2025年9月13日(土)
神宮球場
11季ぶりの優勝を狙う法大。松下世代最後の今季、開幕戦のマウンドを託されたのはリーグ戦初先発の山床志郎(文2=高鍋)。試合は序盤、2本の本塁打などで7点のリードを得る。投げては山床が6回までパーフェクトピッチングを見せるなど、試合を優位に進めるも後半、投手陣が粘り切れず痛い引き分けとなった。

6回までパーフェクトピッチングを見せた山床、井上和バッテリー
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 2 | 7 | 10 | 0 |
法大 | 0 | 0 | 5 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 11 | 0 |
(慶大)渡辺和、小川琳、田上、坂中、水野ー吉開
(法大)山床、野崎—井上和
[本塁打]
法大:中村騎士 1号3ラン(3回 渡辺和)
松下歩叶 1号2ラン(5回 渡辺和)
慶大:なし
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9 回 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (9) | 境 | 5 | 1 | 0 | 0 | .200 | 右飛 | 右安 | 二ゴロ | 一ゴロ | 遊直 | ||||
2 | (4) | 中村騎 | 4 | 1 | 3 | 1 | .250 | 二直 | 左本③ | 右飛 | 四球 | 二ゴロ | ||||
3 | (8) | 藤森康 | 5 | 2 | 0 | 0 | .400 | 左安 | 空三振 | 二安 | 一ゴロ | 一ゴロ | ||||
4 | (5) | 松下 | 4 | 2 | 2 | 0 | .500 | 二飛 | 中安 | 左本② | 投ゴロ | |||||
5 | (7) | 片山 | 4 | 1 | 0 | 0 | .250 | 一ゴロ | 右安 | 左飛 | 左飛 | |||||
6 | (3) | 今泉秀 | 4 | 2 | 1 | 0 | .500 | 二ゴロ | 左2① | 左飛 | 左安 | |||||
7 | (2) | 井上和 | 3 | 1 | 1 | 0 | .333 | 一安 | 右犠飛① | 空三振 | 空三振 | |||||
8 | (6) | 品川 | 4 | 0 | 0 | 0 | .000 | 一ゴロ | 右飛 | 中飛 | 遊ゴロ | |||||
9 | (1) | 山床 | 3 | 1 | 0 | 0 | .333 | 左安 | 遊ゴロ | 見三振 | ||||||
1 | 野崎 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | 三ゴロ |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
山床 | 71/3 | 107 | 30 | 7 | 6 | 1 | 5 | 6.14 |
野崎 | 1 2/3 |
39 | 9 | 3 | 2 | 1 | 2 | 10.80 |
ベンチ入りメンバー
10 | 松下歩叶(営4=桐蔭学園) | 23 | 只石貫太 (営1=広陵 ) | 7 | 浜岡陸 (法4=花咲徳栄 ) |
15 | 丸山陽太 (スポ4=成東 ) | 42 | 井上和輝 (法1=駿台甲府 ) | 9 | 内山陽斗 (文4=天理 ) |
18 | 野崎慎裕 (営4=県岐阜商 ) | 3 | 今泉秀悟 (キャ2=石見智翠館 ) | 1 | 藤森康淳 (営3=天理 ) |
20 | 藤森粋七丞 (キャ4=青森山田 ) | 4 | 中村騎士 (営2=東邦 ) | 33 | 片山悠真 (文3=八王子学園 ) |
25 | 助川太志(グ3=茗渓学園) | 46 | 佐藤哲平(スポ2=立命館慶祥) | 34 | 西凌矢(法3=広陵) |
12 | 山床志郎 (文2=高鍋 ) | 5 | 品川侑生 (文4=三重 ) | 44 | 石井翔大(人2=札幌日大) |
24 | 槙野遥斗 (営1=須磨翔風 ) | 31 | 金谷竜汰(法3=東海大菅生) | 26 | 境亮陽 (営1= 大阪桐蔭 ) |
22 | 中西祐樹 (法3=木更津総合 ) | 2 | 熊谷陸(人2=花巻東) | ||
27 | 土肥憲将 (キャ3=鳴門 ) | 8 | 小川大地(営2=大阪桐蔭) |
戦評
六大学野球100周年の秋。開幕戦の先発を任されたのは山床志郎(文2=高鍋)。自身リーグ戦初先発だ。対する慶大は最速151㌔左腕の渡辺和大(3=高松商業)が開幕のマウンドを託された。両左腕の投げ合いに注目だ。
試合は初回、山床が味方の好守もあり内野ゴロ二つと空三振で危なげなく三者凡退に抑える。
その裏、2死から藤森康淳(営3=天理)が左前安打で出塁するも4番・松下歩叶(営4=桐蔭学園)は内野フライに倒れ、この回は無得点。
2回表の山床もテンポ良く好投を続ける。二ゴロ、空三振、二ゴロと打球を外野へ飛ばさせず、三者凡退に抑える。
その裏、1年生ながら開幕マスクを掴んだ 井上和輝(法1=駿台甲府)が2死から内野安打で出塁するも後続は続かずゼロ進行が続く。
先発の山床は3回表も危なげなく慶應打線を三者凡退に抑ると、試合が動いたのはその裏。
先頭の山床が左前安打で出塁すると、境亮陽(営1=大阪桐蔭 )が右前安打で繋ぎ、中村騎士(営2=東邦)の左翼越え3ラン本塁打で先制に成功する。
その後も4番・松下の中前安打、片山悠真(文3=八王子学園)の右前安打と打線がつながり、今泉秀悟(キャ2=石見智翠館)の適時二塁打、井上和の犠飛でこの回に一挙5得点を挙げ、ビッグイニングを作る。
4回表も山床は素晴らしい投球を続けた。テンポは変わらず二ゴロ、左飛、空三振と三者凡退に抑える。
対する法大も四回裏は相手先発、渡辺和の前に遊ゴロ、ニゴロ、右飛と三者凡退に倒れる。
5回表も山床の完璧な投球は続く。またもや空三振、三ゴロ、遊ゴロと三者凡退で抑えここまで完全投球。開幕戦での大記録に期待がかかる。
5回裏、先頭の3番・ 藤森康がセカンドへの内野安打で出塁すると主将の4番・松下が渡辺和の内側に入ってくる変化球を捉える。打った瞬間確信したか、スイングの余韻を残しゆっくりと走り出した。頼れる主将の完璧な2ラン本塁打がレフトへ飛び込み追加点を奪った。
6回表、ここでも山床は完璧な投球を見せる。慶大も黙って見るだけではなく代打策を打つも、しっかり抑え三者凡退に仕留める。
六回裏は法大も小川琳太郎(4=小松)に変わって登板した田上遼平(3=慶應湘南藤沢)に中飛、見三振、一ゴロと抑えられ、三者凡退で終わる。ここまで法大ペースで試合は進み勝勢かと思われた。しかしここから徐々に風向きが変わり始める。
若き血が演奏される7回表、ここまで完全投球を続けてきた山床だったが、1死から2番・小原大和(3=花巻東)に二遊間を破る安打を許す。さらに連打で満塁のピンチを背負うと、リーグ戦初出場の代打・加藤右悟(1=慶應)に左前適時二塁打を浴び、3点を返された。
その裏、追加点を奪って突き放したい法大は、先頭の中村騎が四球で出塁。しかし後続のクリーンナップは倒れ、この回は無得点に終わった。
8回表、山床は続投したが流れを中々止めることが出来ず、中安打、四球、左前安打で一死満塁のピンチを作ると3番・渡辺憩(2=慶應義塾)の当たりはサードへ高く跳ねたゴロとなる。これを三塁手松下が捕るもファーストはセーフとなる。ここで先発の山床はマウンドを降りる。続いて登板したのは背番号18、エースの野崎慎裕(営4=県岐阜商)。変わって最初の打者に押し出し四球を出すも後続を抑え、7-5と2点のリードで8回裏に突入する。
リードしてるとはいえ流れは慶大。なんとか得点したいところで6番・今泉秀が相手の5番手・水野敬太(2=札幌南)から左前安打を放つ。しかしここから空三振、遊ゴロ、三ゴロと続けずスコアは変わらず最終回に突入する。
9回表、2点差を守り切りたい法大は前の回に続いて野崎がマウンドに上がる。しかし先頭の吉開鉄朗(3=慶應)に左前安打を許すと、続く8番・林純司(2=報徳学園)にも左前打を浴び、ピンチを広げる。2死二、三塁から再び2番・小原に左前適時打を許し、ついに同点に追いつかれた。
プロ併用日のため、延長戦がない今日の試合。11季ぶりの優勝へ何としてでも勝利したい一戦。最後に意地を見せたい9回裏の攻撃だったが、三者凡退に倒れ、初戦の勝利とはならなかった。
11季ぶりの優勝へ向けて落とせない一戦。前半は試合を優位に進めるも、最後は投手陣が粘り切れずに引き分けとなった。これで、明日、明後日まで試合が続くことが決まり、今シーズンもタフなシーズンになることが予想される。明日からも落とせない戦いが続く。
(記事:古川千遥、山田竣矢、篠﨑勇希)