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【陸上競技】第99回東京箱根間往復大学駅伝競走 17年ぶりトップ3入りの復路 出走者インタビュー

第99回東京箱根間往復大学駅伝競走
2023年1月2日(月)、3日(火)
東京・大手町-神奈川・芦ノ湖-東京・大手町

チーム目標を総合5位以内に掲げた法大が東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)に挑んだ。2日に行われた往路では1区の松永伶(経3)が3位と好位置でたすきをつなぐと、各選手が力走を見せ8位。翌日の復路では、宗像直輝(社3)が区間賞を獲得するなど復路の選手たちも快走を見せ、総合7位でフィニッシュ。2年連続でシード権を獲得し、復路順位は3位と健闘を見せた。今回は復路を走った選手たちのインタビューをお届けする。(インタビューは1月4、5日に実施いたしました)

快走を見せた復路の選手たち

試合結果

総合成績

順位 大学名 記録
1位 駒大 10時間47分11秒
2位 中大 10時間48分53秒
3位 青学大 10時間54分25秒
4位 國學院大 10時間55分01秒
5位 順大 10時間55分18秒
6位 早大 10時間55分21秒
7位 法大 10時間55分28秒
8位 創価大 10時間55分55秒
9位 城西大 10時間58分22秒
10位 東洋大 10時間58分26秒
11位 東国大 10時間59分58秒
12位 明大 11時間01分37秒
13位 帝京大 11時間03分29秒
14位 山梨学大 11時間04分02秒
15位 東海大 11時間06分02秒
16位 大東文化大 11時間06分08秒
17位 日体大 11時間06分32秒
18位 立大 11時間10分38秒
19位 国士舘大 11時間13分56秒
20位 専大 11時間19分28秒
OP 関東学生連合 11時間17分13秒

 

個人成績

区間 選手名 記録 区間順位 通過順位
 1区(21.3㎞) 松永伶(経3)  1時間03分00秒 3位 3位
 2区(23.1㎞) 内田隼太(経4)  1時間07分53秒 8位 7位
 3区(21.4㎞) 川上有生(スポ4)  1時間02分52秒 13位 10位
 4区(20.9㎞) 扇育(経4)  1時間02分19秒 7位 8位
 5区(20.8㎞) 細迫海気(社3)  1時間12分49秒 10位 8位
6区(20.8㎞) 武田和馬(社2) 59分19秒 5位 5位
 7区(21.3㎞) 宮岡幸大(スポ2) 1時間03分46秒 8位 6位
 8区(21.4㎞) 宗像直輝(社3) 1時間04分16秒 区間賞 5位
 9区(23.1㎞) 中園慎太朗(社4) 1時間08分46秒 5位 5位
10区(23.0㎞) 高須賀大勢(生命科3) 1時間10分29秒 13位 7位

選手インタビュー

武田和馬(6区:区間5位)

ー箱根を終えての今の心境は
今日から新チームがスタートしたので、「シードを取れて安心」ではなく今年はもっと強いチームにしたいと思っています。

ー総合7位という成績について
今回、チームとして総合5位を目標にしていて、実際に9区あたりまでは3位集団につけていたのでシード権は取れたといえ、目標に届かなかったのは悔しい気持ちです。

ー復路3位という成績について
びっくりはしましたが有り得る成績だとは思っていました。エントリーの16人から10人に絞る段階でも、誰が走ってもいいような状態だったので自信を持って大会に挑めましたし、自分がちょっと6区で遅かったのはありますが、8区で区間賞を取った宗像(直輝)さんをはじめ、みんなで勝ち取った復路3位だと思っています。

ーチームの課題について
上位の大学と比べてずば抜けている選手がいないというチーム状況で、一人が何秒タイムを削れるかというところが課題になってくると思います。

ー順位を上げ5位でたすきをつなぎました
8位から5位に押し上げてチーム目標圏内に届いたというのは、すごく大きくて100点満点の結果だったとは思っています。しかしその反面、個人としては区間賞を目指していた中で1分程度届かなかったのは本当に悔しいです。僕が区間賞を取る走りをしていれば恐らく総合5位も取れていたと思います。そういった意味での悔しさがすごく自分の中で残っています。

ー途中、前年王者・青学大の西川魁星選手を追い越しました
坪田さんが車で後ろから声をかけてくれた時に「青学に追いつくぞ」と言っていて、「えっ、3分前にスタートしてるのになんで。間違えているのかな」と思いましたが、徐々に背中が見えてきて本当にびっくりしました。その時は前の選手が見えてきたことで元気が出ましたし、そうそう青学大を抜ける機会はないと思うので良い経験をできたなと思います。

ー後半は苦しい表情が印象的でした
めちゃくちゃキツかったです(笑)。上りの時点で脚も辛いし、呼吸も上がるし、寒いしでした。最初の5kmで結構バテ気味になってしまってそこから下りに入ったんですけど、そこでもう脚が痛くて。そんな状態のまま平地を迎えたので、とても苦しかったんですけど後続のためにも前との差を1秒でも縮められるように頑張りました。

ー来季も山下りをしたい気持ちはありますか
今回も区間賞を取れずに悔しい思いをしたので卒業まであと2回、6区を走りたいと思っています。

ー目標に挙げていた57分台での走破を来年達成するために必要なことは
57分台を狙うとなったら、入りの5kmからペースを上げていかないといけないですし、そこから切り替えて下りをハイペースで下って最後の3kmも粘るというかなり過酷なレースになるとは思いますが、自分の能力的には下りの適性もありますし、不可能ではないかと思っています。そのためにも今年は10000mを28分半で走る走力と、今回は単独走になったんですけど、集団でも単独走になっても走っていけるような力強さが必要になると思います。

ー来年も駒大・伊藤選手は手強いライバルになってきますか
彼は1年生の6区歴代1位の走りをしたんですけど、自分も負ける訳にはいかないので、そういう意味では意識しています。ただ第一に考えるべきは自分の走りだと思っているので、その次に上位のランナーのことを考えるようにしたいと思います。

ー今大会で得た成果は
下りを走っている時に、昨年と比べてタイムが伸びていなくて、「ヤバい、ブレーキだ」と思って焦っていたんですけど、昨年1年間しっかり練習を積めていたので「後半巻き返せるはずだ」と自分を信じて走ったことで、最後は区間5番まで持っていけたと思っています。来年も継続的な練習だったり、そういったところから自信をつけていけたらなと思います。

ー今大会のMVPは
8区の宗像さんですかね。あの場面で区間賞を取って、しっかり5位に持っていったのと、駅伝という勢いが大事な競技で宗像さんがさらに流れを良くしてくれたというのは、復路3位もそうですが総合7位という結果に結びついたと思っています。

ーシーズン全体を振り返って
やっぱり今季1年間のゴールが箱根駅伝だと思っていて、そこで自分はあまり満足できる結果を出せなかったですけど、シーズン全体を見た時に走力の向上であったり、10000mの自己ベスト更新という部分で確実に成長しています。今後2年間も自分の成長を信じて頑張っていければいいのかなと思います。

ーオフはどのように過ごしますか
地元の岩手に帰ります。帰省は久しぶりなのでとにかく地元の友達とたくさん遊びたいと思います。あと太らない程度に、美味しいものもいっぱい食べてきたいと思います(笑)。

ー北国出身なら箱根の寒さも平気だったのでは
昨年はちょっと北国生まれで得した部分はあったと思うんですけど、東京の気温に慣れてしまって、今はもうダメですね(笑)。もう多摩でも寒いです(笑)。

ー地元の友人、家族にも良い報告ができるのでは
一般の人から見たら区間5位はすごい成績だと思うので、チヤホヤされてきたいと思います(笑)。箱根にも地元の友達が何人か見に来てくれていて、応援に対する感謝も伝えたいです。

ー2023年の抱負は
今年は5000mで13分台、10000mで28分半。そして総括として箱根5区で57分台、区間賞の獲得というのをもう一度リベンジしたいと思います。

ーファンの皆さまへ
今回は法政大学を応援してくれてありがとうございます。個人としては目標の5区の区間賞、57分台での走破はできなかったんですけど、区間5位という走りで法政大学の総合7位という結果に貢献することができました。沿道やテレビからの応援がとても力になったので、今後とも応援のほどよろしくお願いします。

(取材・嘉藤大太)

宮岡幸大(7区:区間8位)

―レースを振り返って
自分は稼ぐ役割という認識がありましたが、実際には稼ぐというよりつなぐという形になってしまって、悔しいというか、自分の走りというのがあまりできなかったのかなと思います。

―7区を任されたときの心境は
復路の6、7区というのはすごい重要なので、自分がチームにいい流れを作るぞという気持ちを持ちました。

―宮岡選手にとって初めての箱根駅伝でした。レース直前は何を考えていましたか
緊張しすぎて何も考えられなかったです。

―チーム目標の5位のポジションで武田選手から襷を受け取りました
5位でたすきをもらいましたが、後ろに青学さんや創価さんなど、区間賞候補の選手が続いててやばいなとは思っていました。

―レースプランについては
最初12kmくらいはある程度余裕を持って、後半ビルドアップしていこうかなと思っていました。

―レース序盤で創価大学に追いつかれた後の心持ちは
明らかにペースが違ったので相手にせず、ただ自分のペースでいきました。

―単独走でのレース展開でした
12kmくらいまでは余裕を持って行くというのはできたのですが、そこから15kmくらいからビルドアップしたかったが、脚が止まってしまって後半失速してしまいました。

―前回大会優勝の青山学院が後ろにいる位置でのレースでした
途中でどれだけ差が開いたなどの情報はもらえていて、10kmのところで給水や監督から青学と開いているということを聞き、(青学が)あまり調子が良くないんだなということはわかっていたのであまり意識せず、自分の走りに集中した感じです。

―6位で宗像選手へたすきを渡しました
本当はもっと前に追いついた状態で渡したかったが、逆に後ろに追いつかれてしまって申し訳ないなと思いました。

―宗像選手とやり取りはありましたか
特にはなかったです。声かけをした気はしますが、キツすぎて覚えていないです(笑)。

―7区を走り終えた時の心境は
後半失速してしまって後ろのチームにも追いつかれてしまい、出し切れなかった感が少しあって、ただ悔しかったです。

―レースから1日経った今の心境は
やり直せるならもう一回やり直したいです。今すぐにでもやり直したいです。

―レース中に特に記憶に残った坪田監督からの声かけは
1kmの声かけで一回反応したんですけど、反応しなくていいと怒られて…(笑)。でもそこでちょっとリラックスできました。

―20年以上更新されていなかった7区の法政記録を7秒更新しましたが、何がこの記録につながりましたか
練習もできていたので、自分の中ではトータル2~30秒早く行くつもりだったんでしたが、なんとかまとめることができたのかなと思います。

―区間8位でした
正直、あの場面だともっと上に行かないといけないのかなとは思いました。

―希望区間は9区で今回7区を走り、来季の展望は
今年は4年生中心のチームで、実際に往路で4年生が3人走っていました。来季はその選手たちがごっそり抜けてしまうので、自分がチームの中心になってやっていかないといかないとと思っています。

―今回のレースは宮岡選手にとってどのようなものになりましたか
今までやってきたレースの中で一番悔しいといいますか。いい意味なのか、悪い意味なのかわからないですが、一番印象に残りました。絶対来年はこんな思いをしたくないなという思いがあり、それが今は原動力になっています。

―最後に応援してくださるファンの方へメッセージをお願いします
2日間応援ありがとうございました。来年はこれ以上の結果を残せるように頑張りたいと思います。

(取材・高波映)

宗像直輝(8区:区間賞)

-箱根を終えての今の心境は
1、2年目とメンバー入りして出走できなかった中で、今回初めて箱根駅伝を走らせていただきました。区間賞を狙っていたかと言われるとそうではないですが、自分の走りをした結果、区間賞がついてきたので嬉しかったですし、自信にもなりました。

-往路の選手の走りを見ていて感じたことは
往路の方がレベルは高い中で、同学年の松永(伶)や細迫(海気)がいい走りをしてくれましたし、誰も大きなミスなくベストな走りをしてくれました。なので、次は自分の番だと気合を入れることができました。

-初の箱根でしたが、どのような気持ちで臨みましたか
走る直前まですごく緊張していて、「走れるかな」という不安もありましたが、先輩たちが「楽しめ」と連絡してくれました。昨季の全日本(大学駅伝)の時も緊張していたんですけど、いざ走り出したらいつも通りに走れました。今回も「走る前は緊張するけど、走り出したら大丈夫」と思って準備していました。

-調子はいかがでしたか
世田谷ハーフ、MARCH対抗戦と11月からすごく調子が上がってきていて、坪田監督にも「区間1桁で走る力はあるから、そこを狙っていってほしい」と言われていたので、自分の力に対して不安はなかったです。

-レースプランは
監督には前半突っ込みすぎず、後半勝負と言われていたので、自分の中でも遊行寺の坂を越えてからが勝負だと思っていました。ですが、早々に後ろから順天堂と青学の選手が来て、「ここで離されて単独になったらきついな」と思ったので、自己判断でついていきました。

-ご自身の走りを振り返って
前半速いペースで入りましたが、遊行寺を上った後、前のチームが少しずつ落ちてくる中で動きを戻せて、そこからギアを上げることができました。後半勝負することができたので、かなりいい走りだったと思います。

-順大の平選手がペースアップした時はどのようなことを考えていましたか
そこでのペースアップは自分的にきつかったですが、ある程度離されなければ追いつける自信はありました。そのまま行かれていたら追いつけなかったですが、想定通り遊行寺で少しペースが落ちたので、抜くことができました。

-遊行寺の坂はきつかったですか
きつかったです。動画を見ても、動きが止まっていました。ですが、上り切ってから動きを戻せたのは良かったです。

ー最後は得意のスパートで5位まで順位を上げました
もともとは残り1kmでスパートをかけるつもりでしたが、少し余裕がなくて、スパートをかけて後半失速するのが怖かったです。なので、確実に出し切れる距離までは創価大と並走していました。中園さんが見えたところで、「ここならいける」と思ったのでスパートをかけました。

-監督からの声かけで印象に残っている言葉は
「区間賞が近いぞ」という言葉が一番印象に残っているんですけど、動画で「お前はナンバーワンの練習ができてる」という声かけをよく見て、今はそっちの方が印象に残っています(笑)。

-区間賞を取れると思いながら走っていたのですか
途中までは全然思っていなくて、10kmの給水の時に区間3位と言われました。青学と順天堂の選手に追いつかれていたので、3位ということはこの2人と区間賞争いをしているんだなと思って。青学が離れたので、ずっと順天堂の選手と区間賞争いをしていると思ったら東洋の選手と同タイムでした。

-区間賞インタビューにはえこぴょんも登場しました
付き添いの人に爪痕を残してほしいと言われて、爪痕を残すならこれかなと思ってえこぴょんを選びました。

-総合7位という結果については
目標には届かなかったんですけど、5位と10秒差で(松本)康汰さん、小泉(樹)、稲毛(崇斗)と主力選手が出ていない中でのこの結果だったので、収穫はあったのかなと思います。

-来季に向けての意気込みをお願いします
4年生としてチームを引っ張りたいということと、8区で区間賞という結果で満足せずエース区間や長い距離で1年間頑張っていきたいと思います。

(取材・齋藤彩名)

中園慎太朗(9区:5位)

―9区での出走が決まったのはいつ頃でしたか
区間エントリー締切の12月29日に伝えられました。

―補欠登録でしたが、その時点で9区と決まっていたのですね
そうですね、はい。

―チームは往路8位でしたが、見ていてどのように思いましたか
往路を走れるような松本康汰であったり小泉樹といった主力の選手たちの出走がかなわないというのは事前に分かっていたので、往路はかなり厳しい戦いになるという認識のもと見ていました。しっかり1区から全員が仕事をして結果的に往路8位で終えれたというのは自分としては頼もしいなと思いましたし、復路にも期待がかかるような往路だったかなと思っています。

―5位でたすきを受け、序盤は大きな集団で進んでいましたが、どういったことを考えていましたか
全体的にペースがちょっとけん制気味になって落ち着いた部分もあって、自分としてはもうちょっと速いリズムで走りたいなと思いながら、もどかしさはありました。ただ今回に関してはタイムではなく順位を狙いに行くレースだったので、焦らないでとにかく23.1kmという距離のことを考えて集団の中にいました。

―権太坂の下りでは青学大の岸本選手が集団を追い抜いていきましたが、その場面については
集団の中にも前に出たい選手もいましたが、順位を取りにいくことを考えて出れないというもどかしさがある中で、レースを進めていたので、岸本選手が権太坂の下りで追い抜いていくタイミングで一気に集団の緊張が解けたというか、ここについていこうという選手が集団の中でぞろぞろ出てきたので、そこで一回集団が大きく動いてペースが上がりました。

―集団が徐々に絞られていって終盤は創価大の緒方選手との一騎打ちになりました
当初のプランとしては15kmくらいまで余裕をもって自分のリズムで安定して走っていって、過去の資料でも15km以降の失速というのが顕著に出るようなコースだったので、そこの失速を抑えようと思っていました。ただ、7.8kmの権太坂の上りを過ぎたあたりからの加速でかなり力を使ったこともあって、その当初のプランは通用しないと思ったので、可能な限り一つでも前の順位でいかなければいけないという意識のもと走っていました。

―1時間8分46秒で区間5位、法大記録も更新しましたが、この結果についてどう思っていますか
スタート前にも監督から「1時間8分台を見せてくれ」ということを言われていましたし、そうすれば必然的に法大記録にもなります。なので自分自身も長い距離に不安はあったんですけど、最後の箱根駅伝ということ、また強い選手の集まる区間でもあるので、思い切ってやっていこうという結果がこのタイムと順位につながってきたと思っています。まずは監督に言われた設定をクリアできたというのが一つと、順位としてもチームの『総合5位以内』という目標に近づくような順位を取れたというのは自分の中で評価できることだと思っています。

―レース中の監督からの声掛けで印象に残っているものは
定点ごとに熱い声掛けをしていただいたんですけれども、後半の方で「法政大学を選んでくれてありがとう」という声掛けをしていただいて、それが自分の中ですごい印象に残っています。

―チームの総合7位という結果についてはどのように思っていますか
もちろん5位以内という目標を立てていた以上、あと10秒で目標達成できたということで非常に悔しさの残る大会だったと思います。ただ、当初のベストオーダーとは違う配置での出走だったということがあって、そういったトラブルがありながらも、最後までみんな一人ひとり自分の仕事を全うして目標達成に近い位置まで来れたというのは、数字だけ見るとやっぱり悔しさはありますが、全員が目標の『総合5位以内』を達成するんだという気持ちのこもった駅伝だったと思うので、レースの内容としては充実したものだったと思っています。

―1区で八千代松陰高の同期の富田選手(明大)が区間賞を取りましたが、刺激になりましたか
刺激にはなりましたし、王道のようなレースをして区間賞を取ったので単純にすごいなと思いつつ、自分としてはライバル意識を持っているのでちょっと悔しいという気持ちもありました。

―レース後に富田選手と連絡は取りましたか
レース前とレース後両方しました。レース前に、もともと彼は1区に当日変更なしでエントリーされていたので1区のレース展開の話とかにもなったんですけど、「たぶん今回のメンバー見る限りスローになりそうだよね。後半勝負になってくるだろうね」という話を自分はしてて、そうしたら本当にその通りのレースになったので、「俺のおかげかな」と送りました(笑)。

―3年ぶりに沿道での応援が認められる大会になりましたが、過去2年との違いはありましたか
自分は応援が大きければ大きいほど力をもらえるタイプなので、今回の有観客での開催というのは自分にとってすごいプラスでした。また最後の箱根駅伝ということで、友人であったり先輩方などいろいろな人が沿道に駆けつけてくれていて、走っているときに自分で見つけることができたりして、本当に力になるような有観客の箱根駅伝だったと思います。

―4年間違う区間(1年次8区、2年次10区、3年次7区、4年次9区)を走りましたが、印象に残っている区間やもう走りたくないと思う区間は
二度と走りたくないなって思うのは1年次の8区と今回の9区なんですけど、逆にすごく楽しかったのは2年次の10区です。

―10区は気持ちの面で違いのある区間だったのでしょうか
9人がたすきをつないでくれたという思いも持って、大手町に戻っていくというコースなので気持ち的にも熱くなるものがありますし、その時は無観客の箱根駅伝だったんですけどやっぱり報道の方とか記者の方、カメラマンがフィニッシュテープの前にたくさんいるような場所だったので、そういった意味では本当に特別な感覚になった区間だったと思います。

―ずばり中園選手にとって箱根駅伝とは
そうですね…(笑)。家族の夢かなと思います。小さい頃から自分は走るのが好きで、家族で箱根へ旅行に行くときも「箱根駅伝のコースを通って箱根まで行ってほしい」って言ったり、あとは実際に沿道で応援したりというのがあって、本当に家族で箱根駅伝というお正月の大きなコンテンツとして楽しんでいた部分がありました。そういった意味でも、小さい頃から箱根駅伝は身近に感じるものでした。それで、家族に思い出のあるものに自分自身も参加して実際に走りたいという思いもありましたし、家族からも期待されていたので、そういった意味で家族の夢かなと思います。

―最後に、応援してくださっている方へのメッセージをお願いします
この大学4年間はほんとに楽しいことも辛いことも経験した4年間でした。そういった中でも、変わらず応援してくださっている方々のおかげでこの4年間を走り抜くことができました。最終的に今回掲げていた『総合5位以内』という目標を達成できなかったのは本当に悔しかったのですが、これまで支えてくださった坪田監督をはじめとする色んなスタッフの方や家族、法政大学の駅伝ファンの方々のおかげで成しえた結果でもあると思っています。この結果に満足することなく後輩たちはまたさらに高い目標を掲げて次の100回大会に挑戦していくと思うので、これからも法政大学駅伝チームの応援を引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

(取材・窪田真一)

高須賀大勢(10区:13位)

ー初の箱根駅伝でした。走ってみていかがでしたか
楽しさと苦しさと緊張と、色々入り混じりながら走っていました。目標が『総合5位』ということだったのですが、自分のところで2つ順位を落としてしまって、本当にチームのみんなに申し訳ない気持ちです。

ー復路3位という結果はどのように捉えていますか
みんなが頑張ってくれたので、そこに関してはうれしいです。

ーレースプランはどのように考えていましたか
レースプランは状況に応じてという感じだったので、「こういう状況ならこうする」というのはある程度ありました。ただ特には決めずに臨んでいました。

ー10区まで各校僅差での戦いでした。秒差などは伝えられていましたか
秒差は伝えられていなかったと思います。ただ中継をスタート前にスマホで見たり、付き添いの方が教えてくれたりしたのでそこで大体の状況はわかっていました。

ー15kmの給水はOBの中光捷さんだったと思います どのような思いで力水を受け取りましたか
本当に「できることなら大学でも一緒に走りたい」と思っていたので、ここで一緒に走ることができて嬉しかったです。一生忘れられない思い出というか、忘れられない先輩です。中光さんの給水はものすごい力になりました。

ー今大会10区の法大記録を塗り替えました。記録を出すことは狙っていたのですか
タイム設定の目安はあったのですが、状況に応じてという感じで言われていました。ただ、出走する全員が法大記録を更新しなければ総合5位以内は厳しいとレース数日前のミーティングで坪田監督から言われていました。自分としては、途中から國學院さんについていく展開だったので、そこで引っ張ってもらったおかげで良いペースで走れたのだと思っています。

ー監督や仲間からかけられた言葉で印象に残っているものは
監督が何度も「力はあるんだから自信を持っていけ」と言ってくれていたので、そこは自信を持って走る糧になりました。また、稲毛(崇斗)や復路唯一の4年生だった中園さんなども試合前に勇気づけてくれました。そのおかげで元気になれました。

ー今大会、専大松戸出身の松永選手と高須賀選手お二人が出走されました。高校時代の先生から何かメッセージなどはありましたか
高校時代の顧問の先生2人から連絡をもらいました。1人はクリスマス法大の日に来てくれたので、その時に話しました。その時はまだ走ることが確定していなかったのですが、「頼むよ」と言われました。走ることが確定した時に先生に連絡したのですが、本当に喜んでくれて、頑張らなくてはいけないなと思いました。もう1人の先生は、当日のアップ中に声を掛けられました。急に会えたので嬉しかったです(笑)

ー今回出走することはいつごろ決まりましたか
29日(区間エントリー発表日)の朝でした。エントリー前からどこを走りたいのか聞かれていたので、僕は3区と10区を希望していました。もともと箱根でゴールテープを切ることに対して憧れがあったこともあり、走りたいとずっと言っていました。箱根を走ること自体が夢だったので、10区を走れると分かった時はすごくうれしかったです。ただ、走れない4年生もいるので、その人たちの分まで頑張らなければという気持ちも大きかったです。

ー今回は同期の選手が多く出走しました 刺激となった部分はありましたか
1区の松永から始まりましたが、松永が途中消えたのでその時は不安になりました(笑)。ただいつの間にか3位になっていて、その点については高校の頃からの仲間としてすごくうれしかったですし、勇気をもらいました。また5区の細迫も去年のリベンジを果たせましたし、8区の宗像も区間賞をまさか取るとは思っていなかったので驚きました。宗像が区間賞を取ったのが僕が走る1時間ほどの前ことだったので、テンションが上がりながら中園さんが来るのを待っていました。

ー駅伝前後にご家族から何かメッセージなどはありましたか
母親は僕が走ることにものすごく喜んでくれました。箱根を走るためにこれまでもすごく応援してくれていたので、頑張れました。親戚も「みんなでテレビで応援しているよ」と言ってくれたので本当に力になりました。

ー高須賀選手の好きな芸能人が早希さん(シンガーソングライター)とのことでしたが、ご本人がそのことに関してツイートされていました この機会に伝えたいことは
えー(笑)。とにかく、僕に気がついてくれてすごく嬉しいです。

ー箱根後には映画を観たいとのことでしたが現在何か観たいものはありますか
まだ今のところは行く予定がないですが、アバターを観たいなと思っています。

ー最後に、来年度は最上級生になります。意気込みや目標は
今年の4年生は本当に強かったので、今年の初め頃は「今の4年生が抜けたらどうなるんだろう」と不安しかありませんでした。ですがここ最近は3年生の実力も意識も上がってきているので、来年は最上級生としてしっかりみんなを引っ張って、今年よりもさらに強いチームにしたいと考えています。

(取材・芦川有)

 

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