季節外れの気候の元、拓大戦は幕を開けた。お互い、4位・5位と昇格枠を狙う2チームの直接対決ということで、この試合はどうしても勝っておきたい一戦だ。前節、勝つべき相手にまさかの敗北を喫した法大イレブン。反省を生かし、1-0と昇格争いのライバルとの一戦を制した。
トータル試合結果
0 拓殖大学 |
0 | 前半 | 0 | 1 法政大学 |
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0 | 後半 | 1 |
得点とアシスト
時間 | 大学 | 得点者 | アシスト |
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69分 | 法大 | 日影 健太 | PK |
メンバー
拓殖大学 監督: 玉井 朗 |
法政大学 監督: 長山 一也 |
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1 | GK | 佐川 亮介 | 1 | GK | 四宮 祐貴 |
2 | DF | 谷川 貴也 | 2 | DF | 永戸 勝也 |
3 | DF | 三浦 勇人 | 3 | DF | 宗近 慧 (Cap) |
13 | DF | 新山 祐弥 | 6 | DF | 星 雄次 |
16 | DF | 高橋 賢司 | 22 | DF | 田代 雅也 |
4 | MF | 小針 優貴 (Cap) →多田(71分) |
5 | MF | 山口 廉史 |
7 | MF | 大森 勇希 | 8 | MF | 三田 尚希 |
8 | MF | 菅能 将也 →小野瀬(79分) |
10 | MF | 高橋 健哉 →高徳(82分) |
19 | MF | 森川 穣 | 24 | MF | 上田 慧亮 →白石(63分) |
26 | MF | 小畠 俊貴 | 25 | MF | 西室 隆規 |
18 | FW | 河野 直登 →西岡(74分) |
9 | FW | 相馬 将夏 →日影(52分) |
サブメンバー | |||||
12 | GK | 夏井 智大 | 21 | GK | 富澤 雅也 |
17 | DF | 菊野 太紀 | 13 | DF | 藤本 貴士 |
33 | DF | 池田 直樹 | 26 | DF | 伊藤 航希 |
20 | MF | 川﨑 圭亮 | 14 | MF | 白石 智之 |
22 | MF | 多田 和明 | 17 | MF | 高徳 勇輝 |
11 | FW | 西岡 梧郎 | 29 | MF | 黒柳 駿 |
30 | FW | 小野瀬 恵亮 | 20 | FW | 日影 健太 |
戦評
総理大臣杯決勝戦以来、初めての先発であるGK四宮祐貴(現4)や、こちらも2試合ぶりの先発であるMF上田慧亮(現1)がスタメンに名を連ねる法大は、前半開始早々2度のCKのチャンスを得て流れをひきよせる。また、両サイドからの攻撃を通じ、積極的にゴールを狙うが、拓大DF陣の堅守に阻まれる時間が続く。一方で前半10分には、エリア内に持ち込まれるというピンチもあったものの、法大DFも冷静に対応し、枠内シュートを打たせない。その後も、MF高橋健哉(社4)、三田尚希(現4)や星雄次(社4)がロングシュートを狙うといった法大優勢の流れを作り上げる。拓大も、30分法大のCKのこぼれ球からカウンターを仕掛けるが、キャプテンの宗近慧(経4)を始めとするDF陣が確実にクリアする。お互い探りを入れつつ、攻めつつ守りつつあった前半終盤。拓大のFKをFW相馬将夏(スポ健4)がクリアし、CKに切り替わったあとの混戦内で、拓大DF高橋がファウルを犯し2枚目のイエローで退場し、前半が終了した。
数的有利となった後半。両チームとも交代はなく、前半と同様に法大が流れを握るように思われた。だが、拓大は10人全員でメリハリのあるプレーをし、積極的にシュートを狙う。運動量も上がっていた拓大に法大はすぐさま対応策として、相馬を下げ、日影(経3)を投入する。その後、拓大のセットプレーが増え始めるという前半と真逆の展開となり、法大陣も攻めの形を作ろうと励むものの中盤でボールを奪われ思うようなプレーができない。また、後半14分疑惑の残る審判のジャッジから、戸惑いを見せる法大勢は中央突破を許してしまう。しかし、経験値のあるGK四宮が着実に止め、先制点を取らせない。
集中力和切らさない拓大10人が仕掛ける高いラインからのプレスに対し、理想的なプレーができず、わずかなチャンスを狙うしかない法大。そんな中、30分、右サイドからドリブルで上がり突破した三田を拓大DFがエリア内で倒し、法大はPKを得る。キッカーはリーグ初出場の日影。自らをPK職人と語る彼は、落ち着いてこれを決める。その後、試合は徐々に拓大ペースから法大ペースへと移ってゆく。ポゼッションも上がり、ボールが回り始め、相手にも疲れが見えてくる。その後も焦る拓大の隙を狙うが、結局惜しくも追加点は叶わず。しかし、今までの課題の一つであった先制点を決めたあと最後まで守りきるというプレーは見事達成することができた。
終わってみれば1対0と、実力の差のない相手を完封勝利することができた。確実に前節の反省は活かせているだろう。勢いをそのままに残り4試合を戦い抜き、そして悲願の昇格を果たしてほしい。(宮下尚子)
選手・監督コメント
長山一也監督
‐試合を振り返って
まずは勝ち点3を取れたので。内容としては、もう少し攻撃の形を作りたかったですし、得点を奪えればという形でした。ただ、結果は伴っているので次の相手をしっかりスカウティングして、また勝ち点3を奪いたいと思っています。
‐序盤は良い形を作れていた
気候とかもあったと思いますが、今日は強気でやれと言っていたので、そういった姿勢は見せることができたと思います。ですが、相手も人数が減ってから激しく来てなかったのでそこに合してしまった感は否めないですね。そこでボールを握れているときに背後を狙うという形が少なかったかなと、足元-足元でセーフティーなボール回ししかできていませんでした。あとは、三田がPKをとったような相手が嫌がるドリブルが少なかったですね、中途半端に仕掛けて最後自分が詰まる状況を作ってしまっていましたね。
‐前線がボールを収められていなかった
そうですね。前が今日のようにタメを作れていないと後ろから押し上げることもできませんし。もうちょっと収めてほしかったですね。
‐PKをリーグ初出場の日影選手が蹴った
大臣杯の予選、アミノバイタルカップで順大さんとやったときもPKを決めていますし、本人もPK職人といっていますね。今日も自分でとったものではなかったですけど、自らボールをもってスポットにいったので、大したものだなと思いました。決めてくれて、しっかりと役割を果たしてくれました。
‐三田選手が非常に好調を維持している
彼のチームといっても過言ではないほど好調ですね。攻撃の起点ですし、仕掛けることもできています。シュートも入る時と入らない時がありますが、技術は非常に高いですね。彼の運動量やスピードはうちの武器ですね。左足のキックも非常に精度が高いですし、一試合一得点を狙えるくらいもっともっとできると思います。
‐残り4節に向けて意気込みを
うちは勝っていくしかないので。上のチームと戦うチャンスが残されているので、順位を変えていけるように、一戦一戦自分たちで昇格、優勝というものを切り開いていきたいなと思います。
MF三田尚希
‐今日の試合を振り返って
そうですね、自分たちのゲームで中々試合が運べなかったっていうのが結構大きくありますね。
‐今日の試合に向けどのような展開を予想されていましたか
拓殖がたくさんパス回してくるっていうのが分かっていたんで、守備からしっかり入ってカウンターなどを狙っていかなきゃいけないゲーム展開になるのかなとは思ってたんですけど、一人退場したところでゲーム運びも変わってきたのでカウンターというよりは、自分たちでボールを保持してからの攻撃を重視しなきゃいけない試合だったかなと思います。
‐試合を通しての拓殖大の印象
カウンターもボールを奪ってからのスピードも速かったですし、ドリブルだったりっていうところもスピードがあったので、守備の面ではやっかいだったかなと思います。
‐今日は10月らしくない天候でしたが何か心がけていたことは
特にないですけど、個人的には足もすりやすい体質なので、水分はしっかりとろうかなとやっていきました。
‐今日勝ったことで拓殖大を抜き、4位になりました
そうですね、まあ拓殖を抜くことが目標でもないので、これからの試合全部勝たなきゃ優勝はないと思っているので、それに向けてしっかり準備していきたいと思います。
‐今日見つかった課題があれば教えて下さい
攻めている途中のバイタル、最後のフィニッシュまでの持ち方だったり、ゴール決めるっていうところで、1点しか決められなかったので、その最後のところをしっかり練習していかなきゃいけないと思います。
‐次節日大戦に向けてお願いします
あと1戦も落とせない試合で、次も必ず大事な試合なので、しっかり一週間準備してまた勝ち点3を取れるように頑張りたいと思います。
GK四宮祐貴
–今日の試合を振り返って
前節負けていた中で今回自分は昨日急に出ることが決まって、チーム状況も自分はあまり良くないと思っていたので、自分の役割として声を出すこと、雰囲気を良くすることを考えながらやっていました。それが立ち上がり良い形で崩せていて、相手も退場して自分たちも楽にプレーできたこともあって、後半に得点できたので、良い雰囲気でやれていたと思います。
–どういった経緯で出場が決まったのか
今週自分はあまり試合に出ていなくて、練習できていなかったんですけど、セットプレーの時に自分がキーパーやることになって、それで今日出ることになりました。
–今日の試合の結果については
これから負けられない試合が続くということで、内容的には見てる人には面白くなかったと思うんですけど、結果的にPKで勝てて次に繋がったので良かったと思います。
–リーグ戦は久々の出場でしたが
そうですね、久々で総理大臣杯以来だったんですけど、自分のプレー、自分の特徴を出して雰囲気良く立ち上がりから入れるように自分の声がけだったりすることを意識して、自分ではやることが限られているので、チームがどれだけ良い雰囲気でやれるのかを考えながら今日の試合に臨みました。
–前節は2失点した中で今節は無失点に抑えたことについては
前節は正直先制したのにも関わらず自分たちが崩れるという、そのあたりは何回も言っているんですけど雰囲気が、勝てる雰囲気があると思うので、その勝てる雰囲気というのはディフェンスラインが声をかけることで盛り上げたり、そういうチーム力があったんじゃないかなと。ディフェンスラインがリーダーシップを取れたことが無失点につながったんだと思います。
–これまでの試合をベンチからどう見ていたか
正直ぬるいなと思っていたんですけど、やはり自分も試合に出たいという気持ちもあったんで、言う必要もなかったですし、勝ってほしいとは思っていたんですけど、それが自分の特徴である以上、それを感じながらも、学生のスポーツなので、自分たちで感じられる選手、こういう状況になるかもしれない後輩にはそういう雰囲気を感じ取って欲しいという思いはありました。自分はベンチで後輩には雰囲気の大事さというのは6試合終わって教えてきたつもりなんで、来年それを出してくれればいいと思います。
–次節への意気込みを
次節は格下の日大なので自分たちのやることをしっかりやらないといけないので、今回雰囲気良くやれたので、次戦は内容にもこだわって勝ちたいと思います。