2024年9月23日(月)
神宮球場
1敗1分と負ければ勝ち点を逃す、崖っぷちで絶対的エースが意地をみせた。立大3回戦、篠木健太郎(営4=木更津総合)が「7番・投手」で先発出場すると投げては9回132球5安打7奪三振2失点の完投、打っても勝ち越しを許した直後の8回の好機で、自ら逆転の2点適時三塁打を放ち絶叫した。これで対戦成績を1勝1敗1分の五分に戻し、勝ち点のゆくえは第4戦へ持ち越されることになった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 | 10 | 2 |
立 大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0 |
(法大)〇篠木—中西祐
(立大)竹中、●吉野、小林誠—戸丸
[本塁打]
立大:なし
法大:なし
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9 回 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 石黒 | 5 | 1 | 0 | 0 | .167 | 空三振 | 遊ゴロ | ニゴロ | 右安 | 見三振 | ||||
2 | (8) | 中津 | 4 | 1 | 0 | 1 | .273 | 投直 | ニゴロ | 左安 | 遊飛 | 四球 | ||||
3 | (5) | 松下 | 5 | 0 | 0 | 0 | .154 | 一邪飛 | 三ゴロ | 三ゴロ | 中飛 | 中飛 | ||||
4 | (7) | 内海 | 4 | 2 | 0 | 1 | .250 | 中安 | 死球 | 二飛 | 右安 | 三併打 | ||||
5 | (9) | 姫木 | 4 | 2 | 0 | 0 | .667 | 見三振 | 一安 | 左安 | 空三振 | |||||
9 | 西村 | 0 | 0 | 0 | 0 | ― | ||||||||||
6 | (3) | 藤森康 | 3 | 1 | 0 | 1 | .273 | 四球 | 右飛 | 空三振 | 投安 | |||||
7 | (1) | 篠木 | 4 | 1 | 2 | 0 | .286 | 一ゴロ | ニゴロ | 二併打 | 左3② | |||||
8 | (2) | 中西祐 | 3 | 1 | 2 | 0 | .200 | 右安① | 見三振 | 遊ゴロ | 投犠打① | |||||
9 | (4) | 熊谷 | 2 | 1 | 0 | 2 | .400 | 四球 | 空三振 | 左安 | 四球 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
篠木 | 9 | 132 | 36 | 5 | 7 | 3 | 2 | 2.12 |
ベンチ入りメンバー
10 | 𠮷安遼哉(法4=大阪桐蔭) | 27 | 川崎広翔(営2=日大三) | 45 | 熊谷陸(人1=花巻東) |
14 | 安達壮汰(営4=桐光学園) | 42 | 今泉秀悟(キャ1=石見智翠館) | 1 | 西村友哉(法4=中京大中京) |
18 | 篠木健太郎(営4=木更津総合) | 6 | 武川廉(人4=滋賀学園) | 2 | 鈴木大照(文4=明徳義塾) |
19 | 山城航太郎(キャ4=福大大濠) | 26 | 藤森康淳(営2=天理) | 7 | 内海壮太(法4=御殿場西) |
21 | 吉鶴翔瑛(営4=木更津総合) | 29 | 中村騎士(営1=東邦) | 9 | 姫木陸斗(人4=日大藤沢) |
12 | 永野司(営3=倉敷商) | 4 | 松下歩叶(営3=桐蔭学園) | 36 | 内山陽斗(文3=天理) |
17 | 野崎慎裕(営3=県岐阜商) | 8 | 中津大和(営4=小松大谷) | 31 | 豊田凌平(法1=鳴門) |
15 | 山口凱矢(営2=桐蔭学園) | 28 | 石黒和弥(法3=高岡商) | 50 | 姫野翔(現4=大分鶴崎) |
22 | 中西祐樹(法2=木更津総合) | 24 | 金谷竜汰(法2=東海大菅生) | 51 | 鈴木大紀(法4=法政二) |
戦評
法大の先発は中1日、前々日の1回戦で8回122球を投げ切った篠木健太郎(営4=木更津総合)。打順も1回戦の8番から7番に上がり打撃での活躍にも注目された。対する立大の先発はリーグ戦初先発の竹中勇登(3年)。
篠木は立ち上がり先頭の小林に左前安打を許すと、犠打でチャンスを広げられる。その後、2死三塁となり4番・西川侑志(3年)に三遊間を破る適時打を浴び先制点を献上する。
一方、法大は2回表に先頭の4番・内海壮太(法4=御殿場西)が中前安打で出塁すると、四球なども絡み2死一、三塁となり8番・中西祐樹(法2=木更津総合)が初球をしぶとく逆方向、右前に運ぶリーグ戦初安打を放ち同点に追いつく。その後、9番・熊谷陸(人1=花巻東)は四球を選び2死満塁となるも、1番・石黒和弥(法3=高岡商)はヘッドスライディングも及ばず遊ゴロに倒れ勝ち越し点は奪えず。
3回表は2死から4番・内海の死球と5番・姫木陸斗(人4=日大藤沢)の一塁内野安打で、2死一、二塁のチャンスを作るも、6番・藤森康淳(営2=天理)が右飛に倒れ得点を奪えず。
その裏、篠木は先頭の小林に中前安打を打たれ出塁を許す。その後、盗塁と内野ゴロの間に2死三塁とピンチを広げられるも、先制適時打を打った4番・西川を右飛に抑え勝ち越し点は許さず。渾身のガッツポーズも飛び出した。
4、5回は両校の先発投手がチャンスを与えず無失点に抑える。
6回の攻撃では開幕から好調の姫木陸斗(人4=日大藤沢)が左前安打を放ち出塁も、藤森康が空振り三振、7番・篠木はニゴロ併殺打と後続が凡退し勝ち越し点を奪えず。直後の6回裏には、1死から4番・西川に四球を与えるも、5番・鈴木唯斗を右飛、続く打者のところで捕手の中西祐が二塁へ完璧なストライク送球で走者を刺し互いに譲らない拮抗した展開に。
法大は7回表1死から9番・熊谷、1番・石黒の連打で1死一、二塁とチャンスを作るも、前日の2回戦で9回に2ランを放ち2番に入った中津大和(営4=小松大谷)が遊飛と3番・松下歩叶(営3=桐蔭学園)も中飛と打ち上げてしまい無得点に終わる。
チャンスを潰したその裏、簡単に2死を奪うも8番・戸丸秦吾(4年)に中前安打を浴びる。ここで、打席には代打・岡本豪(4年)。その初球のストレートが甘く入りフェンス直撃の右越え適時三塁打を浴び、1-2と欲しかった勝ち越し点を奪われる。なおも2死三塁のピンチはここまで2安打を許している1番・小林隼翔(1年)を遊ゴロに抑え最小失点で切り抜ける。
勝ち越された直後の8回表、立大は先発竹中に代わって吉野蓮(3年)が登板。法大は先頭の内海が右前安打を放ち反撃の狼煙を上げると、続く姫木は三振に倒れるも、6番・藤森が投手強襲の内野安打を放ち、チャンスを広げる。1死一、二塁で打席にはここまで好投の7番・篠木。2ボールからの3球目を捉えると打球は左中間を深々と破る意地の2点適時三塁打で3-2と試合をひっくり返す。さらに、1死三塁で8番・中西祐がきっちりスクイズを決め4-2。
篠木は8回もマウンドに上がると、2死から右中間への飛球をこの回からライトの守備に着く西村友哉(法4=中京大中京)とセンター・中津が激突し捕球できず2死二塁のピンチを迎える。それでも5番・鈴木を二ゴロに打ち取りピンチを脱する。
さらに8回まで108球の篠木は9回も続投すると先頭を失策で出塁させるも代打・丸山一喜(2年)、同じく代打・菅谷真之介(4年)を連続空振り三振で2死。最後は代打で登場の立大主将・田中祥都(4年)を左飛に抑えてゲームセット。
篠木は9回132球7奪三振完投勝利に加え、打っても7番として逆転適時打と大暴れ。これで1勝1分1敗となり、明日への望みをつないだ。立大との第4戦は2017年秋以来、その時は法大が勝ち点を奪っている。崖っぷちからの2連勝へ、総力戦で第4戦を奪いに行く。
(記事:松野要、写真:大草拓馬、矢吹大輔、山口晴暉)
選手インタビュー
篠木健太郎 投手
ーー今の心境は
まず明日に繋ぎたかったので、何とかできて良かったです。
ーー中1日での登板だったが疲労は
たくさんこの流れは経験させてもらっていたので、そこまで気にせず入れました。
ーー前日に「明日は俺が何とかする」と語っていたがどのような気持ちでマウンドへ
前日同様何とかして、もう1回翔瑛(吉鶴、営4=木更津総合)と𠮷安(遼哉、法4=大阪桐蔭)に機会をと思って投げました。
ーー久々の完投勝利だったが投球の良かった点は
すごく良かった訳では無いのですが、試合の中で修正できたのが良かったと思います。
ーー7番でスタメンだったが、知らされた時の心境は
何とかするにはもってこいのチャンスだなと思いました。
ーー失点直後の逆転適時打だったがどのような気持ちで打席に立ったか。また打った球や打席での狙いは
髙村さん(祐、助監督)に試合前『お前で勝て』と力強い言葉を貰ったんで、その気持ちだけで入って、打ったのはストレートです。狙いは後悔しないスイングをと思って打ちました。
ーー三塁塁上で雄叫びを上げていたが、その時心境は
試合に入り込んでいたのであんまり覚えてないですが、打てて最高でした。
ーー中西祐樹捕手(法2=木更津総合)が同点打、盗塁阻止、スクイズと活躍したが
2年生ですけど、思い切ってプレーしてくれていますし、頼もしい活躍でした。
ーー明日への意気込みは
勝ち点取ります。
中西祐樹 捕手
ーー今の心境は
苦しい試合でしたが何とか粘って1勝あげれてよかったです。
ーーリーグ戦初安打が、同点打となったが打席を振り返って
チャンスの場面で決断して初球をスイングかけれたことがヒットに繋がったと思います。
ーー篠木投手を完投勝利に導いたが、試合中どのような点を修正したか
今日は向かい風が強かったので高めで外野フライを打たせるところは打たせて、要所は低めで空振りが取れたのでそこのメリハリをつけられたのが良かったと思います。
ーー篠木選手の逆転打はネクストバッターズサークルからどのように見ていたか
絶対に篠木さんなら打ってくれると思って信じていたのでやっぱり頼りになるなと思って見てました。
ーー打席に入る前に大島公一監督と話していた内容は
「スクイズあるぞ」という風に言われたので「決めます」と答えました。
ーー貴重な追加点となるスクイズを決めたが打席を振り返って
ピッチャー前に転がってしまってアウトかと思ったのですが篠木さんの足に助けられました。昨日もバントでピッチャー前に行っているのでもうすこしコースをきっちりしていきたいと思います。
ーー明日へ向けての意気込みは
明日勝たないと勝ち点はないので全員で相手に向かっていきたいと思います。
硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。