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【テニス】2023年度全日本学生選手権(インカレ)本戦 男子ダブルス決勝 激戦を制した大田・加藤木ペアがインカレ完全制覇! 3度目の優勝を果たした!

2023年度全日本学生選手権(インカレ)本戦
2023年8月14日(月)~8月21日(月)
四日市テニスセンター

多くの観客が見つめるなか行われた決勝戦。試合はスーパータイブレークにもつれる大激戦となったが、最後制したのは大田・加藤木ペア。関東学生テニストーナメントに続き3度目の優勝を果たした。

笑顔を見せる大田・加藤木ペアと植村直己監督

結果

男子ダブルス決勝

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
大田空(スポ4)・加藤木塁(経4) 6-4,6(3)-7,10-6 中留諒太 ・其田怜(関学大)

男子ダブルス決勝

いよいよ迎えた決勝の大舞台。大田・加藤木ペアは、3度目の優勝を狙い、関学大の中留諒太 ・其田怜ペアと対戦した。過去2度の優勝を経験をしている大田と加藤木はファーストセットから安定の強さを発揮する。1ゲーム目から大田の強烈なストレートショットでポイントを奪うなど、いきなりブレイクを奪う幸先良いスタートを切る。その後ゲームカウント5-4とし迎えた10ゲーム目。ここも加藤木の安定かつ強烈なサーブに相手が対応できず4連続ポイントを奪い、ファーストセットを取る。しかしセカンドセットは相手も粘りのテニスで徐々に対応し始める。どちらのペアも一切ミスのない一歩も譲らない展開が続くが、タイブレークでは中留と其田の正確なショットが炸裂するなど、このセットを落とし、試合は運命のスーパータイブレークへともつれ込む。1ポイントの重要性が高まる緊張感のある時間が流れる中、僅差の試合展開が続く。僅差の中7-6と大田・加藤木ペアが1ポイントリードすると、加藤木のコート端への絶妙なバックハンドリターンや相手のボレーミスで9-6とし、勝利まであと1ポイントの状況を迎える。そして最後の1ポイントを相手のリターンミスで奪い、見事優勝。優勝を決めた瞬間、大田と加藤木は抱き合い喜びを爆発させた。激闘の戦いを終え、堂々の成績を収めた2人に、多くの観客から惜しみない拍手が送られた。


優勝の瞬間、抱き合う大田・加藤木ペア。

 (記事、写真:脇野剛)

監督・選手コメント

植村直己監督

―大田・加藤木ペアの優勝をどのように捉えているか
大田と加藤木が、室内テニス選手権大会と春に行われた関東学生テニストーナメントで優勝を収めていたことから今回の大会は第1シードに入りましたが、のびのび試合ができるというよりは、勝たなければいけないというプレッシャーの中で試合をしていたと思います。ただ彼ら2人の特徴でもあるサービスキープを必ずするということが苦しみながらも、今大会では実行できていたので、負けなかったのかなと思います。決勝も状態としてはあまり良くなかったと思いますが、その状況でも2人ができることをしっかりやっていましたし、最後のスーパータイブレークの場面で2人が思い切りのあるプレーができたのは良かったと思います。日頃のアップやトレーニングももちろんそうですけど、やはり今まで何度も苦しい試合を拾ってきたからこそ、最後に経験の差が表れたのかなと思いますし、勝因にもつながったと思います。

―相手の印象
今日の決勝の相手は1戦1戦粘り強く勝ってきたペアだったので、今日もその粘り強さが非常に出ていました。崩れそうになる時もあるんですけど、相手もチャレンジャーなので思い切りよく向かってきたかなと思います。思い切りが良い時はサーブもレシーブも精度が良かったので、手強い相手でしたが最後の最後で相手が少し引いてくれたというかサーブを入れに来た感じがしたので、そこでうちらがリターンを奪えたのが大きかったです。お互いのペアにあまり差はなかったので、こちらが負けていた可能性も十分ありましたし、本当にどちらに転んでもおかしくない試合だったと思います。ただ相手にリードを奪われても離されずについていけたのでプレッシャーは与えられたと思います。

―大田・加藤木ペアの状態については
調子はあまり良くなかったと思います。ただその状況でもサービスゲームでは加藤木がサーブを打って大田がボレーやスマッシュを打つケースや、大田がサーブを打つときは加藤木が前に出てポイントを取るという形が今大会では比較的できていたかなと思います。

―試合後2人にはどのような声をかけたか
調子が良い時に勝つことももちろん大事なのですが、調子が悪い時にどれだけ勝負できるかが重要になってくると思うんですよね。そのなかで相手はチャレンジャーという立場でやってくるわけですから、もちろん勝たなければならないというプレッシャーはあります。接戦に今日もなりましたけど接戦をしっかり勝ち切ったのは今後の自信につなげていってもらいたいですね。彼らの本来の調子を考えれば今大会は状態は60%くらいだったかなと思いますが、そのコンディションでも負けなかったということは非常に良かったよと彼らに伝えました。

―結果を出す選手が増えてきて、楽しみな要素が増えてきているのでは
去年史上初めてインカレでダブルス出場できるペアがいなかったんですよね。ダブルスで勝てるペアを作らないといけないと強い危機感を持ち今年はいろんなペアを試してみたり、対抗戦に出場して可能性を探ってみたりしてダブルスの練習に多く時間を割きました。その時間があったからこそインカレで3ペアがベスト16以上という結果を残して、予選から勝ち上がったペアもいましたし、成果が表れたのかなと思います。一方でシングルスのほうは選手は出てきてはいるのですが、決勝の最後で負けたりとか、惜しい試合を落としたりと結果という部分がまだついてきていないのかなと思います。今度はシングルスのほうを鍛える必要があるのかなと思います。

―シングルスがあまり結果が出ていない要因は
まだまだ試合経験が浅いのが要因だと思っていて、試合の組み立て方をもう少し勉強していく必要がありますね。そのなかでも新井はだいぶ試合のやり方がうまくなってきましたからね。その試合のやり方さえ考えれば、ランキングを上げることができると思います。あと春の関東学生トーナメントである程度勝たないとインカレでシードがつかないんですよね。そこで予選からとなるとやはり体の疲れも出るだろうし、出たとしてもなかなか難しい戦いになるので、春の関東学生トーナメントで勝てるように選手は意識してほしいですね。

―期待している選手は
たくさんいるのですが、新井がシングルスでもダブルスでも厳しい試合を戦い抜いています。彼の成長というのは他の選手にとってすごく刺激になるんじゃないかなと思います。あと大西も負けてはしまったのですが、シングルスも良くなってますし、ダブルスでも結果を出してきているので、あとはシングルスで結果が欲しいかなと。2年生でいえば山田・原田ペアは春関のときは、この2人大丈夫かと思ってましたけど、今大会では厳しい予選を勝って、本戦でも2勝しましたからね。試合に勝つことによってダブルスとしての形が見えてきますし、選手には厳しい試合をものにするという経験をたくさんしてもらいたいですね。そういう経験をすると誰でもどんどん強くなってくるんですよね。練習している時間は限られていますが、たくさん努力をして試合経験を積んでいってもらいたいです。

―試合経験の差はやはり大きいか
そうですね。試合の経験もそうですけど、やっぱり勝たなくてはいけなくて、惜しい試合ではダメなんですよね。その惜しい試合を勝ち切ることができればより成長しますし、自信につながりますからね。

―課題は
シングルスの練習はもちろんそうですけど、もっと粘り強くなってもらいたいという思いがありますね。攻撃力は良いんですけど守備力がもろい時があるので、そこは改善しないといけない。あとは判断力ですね。勇気をもってネット際に出てみるとかそういう判断がまだうちには欠けている部分かなと思いますね。リードした後に守りに入るのではなく、さらに勇気をもってチャレンジして、強気に攻めることができると勝ちが転がることもあるんですよ。消極的な部分はなくしていきたいですよね。

―次のリーグ戦に向けて
次は関東リーグなんですけど、インカレ見たらわかる通り、男子シングルスベスト8のうち7人が関東なんですよね。関東の人のほうが勝ち残っている割合が高いし、慶應さんであったり日大さんであったり、強い相手と戦わなければならないので、どうなるかはわからないです。ただダブルスは十分戦えると思っていますし、シングルスのほうもなんとか食らいついていってほしいなと思います。先ほども言いましたけど厳しい試合をどれだけ勝てるかここに尽きるのかなと思います。今大会負けてしまった人も今リーグ戦に向けて準備をしてくれていると思いますけど、ダブルスでまず勢いをつけて、試合に勝つことで選手にはとにかく自信をつけてもらえれば良いなと思います。

 

大田空・加藤木塁

―優勝しての率直な感想
大田:第1シードで来ているというプレッシャーもあり、気持ちよくテニスができる試合はほとんど無かったのですが、1試合ずつ勝利を積み重ねることができたのは良かったのかなと思います。それと同時に今後に生きるような勝ち方ができたのかなと思います。

ーコンディションは
大田:良くなかった割には、勝ち進むことはできたのですが、最後は勝負できるかできないかという気持ちの部分が重要だったと思います。強気で攻めるという選択をできたことは良かったと思います。インカレやインドアの時とは少し違ったような戦い方で勝つことができたのは、自分にとっても勉強になりましたし、今後にもつながっていくと思います。
加藤木:体も少し重かったこともあり100%調子が良いわけではなかったのですが、そのなかでも自分のできる最大限の力を尽くして試合に入ろうと思っていたので、その意識が試合の中で作用したのは良かったと思います。

―相手の印象は
大田:向こうのペアもずっと組んでいるペアだったと思うので、役割もしっかり自分たちで把握していましたし、攻め方守り方ともに確立されていました。だからこそ崩すのが難しかったですね。
加藤木:1、2回戦だったら返ってこないようなボールを最後まで追いかけてきて返されたケースが何回もありましたし、1球多いポイントが多かったので、苦しめられた部分はありました。どう対処するかを考えながらプレーしていました。

―勝因は
大田:最後のほうで相手が少し引いてくれた部分があって、そこをうまくつけこめたというか、仕留めることができたのは良かったと思います。
加藤木:プレーの面というよりは気持ちの面ですね。最後まで自分たちのプレーをするんだという強い気持ちを持ってプレーできたことが大きかったと思います。

―他の大会に比べて今回の優勝はまた格別な喜びがあるのでは
大田:実感がまだあまり湧かないというのが正直な感想ですが、本当にほっとしています。明日明後日くらいになって日が経ってくると実感も湧いてくるんでしょうけど、またすぐリーグ戦も始まりますし少しの間だけ喜びに浸って、その後は切り替えてリーグ戦に臨んでいきたいと思います。
加藤木:4年生で最後の大会で、しかも全国大会という舞台で優勝できたことは、他の大会とは違うような喜びがありますね。

―リーグ戦に向けての意気込み
大田:最後の試合なので笑って終わりたいですが、相手も強敵ばかりなのでそう簡単にはいかないかもしれません。みんなで力を合わせてチーム一丸となって頑張りたいと思います。
加藤木:まずは1戦1戦集中して目の前の試合を勝てるように頑張りたいと思います

 

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