関東学生アメリカンフットボールリーグ 第1戦 対中大
2025年8月31日(日)
アミノバイタルフィールド
ついに迎えた秋季リーグ開幕戦。中央大学RACCOONSと激突した。試合は最初のシリーズでWR阿部賢利(営3=法政二)がTDを奪い、幸先よく先制に成功する。さらに第2Qにも阿部に今試合2つ目のTDが生まれると、第3QにはK高城颯真(経4=法政二)がFGを沈めて着実に点差を広げる。ディフェンス陣も相手に1つもTDを許さず、このまま逃げ切り、17-3で見事勝利。開幕白星発進となった。
試合結果
トータル試合結果
法政大学ORANGE |
7 | 1Q | 3 |
中央大学RACCOONS |
---|---|---|---|---|
7 | 2Q | 0 | ||
3 | 3Q | 0 | ||
0 | 4Q | 0 | ||
法政大学ORANGE | 17 | Total | 3 | 中央大学RACCOONS |
試合得点
Q | ポジション | 選手 | 得点方法 | トライフォーポイント(以降:TFP) |
---|---|---|---|---|
1 | WR | 阿部賢利(営3=法政二) | タッチダウン(以降:TD) | ○ |
2 | WR | 阿部賢利 | TD | ○ |
3 | K | 高城颯真(経4=法政二) | フィールドゴール(以降:FG) | ー |
戦評

フィールドに還ってきた矢満田主将
試合は法大のレシーブで開始された。法大最初の攻撃は自陣38ヤードから。1st&10でいきなりロスタックルをされるも、続く2nd&longでQB菊地祥(法1=法政二)からWR高津佐隼世(キャ4=佼成学園)へのロングパスが通り、敵陣28ヤードまで前進する。1st&10でRB中川達也(法4=明治学院)がランプレーを試みるも、相手のディフェンスによってロスしてしまい、続く攻撃は2nd&longとなってしまう。さらに法大にフォルススタートの反則を取られ、5ヤードの罰退に。それでも敵陣38ヤード地点から迎えた2nd&20。WR阿部賢利(営3=法政二)が菊地祥からのロングパスをキャッチしてTD!さらにTFPをK が沈め、7ー0と最初のシリーズで幸先よく先制に成功する。

WR須加泰成(営4=足立学園)と喜ぶ阿部
さらに再開後の攻撃で法大はオンサイドキックを選択。これを阿部が抑えて攻撃権は法大のまま変わらず、50ヤード地点からの攻撃となる。しかしこのシリーズは3rd&3となったところでパスをインターセプトされてしまい、敵陣44ヤードから中大の攻撃へと移ってしまう。2度のランプレーにより3rd&2となるもDB五十嵐勇人(キャ4=法政二)のタックルもあり、4th&4となったところで中大はパントフォーメーションを取る。しかし、選択したのはスペシャルプレーとなるパス。これを決められ1stダウンを更新されてしまう。その後はDB浅賀大生(デザ4=法政二)のタックルがあるも、相手のランプレーを止められず、自陣18ヤードまで前進されてしまう。最後は4th&6となったところで中大はFGを選択。これを沈められ7ー3と点差を詰められたところで第1Qが終了した。

阿部はTD直後のオンサイドキックも見事に抑えた
第2Qは自陣38ヤード地点、2nd&9の法大の攻撃でスタート。中川のランプレーや高津佐や阿部へのパス成功により、敵陣23ヤードまで前進する。1st&10でのランプレーで1ヤードのロスとなるも、高津佐へのパス成功により敵陣ゴール前5ヤード地点まで前進する。最後は1st&goalで再び菊地祥から阿部へのTDパスが成功!高城がTFPをきめて14ー3とリードを広げる。

今試合2つ目のTDを奪い笑顔を見せる阿部
再開後の中大の攻撃は敵陣41ヤード地点から。中大主将でありエースWRの松岡へのパスやQBのスクランブルにより、自陣45ヤードまで前進されてしまう。その後は瀧川元熙(営3=佼成学園)のタックルやQBにプレッシャーを掛けたことによるパス不成功もあり、4th&4となる。しかしここで中大にフォルススタートの反則があり、5ヤードの罰退。4th&9となったところで中大はパントを蹴り攻撃権は法大へ。自陣19ヤードからの攻撃はRB小松桜河(文4=日大三)のランプレーにより自陣36ヤードまで前進する。しかし、3rd&6でQBサックをされてしまい、4thダウンでパントを蹴ることに。それでもP森川温(スポ4=法政二)が陣地を大きく回復するナイスパントを蹴り、中大の攻撃は敵陣1ヤード地点からとなる。その後の攻撃はQBのスクランブルやラテラルにより自陣47ヤードまで前進されるもTDは許さず。14ー3で試合を折り返した。

陣地を大きく回復するパントで会場を沸かせた森川
第3Qは法大のキックオフでスタート。ここで高城が再びオンサイドキックを選択。しかし法大にオフサイドの反則があり5ヤードの罰退で蹴り直しに。続くキックはタッチバックとなり、中大の攻撃は敵陣25ヤードからとなる。いきなり中央を抜けるランプレーにより自陣32ヤードまで前進されてしまう。しかし直後の1st&10で中大にホールディングの反則があり10ヤードの罰退となると、その後の攻撃を林凌平(営4=法政二)のQBに対する激しいプレッシャーもあり抑えると、4th&9で中大はFGを選択。これが失敗に終わり、攻撃権は法大へ。

相手QBにプレッシャーを掛け続けた林
しかしこのシリーズでは1stダウンを更新できず。パントを蹴り、敵陣42ヤードから中大の攻撃となる。1st&10の攻撃をLB宇都宮慶(文3=法政二)のタックルにより1ヤードのゲインに抑えると、続く2nd&9の攻撃はアウトオブバウンズの判定により一時はパス不成功となる。しかしビデオ検証の結果、パス成功の判定に。それでも3rd&4の攻撃をDB岡村裕(キャ3=佼成学園)もカバーにより抑えると、最後はパントを蹴らせ、攻撃権は法大へ。自陣11ヤードからの攻撃は中川の左に流れるランプレーにより自陣44ヤードまで前進すると、続く1st&10の攻撃で中大にパスインターフェアランスの反則があり、さらに15ヤード前進する。敵陣41ヤードからの攻撃は高津佐の相手の頭上を飛び越えるRACにより敵陣27ヤードまで前進する。すると2nd&9の攻撃で高津佐へのTDパスが通ったかに思われたが、ビデオ判定により認められず。それでも4th&9でFGを高城が沈めて、17-3とさらに突き放すことに成功した。

FGをきっちり沈めた高城
再開後の中大の攻撃は敵陣14ヤードから。1st&10の攻撃でDB速水紀成(理4=鎌倉学園)がロスタックルに成功するも、続く2nd&longで法大にパスインターフェアランスの反則オフサイドの反則があるも、松岡へのロングパスが通っていたこともあり、中大はこれをディクライン。敵陣46ヤードまで前進されるもDL安永珀斗(キャ2=箕面自由学園)のノーゲインに抑えるタックルもあり、前進を許さず。しかしその後パスインターフェアランスの反則を取られさらに15ヤード前進されてしまう。それでもLB内山綾太(営4=佼成学園)のロスタックルもあり、点差を詰められることなく、17-3で最終第4Qへ。
第4Qは自陣35ヤード地点での中大4th&5の攻撃からスタート。中大はギャンブルプレーを試みるもこれは失敗に終わり、攻撃権は法大へ。自陣35ヤードからの攻撃は高津佐への2度のパス成功があり、敵陣35ヤードまで前進する。しかし1st&10で法大にホールディングの反則があり、10ヤードの罰退となってしまう。その後の攻撃では1stダウンを更新できず。パントを蹴り攻撃権は中大へ。敵陣15ヤードからの攻撃は4th&1でのギャンブルプレーの成功や、中大QB畑尾の走りながらのパス成功により、自陣44ヤードまで前進される。さらに1st&10でロングパスを通され、自陣ゴール前10ヤードまで前進されてしまう。それでも2nd&goalで、中大に無資格レシーバーのダウンフィールドへの侵入の反則による5ヤードの罰退や、DB南部宏明(法4=法政二)のタックルもあり、TDを許さず。最後はギャンブルプレーをジュッフムハマドゥ(文1=明治学院東村山)がマンツーマンに負けず、しっかり抑えて攻撃権は法大へ。その後は時計の針を進めて、そのまま試合終了。17-3で勝利を飾り、秋季リーグ白星発進となった。

試合終了後の選手たち
関東リーグ2連覇中の法大に対しては全チームが「打倒法政」を掲げて挑んでくるだろう。その予想もあってか試合前のハドルでは矢満田主将が「俺たちはチャレンジャーだぞ」と発信していたことが印象的だった。そんな相手でも一戦必勝で戦うことで関東王者、ひいては甲子園ボウルへの切符が見えてくるだろう。
次節は9月13日(土)、桜美林大学と対戦。アミノバイタルフィールドにて15時にキックオフ!(記事:白戸大貴)
選手インタビュー
DL/主将 矢満田衛良(文4=法政二)
ーー初戦勝利という結果に関して
率直にうれしいです。初戦勝てたという事は良かったなと思う一方で、今日中央大学さんの試合をして、ディフェンディングチャンピオンとして、まだまだだなと感じました。理由としては相手は打倒法政で来ているので、決死というか何でもやってきます。本当に全てを懸けて法政大学に向かってくるので、今日は点差もあまり開かずに、17ー3で終わってしまったというのは課題も感じるなと思います。
ーー試合前のハドルでは「チャレンジャー」という言葉があったが
正直に言うと、昨年甲子園ボウルに行ったメンバーと大きく入れ替わりもありました。もちろん法政大学アメフト部としてはディフェンディングチャンピオンなんですけども、ここにいるメンツだったりは去年試合に出ていなかったメンバーだったりとか、まだまだ経験を積めていないメンバーが試合に出ています。そこの部分ではマインドはずっとチャレンジャーで攻め続ける、アグレッシブに行くという部分はマインドとして必要かなと思って声をかけました。
ーー試合を通して感じたチームの課題は
勢いがある時は調子良く行くんですけど、自分たちのモメンタムが相手に行ってしまったりとかするときに、雰囲気も沈んでしまったり、プレーも引き気味になってしまうというところは課題かなと思います。常にどんな状況であっても自分たちの力を出せるというところの課題を練習でしっかり潰していけたらなと思います。
ーー次戦に向けて
桜美林大学戦も自分たちのやることは大きく変えずに、常にアグレッシブに攻め続ける法政らしいフットボールが出来ればなと思います。
(取材・白戸大貴)
P 森川温(スポ4=法政二)
ーー今日の試合を振り返って
個人的には良いプレーができました。チームとしてはもっと点差をつけなくてはいけない試合だったので、そこが課題かなと思います。
ーー第2Qのライン際に残したパントを振り返って
良いスナップが来たので、自分は蹴るだけでした。
ーー常にゴールライン際のパントは狙っているのか
あれが蹴れればパンターとしては100点だと思います。練習でやってきたことが100%出せました。
ーーチームとして秋に向けてやってきた事は出せたか
出せたとは思いますが、まだまだ足りない部分もあります。自分達はチャンピオンではなくチャレンジャーということを主将の衛良(矢満田、文4=法政二)が常に言っているので、その気持ちがまだ足りないかなと思いました。
ーー次戦に向けて
次の試合も良いパントが蹴れるようにやっていきたいと思います。
(取材・松野要)
WR 阿部賢利(営3=法政二)
ーー今日のTDを振り返って
1本目はラッキーだったのですが、2本目は練習でやってきたところができて良かったと思います。
ーーオンサイドキックをキャッチした場面を振り返って
あれも練習通りやっただけなので、練習で上手くいくことが、試合でも上手くいくを実感しました。
ーー初戦勝利したことに関して
素直に嬉しいですが、点差を見ると分かりますが、後半は3点しか取れていなくて、14点差というのは課題が残るなと思いました。
ーー初戦の反省や課題点は
先程のもそうですが、後半の入りが悪いとこですかね。
ーー今季から6番を選んだ理由は
アメリカNFLのイーグルスの6番の選手(DeVonta Smith選手)がすごい好きなのでこの番号にしました。
ーー次戦に向けて
自分の準備もチームの準備もしてしっかり臨めば勝てる相手だと思うのでしっかり準備していきたいです。
(取材・川邉まなみ)
QB 菊地祥(法1=法政二)
ーー今日の試合を振り返って
中央に向けて色々準備していました。準備していたものが出し切れたわけではないけど勝ちきれたので結果オーライかなと思います。
ーーTDパスを振り返って
このチームの強みはレシーバーの能力だと思っているので、そこを最大限に使えたかなと思っています。
ーーインターセプトされる場面もあったが
インターセプトはあんまり自分のミスというふうには捉えてないので(笑)
ーースタメンでの開幕戦、どのような気持ちで臨んだか
めちゃめちゃ緊張していたんですけど、試合が始まったら楽しくなってきて、やってやるぞって気持ちになりました。
ーー次戦への意気込み
僕の役目は先輩たちにつなぐ役割だったので、あとは先輩たちに任せます。
(取材・紺野真帆)