【ボート】ついに歴史が動いた!男子フォア21年ぶりの全日本ローイング選手権大会優勝 優勝に貢献した3名の選手をインタビュー

村上陽亮(法2=八尾)

大畑奏輔(法2=鳥取城北)
美藤晃佑(営2=今治西)
インタビュー
ーー21年ぶりの優勝を振り返って
村上 自分たちが21年ぶりに優勝したからといって、なにかをやったという感覚はありません。けれども、自分たちが優勝できてうれしいという感じはありました。
大畑 長らく優勝していないというのは、多くの人たちから聞いていました。何年ぶりに優勝してやろうという気持ちはそこまでありませんでしたが、自分たちの出るレースで勝ちたいという気持ちがとても強くあり、それが優勝という形で結ばれて良かったです。
美藤 レースで自分たちが勝てたという喜びもそうですけど、21年ぶりという話を聞くと、大学の体育会の一員として功績を残せたのはとてもうれしく思います。
ーー優勝した瞬間の心境は
村上 優勝した瞬間は今まで練習でやってきたことや、努力が報われたというのが1番感じました。あとは4年生主将の栗原さん(知成、法4=熊本学園大付)と一緒に優勝できたことで、一安心できました。
大畑 勝った瞬間っていうのは、素直に1番喜びが来ました。その場では喜びしか感じませんでしたが、OBの人たちだったりコーチ陣から「よくやった」と言われて、実感が湧いてきました。
美藤 みんな中高とボート競技をやってきましたが、クルーのだれも今まで全国大会や、全日本級の大会で優勝したことがありませんでした。そのため、自分はシンプルにボートを今まで続けてきて良かった。そして、この10年間ぐらいやってきたことが報われたなと思いました。
ーー優勝できた要因は
一同 優勝するという気持ちを統一できていたところが、1番の大きな要因だと思います。それに向けて、練習の期間から優勝するための練習を質と量を伴ってできていたと思います。
ーー2年生3人、4年生1人という学年構成だったが4年生の栗原選手の存在は大きかったか
美藤 大きかったですね。自分が1番後ろ側に乗って、1個前の主将の背中が見えるという形でした。練習中もそうですし、特にレース中の主将の安心感というのがすごく大きかったです。どうしてもレースで相手が迫ってくると焦ってしまいますが、主将の背中見ていると安心できました。「自分たちなら絶対いける」という基盤を作ってくれました。
ーーそれぞれのポジションと役割は
村上 自分は1番前の※ストロークのポジションで漕いでいました。船のリズムだったり、レートや動きというところを作る役割をしています。
大畑 自分はストロークの後ろの3番に乗っています。3番の役割としては、ストロークのリズムを船全体につなげるような感じです。そのリズムをつなぐという役割にプラスして、1番大きいのはエンジンという風によく言われます。力を出して、船をしっかり進めてあげるというパワーポジションです。リズムをつなぎつつ、力を出して船のスピードに貢献するポジションです。
美藤 1番後ろ側のバウというポジションです。バウというのは1番ゴールに近い人なので、1番レースの状況がよく見えたり、頭の向き的に1番声が全員に届くので、声かけをしています。例えば、攻めたいときに「アタック行こう」や、相手が迫ってきていたら「ここ頑張って突き放そう」という声かけをするポジションです。加えて、漕ぎに関しては2番、3番がエンジンと言われていますが、その漕ぎを後ろからバックアップしてあげる感じです。前の人たちが漕ぎやすいように、船を支え続けるという役目です。
※ストローク・・・座席およびその役割を指す
ーー普段はどういった練習をしているか
一同 練習は基本的に船に乗って練習する乗艇練習とウエイト、ボートの動きを陸上でもできるエルゴ(ローイングエルゴメーター)というマシンを使ってのトレーニングになります。(ウエイトもかなりの頻度でやっているのか)そうですね。ウエイトにも種類があり、大会前になるとサーキット系のトレーニングをしています。基本的に週2〜3回やっています。
ーー入学してからの苦労は
一同 自分たちが優勝した種目が※スイープ種目になりますが、高校生までだとそのスイープ種目というのがありません。※スカル種目というものだけで、スイープに慣れるというところが、高校からやってきた人が苦労する部分だと思います。
※スイープ種目、スカル種目・・・スイープ種目はオールを1本だけ使って漕ぎ、スカル種目は両手で2本のオールを使って漕ぐ
ーーボート競技の魅力は
一同 4人だったり8人が息を合わせて、100分の1、1000分の1秒くらいまで突き詰めて、技術的に統一させたときにスピード感や船が動く感覚が生まれます。そういった部分が今回の場合は結果につながったってところがあるので、魅力かなと思います。
ーー今後の意気込み
美藤 まずは来年のインカレの自分たちが優勝した男子フォアで2連覇したいです。あと、その前に社会人も含めた全日本選手権大会があるので、メダルを狙いたいなと考えています。
大畑 部の目標として、来シーズンはインカレ2連覇、全日本選手権でメダルという形でやっています。3人としてもインカレ2連覇というのは意識しているので、そこを目指してやっていきたいです。
村上 今回優勝したので、周りからの目や期待もあると思います。まずは来年のインカレで、もう1回優勝するというところが目標です。他の大会でも、法政大学ボート部として、さらに良い結果を残していけるように、引っ張っていければと思います。
(取材・撮影:寺地愛歩、松野要)




