箱根直前インタビュー
2021年12月11日(日)
東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)まで残すところあと5日となった。今大会の目標は、前回大会達成できなかった「総合5位以内」。1年間掲げてきた目標に挑む選手たちに、公開練習日の今月11日にお話を伺った。第3回は細迫海気選手、松永伶選手、宗像直輝選手のインタビューをお届けする。
インタビュー
細迫海気
ーメンバー入りが決定した時の心境は
前回、僕は走らせていただいているので緊張感も昨年より少なく、ゆったりした気持ちでメンバー入り発表の日を迎えることができました。
ー希望区間は
5区です。前回5区を走らせていただいた中、自分でも納得いかない結果だったので、リベンジしたいという気持ちで練習を積んできました。正直5区以外は考えていないです。
ー登りの適性に気づいたきっかけは
昨年の1次選考合宿の時ですかね。毎年、8.5kmの登りのタイムトライアルがあるんですけど、その時に学内2位という記録を出してから自分は5区が得意なんだと気付き始めました。そこから元々アップダウンのあるコースが好きだったということもあり、箱根で5区を走る機会もいただけました。今年の箱根は前回走らせていただいた分、また自分が(5区を)走らなくてはいけないと思っているので、そういった意味でも登りにはこだわりがあります。
ー高校時代から登りが得意というわけではなかったのですか
高校の時は得意というか、「同期の中では早い方だったかな」というくらいの感じでした。なので自分は登りが得意だと思っていなかったです。
ー前回大会の走りを振り返って
昨年は初めての箱根ということもあり、とても緊張していたのを覚えています。往路4区までの4人がいい位置でつないでくれたんですけど、最後の自分が低体温症になってしまい思うような走りができず、チームの順位を下げてしまったことが本当に申し訳ない気持ちでした。また、チームとして総合5位を目指していた中で、実際それを狙える位置にいたにも関わらず、自分が担当した5区で5位どころかシード権獲得すらできない順位に落ち込んでしまいました。復路の選手の頑張りがあってシード権は獲得できましたが嬉しいというより、みんなに申し訳ない気持ちでした。
ー前回の経験を踏まえた今年の課題は
前回は15kmあたりまでは1桁順位で走れていたのですが、ラスト5kmで遅れを取ってしまいました。なのでそこの走りを意識して取り組んできました。また、エネルギー不足を防ぐために普段からしっかり食事を摂ることを意識してきました。昨年と比べやってきたことに大きな変化はありませんが、距離や走ってきた回数という点でさらに質を上乗せした練習ができたと思います。
ー当日気をつけたいことは
前半からオーバーペースにならないようにすることは特に気をつけたいと思います。また、宮ノ下を越えてからの走りという点で前回の反省を生かせれば良いかなと思います。
ー11月の日体大記録会を振り返って
この1年、特に前半はけがこそしなかったものの、思い通りいかないシーズンでした。走れてはいるのに結果につながらないという状況の中で、日体大記録会はベスト更新とはいかなかったですが、それに近いタイムで走ることができました。自分の中で大きな自信になりましたし、やってきたことが身を結んだ大会でした。他の選手より試合への出場が少なかったこともあり、「ここで走れなかったら箱根はないぞ」と自分にも言い聞かせていたので、結果が出たのは良かったです。
ー同記録会における法大選手の走りを見て
自分のタイムは納得できるものだったんですけど、内田(隼太、経4)さんをはじめ松永(伶、経3)や小泉(樹、現2)も自己ベストで走ったので、自分はまだまだだなと。彼らを見て、「自分もベストに近いタイムで満足せず更新を目指さないと」と反省しました。ですが、それ以上にチーム全員が仕上がってきているのでその点は嬉しいですし、尚更5区の自分次第だなと思っています。
ーここ1年の取り組みを総括して点数をつけるなら何点ですか
前半シーズンを加味して50点くらいかなと。箱根で足を引っ張った分、トラックレースや出雲駅伝でチームに貢献しようと思っていたんですけど、関東インカレも走ることができませんでした。また出雲駅伝も選考に関わる合宿で外してしまい、メンバー外という結果でした。全体として見た時に日体大記録会で1本走れただけなので、そういうところも加味して50点、いや40点ですね。
ー現在(12月11日)のご自身の調子のほどは
日体大記録会でタイムを出したことによって不安がなくなりました。そのことが良い練習につながってきていますし、コンディションはいい状態にあると思っています。
ー自身の強みは
登りでの走りは自信を持っています。それにプラスしてけがをしない身体を持っていることが、自分の中では強みであると考えています。今年1年、結果が出なかった時期もありましたがケガなくやってこれましたし、昨年もけがなく箱根を迎えられています。この2年、大きなけがなく練習をずっと継続してこれたという点は強みだと思います。
ーメンバー入り決定後の心境の変化はありましたか
特になかったです。ただ、自分は今回も5区を走らなくてはいけないと思っていますし、メンバーの10000m平均タイムが法大史上初の28分台に突入したりと状態が良いので、「今回こそ良い走りをしてやろう」という思いは強く感じました。
ーチーム目標達成に向けてカギになるのは
自分の走りです!
ー法大の注目選手は
今年初のメンバー入りを決めた髙橋一颯(社2)です。今年1年間、髙橋とはメンバー争いをしてきたんですけど、彼の存在が結果の出なかった自分を焦らせてくれて、ここまでやってこれました。もちろんライバルではありますが、自分の前回大会を走った経験を共有しながらこれからも共に切磋琢磨していきたいと思います。
ー他大学のライバルは
中央大の中野翔太と山梨学院大の北村惇生です。この2人は世羅高校時代の同期で、特に中野は今季10000mで学生2位のタイムを現時点(12月11日)で持っている本当に強い選手なんですけど、法政と中央は電車で10分の距離にいるので、月に一回くらいご飯に行く仲です(笑)。身近にそういった強い選手がいるのはありがたいですし、この2人は自分より持ちタイムも速く、自分を奮い立たせてくれる存在でもあります。そして同期なので、他大の選手では1番気にかけています。
ー箱根には高校時代の仲間たちも多くエントリーされています
実は今年、世羅高校出身の選手が11人箱根のエントリーメンバー入りしているらしくて。これは全国の高校の中で2番目の人数みたいです。なので箱根は同期以外にも先輩、後輩とも走ることになるので同じ高校でやってきた仲間同士、大学は違えど支え合って頑張りたいと思います。
ーそんな強豪校で過ごした日々を振り返って
先ほど話した中野や北村の他にも多くの強い選手がいた中で練習できていたというのは、今になって思うと、いい思い出だったなと思います。
ー当日の個人としての目標は
前回のリベンジは大前提として5区を区間3番以内で走りたいと思っています。また、前回低体温症になって、ラスト5kmのタイムが全選手の中で1番遅かったので、今回はそのラスト5kmを誰よりも速く走りたいです。
ー箱根に向けた意気込みをお願いします
前回は足を引っ張った分、今回はしっかり走ってチーム目標に貢献したいと思います。
ーファンの方へのメッセージをお願いします
この1年間、前回のリベンジをするためにしっかり準備をしてきました。今回は『法政の5区』にも期待して見ていただきたいです。応援よろしくお願いします。
細迫海気(ほそさこ・かいき)
社会学部3年
2001年5月15日生まれ
出身校:世羅(広島県)
自己記録:29分24秒60(10000m)、1時間04分39秒(ハーフマラソン)
松永伶
ー今回エントリーされた心境はいかがですか
まずは安心したというか、箱根に向けて1歩ずつ近づいているんだなということを実感しました。
ー現在のコンディションはいかがですか
秋からコンディションを維持できていて、とてもいい状態だと思うので、このまま箱根に臨みたいと思います。
ー入学から昨シーズンまでを振り返っていかがでしたか
入学から2年生の半ばまでは走れなかったんですけど、そこから順調に今年のシーズンに関しても、徐々に上がってこれているかなとは思ってます。
ー今年の関東インカレをきっかけに、変化したことや成長したことはありますか
今まで大学であまり結果を残していなかったので、関東インカレでかなり自信がつきました。
ー今年の夏合宿はどのような練習をしていましたか
夏合宿はあまり自信がなかったスタミナをつけることができたので、そこが強化できた点かなと思っています。
ー今年の秋のシーズンを振り返ってみていかがでしたか
秋に関しては、1週間前に10000mで自己ベストを出した中で、初めてハーフマラソンを走って、法大タイ記録を出すことができました。箱根に向けてハーフマラソンを経験できたことは大きいかなと思っています。
ー初の大学駅伝となった出雲駅伝を走って、個人のレースと駅伝の違いは感じましたか
出雲駅伝に関しては、やっぱりチームでたすきをつなぐということ、またロードでのレースということで、緊張感だったり、レースの感覚というのは違ったなと感じました。
ー陸上を始めたのはいつからですか
陸上始めたのは中学1年生の4月で、きっかけが小学校6年生の駅伝で区間賞を取ったことでした。それで今まで8年間続けていたサッカーよりも長距離の方が合っているのではないか、ということで始めました。
ー陸上を始めた時から箱根は目指していましたか
陸上を始めて少ししてから箱根があるということを知って、箱根を実際に見に行って、走りたいなという気持ちが強くなりました。
ー箱根駅伝の希望区間は何区ですか
希望区間は1区で、1区を走れなくても往路を走りたいです。
ー1区を希望される理由はどういったところですか
自分は集団でのレース作りが得意で、中学1年生の頃から結果を出しているので。あとは内田主将から色々前回の話を聞いていて、1区のイメージもしやすいです。あとは自分の持ち味としてスパートがあるので、1区でそういったスピードだったり、スパートだったりというのも生かしていければと思っています。
ー個人としての目標は、どういったところでしょうか
チーム目標の5位に向けて、自分も区間5位以内を目標に頑張ります。
ー過去の箱根は出場されていませんでしたが、その時の心境はいかがでしたか
故障中は「箱根を本当に走れるのかな」という状態だったんですけど、2年生の12月から記録も出せてきて箱根のめども立ってきました。ライバルだったりチームメイトが走ってる姿を見て悔しいなと思い、「来年から絶対に走るぞ」という気持ちが強かったです。
ー最近の練習で特に意識している点はどういったところですか
最近の練習では箱根に向けて20km以上を目標に練習をしていて、この前のレースも10000mの後に、ハーフを走ったりしてタフなレースをしたりと、レースのペースを意識しています。
ーチーム内でのご自身の役割はどういったところだと思いますか
次期エースとも言われているんですけど、そう言われてもおかしくないぐらいの結果を箱根で出したいなと思っています。結構自由な性格なので、チームメイトとの会話も色々しているかなとは思います。
ー現在のチームの雰囲気はいかがですか
清家(陸、令和3年度卒)前キャプテンや内田キャプテンがすごくいい雰囲気のチームにしてくださって、今があると思います。本当に内田さん、清家さん、それ以外の選手たちにも感謝してます。
ーここから箱根当日まではどのような調整をされる予定ですか
この後は追い込んだレースはないと思うので、しっかり質の高い練習をしながらも、直前(は練習の強度を)落として、11月の上尾ハーフの調整を参考にしながら、周りの人にも箱根の調整の方法を聞いて臨みたいなと思っています。
ー本番に向けての意気込みをお願いします
今回が初となる箱根での走りを見てほしいです。
ーそれでは最後に、応援してくださるファンの方にメッセージをお願いします
いつも応援してくださり、ありがとうございます。応援の力はすごく力になり、走る原動力になっているので当日も応援をよろしくお願いします。
松永伶(まつなが・れい)
経済学部3年
2001年6月12日生まれ
出身校:専大松戸(千葉県)
自己記録:28分34秒33(10000m)、1時間02分03秒(ハーフマラソン)