2024年7月14日(日)
JR東日本カップ2024第98回関東大学サッカーリーグ2部
第10節 法大-城西大
法政大学城山サッカー場
首位撃破。そこには攻守での進化が見られた。総理大臣杯出場権を失い、目標としていた『日本一』の権利すら失った後、最初の公式戦だった今節。相手は首位・慶大と、ハードな戦いが待っていたが、前半から4年生攻撃陣が得点を挙げ守備陣の奮起に応える。数的優位になった後半も、集中を一切切らさず慶大の攻撃をシャットアウト。2−1で4連勝、4位に浮上した。
石井が今季初ゴール!
試合結果
2
法政大学 |
2 |
前半 |
1 |
1
慶應義塾大学 |
0 |
後半 |
0 |
試合スタッツ
時間 |
経過 |
大学 |
選手名 |
得点経過 |
8分 |
得点 |
法大 |
石井稜真 |
1-0 |
32分 |
得点 |
慶大 |
塩貝健人 |
1-1 |
45+2分 |
得点 |
法大 |
中川敦瑛 |
2-1 |
55分 |
交代 |
法大 |
中川敦瑛→中村翼 |
|
|
交代 |
法大 |
松村晃助→前田康尋 |
|
61分 |
退場 |
慶大 |
田中雄大 |
|
64分 |
交代 |
法大 |
石井稜真→小湊絆 |
|
71分 |
交代 |
法大 |
青木俊輔→小池直矢 |
|
77分 |
交代 |
法大 |
竹内豊→梅津龍之介 |
|
スターティングメンバー
背番号 |
ポジション |
選手名 |
学部・出身校 |
21 |
GK |
寺田周太 |
経済2・法政二 |
3 |
DF |
竹内豊 |
現福4・新潟明訓 |
18 |
DF |
木村恵風 |
社会4・横浜F・マリノスユース |
19 |
DF |
日髙華杜 |
経済3・大津 |
26 |
DF |
薬師田澪 |
経済3・大津 |
7 |
MF |
青木俊輔 |
社会4・東福岡 |
15 |
MF |
揖斐俊斗 |
経済4・柏レイソルU–18 |
23 |
MF |
松村晃助 |
経済2・横浜F・マリノスユース |
28 |
MF |
根津元輝 |
経済2・前橋育英 |
9 |
FW |
石井稜真 |
経済4・アビスパ福岡U–18 |
10 |
FW |
中川敦瑛 |
経済4・横浜FCユース |
サブメンバー |
1 |
GK |
諏訪部隼 |
経済3・法政二 |
2 |
DF |
櫻井稜 |
経済2・鹿島学園 |
20 |
DF |
梅津龍之介 |
経済2・鹿島アントラーズユース |
14 |
MF |
中村翼 |
経済4・横浜F・マリノスユース |
22 |
MF |
大畑凜生 |
現福3・矢板中央 |
24 |
MF |
小池直矢 |
現福2・前橋育英 |
30 |
MF |
小倉幸成 |
経済1・鹿島アントラーズユース |
25 |
FW |
前田康尋 |
現福2・浜松開誠館 |
27 |
FW |
小湊絆 |
スポ2・青森山田 |
日程と結果
節 |
日付 |
対戦校 |
結果 |
会場 |
1 |
4月7日 |
神奈川大 |
●0-1 |
法政大学城山サッカー場 |
2 |
4月14日 |
山梨学院大 |
●1-2 |
山梨学院大学川田ツインサッカー場 |
3 |
4月28日 |
日本体育大 |
●0-1 |
法政大学城山サッカー場 |
4 |
5月5日 |
拓殖大 |
⚪︎3-0 |
拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場 |
5 |
5月19日 |
早稲田大 |
△2-2 |
早稲田大学東伏見サッカー場 |
6 |
5月26日 |
順天堂大 |
●0-2 |
順天堂大学キャンパスさくらサッカー場 |
7 |
6月2日 |
立教大 |
⚪︎4-0 |
法政大学城山サッカー場 |
8 |
6月9日 |
立正大 |
⚪︎4-0 |
法政大学城山サッカー場 |
9 |
6月16日 |
城西大 |
⚪︎3-1 |
法政大学城山サッカー場 |
10 |
7月14日 |
慶應義塾大 |
⚪︎2-1 |
慶應義塾大学下田キャンパス |
11 |
7月21日 |
産業能率大 |
– |
産業能率大学第二グラウンド |
12 |
7月28日 |
立正大 |
– |
立正大学熊谷キャンパスサッカー場 |
13 |
8月3日 |
早稲田大 |
– |
法政大学城山サッカー場 |
14 |
9月21日 |
立教大 |
– |
立教大学富士見総合グラウンド |
15 |
9月29日 |
日本体育大 |
– |
日本体育大学横浜・健志台キャンパスグラウンド |
16 |
10月6日 |
城西大 |
– |
JOSAI SPORTS FIELD 第1グラウンド |
17 |
10月13日 |
順天堂大 |
– |
法政大学城山サッカー場 |
18 |
10月20日 |
慶應義塾大 |
– |
法政大学城山サッカー場 |
19 |
10月27日 |
産業能率大 |
– |
法政大学城山サッカー場 |
20 |
11月3日 |
神奈川大 |
– |
神奈川大学中山キャンパストラック内フィールド |
21 |
11月10日 |
拓殖大 |
– |
法政大学城山サッカー場 |
22 |
11月16日 |
山梨学院大 |
– |
法政大学城山サッカー場 |
マッチレポート
1ヶ月ぶりのリーグ戦となった今節。3連勝中の6位法大は、首位慶大との一戦に乗り込んだ。左サイドバックには木村恵風(副将・社4=横浜F・マリノスユース)が今季リーグ戦初スタメン。先月下旬に柏レイソルへの内定を発表したした中川敦瑛(副将・経4=横浜FCユース・柏レイソル内定)がキャプテンマークを巻き、6ポイントマッチに臨んだ。
試合は早い時間に動く。8分、揖斐俊斗(主将・経4=柏レイソルU-18)が前にロングボールを送ると、抜け出したのは石井稜真(経4=アビスパ福岡U-18)。浮いた難しいボールだったが、勢いを止めないタッチで運ぶと、最後は左足一閃。サイドネットに流し込む完璧なシュートは、石井にとってうれしい今季初ゴールで先制に成功する。
その後は両チームがボールを奪い合う激しい展開になるも、集中した守備陣がゴールを割らせない。飲水を挟んだタイミングで先に動いたのは慶大。前半戦、好調攻撃陣を支えた香山達明(慶大4年/慶應志木)を下げ、立石宗悟(慶大3年/桐蔭学園)を投入すると、その立石に苦しめられる。32分、立石の突破を止められず、エリア内に侵入を許すと、たまらず倒してしまいPKを与える。これを塩貝健人(慶大2年/國學院久我山・横浜F・マリノス内定)に豪快に決められ、ゲームを振り出しに戻される。その後も慶大が塩貝を中心に攻め込む時間が続くも、GK寺田周太(経2=法政二)を中心に逆転を許さない。このDF陣の踏ん張りに応えたのはエースだった。前半ラストプレー、松村晃助(経2=横浜F・マリノスユース)のクロスに飛び込んだのは中川。「今週の練習であまり飛び込めてなかったので、今日はしっかり中に入れてよかった」と、DFの背後から頭で飛び込む、貴重な勝ち越し弾を沈め、前半をリードで折り返す。
エンド変わった後半は、ベンチワークを生かした戦いで勝ち点3を狙いに行く。中村翼(副将・経4=横浜F・マリノスユース)、前田康尋(現2=浜松開誠館)を投入し、前線からしっかりプレスをかけるスタイルで、GK村上健(慶大4年/國學院久我山)を中心とした慶大のビルドアップに対応する。落ち着いた入りだったが14分、前田と田中雄大(慶大3年/三菱養和SCユース)の競り合いのところから、ヒートアップ。田中が前田を突き飛ばす乱暴行為で田中はそのまま一発退場の判定に。思わぬ形で数的有利となった法大、「それでも今日は割り切った」と語るのは井上平監督。途中出場の小湊絆(スポ2=青森山田)、小池直矢(現2=前橋育英)も全力でプレスをかけ、慶大のやりたいサッカーをさせない。守っては、途中出場の梅津龍之介(経2=鹿島アントラーズユース)が塩貝を封じる完璧なタックルを見せる。最後まで徹底した守備は続き、アディショナルタイム6分も含め、51分間守り抜いた法大。前半の2得点で首位を破った。
これでリーグ戦は4連勝。順位を2つ上げ、4位に浮上。5月以降に限っては7戦5勝1分1敗と驚異的なペースで勝ち点を積み上げている。チームの雰囲気も良い。昨年を通じ、改めて『1勝の価値』を知る法大が、2部優勝・1部復帰へ最高の夏を迎える。
(取材・撮影:大草拓馬、山口晴暉)
試合後の一面
試合後順位表
順位 |
大学名 |
勝点 |
試合数 |
勝-分-負 |
得点/失点 |
得失点 |
1位 |
慶應義塾大 |
20 |
10 |
6-2-1 |
22-15 |
7 |
2位 |
日本体育大 |
18 |
10 |
5-3-2 |
29-15 |
14 |
3位 |
順天堂大 |
18 |
10 |
5-3-2 |
13-11 |
2 |
4位 |
法政大 |
16 |
10 |
5-1-4 |
19-10 |
9 |
5位 |
早稲田大 |
15 |
10 |
4-3-3 |
16-16 |
0 |
6位 |
立正大 |
15 |
10 |
4-3-3 |
10-14 |
-4 |
7位 |
立教大 |
14 |
10 |
4-2-4 |
16-16 |
0 |
8位 |
神奈川大 |
14 |
10 |
4-2-4 |
10-10 |
0 |
9位 |
山梨学院大 |
13 |
10 |
4-1-5 |
19-19 |
0 |
10位 |
拓殖大 |
10 |
10 |
2-4-4 |
15-18 |
-3 |
11位 |
産業能率大 |
10 |
10 |
3-1-6 |
9-14 |
-5 |
12位 |
城西大 |
4 |
10 |
1-1-8 |
10-30 |
-20 |
監督インタビュー
井上平監督
ーー今日の試合を振り返って
前半は比較的良かったです。守備のところも自分たちの狙いもありながら、強度も高くやって。ただちょっと強度が落ちたタイミングで向こうにボールを持たれる時間とか、自分たちのミスから相手にボールを渡してしまう時間があったのでそこでボールロストしないでマイボールにする時間とか判断とか技術っていうのは引き続き上げる必要はあるけれども、前半しっかりと最後2-1で帰ってきた。特にクロスからの得点っていうところで、中央の枚数のかけ方とか、すごく口酸っぱく言ってきて、そしてあそこにしっかりと中川が入ってきてくれて、嬉しい得点でした。石井は久しぶりに出て、「ハードワークをすれば絶対自分ところにくるから」っていうところで彼も前向きにやってくれて、点を取ってくれたっていうも含めてとてもいい前半でした。
ーーDFラインを変更し、木村を起用したが
この前に練習試合を2日間やって、13失点食らっていて。これはちょっとテコ入れしないといけないなって考えていて、今の僕らのメンバーを考えると怪我をしていないのが荒井しかいなくて。荒井の良さは攻撃であるから、守備ではないと。それでクロス対応とか、相手の選手への対応とか考えると、 ちょっと不安だったので本職はCBなんですけど木村にしました。
彼は去年サイドバックで出てた時もあって、そこでの対応がすごく良くて、攻撃よりはまず守備を安定させたいっていうところもあったので決断しました。
ーー次節へ向けひとこと
産能大戦のアウェイは結構大変。グランドも含めて、あそこで勝つにはまた週明けからの準備、いい準備が必要なので、明日しっかりと休んでもらって、 週明けから最高にいい準備をして臨みたいです。今日はたくさんの方が見てくれて、帰りにみんなが笑顔になってる姿ってめっちゃいいなと感じたので、またしっかりとみんながハードワークして勝って、たくさんの人と笑顔で終えられたらいいなと思います。
ーー柏レイソルに内定が決まった中川について
これからよりチームを勝たせる選手になっていってほしいなって思います。今日はやっと勝たしてくれたんですけど、彼の今後なりたい姿ってことを考えると、やっぱり結果を残し続けることが大事だと思うので「ゴール前に入ってけ」「得点と力になってほしい」って言っているので、今日点をとってくれて、この姿を継続していって欲しいなと思います。
中川敦瑛(副将・経4=横浜FCユース・柏レイソル内定)
ーーゴール振り返って
週の中の紅白戦で自分がなかなかクロスに入れてなくて、監督からも試合前とかにも「絶対中に入っていけ」と言われてたので、(松村)晃助がキックモーション入った瞬間に「あいつだったら来るだろう」と思って入ったらいいボール来たので、うまく合わせられたと思います。
ーー果敢にゴールを狙う姿勢が印象的だった
そうですね。やっぱり質だったり、やっぱ最後の方押し込まれていたので、もうちょっと前半のうちに3点、4点取れてれば、 後半もうちょっと楽にできたので、そこは自分の課題ですし、もっと突き詰めてやっていかないといけない部分だなと思いました。
ーー早い時間で交代に悔しさも
ちょっと足がきつくなってきて。このまま自分が出るのか、今週1週間通して、前ちゃん(前田康尋)のコンディションがすごい良かったので、託せれるというか、もうあいつならやってくれると思って、ここは無理しないというか、今日はもういいやと思って潔く降りました(笑)
ーー柏レイソル内定おめでとうございます。決まった経緯を
デンソー(チャレンジカップ・2月20日〜3月2日)が終わった後ぐらいです。冬のチャンプでは全然行ってなくて。冬のキャンプは(横浜)FCだけで、そのタイミングでちょっと野木(健司 強化スカウト担当)さんに、「どこか来てますか」という風に聞いたら、何個か言ってくださって。それでレイソルの練習参加に行って、自分のプレーもそこまで悪くなくて、雰囲気とかもすごい良くて、ここだったら成長できると感じたので決めました。
ーー関根(大輝・拓大)選手を中心に仲良い
そうですね。あいつはもう試合出てるので、あんま相手にされないですけど(笑)。でもすごいいいやつなので仲良くやってます。タメ(同期)が何人かいて。年近い子も何人かいるので、レイソル行ったときもすごい楽しいです。
ーーこの間は流経大との練習試合にも参加
そうですね。先輩たちもすごい優しくて気さくに話しかけてくれるんで、楽しいです。
ーー誰が1番仲いい
まさと(GK佐々木雅士)は代表で一緒にやってましたし、関根もそうですし、あとは 1個下、2個下のレイソルユースの上がってきた子たちと毎回一緒にいましたね。歳近い組で一緒にいることが多かったです。
ーー先輩風を吹かせてたり(?)
そんな、そんな。そんなことしないです(笑)。プロの中では彼らの方が先輩なので、奢ってもらったり(笑)。そういう世界なんですよね(笑)。
ーー井原正巳監督とはどんな会話した
あんまないです。井原さんは練習ではあまり言うタイプでもないんで、結構外から見て見守ってる感じがあります。井原さんよりかは、コーチの方々と話す機会が多くて、その時もすごい的確なアドバイスというか、自分に足りないところを言ってくれるので、そこはすごい勉強ですし、毎回刺激になっています。
ーーどういったところが評価された
内定決まるまで1週間ぐらい練習参加して他のですが、最後の練習試合の時に、自分の得意なターンしたドリブルとかスルーパスってところすごい褒めていただいて、そこにはすごい評価していただ毛ました。あとはやっぱりこの前の練習参加の時には守備から攻撃、攻撃から守備のこの切り替えのスピードをもう少しあげてほしいみたいなこと言われたので、今日はちょっとそこができたかわかんないですけど、 今日は守備のところで自分と(石井)稜真で前から頑張ってプレス行こうと思っていたので、少しはできたかなって思っています。
ーー法政での今後の意気込み
自分たちの目標であった日本一というのはなくなりましたが、この前全体話し合った時に、1部昇格するためにはもう落とせない試合ばかり、いや、落とせないのでこの勝利に一喜一憂するのではなくて、1試合1試合、ほんとに死ぬ気で自分たちのスタイルを出せれば絶対勝てると思うので、ほんとに毎日毎日質の高いトレーニングしていけたらなっていう風に思います。そうしたら自ずと多分2部優勝していけると思うので、今の現状に満足せずにやっていきたいと思います。