東京六大学野球2023春季リーグ戦 立大2回戦
2023年4月17日(月)
神宮球場
尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)、池田陽佑の両投手の投手戦は、その後を引き継いだ救援陣も好投し、引き分けとなった。勝ち点獲得へ先の1勝をもぎ取りたい法大は先発のマウンドに篠木健太郎(営3=木更津総合)を送った。対する立大は先発に沖政宗を送り込み、3年生右腕のマッチアップとなったこの1戦。法大が4回に内海貴斗(人4=横浜)の2点本塁打で先制すると、1点差に詰め寄られるも、篠木が魂の完投でリードを守り抜く。2-1で勝利し、勝ち点獲得に向けて法大が先勝した。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
立 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 |
法 大 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 2 | 7 | 0 |
(立大)●沖、渡部太、吉野—戸丸
(法大)○篠木ー𠮷安
[本塁打]
立:鈴木唯(5回ソロ、篠木)
法:内海貴(4回2ラン、沖)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 出塁率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 武川 | 3 | 1 | 0 | .333 | .520 | 左安 | 左飛 | 四球 | 三振 | |||||
2 | (7) | 鈴木照 | 4 | 1 | 0 | .182 | .182 | 投飛 | 右安 | ニゴ | 遊ゴ | |||||
3 | (6) | 今泉 | 4 | 2 | 0 | .316 | .435 | 左安 | 三振 | 三ゴ | 左安 | |||||
4 | (3) | 内海貴 | 3 | 2 | 2 | .421 | .522 | 二直 | 右本➁ | 右安 | 四球 | |||||
5 | (4) | 高原 | 3 | 0 | 0 | .263 | .300 | ニゴ | 三振 | 三振 | 四球 | |||||
6 | (8) | 中津 | 4 | 0 | 0 | .125 | .263 | 左飛 | ニゴ | 三飛 | 一ゴ | |||||
7 | (7) | 内海壮 | 3 | 0 | 0 | .000 | .000 | 中飛 | 三振 | 三振 | ||||||
7 | 西村 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 一飛 | |||||||||
8 | (2) | 𠮷安 | 3 | 0 | 0 | .176 | .300 | 三振 | 中飛 | 一ゴ | ||||||
9 | (1) | 篠木 | 2 | 1 | 0 | .600 | .667 | 一ゴ | 中2 | 四球 | ||||||
計 | 30 | 7 | 2 | .238 | .337 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
篠木 | 9 | 129 | 35 | 7 | 6 | 2 | 1 | 0.41 |
計 | 9 | 129 | 35 | 7 | 6 | 2 | 1 | 0.94 |
ベンチ入りメンバー
10 | 今泉颯太(法4=中京大中京) | 27 | 吉安遼哉(法3=大阪桐蔭) | 28 | 石黒和弥(法2=高岡商) |
1 | 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) | 2 | 鈴木大照(文3=明徳義塾) | 29 | 松下歩叶(営2=桐蔭学園) |
13 | 塙雄裕(法4=常総学院) | 3 | 内海貴斗(人4=横浜) | 37 | 内海壮太(法3=御殿場西) |
17 | 武冨陸(営4=日大藤沢) | 5 | 真鍋駿(文4=広島商) | 7 | 伊藤勝仁(文4=常葉大菊川) |
18 | 篠木健太郎(営3=木更津総合) | 6 | 高原侑希(法4=福井工大福井) | 8 | 福岡大真(法4=筑陽学園) |
19 | 一柳大地(人4=星槎国際湘南) | 9 | 浦和博(キャ4=鳴門) | 33 | 西村友哉(法3=中京大中京) |
21 | 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) | 23 | 品川侑生(文2=三重) | 36 | 中津大和(営3=小松大谷) |
12 | 久保田碧月(営4=高川学園) | 24 | 武川廉(人3=滋賀学園) | ||
22 | 田所宗大(キャ3=いなべ総合) | 25 | 山根滉太(文4=小松大谷) |
戦評
昨日難敵の立大相手に投手戦で粘りをみせた法大は雨での中断もありながらもなんとか引き分けとし、勝ち点1をもぎ取るべく、今日の一戦に臨んだ。
法大の先発は篠木健太郎(営3=木更津総合)。初回から3番、4番に連打を浴びるも150キロを超える直球で立大打線に火をつけさせない。
その直後の1回裏、武川廉(人3=滋賀学園)が左翼に単打を放ち、3番・今泉颯太(法4=中京大中京)も同様に安打でつなぐと、昨日3安打の4番・内海貴斗(人4=横浜)に打席が回った。痛烈な当たりを放つも二直。二塁走者の武川が飛び出ており、併殺となって得点には至らなかった。
今日の篠木は調子については「あまり調子が良くなかった」と話しながらも、調子の悪さを感じさせない投球で立大打線にチャンスの隙を与えない。
篠木の好投に応えたい打線は4回、この回先頭の鈴木大照(文3=明徳義塾)が沖政宗の初球を見事弾き返し、右前打を放つと、またもや1死2塁のチャンスで4番・内海貴に打席が回ってくる。「昨日の悔しかった思いをぶつけた」と初球のストレートをはじき返した。自身も完璧と話す一打は、中段まで届く特大の本塁打となって大きな2点を先制した。
好調の内海貴の本塁打で今日も先制した
ところが直後の5回、鈴木唯斗に初球をライト方向に持っていかれ、1点を失う。その後9番沖の左前打、1番齋藤大智の三遊間に飛んだ打球を今泉がダイビングキャッチで止め、二塁封殺を狙うも間に合わず。1死一、二塁のピンチを背負う。しかし、篠木は動じなかった。犠打を試みた2番の菅谷真之介は押し切って小フライに。篠木がつかみ2死一、二塁。ここでギアを入れなおし、初回に安打を許した3番・西川晋太郎を打ち取った。
お互いに点数が入らずロースコアのまま7回立大は継投に移り、昨日からの連投で渡部太陽がマウントに上がった。2つの三振で抑えられ追加点のチャンスを与えてくれない。それでも、8回に安打と死球で一、二塁の好機を作ると、追加点を許したくない立大は渡部に変え、連投の吉野蓮を投入。5番・高原侑希(法4=福井工大福井)を四球で歩かせ1死満塁となるも、その後が続かず。立大の継投策にはまり、追加点とはいかなかった。
ここを抑えれば勝ちとなる9回、マウンドには篠木。場内に響きわわたる声と共に力のこもった投球であっという間に2アウトにすると、またギアがかかったのかここで最速154キロの直球を見せ、観客も湧き上がった。5回に本塁打を打たれた鈴木唯に対しては少し力みが出たか四球となるも、前の回ツーベースを放った8番・鬼頭勇気を見事打ち取り、勝利の雄叫びと天真爛漫な笑顔を見せた。
二ゴロに打ち取り、二塁手の高原を指さす篠木
9回まで1人で投げ抜き、完投勝利を上げた篠木は「昨日12回まで戦っていて、明日もあるので、少しでも他の投手を楽に出来たらと思っていたので良かったです」と喜びを見せた。
明日勝てば勝ち点を取れる大事な一戦。全ての選手が意気込んでいる中、主将の今泉も「勝ち点取ります!」と力強い言葉で誓った。勝利の女神はどちらかに微笑むのか、気の抜けない試合展開から目が離せない。
(記事:高橋芽唯、写真:大嶽佑斗)