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【硬式野球】”2連勝で勝ち点を奪取せよ”法大に残された優勝の可能性はごくわずかも残りカード全勝を決め10季ぶりの悲願に向け再発進/東京六大学春季リーグ戦 東大戦展望

東京六大学野球2025春季リーグ戦 対早大
2024年5月10日(土)、5月11日(日)
神宮球場

連日熱戦が繰り広げられている東京六大学春季リーグ。法大の次なる戦いは5月10日(土)より始まる東大戦である。この記事では東大の戦力分析と、チーム松下初めての勝ち点をめぐる今カードの展望を紹介する。

優勝のために、何としても2連勝で勝ち点を奪いたい。

今季リーグ戦日程、順位表(第4週終了時点)

東大戦展望

東大はここまで早大、明大、慶大と対戦し、いまだ勝ち星なし。エース・渡辺向輝(4年=海上)はここまで24回を投げ、防御率3.38と試合を壊さない粘投を見せているが、チーム全体としては厳しい戦いが続いているのが現状だ。

一方、我らが法大も立大・早大と対戦し、挙げた勝ち星は早大2回戦の1つのみ。打線はその試合をきっかけに複数安打が出始め、上向き傾向にある。ただし、投手陣は開幕戦・立大1回戦以外、9回を3点以下に抑えられておらず、不安定さが目立つ。この東大戦において、勝敗を左右するのは「法大投手陣が9回を3失点以内に抑えられるか」にかかってくる。渡辺の防御率を踏まえても、3失点以内にまとめれば第1戦を有利に進められる可能性は高い。
第2戦は両チームとも絶対的な投手が不在なだけに、打線の出来が直接勝敗に影響しそうだ。チーム打率では法大が.240、東大が.168と法大に分があるため、打撃戦となった場合、法大優位の試合展開が予想される。

また、法大の優勝は、開幕2カードを落とした現時点も消滅しておらず、ここから法大が残り試合を全勝すれば勝ち点3でで7勝4敗、勝率.636。今回の春季リーグは混戦を極めているため、勝ち点3で上位3チームが並ぶ可能性も0ではないため、他チームの勝敗に左右されるものの、勝率、優勝決定戦経由でも優勝するために何としても2連勝を決めたい。

安定感が武器のエース・渡辺向輝のアンダースローを攻略せよ!

東大の投手陣を見てみると、やはり目を引くのはエースであり、第1戦の先発が予想されるアンダースローの渡辺向輝だ。

前述の通り、渡辺はここまで24イニングを投げ、防御率3.38。9回を概ね2〜4失点ほどにまとめる安定した投球を続けている。

特筆すべきは、現在首位を走る明大を相手に9回2失点と好投した点であり、渡辺の先発投手としての実力の高さを証明している。さらに、昨年の法大も東大2回戦において先発してきた渡辺に9回を2得点に封じ込まれ敗戦。ピンチを複数回招いても疲れを見せずに長いイニングを投げ抜くスタミナも、彼の大きな武器だと言える。

長い回を安定して投げることができる渡辺

この渡辺を攻略するためには、早い回から積極的に仕掛け、いかにして彼をノックアウトできるかがカギとなる。打線が初回から得点圏に走者を進め、プレッシャーをかけ続けることができれば、勝利への道が見えてくるはずだ。

東大打線は今季不調も、主軸を打つ中山太陽には警戒

東大打線はここまでチーム打率は.168と不調。個人の打率を見ても打率2割以上の打者は3人、3割以上となると中山太陽(4年=宇都宮)の1人のみ。本塁打もここまで秋元涼(2年=市川)が開幕戦で放った1本のみと、法大にとって脅威となるような勢いはない。

その中で警戒すべきは3番を打つ中山太陽。ここまで6戦を戦い打率.333と好成績。さらに選手日曜日の慶大2回戦では4打数3安打とコンディションは上向き。この中山を完璧に封じれば攻撃は短く、法大ペースで試合が進むことだろう。

中山太陽はチーム唯一の3割打者

対する法大の開幕カード注目選手

まず注目したいのは、4年生の浜岡陸。早大3回戦までは12打席連続無安打と苦しんでいたが、それでも四球を選び、雄叫びを上げてチームを鼓舞するなど、気迫のこもったプレーが光った。その気迫が通じたかのように、早大3回戦では3打数2安打のマルチ安打を記録。東大戦に向けて調子を上げてきており、プレー・精神面の両面でチームを引っ張る存在として期待がかかる。

浜岡はプレー、精神面両方でチームを引っ張る

続いて、1番打者として打線の流れを作る藤森康淳。ここまで打率.222と低空飛行も、四死球6を含めた出塁率は.417と高水準を維持している。特に早大2回戦以降は、気持ちを前面に出したプレーが光るようになり、その証拠かのように安打を重ね、早大2・3回戦で計3安打と調子が上向いてきている。今カードでも勢いを継続できるか注目だ。

藤森康もコンディションは上向きだ

そして3人目は、1年生ながら開幕から全5試合にフル出場し、打率.474と圧巻の成績を残している境亮陽だ。出塁率は.583と高く、“いつ見ても塁上にいる”という表現がぴったりの存在感を放つ。境が掲げる目標は、通算100安打。1シーズン平均13安打が必要な計算だが、それを大きく上回るペースで安打を重ねている。東大戦でさらに記録を伸ばせるか、そのバットに注目が集まる。

通算100安打に向けて、好発進の境

まとめ

法大は2カード連続で勝ち点を落とし、優勝のためにはもう1試合も落とせないまさに崖っぷちに立たされている。そのため東大戦での2連勝は必須であり、エースの渡辺向輝の攻略が至上命題となる。このカードが今後のリーグ戦の展開を大きく決めるのは間違いないので、注目して見守りたい(中山達喜)

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