2023年11月4日(土)
JR東日本カップ2023第97回関東大学サッカーリーグ
第20節 法大-桐蔭大
法政大学城山サッカー場
主将・吉尾のアシストに木村が押し込み、10試合ぶりの先制点で沸く城山。初出場・前田の突破で得たPKを髙橋が沈め2点のリードを得た法大。5か月ぶりの歓喜まで、あと数秒だった。ラストプレーでCKからの失点を喫し、リーグ戦勝ちなしは14に伸びた。
次節国士舘大戦、結果次第では降格が決まる非常に重要な一戦。暗雲漂う法大に、太陽のごとく光を照らすセンスは現れるのか。今ヒーローになるとき。
2試合連続ゴールの髙橋馨希。右サイドハーフを担えばリーグでもナンバーワンクラスのクオリティを見せる。
試合結果
トータル試合結果
2
法政大学 |
1 |
前半 |
0 |
2
桐蔭横浜大学 |
1 |
後半 |
2 |
試合スタッツ
時間 |
経過 |
大学 |
選手名 |
得点経過 |
45分 |
得点 |
法大 |
木村恵風 |
1-0 |
62分 |
得点 |
法大 |
髙橋馨希 |
2-0 |
67分 |
交代 |
法大 |
大畑凜生→青木俊輔 |
|
70分 |
得点 |
桐蔭大 |
肥田野蓮治 |
2-1 |
78分 |
交代 |
法大 |
髙橋馨希→久保征一郎 |
|
88分 |
交代 |
法大 |
前田康尋→松村晃助 |
|
90+1分 |
交代 |
法大 |
梅津龍之介→松岡迅 |
|
90+6分 |
得点 |
桐蔭大 |
渡邊啓吾 |
2-2 |
スターティングメンバー
背番号 |
ポジション |
選手名 |
学部・出身校 |
1 |
GK |
川﨑淳 |
経済2・浦和レッズユース |
3 |
DF |
木村恵風 |
社会3イェン横浜F・マリノスユース |
7 |
DF |
今野息吹 |
経済4・三菱養和SCユース |
17 |
DF |
薬師田澪 |
経済2・大津 |
26 |
DF |
梅津龍之介 |
経済1・鹿島アントラーズユース |
8 |
MF |
渡邉綾平 |
経済4・前橋育英 |
10 |
MF |
髙橋馨希 |
社会4・常葉大橘 |
11 |
MF |
中川敦瑛 |
経済3・横浜FCユース |
14 |
MF |
吉尾虹樹 |
現福4・横浜F・マリノスユース |
30 |
MF |
前田康尋 |
経済1・浜松開誠館 |
20 |
FW |
大畑凜生 |
現福2・矢板中央 |
サブメンバー |
1 |
GK |
中川真 |
社会2・浦和レッズユース |
6 |
DF |
松岡迅 |
経済4・前橋育英 |
18 |
DF |
日高華杜 |
経済2・大津 |
15 |
MF |
揖斐俊斗 |
経済3・柏レイソルU-18 |
23 |
MF |
吉尾虹樹 |
経済1・横浜F・マリノスユース |
25 |
MF |
中村翼 |
経済3・横浜F・マリノスユース |
29 |
MF |
青木俊輔 |
社会3・東福岡 |
9 |
FW |
久保征一郎 |
経済4・FC東京U-18 |
19 |
FW |
石井稜真 |
経済3・アビスパ福岡U-18 |
試合スタッツ
節 |
日付 |
対戦校 |
結果 |
会場 |
1 |
4月2日 |
東洋大 |
〇2-1 |
非公開 |
2 |
4月8日 |
国士館大 |
△2-2 |
国士舘大学楓の杜キャンパスサッカー場 |
3 |
4月15日 |
東海大 |
△2-2 |
東海大学湘南キャンパスサッカー場 |
4 |
4月29日 |
拓殖大 |
△2-2 |
相模原ギオンスタジアム |
5 |
5月13日 |
筑波大 |
●1-5 |
味の素フィールド西が丘 |
6 |
5月27日 |
中大 |
〇4-2 |
法政大学城山サッカー場 |
7 |
6月3日 |
日大 |
△1-1 |
法政大学城山サッカー場 |
8 |
6月10日 |
明大 |
●1-2 |
法政大学城山サッカー場 |
9 |
6月17日 |
東京国際大 |
△1-1 |
法政大学城山サッカー場 |
10 |
7月15日 |
流通経済大 |
●1-2 |
法政大学城山サッカー場 |
11 |
7月23日 |
桐蔭横浜大 |
●0-1 |
ニッパツ三ツ沢球技場 |
12 |
7月29日 |
中大 |
△3-3 |
中央大学多摩キャンパスサッカー場 |
13 |
8月5日 |
筑波大 |
●0-3 |
筑波大学第一サッカー場 |
14 |
8月12日 |
流通経済大 |
●2-4 |
流通経済大学龍ヶ崎フィールド |
15 |
9月30日 |
日大 |
●0-1 |
スポーツ日大 アスレティックパーク稲城 サッカー場 |
16 |
10月7日 |
拓殖大 |
●1-2 |
拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場 |
17 |
10月14日 |
東京国際大 |
●2-4 |
東京国際大学坂戸キャンパス第一グラウンド |
18 |
10月22日 |
明大 |
●1-2 |
AGFフィールド |
19 |
10月28日 |
東海大 |
●1-5 |
法政大学城山サッカー場 |
20 |
11月4日 |
桐蔭横浜大 |
△2-2 |
法政大学城山サッカー場 |
21 |
11月11日 |
国士舘大 |
- |
法政大学城山サッカー場 |
22 |
11月18日 |
東洋大 |
- |
埼玉スタジアム2002 第2グラウンド |
マッチレポート
前節の衝撃的な大敗から1週間。残留に向けて、なんとしても残り3試合勝つしかない法大サッカー部は、スタメンを大幅に入れ替え、薬師田澪(経2=大津)、前田康尋(現1=浜松開誠館)が関東リーグデビューを飾った。
前半から法大は積極的に攻める。7分、初スタメンの大畑凜生(現2=矢板中央)のスルーパスから、サイドの中川敦瑛(経3=横浜FCユース)が絶妙なクロス。中で待つ前田のもとにボールが渡るも、ここはキーパーに阻まれ得点を奪うことは出来ない。12分には後方の薬師田が、この日SB起用でサイドを駆け上がる木村恵風(社3=横浜F・マリノスユース)へ「強み」と語るロングボールを蹴り込み、木村がクロスをあげるがこれは繋がらない。22分、中川敦が相手ボールをカットし、そのまま前に進むとシュートを放つが、惜しくも枠の外へ。一進一退の攻防が続く中、45分。細かくパスを繋ぐと、中央で吉尾虹樹(現4=横浜F・マリノスユース・ファジアーノ岡山内定)が倒れ込みながら、無人のサイドへラストパス。そこへ走り込んだ木村が強烈なミドルシュートを決め、先制に成功する。木村のうれしい初ゴールで、リーグ戦10試合ぶりとなる先制点を得て1-0で折り返す。
エンドの変わった後半、追加点の欲しい法大だが、前半とは変わり相手にパスを多く繋がれ、危ない局面が増える。しかし前田、大畑を中心とする前線からの積極的なプレスや、薬師田、川﨑淳(社2=浦和レッズユース)らの締まった声かけで集中を切らさない。すると17分、パスを受けた前田が中央でドリブル突破。エリア内で倒されPKを獲得すると、これを髙橋馨希(社4=常葉大橘・カターレ富山内定)が落ち着いて沈め、追加点を得る。更なる得点を狙いたいところだったが、ここまで全力で走り続けてきた選手たちにも疲れが見え始める。25分、サイドに展開されると、そのまま中へ持ち込まれる。一度は川﨑がはじくも、最終的に押し込まれ、1点差となる。点差を広げたい法大。30分に再び中川敦が突破をはかり、エリア内で倒されたかのように見えたが、こちらも笛は鳴らず。37分には、抜け出した青木へのタックルもノーカード。井上監督も抗議するが、ジャッジには恵まれない。39分にも中央でパスを受けた中川敦がミドルシュートを放つが、わずかにゴールからはずれてしまう。攻撃の手を緩めず、勝利も目前に思えた後半45+6分。CKの流れからゴールを叩き込まれ、まさかの同点。そしてそのまま試合終了のホイッスル。
またしても、終了間際の失点で勝利を逃してしまった法大。しかし連敗は7で止め、久しぶりの勝ち点1を得ることは出来た。さらに、新戦力となった選手たちも十二分な働きを見せた。次節はホーム城山での最終戦、ここを落とすと残留への道は途絶える。多くのファン、サポーターが集まる城山で、待望の勝利を掴みとってくれるだろう。
(記事:中田沙羅 撮影:白戸大貴、矢花怜奈)
喜ぶ選手たち、これが“結心”だ。
試合後順位表
順位 |
大学名 |
勝点 |
試合数 |
勝-分-負 |
得点/失点 |
得失点 |
1位 |
筑波大 |
46 |
20 |
14-4-2 |
50/20 |
30 |
2位 |
明治大 |
37 |
20 |
13-4-3 |
50/27 |
23 |
3位 |
東京国際大 |
37 |
20 |
11-4-5 |
31/22 |
9 |
4位 |
流通経済大 |
36 |
20 |
11-3-6 |
40/37 |
3 |
5位 |
日本大 |
31 |
20 |
8-7-5 |
34/25 |
9 |
6位 |
桐蔭横浜大 |
28 |
20 |
7-7-6 |
38/31 |
7 |
7位 |
東洋大 |
26 |
20 |
7-5-8 |
36/35 |
1 |
8位 |
東海大 |
23 |
20 |
6-5-9 |
25/28 |
-3 |
9位 |
拓殖大 |
17 |
20 |
4-5-11 |
22/56 |
-34 |
10位 |
中央大 |
15 |
20 |
3-6-11 |
24/38 |
-14 |
11位 |
国士舘大 |
14 |
20 |
3-5-12 |
25/38 |
-13 |
12位 |
法政大 |
13 |
20 |
2-7-11 |
29/47 |
-18 |
選手インタビュー
前田康尋
ー試合をふりかえって
関東リーグデビュー戦でスタメンということで、自分がやることは明確であったし、チームの今の状況も踏まえて少しでも自分が出来ることを精一杯やろうと思ってピッチに入りました。結果には繋がらなかったけれど、自分的には役割を果たせたのかなと思います。
ー初スタメン勝ち取った心境
嬉しい半面、驚きや緊張もありました。様々な感情がありましたけど、とにかく嬉しかったです。
ーPK取った時の気持ち
結果を残さないといけなかったので、PKに繋げられて、結局馨希くん(髙橋)が決めてくれたので、その時は単純に嬉しかったです。
ー監督の指示や周りとの連携どうだったか
守備のところで、相手のCBに圧かけろっていうのは監督から指示があったので、そこはひたむきに出来たのと、いつも試合に出てる3、4年生などの先輩達が試合中にも今週の練習中にもずっと声をかけてくれていたので、自分の良さを引き出してくれたと思います。
ー次の試合に向けて
チームは今難しい状況ですけど、自分が試合で活躍してまたスタメンを取れるように頑張るのと、何か変えられるように明日から切り替えて頑張っていきたいなと思います。
薬師田澪
ー試合を振り返って
初先発、デビュー戦ということで、自分は後ろから声をかけることが役割なので、チームを後ろから引っ張る形で、(吉尾)虹樹くんや(渡邉)綾平くんみたいに後押しするような声を常にかけるというのは平さんにも言われましたし、みんなからも自信を持ってと言われたので、自信を持ってやることが出来ました。
ープレー面において心がけたこと
自分は競り合いとロングボールが武器で、本当はボランチなんですけど、CBは今年の夏頃からIリーグでやるようになって、トップチームに上がって初めてこうやって関東リーグに出て、自信を持ってやれるようになりましたし、常に相手の背後の狙いを持ってやったりとかでチームに貢献するという感じでした。
ー終了間際の失点
あれは本当に、90分くらい全力でやって残り1分で、セットプレーの難しい状況だったんですけど、最後の最後で泣くという感じだったので、自分はデビュー戦でしたけどすごく悔しかったです。
ー次節に向けて
次の試合に出られるか分からないですけど、自分が出られたら自分の役割を果たします。法政を1部に残すことが大事なので、残りの試合は勝ち点3で、後ろは0点に抑えて、残留に導きたいと思います。
木村恵風
ー今日の試合を振り返って
ここまで来るなかで先制点取れていなかったなかで、チームとしてこのゲーム入る前に先制点を取って、勢い持って行こうというなかで先制点をしっかり取れたっていうのは良かったんですけど、ここ最近ずっとセットプレーでの失点が続いているなかで最後の最後で失点してしまって勝てる試合を勝ち点1にしてしまったっていうのは本当にもったいないというか、準備してきたものが出せてなかったなと思いました。
ー前からの強いプレスはチームの狙いだったか
そうですね。前田と大畑が出てたので、彼らの特徴的にも運動量がすごいので、その2人を出した意図っていうのが、前から行こうっていう姿勢を見せることだったので、チームとしてはそこは勢い持って出来たのかなと思います。
ーご自身のゴールを振り返って
馨希くんが上手くサイドバックとサイドハーフを吊ってくれたなかで、結構ガッツリスペースが空いてて、虹樹くんのボールも素晴らしかったので、あとは流し込むだけでした。
ー試合後のチームの雰囲気、話されたこと
まだ中大が勝ったということで、(残留の)可能性が1%でも残っているので、プレーオフの枠にはなりますけど、絶対残留するっていう気持ちはみんなあると思います。今日やっていたサッカーは間違いがなかったと思うので、最後の失点のところだけだったので、そこをもう一回また1週間準備して、全員で勝つ準備をしようと話しました。
ー残りのリーグ戦に向けての意気込み
自分が出て勝たせるというか、とにかく残留するために全員で戦いたいと思います。
井上平監督
ー試合を振り返って
今日は走って戦って勝つというところを目標に、それを途中までは体現出来たと思うんですけど、最後勝ちきれなかったところには自分たちの弱さがあったなと思います。
ースタメンの大幅な入れ替え
献身的なところ、声を出すところ。前回の東海戦ではだいぶそれが出来ていなかったからね。前田と大畑、彼らには前線からのプレッシングとかの特徴があって、そこは技術ある選手があれくらいやるのが本当なんだけど、やれていない現状があって、今必要なのはそういう走りとか、一生懸命頑張るとか、最後まで諦めない姿勢とか、そういうところだったからAチームに入れました。後ろのところでは声が大事で、薬師田はIリーグでずっと頑張っていた選手の中の1人で、ずっとプレーを見ていたから。信頼を持ってその3人を出して、本当に期待に応えてくれたと思います。
ー途中まで2点のリード
先制点をずっと取れていなかった中で、前半でしっかり先制点を取ることが出来て、0点に抑えて帰ってきた。それでやっぱり複数得点が大事だよ、2点目取りに行こうというところで、まえちゃん(前田)がPKを取って、それを決めて、でも得失点差もかなり大事だから、3、4点と取り続けなければいけないよと言った中で、結構後半は中にスコスコとボールが入って、ピンチが増えてしまった。でもベンチと逆のところだから中々原因が掴めなくて、そのところで前線がすごく頑張って足を攣って、後ろの選手も攣っちゃって、あまり意図した交代ではない部分があった。そういった中で最後4年生が締めてくれという意味でも出したんだけど、そこが締まらなくてね…
でもその先制点、2点目というのはすごく良い流れで、良い形で、狙いのあったゴールだったなと思います。
ーやはり終了間際に失点
あまりにも多すぎるから、毎回どうするどうするってなっているんだけど、そのシーンに繋がる前にも原因がきっとあるじゃない。そこを、もちろん交代で入った(松岡)迅が、とか色々あるかもしれないけど、そこはみんなでその原因を突き詰めないといけないんだよね…守り切れる時は守り切れるし…やっぱり最後に声とか、気持ちとか、そういう部分なのかな。そこを相手が少し上回っていたのかもしれないし、我々はちょっと足りないのかもしれないから、セットプレーとかは特にその気持ちで最後にやらせない、なんとしても外に切るぞ、という部分がもう1つ足りなかったんだなという気持ちです。
ー次節に向けて
次、必ず勝つためにまた1週間準備して、ポジティブな材料もかなりあったから、そこをしっかりと拾い上げて、より勝ちに近づけるように。次は国士館で多分向こうも今日の負けもあって勢いがすごいから、今日の桐蔭よりも前線の圧とか勢いがすごいから、それに勝るような準備をしたいと思います。