2023年8月5日(土)
JR東日本カップ2023第97回関東大学サッカーリーグ
第13節 法大-筑波大
筑波大学第一サッカー場
後半戦7勝を掲げ、巻き返しに期待した前節。まさかの2点差リードを追いつかれる悪夢の展開だった。
下を向いている暇はない。顔を上げた先に待ち受ける筑波の山に挑む。現在首位と絶好調の筑波大に対して、法大は6人スターティングメンバーを入れ替えて挑んだ。
前半は中川敦のバー直撃シュートなどがあり、ゴールに近いエリアでプレーを重ね、守備でもきっちり抑えて0-0で前半を折り返す。
勝負の後半。前半の勢いをそのままに勝負にかけたいところだったが、ミスを突かれ失点を喫すると、気付けば3失点。攻撃陣も筑波大の堅い壁を打ち崩せずにタイムアップ。
まさかのリーグ戦7試合勝ちなしの法大、順位を一つ落とし入れ替え戦の順位に回った。下を見ている余裕などない。これ以上下には行けない。中断前最後の試合、次節・流経大戦は何としてでも勝利が必要だ。プロチームへの練習参加や、けが人の影響で、厳しい台所事情も待ち受けているが、「アミノバイタル®」カップで見せた総力戦を、改めて体現してほしいところだ。
惜しいシュートもあった中川敦。次節こそ勝利に導くゴールに期待がかかる。
試合結果
トータル試合結果
0
法政大学 |
0 |
前半 |
0 |
3
筑波大学 |
0 |
後半 |
3 |
試合スタッツ
時間 |
経過 |
大学 |
選手名 |
得点経過 |
54分 |
得点 |
筑波大 |
田村蒼生 |
0-1 |
63分 |
交代 |
法大 |
松村晃助→細谷航平 |
|
|
交代 |
法大 |
久保征一郎→小湊絆 |
|
74分 |
得点 |
筑波大 |
角昂志郎 |
0-2 |
77分 |
交代 |
法大 |
島田春人→櫻井稜 |
|
|
交代 |
法大 |
林航輝→中村翼 |
|
|
交代 |
法大 |
溝口駿→小池直矢 |
|
81分 |
得点 |
筑波大 |
瀬良俊太 |
0-3 |
スターティングメンバー
背番号 |
ポジション |
選手名 |
学部・出身校 |
1 |
GK |
中川真 |
スポ4・徳島市立 |
3 |
DF |
木村恵風 |
経済3・横浜F・マリノスユース |
6 |
DF |
松岡迅 |
経済4・前橋育英 |
16 |
DF |
島田春人 |
社会1・横浜F・マリノスユース |
18 |
DF |
日高華杜 |
経済2・大津 |
11 |
MF |
中川敦瑛 |
経済3・横浜FCユース |
13 |
MF |
林航輝 |
現福4・清水エスパルスユース |
14 |
MF |
吉尾虹樹 |
現福4・横浜F・マリノスユース |
22 |
MF |
溝口駿 |
経済3・法政二 |
23 |
MF |
松村晃助 |
経済3・横浜F・マリノスユース |
9 |
FW |
久保征一郎 |
経済4・FC東京U-18 |
サブメンバー |
21 |
GK |
川﨑淳 |
社会2・浦和レッズユース |
26 |
DF |
梅津龍之介 |
経済1・鹿島アントラーズユース |
30 |
DF |
大迫蒼人 |
経済2・FC東京U-18 |
4 |
MF |
細谷航平 |
経済4・サンフレッチェ広島ユース |
24 |
MF |
小池直矢 |
現福1・前橋育英 |
25 |
MF |
中村翼 |
経済3・横浜F・マリノスユース |
28 |
MF |
浅野直希 |
経済2・G大阪ユース |
29 |
MF |
青木俊輔 |
社会3・東福岡 |
27 |
FW |
小湊絆 |
スポ1・青森山田 |
試合後順位表
順位 |
大学名 |
勝点 |
試合数 |
勝-分-負 |
得点/失点 |
得失点 |
1位 |
筑波大 |
30 |
13 |
9-3-1 |
36/14 |
22 |
2位 |
流通経済大 |
24 |
13 |
7-3-3 |
25/22 |
3 |
3位 |
東京国際大 |
22 |
13 |
6-4-3 |
19/15 |
4 |
4位 |
日本大 |
20 |
13 |
5-5-3 |
21/14 |
7 |
5位 |
明治大 |
19 |
13 |
7-4-2 |
27/15 |
12 |
6位 |
桐蔭横浜大 |
19 |
13 |
5-4-4 |
28/21 |
7 |
7位 |
東洋大 |
19 |
13 |
6-1-6 |
25/21 |
4 |
8位 |
東海大 |
15 |
13 |
4-3-6 |
14/18 |
-4 |
9位 |
拓殖大 |
13 |
13 |
3-4-6 |
16/37 |
-21 |
10位 |
法政大 |
12 |
13 |
2-6-5 |
20/27 |
-7 |
11位 |
国士館大 |
7 |
13 |
1-4-8 |
12/25 |
-13 |
12位 |
中央大 |
6 |
13 |
1-3-9 |
15/29 |
-14 |
試合スタッツ
節 |
日付 |
対戦校 |
結果 |
会場 |
1 |
4月2日 |
東洋大 |
〇2-1 |
非公開 |
2 |
4月8日 |
国士館大 |
△2-2 |
国士舘大学楓の杜キャンパスサッカー場 |
3 |
4月15日 |
東海大 |
△2-2 |
東海大学湘南キャンパスサッカー場 |
4 |
4月29日 |
拓殖大 |
△2-2 |
相模原ギオンスタジアム |
5 |
5月13日 |
筑波大 |
●1-5 |
味の素フィールド西が丘 |
6 |
5月27日 |
中大 |
〇4-2 |
法政大学城山サッカー場 |
7 |
6月3日 |
日大 |
△1-1 |
法政大学城山サッカー場 |
8 |
6月10日 |
明大 |
●1-2 |
法政大学城山サッカー場 |
9 |
6月17日 |
東京国際大 |
△1-1 |
法政大学城山サッカー場 |
10 |
7月15日 |
流通経済大 |
●1-2 |
法政大学城山サッカー場 |
11 |
7月23日 |
桐蔭横浜大 |
●0-1 |
ニッパツ三ツ沢球技場 |
12 |
7月29日 |
中大 |
△3-3 |
中央大学多摩キャンパスサッカー場 |
13 |
8月5日 |
筑波大 |
●0-3 |
筑波大学第一サッカー場 |
14 |
8月12日 |
流通経済大 |
- |
流通経済大学龍ヶ崎フィールド |
15 |
9月30日 |
日大 |
- |
スポーツ日大 アスレティックパーク稲城 サッカー場 |
16 |
10月7日 |
拓殖大 |
- |
拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場 |
17 |
10月14日 |
東京国際大 |
- |
東京国際大学坂戸キャンパス第一グラウンド |
18 |
10月22日 |
明大 |
- |
AGFフィールド |
19 |
10月28日 |
東海大 |
- |
法政大学城山サッカー場 |
20 |
11月4日 |
桐蔭横浜大 |
- |
法政大学城山サッカー場 |
21 |
11月11日 |
国士舘大 |
- |
法政大学城山サッカー場 |
22 |
11月18日 |
東洋大 |
- |
埼玉スタジアム2002 第2グラウンド |
マッチレポート
前節、3得点しながらも終盤に追いつかれ勝ち点2を失う痛いドローとなった法大は今節、敵地で首位・筑波大を迎え撃つ。スターティングメンバーは前節から6人変更。中でも今野息吹(経4=三菱養和ユース・ガンバ大阪内定)、モヨマルコム強志(現4=東福岡・V・ファーレン長崎内定)、渡邉綾平(経4=前橋育英・サガン鳥栖内定)などJ内定組の実力者の不在が目立った。まさに法大サッカー部の”総力”が試される試合となった。
前半開始直後から 法大はピンチを迎える。3分、DF背後にパスを通され、自陣ゴール前に折り返されるが松岡迅(経4=前橋育英)がカット。続く5分 、GK中川真(スポ4=徳島市立)がクロスを落ち着いて処理し、立ち上がりの集中した守備を見せる。押し返したい法大は6分、相手PA付近でボールを受けた中川敦瑛(経3=横浜FCユース)が左足でコントロールされたシュートを放つが惜しくもクロスバーに阻まれる。その後21分、日高華杜(経2=大津)の素晴らしいフィードから左サイドに抜け出した溝口駿(経3=法政二)が狙いを定めたシュートを放つもGKにキャッチされる。攻撃の手を緩めない法大は25分中川から溝口にパスが渡りシュート、だが枠を大きく外れる。筑波大はサイドを中心に法大を攻略しようと試みるが、守備でも島田春人(社1=横浜F・マリノスユース)と日高が立ちはだかりピンチを未然に防ぐ活躍もあり、ゴールを割らせないまま前半終了。法大は首位筑波大の攻撃陣を相手に0点に抑え、攻撃でも相手とのデュエルから素早く相手のスペースをつきゴールを脅かすなど、後半へ期待が持てる内容であった。
後半開始早々、バックパスの処理が中途半端になり、危うく自陣ゴールに吸い込まれそうになるも、後半序盤は法大ペース。48分、53分にゴールに迫るが、試合が動いたのは54分。左サイドを崩され中央にパスが渡りGKが対応するも、かわされ先制点を献上してしまう。追いつきたい法大は59分、久保征一郎(経4=FC東京U-18 ・水戸ホーリーホック内定)のフリックから中川敦が抜け出すもシュートには至らない。69分、途中出場の小湊絆(スポ1=青森山田)が裏に抜けチャンスを迎えるも、相手DFがイエロー覚悟でブロックし、シュートを放てない。その後も果敢にゴールに迫る法大であったが、74分 右サイドを攻略され、PA内でシュートを打たれてしまい、ここまで好調のGK中川も為す術なく痛恨の追加点を与えてしまう。81分、またも筑波大の鋭いカウンターを受ける。相手MFに運ばれたボールは左ウイングにわたり中央に折り返されそれを決めきられ3点目を奪われ、ここで試合終了。前半は耐え凌ぐも後半は首位の力を見せつけられ0-3での敗戦となった。
リーグ戦は2ヶ月勝てていない状況が続き”残留争い”の文字が徐々に浮かび上がってきてしまっている法大。前半の出来や今節リーグ戦デビューを果たした櫻井稜(経1=鹿島学園)の活躍などポジティブな面も見受けられた。9/1から行われる総理大臣杯へ勢いづけるためにも修正点を分析し、総力を挙げて次節流経大戦は勝利したいところだ。法大サッカー部なら彼らが掲げている”法政に関わる全ての人々を笑顔に”を必ずや達成してくれるに違いない。
(取材:山口晴暉、大草拓馬、中田沙羅 撮影:大隈慶吾)
吉尾主将、この困難をいかにして乗り越えるか。
試合後インタビュー
井上監督
ー前半を振り返って
前半に関しては、守備はある程度狙い通りでした。攻撃は少し狙い通りにはいかなかったけれど、0-0で帰ってきたのは、非常に狙い通りで良かったと思います。
ー後半を振り返って。今回も勢いがなくなったように感じました
やっぱりそう感じるか…だから多分そこを感じさせてはダメなんだよね。今週特にどんなことがあっても下を向かないとか、ネガティブな感情、雰囲気をどんな状況でも押し殺して、前向きに、勝つためにやっていこうと言っていた。京都(サンガ)の曺(貴裁)さんが鹿島アントラーズとやった時に負けて、帰ってきてオフ明けの練習でやっぱりテンションがちょっと落ちて、下を向いている選手がいて、そのネガティブな感情、雰囲気は絶対にやめろと。何故かって、それが相手の栄養になるから。そういうのは全部持っていかれるんだよって。その話を聞いてみんなに伝えて、どんな状況でもと言っていたけど、やっぱり感じるよね…
ーセットプレーからの失点はなかった
攻守において、先週から分析の子に色々任せてやっていた。俺がやるとやっぱり大体20分くらいで終わるんだけど、1時間くらいかけて前日にやっているから、その成果が出ていると思います。
ー林、日高、中川真選手のクオリティ
林に関しては、ポジティブな発信が出来る子で、明るくて、常に前向きに出来る子なので、やっぱり難しい状況の時に出したい選手。どんな状況でも練習を前向きにやっているからこそ今日出しました。俺の中ではちょっと攻撃のところはもう少しやってもらいたいけど、まあそんなことよりも今日彼の役割は果たしたと思います。
後は日高のところも、もう少しビルドアップのところと、守備のところでも内側走られるというのが前半1発あったよね。あれは気をつけろっていうのは言っています。
(中川)真も1発だけいけなかった。後半最初の、ちょうど迷って、多分島田がバックパスしたやつ。他のキーパーに聞いたら真っ直ぐ来るボールは難しいんですっていう話はしていたんだけど、それが結構多くて、ああいうシーンがあると気持ち的にも動揺っていうのがあるから、気をつけろよとは言っています。
ーDF出場の島田選手 ビルドアップにおいて攻撃のバリエーションを増やしていたように感じました
彼はビルドアップのところで幅を取ったりとか、3枚にした時に、ボランチもやっていたからボランチも出来たりとか、溝口との関係性で、溝口は外に張って仕掛ける方が好きだから、そこの関係性でインナーラップしたりとか、結構自然と出来るタイプ。そこはもう組み合わせで置いておけば、ああいう狙いも出来るし、本当に良さは出たね。
ー櫻井選手 リーグ戦デビュー
モヨが脳震盪になって、(今野)息吹もガンバに行っていて、大迫も怪我。誰もいない、もうあげるしかないと。Iリーグで頑張ってるっていうのがそもそもあるから、こっち(関東リーグ)でやっても良いんだけど、こっちでやっちゃうと(Iリーグの)試合に出られなくなる。だからIリーグでっていうのはあるけど、元々力はある子だからね。彼の良さは、結構テンションが高くて、明るいところ。意外とちゃんとやっていたので良かったです。
ー小池選手 面白い仕掛けもありました
中々他の選手と違うタイプだから、面白い感覚ではあるね。しかもクロスからのヘディングとかも凄く良いものを持っている。だけどこういうゲームになってしまうと、最初から使うと守備のところであまり気を利かせられないから、途中からとなる。あとはやっぱり1年生だから、まだ身体のところが出来てないなっていうので、正直当たり負けしちゃったりとかはある。このグラウンドでも滑らない、力強さとか体幹とかが欲しいです。
ー次節、流経大戦に向けて
今回すごく良い環境でサッカーさせてもらって本当に感謝していて、次も天然芝でその環境にも感謝しつつ、勝てるように、勝って大臣杯に行けるようにしたいです。そのためにはもう1回ベースの部分、戦うっていうところ。やっぱり後半湿った空気を感じさせてしまったというところは、改めて、どんな状況でも勝つっていう気持ちを90分最後まで出し続けて、粘り強く勝ちたいです。頑張ります。