼らの経験とチームを引っ張るプレーがカギとなってくる。
リーグ戦の借りはリーグ戦で返す。来シーズンの橙紺ジャージの活躍に今から期待せずにはいられない。
(記事・写真:板倉大吾)
記者会見
新宮孝行監督、吉永昴生(4年・FL・東福岡)
—試合を振り返って
新宮監督:まず原点に戻ってゲインラインを超えるラグビーをしようとして、ボールを下げない、アタックもディフェンスも下げないということで今日挑んだんですけど、これが今のうちのチームの目一杯のところなので、流通経済さんが今勢いに乗っている、やっぱり後半の5分で逆転されていたらまだまだうちのチームとしての出来具合、上げ方が、これは僕の責任だと思いますけど、作り方ができなかったなというのが反省です。初戦のようなシンプルなラグビーを中盤からもずっと続けていれば良かったんじゃないかなという意味では反省でした。
吉永:最初トライ取られて気合を入れ直す分岐点になったと思うんですけど、そこから自分達の流れに持っていけた時間が長くあって、その時は修正できた上で自分達の流れに持って行けたと思うんですけど、最後の最後で流経さんの流れに持って行けて、そこからどういうコールをかければいいのかというのが、新たに流れを持っていけなかったという自分達の反省するべきところだと思うので、これを来年の後輩に修正してもらって、来年こそ選手権に行けるように頑張ってもらいたいなと思います。
—前節から2週間どのように過ごしたのか
吉永:今回の試合が4年生の最後の試合になることは分かっていたので、最後は勝って終わって、来年の3年生以下の子達に良い形で繋げるように絶対に勝ちに行こうというふうに練習を取り組んできたんですけど、今回の試合は最後の最後に負けてしまったので、来年に良い流れに持って行けたか分からないんですけど、4年生は最後という気持ちで過ごしてきました。
—選手権の可能性がなくなり、モチベーションはどのように保っていたのか
吉永:試合する上で負けにいくというのはないと思うので、この試合に勝ちに行くことだけを意識してきました。
—手首のテープ書いてあるのは
吉永:これは今日出場できなかった4年生全員と、前回怪我した6番の山下の思いを背負って、手首のテープに書きました。
—チームとしてはどの辺から難しくなったのか
吉永:東海さんに結構な大差で負けてしまって、そこから新たに気持ちを入れ替えることができて関東学院さんに勝って、その後の立正さんの時に自分達が軽い気落ちで挑んでしまったんじゃないかなというのはあって、選手権に行ける可能性はまだあったので、そこからは勝つことだけを意識してやってきました。