【馬術】平成27年度全日本学生馬術競技大会(馬場馬術競技) 網重は悪天候のなか奮闘するも、決勝進出ならず
平成27年度全日本学生馬術競技大会
2015年11月2日(月)
日本中央競馬会馬事公苑
本日行われた種目は、馬場馬術競技。予選の上位10名が出場できる決勝を懸け、法大から唯一出場の網重志保(経4)が臨んだ。会場は朝から雨天に見舞われ、地面のコンディションが十分でないなか行われた。網重の結果は24位と決勝進出は果たせず、今大会を終えた。
競技結果
馬場馬術競技 予選
選手名 | 馬名 | 順位 | 得点率 | 備考 |
---|---|---|---|---|
網重志保 | ジュピター | 24位 | 57.027 | 予選敗退 |
戦評
障害飛越競技を失権で終えた網重はジュピターの背に乗って、馬場馬術競技へ挑んだ。しかしこの日は、激しい豪雨と10℃前後という厳しい寒さ。最悪のコンディションの下で、演技は行われることに。
今大会は馬場馬術にメインアリーナを使用。網重はこのアリーナでの開催を不安視していた。ドレッサージュアリーナでは「馬は集中してすごくいい点数を取れる」のに対し、メインアリーナでは「馬が重くなったりする。あまり良い成績を残したことが無い」と語る。そして、その予感は的中してしまう。
荒れた馬場で滑らないよう意識するうちに、演技に集中できないコンビ。走り方を段階的に変えていく「走法変換」の指示にも失敗するなど、思うような演技ができない。後半で巻き返したいとことだったがミスを引きずり、そこまで。終始、環境に振り回される形となった。「『それも運命なんだな』と、終わってからは思います」。
実は網重、10月31日の障害飛越競技で敗退したショックから立ち直れずにいた。「(法永は大学2年次から)ずっと乗ってきた馬でしたし、この試合を目標にしてきた」。馬場馬術競技で結果を残すために必要だった気持ちの切り替えも「全然できていなかった」という。
この大会はひとつの「区切り」。これで引退とは言い切れないが卒業とともに馬術から離れるため、大きな大会はこれが最後だった。思うような結果を残すことができなかっただけに、悔しさがあふれる。そんな網重は後輩部員たちに、このような言葉を残した。「それぞれの目標に向かって、悔いの残らないようにやってほしい」。それは最後の大舞台で悔しさを味わった彼女だからこその強い願いのようにも、「馬術」という舞台を離れ、別の目標へと歩み出す自らへの誓いのようにも聞こえた。(伊藤華子)
選手コメント
網重志保
―24位という結果は
やっぱり「決勝に進みたかったな」という気持ちがあるので、納得していない部分もあります。でも「今の自分の実力だと、こんなもんだったのかな」という受け止めはしています。
―失敗は
雨ということもあって足が滑ってしまったり、そっち(足元)の方を気にしてしまって演技に集中できない部分はありました。4歩ごとに「踏歩変換」というものがあったんですが、それを馬にしっかりと合図してあげることができなかったから失敗してしまった、ということもすぐに自覚しました。後半取り戻そうとしたんですが、ちょっとミスを引きずってしまってしまった部分もありました。
―アップの時間から天候への不安はありましたか
滑ったり、自分の体も冷たくなってしまったりして。しかも、コンディションもだいぶ悪くなってしまっていました。でも「それも運命なんだな」と、終わってからは思いますね。
―この課目は初めてだったのですか
いいえ。大学に入ってから初めた課目ですが、1年生のときから数回は踏んでいました。
―そのときの成績は
その(演技を行う)場所によって全然成績が違いましたね。馬事公苑でも、ドレッサージュアリーナという森に囲まれた馬場だと、馬は集中してすごくいい点数を取れます。自分でも理由はわからいないんですけど、(今回のように)メインアリーナでやってしまうと、馬が重くなったりするんです。メインアリーナではあまり良い成績を残せたことが無くて、ドレッサージュアリーナでのほうができていましたね。
一昨日の障害飛越競技から1日をはさんでの演技でしたが、気持ちの切り替えは
全然できていなかったですね。やっぱり(法永は大学2年次から)ずっと乗ってきた馬でしたし、この試合を目標にしてきたので「それなりの結果は出したかったな」と思います。何より「帰って来(走破し)たかったな」という思いが大きかったので、結構メンタルにはきましたね。次の日(11月1日)にコンソレーションジャンプという低いクラスの競技を、障害を1つも落とさずに馬も人も落ち着いて帰って来れて、一安心はしました。でも、落ち着いて帰って来ることができたからこそ「1走行目(10月31日)にこういう落ち着いた走行をしたかったな」という悔しさはありましたね。
―法永、ジュピター両馬に一言
「こんな下手くそが乗り続けて、最後まで大きな試合に付き合ってくれてありがとう」っていう感謝の気持ちでいっぱいですね。
―昨秋の取材で、主将になるに際して同級生がいないことが不安とおっしゃっていました。実際は
相談できる相手もいなくて、全部ひとりで考えなければいけないということがすごくつらかったです。他の人に相談するんですけど状況が違うので「こうすればいいんじゃないの」とか言われても、実際には実行できなかったり、はっきり言えなかったりして。「全然まとめられていないな」という思いはありますね。
―次期主将の出田匠選手(経3)も同級生がいませんが、「同じ悩みを抱えてしまうのではないか」といった心配は
彼に関しては、そういう心配は全然していないですね(笑)。彼にも悩みはあると思うんですけど、傍から見ていてもそういうの(心配)は一切無いので、やってくれるとは思います。
―卒業後は
一般企業に就職して、馬からは一端離れます。
―後輩部員たちにメッセージ
部員が少なくて大変だとは思いますが、それぞれの目標に向かって、悔いの残らないようにやってほしいです。
ひとつの区切りとなった今大会
フォトギャラリー
- 24位と予選突破は叶わず
- 雨が降りつけるなかでも集中を切らさなかった
- 持ち馬ジュピターと臨んだ
- 競技を終えた網重とジュピター