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【サッカー】格下3部に2連敗。8大会ぶりの総理大臣杯出場権失権。『日本一』への挑戦権すらつかめず。/「アミノバイタル®︎」カップ 振り返り

2024年「アミノバイタル®︎」カップ 振り返り

7大会連続の総理大臣杯出場が決まるはずだった今大会、そう簡単に全国大会にいけるわけがなかった。2部日体大に6得点快勝も、3部明学大相手に攻守が全く噛み合わず零封負け。敗者復活をかけた3部亜大戦も3失点大敗。考えうる限り最悪の結果となった。


試合後に涙を流す揖斐俊斗(主将・経4=柏レイソルU-18)

日体大戦

遂に初戦を迎えた「アミノバイタル®」カップ。今シーズンのチーム最大目標である「日本一」を達成するための戦いが幕を開けた。
初戦の相手は日体大。スタメンには主将・揖斐俊斗(経4=柏レイソルU-18)がボランチに復帰し、右サイドハーフには副将・中村翼(経4=横浜F・マリノスユース)が入った。

開始早々、いきなり法大が試合を動かす。1分。日髙華杜(経3=大津)のロングスローから、混戦となったところを竹内豊(現4=新潟明訓)が押し込み先制。竹内は真っ先にベンチに飛び込み、喜びを爆発させた。その後は互いに攻め手を伺う展開に。すると13分、ロングボールで裏に抜け出され、キーパーと1対1のピンチを迎えるも、ここは寺田周太(経2=法政二)がビックセーブ。この寺田のプレーに呼応するかのように攻撃陣が躍動する。20分。敵陣でボールを奪った中川敦瑛(経4=横浜FCユース)のスルーパスに抜け出した洪怜鎭(社3=三菱養和SC)がドリブルで運び、右足一閃。ゴール右上に突き刺さる公式戦2試合連続弾でリードを広げる。止まらない法大は29分。ペナルティーエリア手前でフリーキックを獲得すると、キッカーは根津元輝(経2=前橋育英)。右足で弧を描いたシュートがゴールネットを揺らし、3点目。根津は嬉しい入学後初ゴールとなった。まだ止まらない法大は32分。根津のフリーキックから味方の折り返しに合わせたのは薬師田澪(経3=大津)。この暑さも何のその。法大1アツい漢のヘディング弾で、さらに勢いづくと、39分には小池直矢(現2=前橋育英)の折り返しを主将・揖斐が左足で流し込み、今季1試合最多となる5点目を奪い、前半終了。5ー0と複数得点、無失点で折り返した。

後半開始と同時に、洪に代わって石井稜真(経4=アビスパ福岡U-18)を投入。前半の勢いそのままに試合を進めたい法大だったが、52分にPKを与えてしまい、これを決められ1点を返される。法大は54分に大畑凜生(現3=矢板中央)、63分に松村晃助(経2=横浜F・マリノスユース)を入れ、前線からのプレスと球際の強度を維持し、相手の攻撃の芽を摘んでいく。
トドメを刺したい法大にチャンスが訪れたのは74分。スルーパスに抜け出した松村が、ドリブルで運び、冷静にネットを揺らすもこれは不運にも、オフサイドの判定となりゴールが認められない。その後もチャンスを作るが決めきれない法大に歓喜をもたらしたのは、副将の右足だった。左サイドからのクロスを石井が頭で折り返すと、飛び込んだのは中村。右足でゴールに押し込んで、試合を決定づける6点目を獲り、試合終了。「アミノバイタル®」カップ初戦は、6発完勝となった。

今季の最大目標に『日本一』を掲げている法大。今試合では点を決めればベンチの選手と喜び合い、良い守備が出た時には仲間同士で鼓舞する場面が多く見られた。まさにチーム一丸となって闘う法大が、どの大学よりも1番長い夏を過ごす。

明学大戦

「アミノバイタル®」カップ4回戦、公式戦4連勝でその間17得点2失点と波に乗る法大は、RKUフットボールフィールドB面に乗りこんだ。相手は、6年前同大会を初制覇した際の決勝と同じ明学大。勝利すれば7大会連続総理大臣杯出場権獲得となる一戦、井上平監督はスタメンを5人変更。先発は久々となる小湊絆(スポ2=青森山田)、そして代表帰りの小倉幸成(経1=鹿島アントラーズユース)が先発メンバーに名を連ねた。
試合開始直後から互いに積極的な姿勢を見せる。6分には小湊がスルーパスに抜け出しシュートまで持ち込むも、ここは相手GKの好守に阻まれゴールとはならない。前半最初で最後となったまともなチャンスを逃した法大は、これ以降明学大の前からの連動したプレスを前に身動きをとれなくなる。再三訪れる相手のチャンスを、体を張った守備でなんとか耐え凌ぐものの、16分には完全に崩され正面からシュートを打たれる。ここはクロスバーに救われるも、直後の20分に失点。CBのパスをゴール真正面でカットされると、冷静にゴール右下に沈められた。明学大の狙い通りの得点をゆるし、まさかの先制点を献上してしまう。しかしこの後も完全に明学大ペースで試合が進み、前半を一点ビハインドで折り返す。
後半に入り、流れを変えたい法大は54分に溝口駿(経4=法政二)にかえて小池直矢(現2=前橋育英)、58分に小湊にかえて洪怜鎭(社3=三菱養和SC)と、攻撃的なカードを切る。選手交代を機に徐々に盛り返すと、77分にはこの日最大の決定機を迎える。ゴール近くで得たFKを小倉が直接狙うと、この強烈なシュートがクロスバーの下を叩く。こぼれかを拾った保田成琉(社2=阪南大高)のおとしに再び小倉、最後は上がっていた竹内豊(現4=新潟明訓)がつめるもボールは枠の上へ。千載一遇のチャンスを逃すと、86分には不用意に与えたPKを沈められ終戦。自慢の攻撃力が鳴りをひそめ、3部相手にまさかの完封負けを喫することとなった。
この結果をもって、法大は9位か10位での総理大臣杯出場権獲得を目指すこととなった。久しぶりの敗戦を糧に、次戦の亜細亜大戦ではよりよいプレーを見せたい。

亜大戦

3日前の明学大戦で完封負けを喫し、9〜10位決定戦に進むことになった法大。総理大臣杯出場へ向け、負けられない一戦に臨んだ。スタメンには1トップに洪怜鎭(社3=三菱養和SC)、右サイドバックには櫻井稜(経2=鹿島学園)が入った。

明学大戦での悔しさを糧に、法大はいきなり試合を動かす。4分。敵陣で細かくパスをつなぐと、最後は揖斐俊斗(経4=主将・柏レイソルU-18)のパスに抜け出した中川敦瑛(副将・経4=横浜FCユース)が左足でゴール右に流し込み、幸先良く先制。しかし、2分後のことだった。相手にクロスの折り返しを押し込まれ、痛恨の失点。早くも試合は振り出しに戻った。その後は法大がボールを保持する展開が続き、29分には揖斐が左足で、31分には小池直矢(現2=前橋育英)がヘディングで相手ゴールを脅かすも、ネットを揺らすことは出来ず。チャンスをモノに出来なかった法大は42分に逆転ゴールを許してしまう。コーナーキックをクリアしきれず、オウンゴール。試合は1ー2で折り返した。

勝つためには3点が必要となった法大は後半開始直後からチャンスを作る。52分、55分と立て続けに中村翼(副将・経4=横浜F・マリノスユース)がゴールを狙うも、これは惜しくも枠を外れてしまう。攻勢を強めたい法大は55分に青木俊輔(社4=東福岡・V・ファーレン長崎内定)、64分に石井稜真(経4=アビスパ福岡U-18)、溝口駿(経4=法政二・カターレ富山内定)を投入したが、その直後だった。相手にペナルティエリア内でボールを奪われると、クロスをゴールに流し込まれて、痛恨の3失点目を喫してしまう。飲水タイムが取られた時の応援部員の「まだいけるよ」の声掛け、ベンチの選手からの「大丈夫」という声掛けに後押しされ、その後も石井や溝口、青木らがチャンスを作り続けたがゴールが遠かった法大。無情にもこのままタイムアップ。1ー3で試合終了となった。

この結果を持って「アミノバイタル®」カップ敗退とともに、8大会ぶりに総理大臣杯出場を逃した法大。今季最大の目標であった『日本一』は早くも潰えた。残されているのはリーグ戦のみ。このどん底から這い上がって『2部優勝・1部昇格』をつかみ取れるか。ひと回り、いやふた回り以上に強くなって戻ってくることに期待したい。

試合後の溝口。気持ちが伝わる挨拶の長さと深さだった。

監督インタビュー

明学大戦・井上平監督

ーー今日の試合を振り返って
力を出しきれなかったなっていうのが外から見てての印象です。

ーースタメンを5人変更したが、疲労を考慮してのことか
やっぱり(アミノ杯を)最後まで勝ち切るためには全員のモチベーションとか一体感とかが大事です。うちはレギュラーになれるような力がある選手が多いです。そこをどうモチベーションを保ちながらみんなで戦い抜くかということを考えた場合、ある程度使ってくれると選手は信頼されてるなというところにつながってくると思います。最後まで勝ち切るために、今日の選手がベストだと思ってスタメンに選びました。

ーー前半は相手のプレスにハマり上手くシュートまでいけなかったがハーフタイムにどのような指示をしたか
想定はしてました。外のところから前に(ボールが)入らなかったらこういう状況になるよって言ってたんだけど、それを改善するためには外から前に入れる状況を作らないといけないです。そうなってくるとうちの2シャドーのノブ(中川敦瑛)とか(青木)俊輔のポジショニングであったり、そもそもの背後の狙い方であったりを変えなきゃいけないよねっていうのは伝えました。やっぱり相手コートに例えばロングボール入った時のボランチの押し上げだとか、全体的な押し上げも遅かったから、ハードワーク出来てないのも1つだよっていうのもありました。でも中々後半も思った通りに行かなかったなという印象です。

ーー次の火曜日試合に向けて短い期間だがどのような準備を
やるべき事は変わらないので、もう一回やるべき事をやれるために、今日出来なかったところの反省をして、こういう状況だと出来ないよね、じゃあこういう状況にしようねっていうので反省して次につなげていきたいです。特別にやる事は変えないです。

ーー総理大臣杯への切符獲得に向けての意気込み
もう(総理)大臣杯出場のために、今やるべき事をちゃんと積み重ねて、応援してくれる方とか関係してくれる方もたくさんいるので、しっかりとどんな状況であれ、2つ勝って決めたいと思います。

亜大戦・井上平監督

ーー「アミノバイタル®」カップ全体を振り返って
振り返れないほどショックです。ジェットコースターみたいだったね。大会前のリーグ戦のような雰囲気を作れれば、負けないなと思って「アミノバイタル®」カップをスタートしました。それで日体大に勝って、急にこの2試合点が取れなくなって。チーム作りって難しいなって。こんなにチームが誰が出るかで変わるのかって思いました。そこは理解していたつもりではあったんだけど、個々の細かい人間関係だとか、取り組みだとか、こっちがどれだけ把握できてたかって。やっぱりもっと把握していかないといけないんだなって思いました。おそらくこっちに見えないものがたくさんうずめいているのかなと思います。上手くいかない状況ももちろんあるし、逆に言ったらもちろんこの2試合で上手く行った状況もあります。そこの選手をどうマネジメントして、みんなが気持ちよくできる状況を、こっちがゲームを作り上げるっていうのは難しいなって感じました。その中で選手は一生懸命頑張っていたと思います。

ーー今日の試合、同点、逆転を狙いに行ったなかでどのような指示を
2点差って逆に言ったら(去年の総理大臣杯準決勝)富士大戦のように追いつかれる可能性もあります。まずは1点取るために、ロングボールっていうよりはボールをつないで、サイドを崩してランニングかけて、中央のところで(相手の)人数を少なくさせて、クロスを入れた方が効果的です。なのでギリギリまで放り込むなっていうところでずっとボールを動かしながらやってました。どっかで点が取れていれば状況が変わった可能性はあるけれども、前半から後半にかけて、ゴールを奪うために最後のところに前半は人数がかけきれていなかったです。(人数は)いるんだけど、パワー持って入るべき場所にいなかったり、目的はゴールだから最後のところにパワー持って行こうねって言いました。そういう形は何回か作れていました。やっぱり1点じゃね(厳しいよね)。

ーーこれからもっと強くなるために必要だと思うことは
今日のゲームの中でも、闘うところであったり、ハードワークのところのベースは上げていきたいです。そこはうちはやり続けて、誰が出ても(アミノ3回戦の)日体大戦とか、その前のリーグ戦のように高いレベルでハードワークができて、闘うことができてっていうところを全体で夏積み重ねて成長していきたいです。リーグ戦を3連勝した時のハードワークだとか闘う姿勢を見せれば、勝てるって彼らも信じてると思います。俺もそこはやらなきゃいけないと思うので、そこを日常からどれだけ突き詰めてやっていくか。その中で戦術だとか、個人戦術のところ、技術を発揮するとか個があると思います。もっともっとハードワーク、闘うっていうところをこの夏しっかり磨き上げて、個を大きくしたいなと思います。

ーー2部優勝、1部昇格に向けて
最大の目標である2部優勝、1部昇格っていうところはリーグ戦に関して言えば、3連勝で調子良く来ています。そこはみんながパワーを持って、一体感を持っていけるように選手としっかりコミュニケーションを取って、必ずそこだけは獲れるようにやっていきます。

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