東京六大学野球2023春季リーグ戦 立大1回戦
2023年4月16日(日)
神宮球場
慶大戦では3回戦までもつれ込む熱戦を制して勝ち点を獲得した法大。雨で1日流れ、難敵と化している立大との1戦が幕を開けた。4回に高原侑希(法4=福井工大福井)のスクイズで1点を先制すると、先発の尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)はピンチこそ招くも、要所を締める投球で立大打線を封じ込める。しかし、前の回から登板した2番手・塙雄裕(法4=常総学院)が8回に犠飛を打たれ同点に追いつかれると、以降は両校ともに決め手に欠いた。連盟規定により12回で引き分けとなった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 |
立 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 |
(法大)尾﨑、塙、吉鶴—𠮷安
(立大)池田、渡部、小畠、吉野ー戸丸
[本塁打]
法:
立:
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 出塁率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 武川 | 3 | 0 | 0 | .333 | .524 | 三振 | 三ゴ | 三ゴ | 死球 | 四球 | 死球 | ||||||
2 | (7) | 鈴木照 | 5 | 1 | 0 | .167 | .167 | 二ゴ | 三ゴ | 遊ゴ | 中安 | 三振 | |||||||
H | 真鍋 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 二飛 | ||||||||||||
3 | (6) | 今泉 | 5 | 2 | 0 | .267 | .421 | 遊ゴ | 中安 | 右飛 | 中安 | 死球 | 右飛 | ||||||
4 | (3) | 内海貴 | 5 | 3 | 0 | .375 | .474 | 左2 | 右安 | 右安 | 一ゴ | 三振 | |||||||
5 | (4) | 高原 | 2 | 0 | 1 | .375 | .474 | 投ギ | 投ス① | 投ギ | 三振 | 遊ゴ | |||||||
6 | (8) | 中津 | 2 | 0 | 0 | .167 | .333 | 右飛 | 右飛 | ||||||||||
H9 | 浦 | 2 | 0 | 0 | .167 | .231 | 左飛 | 一ゴ | 四球 | ||||||||||
7 | (7) | 内海壮 | 3 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | 三直 | 右飛 | |||||||||
87 | 西村 | 0 | 0 | 0 | .000 | .000 | 投ゴ | 右飛 | |||||||||||
8 | (2) | 𠮷安 | 4 | 0 | 0 | .214 | .353 | 三振 | ニゴ | 左飛 | 死球 | ニゴ | |||||||
9 | (1) | 尾﨑 | 2 | 0 | 0 | .000 | .000 | ニゴ | 遊直 | ||||||||||
1 | 塙 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 中飛 | ||||||||||||
H | 福岡 | 0 | 0 | 0 | .500 | .500 | 捕ギ | ||||||||||||
1 | 吉鶴 | 0 | 0 | 0 | ー | 1.00 | 四球 | ||||||||||||
計 | 37 | 6 | 1 | .239 | .340 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
尾﨑 | 6 1/3 | 109 | 26 | 3 | 7 | 5 | 0 | 0.00 |
塙 | 2 2/3 | 39 | 9 | 1 | 4 | 1 | 1 | 1.69 |
吉鶴 | 3 | 38 | 11 | 2 | 4 | 0 | 0 | 8.10 |
計 | 12 | 186 | 46 | 6 | 15 | 6 | 1 | 0.92 |
ベンチ入りメンバー
10 | 今泉颯太(法4=中京大中京) | 27 | 吉安遼哉(法3=大阪桐蔭) | 28 | 石黒和弥(法2=高岡商) |
1 | 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) | 2 | 鈴木大照(文3=明徳義塾) | 29 | 松下歩叶(営2=桐蔭学園) |
13 | 塙雄裕(法4=常総学院) | 3 | 内海貴斗(人4=横浜) | 37 | 内海壮太(法3=御殿場西) |
17 | 武冨陸(営4=日大藤沢) | 5 | 真鍋駿(文4=広島商) | 7 | 伊藤勝仁(文4=常葉大菊川) |
18 | 篠木健太郎(営3=木更津総合) | 6 | 高原侑希(法4=福井工大福井) | 8 | 福岡大真(法4=筑陽学園) |
19 | 一柳大地(人4=星槎国際湘南) | 9 | 浦和博(キャ4=鳴門) | 33 | 西村友哉(法3=中京大中京) |
21 | 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) | 23 | 品川侑生(文2=三重) | 36 | 中津大和(営3=小松大谷) |
12 | 久保田碧月(営4=高川学園) | 24 | 武川廉(人3=滋賀学園) | ||
22 | 田所宗大(キャ3=いなべ総合) | 25 | 山根滉太(文4=小松大谷) |
戦評
2カード目となる立大戦。雨で試合が1日流れた16日、1回戦が行われた。
この日の先発・尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)は1回を三者凡退で終える上々の滑りだし。その後も尾﨑は力投し、立大打線から2回までに5奪三振と三振の山を築いていく。3回にも三振を1つ奪って2死とするも、9番の池田陽佑にこの日初安打を許すと、1番の齋藤大智が放った打球は三塁手・武川廉(人3=滋賀学園)がバウンドをうまく合わせられず、二塁打となってピンチを背負う。しかし、今度は武川がしっかりと打球をつかんで三直に抑え、無失点で終えた。
尾﨑が粘りの投球で先制点を与えない
4回表、いい流れの法大は1死から今泉颯太(法4=中京大中京)が二遊間を破ると、4番・内海貴斗(人4=横浜)が初球を捉えて一二塁間を破る安打を放つ。今泉は一気に三塁へ到達すると、記憶に新しい慶大1回戦での7打点の活躍もあってか現在打点王ランキングを独走する高原侑希(法4=福井工大福井)。初球から法大ベンチは動いてきた。前の打席でもきっちりと犠打を決めるなど、犠打の上手さにも定評のある高原が絶妙なスクイズを成功させて待望の先制点をもぎ取った。
4回裏、先頭に四球を出した尾﨑だったが自身を救う超反応の投直などで2死までこぎつける。しかし、またも四球、安打などで2死満塁とする。すぐさま同点とはさせたくないこの場面。ギアを上げた尾﨑、3球三振でピンチを切り抜ける。すると、ここから尾﨑と池田の両投手はここから意地の投球で本塁を踏ませない。
ゼロ行進が進んで試合は7回まで突入。この回、尾﨑が1死から2人に続けて四球を与えたところでベンチは継投に入った。2番手でコールされたのは塙雄裕(法4=常総学院)。その塙は1点も与えられない場面で最高の投球を披露した。代打の鈴木唯斗を3球で早々と追い込むと、最後は空振り三振に切って取る。さらに打順はトップに返って齋藤大。今度は2球で追い込むと、遊び玉はなく一気に勝負した。勝負の3球目に齋藤大のバットは空を切って空振り三振。1点も許されない場面で粘りを見せた。
ピンチを抑え、捕手の𠮷安(27)とタッチを交わす塙
さらに追加点を奪って試合を決めたい法大。8回表、2死ながら1番の武川廉(人3=滋賀学園)の死球で出塁すると、鈴木大照(文3=明徳義塾)、今泉の連打で2死満塁とする。ここで打席は4番の内海貴に。この日ここまで3安打と好調の主砲が打席に入る。「みんなで繋いでくれた打席絶対に打ってやろう」と意気込んで打席に向かった内海貴。
しかし、立大の左腕・渡部太陽の前に一ゴロに倒れて3アウト。待望の得点に追加点となる本塁は遠かった。すると直後の8回裏、この回も引き続いてマウンドに上がった塙がピンチを招く。フェンス直撃となる二塁打で先頭打者から得点圏に走者を背負うと、犠打で送られ1死三塁。続く戸丸秦吾への3球目は中堅への飛球に。中堅手・西村友哉(法3=中京大中京)の懸命のバックホームも間に合わず。同点に追いつかれる。
9回、この回からマウンドに上がった立大3番手の小畠一心と3イニング目となる塙がともに3人で片付けて試合は延長戦へ。10回表、四死球3つで好機を作り出すと2死満塁でまたも打順は内海貴に。なんとか勝ち越しの1本が欲しい法大であったが、際どいコースに投げ込まれ見逃し三振に倒れた。10回裏からは吉鶴翔瑛(営3=木更津総合)が登板。1本の安打を許して得点圏に走者を背負う。次の1点が立大に入るとサヨナラとなるこの場面にも吉鶴は「ピンチになれば自分の力を出せるのはわかっていたので、滅多に経験できない場面を楽しむことを意識しました」と思いっきり楽しんだ。10回、11回を抑えて打線の勝ち越しを待つ。しかし、打線は12回にも好機こそ作れど得点を奪うことはできず。この時点で法大の勝ちはなくなった。
前回登板では打ち込まれた吉鶴も本来の投球を見せて3回無失点だった
なんとか引き分けで終わりたい法大。この回のマウンドには吉鶴が上がる。その吉鶴は先頭を1球で仕留めるも、雷雨の影響でここで試合が中断。約30分の中断を挟み、試合は再開されると、1安打を許すも危なげなく抑えて試合は1-1の引き分けとなった。
主将の今泉が「負けてはないので明日から2連勝したい」と語るよう、幾度となく訪れたサヨナラのピンチにもギアを上げて手痛い一打を浴びなかった粘りの投手陣の活躍もあって敗戦は免れた。明日から2連勝を目指し、1球にこだわりぬくプレーを見せる。
(記事:菊池和貴、写真:高橋芽唯)