東京六大学野球2023春季フレッシュトーナメント 早大戦
2023年6月20日（火）
神宮球場
3位4位決定戦に回った法大。初回に内山陽斗（文2＝天理）の適時打で先制すると、2回にも石黒和弥（法2＝高岡商）の犠飛で追加点を挙げる。8回にもダメ押しの1点を挙げると、投手陣は4人のリレーで早大打線の反撃を阻んだ。3－0で法大が快勝し3位で春季フレッシュを終えた。
先発で好投した帯川
試合結果
トータル試合結果
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 早 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 |
| 法 大 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 12 | 0 |
（早大）●伊藤裕、中澤、倉光、齋藤成、宮城—吉田、黒﨑
（法大）○帯川、丸山、宇山、藤森粋ー川上
[本塁打]
早：
法：
打撃成績
| 打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 出塁率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | (8)4 | 浜岡 | 5 | 1 | 0 | .182 | .308 | 右安 | 右飛 | 遊飛 | 左飛 | 一ゴ | ||||
| 2 | (4) | 増田 | 3 | 1 | 0 | .444 | .455 | 三振 | 捕ゴ | 遊安 | ||||||
| R46 | 藤森康 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 投ゴ | |||||||||
| 3 | (6)5 | 松下 | 4 | 1 | 0 | .200 | .385 | 右安 | 二ゴ | 遊併 | 二飛 | |||||
| 8 | 西 | 0 | 0 | 0 | — | — | ||||||||||
| 4 | (7) | 池田 | 2 | 1 | 0 | .625 | .667 | 四球 | 右２ | 三飛 | ||||||
| H7 | 宮原 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 投ゴ | |||||||||
| 5 | (9) | 内山 | 3 | 2 | 1 | .273 | .250 | 右安① | 遊ゴ | 二安 | ||||||
| H9 | 慶野 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | ニゴ | |||||||||
| 6 | (5) | 山下 | 3 | 1 | 0 | .143 | .250 | 左２ | 遊ゴ | 一ゴ | ||||||
| 65 | 深谷 | 1 | 1 | 0 | 1.00 | 1.00 | 中安 | |||||||||
| 7 | (3) | 品川 | 1 | 1 | 0 | .143 | .143 | 投ギ | 投安 | |||||||
| H3 | 佐藤拓 | 2 | 1 | 1 | .333 | .333 | 中安① | 中飛 | ||||||||
| 8 | (D) | 石黒 | 1 | 0 | 1 | .111 | .308 | 右犠① | 三ゴ | 四球 | ||||||
| HD | 片山 | 1 | 1 | 0 | 1.00 | 1.00 | 右安 | |||||||||
| 9 | (2) | 川上 | 2 | 1 | 0 | .167 | .545 | 三安 | 三振 | 四球 | 死球 | |||||
| 計 | 31 | 12 | 3 | .264 | .375 |
投手成績
| 回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
| 帯川 | 5 | 65 | 20 | 5 | 3 | 0 | 0 | 2.34 |
| 丸山 | 2 | 24 | 7 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2.70 |
| 宇山 | 1 | 11 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0.00 |
| 藤森粋 | 1 | 9 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4.50 |
| 計 | 9 | 109 | 34 | 7 | 4 | 0 | 0 | 2.27 |
ベンチ入りメンバー
| 11 | 帯川翔宇（文2＝札幌一） | 23 | 川上陸斗（キャ2＝福岡大大濠） | 28 | 深谷謙志郎（文1＝東海大相模） |
| 13 | 赤間梢吾（キャ2＝法政二） | 27 | 中岩隼一朗（経2＝法政二） | 29 | 松下歩叶（営2＝桐蔭学園） |
| 15 | 船木佑（人2＝米子東） | 1 | 山下陽輔（営2＝智辯学園） | 4 | 慶野壮司（キャ2＝桐蔭学園） |
| 17 | 藤森粋七丞（キャ2＝青森山田） | 2 | 浜岡陸（法2＝花咲徳栄） | 7 | 池田惟音（文2＝静岡） |
| 18 | 丸山陽太（スポ2＝成東） | 3 | 品川侑生（文2＝三重） | 8 | 宮原一綺（文2＝常総学院） |
| 21 | 宇山翼（人2＝日大三） | 5 | 増田凜之介（社2＝春日部共栄） | 9 | 内山陽斗（文2＝天理） |
| 37 | 片山悠真（文1=八王子） | 6 | 石黒和弥（法2＝高岡商） | 34 | 西凌矢（法1＝広陵） |
| 12 | 岡島卓矢（経2＝掛川東） | 25 | 佐藤拓斗（スポ2＝日大山形） | ||
| 20 | 菅野樹紀（法2＝土浦日大） | 26 | 藤森康淳（営1＝天理） |
戦評
リーグ戦の延期や雨天中止を得て延期された春季フレッシュトーナメントもついに最終日を迎えた。前日に行われた慶大対立大の結果により、法大は3位4位決定戦に回ることが決定した。
その初回、先発の帯川翔宇（文2＝札幌一）が安打と盗塁で2死ながら得点圏に走者を背負うも、0点に抑える。すると、法大打線がいきなりつながりを見せた。先頭の浜岡陸（法2＝花咲徳栄）が安打を放って出塁すると、3番・松下歩叶（営2＝桐蔭学園）の安打に四球が絡んでいきなりチャンスを作る。「先制点が欲しい場面だったのでランナーを返そうという気持ちで入りました」。内山陽斗（文2＝天理）がファーストストライクをはじき返して初回から先制に成功する。
続く2回も先頭の山下陽輔（営2＝智辯学園）が左翼線へ二塁打を放って得点圏を演出。犠打で三塁へと走者を進めると、石黒和弥（法2＝高岡商）が放った飛球は犠飛には十分だった。三塁から山下が悠々と生還した。
この日の帯川は要所を締める投球で早大の反撃を阻み続ける。5回には下位打線に連打を浴びて1死一、二塁のピンチを背負う。打順は上位に返って、守備固めではあるもののリーグ戦経験がある椎名丈、松江一輝に。この場面にも帯川は崩れなった。椎名を三振に切って取ると、松江は初球を詰まらせて右飛。無失点で切り抜けた。
先発の帯川は5回無失点。先発の役割を全うした。
6回から継投に入った法大。2番手として丸山陽太（スポ2＝成東）がマウンドに上がる。丸山は2死から走者を出すも、6番・岡西佑弥の小飛球を中堅手に入った浜岡がダイビングキャッチ。守備にも盛り立てられ、6回を無失点で抑える。
するとその直後、2死ながら二塁へ走者を進めると、ここで起用されたのは佐藤拓斗（スポ2＝日大山形）。その佐藤拓が起用に応える適時打を放つ。うれしい神宮初安打で貴重な次の1点を法大にもたらした。
佐藤拓の適時打で貴重な追加点を挙げた
丸山が7回もマウンドに上がって0点に抑えると、8回に登板した宇山翼（人2＝日大三）も0点で抑える。最後はこのフレッシュを通じて抑えとして起用された藤森粋七丞（キャ2＝青森山田）が3人で抑えて試合終了。
この試合に勝利し、フレッシュは2季連続で3位という結果に。しかし、この日は投手陣が無死四球リレーを見せれば、野手陣も攻守で随所に良いプレーが見られた。着実に成長を見せるフレッシュな法大ナイン。リーグ戦の舞台で躍動するその日は近い。
（記事：皆川真輝、写真：矢吹大輔）
クローズアップ：帯川翔宇『相手の反撃を阻む好投 5回無失点で試合を作る』
先発として登板した帯川翔宇（文2＝札幌一）。力強い直球を武器に、5回無失点で試合を作った。
「リズム良く丁寧に投げることを心がけました」と帯川。初回からストライク先行で投げ込み、早大打線に得点を与えない。毎回安打を打たれるも、粘り強くストライクゾーンで勝負。走者の進塁を許さず、スコアボードに0を刻み続けた。
4回は4番・前田健伸から始まる好打順も3者凡退に切って取って迎えた5回。先頭打者を打ち取るも、ここからこの試合初めて連打を許す。しかし、ここから帯川の直球が冴えた。1番・椎名丈は2球で追い込んだ後、三振に切って取る。2番の松江一輝は初球を詰まらせて右飛。5回無失点で後続に託した。
今年2月に行われた『薩摩おいどんカップ2023』では2年生で唯一のベンチ入りを果たしたものの、リーグ戦での登板機会はなかった。来る秋のリーグ戦に向けて、伸ばしたいところには「真っ直ぐの強さと変化球のキレと精度」を挙げた。
さらなる進化を遂げた右腕から目が離せない。
（皆川真輝）
選手インタビュー
山下陽輔 選手
―今日の試合を振り返って
下位打線で点を取れたことが良かったです。ピッチャーもテンポ良く投げてくれたので、守備もリズムよく守れていました。点を取れる場面で雑に行ってしまうのは前回の試合から改善出来なかった所なので弱点として見ていきたいです。
―前回の試合から時間が空いての試合でした。
1番ダメなのは浮足立ってしまうこと。自分たちのやるべきことを理解して試合に取り組もうと意識しました。
―今日のご自身の調子の方は
インコースの直球に反応で打てていたので調子がよかったです。しかし、外のボールに体が流れてしまったのでそこは改善点です。
―ご自身は第1打席で二塁打を打ちました
長いこと調子を落としていたので、打てて嬉しかったてす。
―このフレッシュ全体を振り返って
自分たちの能力の有無や、弱点がはっきりしたと思います。これからの練習のあり方を見つめ直すいい機会になりました。
―ご自身のこれからの目標
まずはベンチに入って試合に出ること、そしてタイトルを取れるようにしたいです。
内山陽斗 選手
―今日の試合を振り返って
バッテリーが0で抑えてくれてしまった試合でした。
―初回の第1打席、どういったことを考えて打席に入られましたか
先制点が欲しい場面だったのでランナーを返そうという気持ちで入りました。
―その打席で先制適時打を放ちました
点が入ってよかったです
―これから夏に向けて取り組みたいことは
打撃を磨きます。
―ファンの方へメッセージ
応援ありがとうございました。
これからも変わらぬご声援よろしくお願いします。
帯川翔宇 選手
―今日の試合を振り返って
ヒットは打たれてたんですけど結果的にはゼロで抑えることが出来たので良かったです。
―5回無失点のナイスピッチングでした
先発だったのでリズム良く丁寧に投げることを心がけました。
―早大打線の印象は
パンチ力がある選手が多いなと感じました。
―4人の投手による完封リレーでした。チーム内で意識している選手は
全員です。
―秋に向けて伸ばしていきたいことは
真っ直ぐの強さと変化球のキレと精度です。
佐藤拓斗 選手
―今日の試合を振り返って
決勝戦に出場できなかったという悔しさを持ちながらも切り替えて、今日の試合を勝って終えることができてよかったです。
―代打での出場でした
これまでも代打での出場が何回かあったので、気持ちの準備はいつでもしています。あとは、いつ出番が来てもいいようにベンチ裏で身体を動かしていました。
―打席にはどういった心境で入られましたか
ボールに集中して、強く振るというようにシンプルに考えて打席に入りました。
―その打席で安打を放ちました。
次の一点が欲しい場面だったので、打点をつけることができてよかったです。個人的にも神宮での初ヒットなので嬉しかったです。
―ご自身のアピールポイントは
勝負強さです。
―これから取り組みたいこと
走攻守全てにおいて、レベルアップできるように練習あるのみです。
藤森粋七丞 選手
―今日の試合を振り返って
まず勝てた事は良かったと思います。
前回打たれてる中での今回の登板というのもあり多少力む場面もありましたが抑える事ができて良かったです。
―3者凡退で試合を締めました
ストレート中心に配球を組み立てる事が出来た部分は良かったですし、川上（陸斗、キャ2＝福岡大大濠）のリードもあり三者凡退で抑える事が出来ました。
―慶大戦で打たれてから修正したことは
配球です。
場面に応じての投球を修正出来たので今回のピッチングに活きてきたと感じています。
―他の投手に負けない自分の持ち味は
ストレートの勢いや質、気持ちの部分だと思います。
―秋に向けて伸ばしていきたいことは
空振りが取れるストレートや変化球の精度、まだまだ多くの課題があるので全てにおいてスキルアップをしていきます。
