【ハンド】平成27年度高松宮記念杯 男子第58回・女子51回 全日本学生ハンドボール選手権大会 函館大会 1回戦 対関学大 2年連続悲劇!! 延長戦力尽き、インカレ初戦で姿消す
平成27年度高松宮記念杯 男子第58回・女子51回
全日本学生ハンドボール選手権大会 函館大会 1回戦 対関西学院大
2015年11月7日(土)
函館大学付属有斗高等学校体育館
いよいよ迎えた全日本学生ハンドボール選手権大会(インカレ)。昨年は2回戦で延長戦の末に東海大に敗れ涙を飲んだ。初戦の相手は関西の雄・関学大。関西リーグで上位につけた強豪相手に前半はリードを許したが、後半からは得意のDFが機能し逆転に成功する。残り数十秒のところで同点に追いつかれ延長戦に突入する。ミスから突き放され、33対38でホイッスル。2年連続で延長戦での敗北を喫した。
試合結果
トータル試合結果
33 法政大学 |
15 | 前半 | 20 | 38 関西学院大学 |
---|---|---|---|---|
15 | 後半 | 10 | ||
1 | 延長前半 | 5 | ||
2 | 延長後半 | 3 |
スターティングメンバー
選手名 | 身長 | ポジション | 出身校 | 得点 |
---|---|---|---|---|
#20 高間アミン(経2) | 178 | LW | 群馬・富岡 | 7 |
#7 遠藤由陽(経4) | 177 | LB | 栃木・國學院栃木 | 8 |
#11 渡邉大貴(社4) | 181 | CB | 茨城・藤代紫水 | 4 |
#18 石川雄貴(経3) | 183 | RB | 神奈川・法政二 | 1 |
#5 竹野恭平(社2) | 170 | RW | 神奈川・法政二 | 4 |
#3 長谷川良介(社3) | 184 | PP | 茨城・藤代紫水 | 2 |
#12 柿崎雅俊(デ工3) | 183 | GK | 埼玉・浦和学院 | – |
交代選手
選手名 | 身長 | ポジション | 出身校 | 得点 |
---|---|---|---|---|
#17 内門竜之介(経2) | 178 | RB | 鹿児島・鹿児島工業 | 4 |
#4 福本直也(経1) | 172 | CB | 神奈川・法政二 | 3 |
#15 仲村充(社1) | 180 | GK | 茨城・藤代紫水 | – |
#1 深井亮太(理工1) | 180 | GK | 埼玉・浦和学院 | – |
※LW…レフトウイング(レフトサイド)、LB…レフトバック、CB…センターバック、RB…ライトバック、RW…ライトウイング(ライトサイド)、PP…ピヴォットプレーヤー
戦評
秋季リーグ戦終了から約2ヶ月。この日から開幕するインカレのために、練習を積み重ねてきた法大。関西の強豪・関学大を相手に北の大地・函館でその成果を発揮できるか。20人の円陣が解け、気合十分の選手達。充実感と自信で満ち溢れた顔からはこの試合に掛ける気持ちが伝わる。是が非でも勝利が欲しい、運命の一戦が始まった。
試合は関学大が2点を先制するなど苦しい立ち上がり。それでも、相手のパワーのあるディフェンスに対して、フローター陣が粘り強く攻め、得点を重ねる。6分に福本直也(経1)と遠藤由陽(経4)の連続得点でスコアはタイに。しかし、バランスよく得点する相手にディフェンスが安定せず、手に汗握る展開が続いた。10分過ぎには両ウイングの竹野恭平(社2)と高間アミン(経2)がそれぞれ得点を挙げ、さらに相手を2分間退場に追いやる。スコアは9対10とビハインドだが、数的優位を生かして勝ち越しを狙える状況に。しかし直後の攻撃でチャージングを取られるなど、らしくないプレーが続き3連続で失点。残り7分でタイムアウトを要求するが、点差を広げられ15対20で前半を折り返す。
後半開始早々、高間と石川雄貴(経3)がスカイプレーを完成させ、幸先の良いスタートを切る。その後1点を返されるも、速攻から得点を決め、開始すぐにで2点差に迫る。関学大のタイムアウト直後にはディフェンスの間を割られ、決定的なシュートを打たれるが、ゴールキーパー柿崎雅俊(デ工3)がスーパーセーブでこれを防ぐと流れは完全に法大へ。10分には福本がカットインから冷静に決めて、ついに21対21の同点に。10分間で喫した失点はわずかに2。磨き上げてきた連携と、フットワークを使ったディフェンスがこの大舞台で機能する。このまま逆転したい法大は竹野が絶好のチャンスを得る。シュートはネットを揺らしたかに思えたが、着地の反則を取られノーゴールの判定。不運な判定から試合は再び関学大に傾く。ディフェンスが攻略され、残り15分で4点ビハインドを背負う。5点差を追いついた直後に4点差をつけられ、心が折れてしまいそうな展開も、選手たちは一瞬たりとも集中を切らさなかった。ポストの長谷川良介(社3)がガッツあふれるプレーでペナルティスローを獲得すると同時に、相手を2分間退場に追いやると、ここから一気に5連取。後半23分の内門竜之介(経2)の得点でこの試合初めてのリードを奪う。しかし、ここで渡邉大貴(社4)が退場。1人少ない法大は、遠藤がアウト割りから意地のシュートを叩き込むなどなんとか得点を重ね、2点のリードを保ったまま残り2分へ突入。1点を返され、直後のセットオフェンスで福本の放ったシュートは無常にもバーを叩く。すると、残り13秒で相手にロングシュートを決められ同点。勝利の女神はそう簡単には微笑んでくれなかった。勝負は2年連続となる延長戦にもつれ込んだ。
延長前半、選手たちの動きが重い。あっという間に連続失点を許すと、焦りからかシュートミスを連発。それでも長谷川が1点返し、2点ビハインドで折り返すかと思われたが、不用意なミスから残り8秒でまさかの2失点。前半を1対5で折り返す。困難な展開となった。
後半、渡邉と遠藤の4年生コンビが連続で決め、勝利への望みを微かに残す。しかし選手達にみたび4点差を追いつく力はもう残っていなかった。その後3失点し、試合終了。残りわずかの所からこぼれ落ちた勝利。激闘の末、法大が迎えたのは「敗戦」という受け入れ難い、ショッキングな結末だった。
敗れはしたが、今日の試合はまさに法大らしさが出ていた。何度点差を広げられてもチームを盛り立てる。コート上の渡邉と遠藤だけでなく、ベンチ、応援席から見守る秋葉亮太(経4)、北川誠人(経4)、中村祐貴(経4)の4年生はチームの精神的支柱だった。彼らは今日の試合をもって引退となるが、次はその姿を間近で見てきた下級生がチームを引っ張っていく存在になる。「先輩から学び、自分達で考え、行動する」。4年生が語ってくれた法大の良さを引き継ぎ、来年こそ王座を狙う。(下田朝陽)
監督・選手コメント
佐藤浩 監督
―この結果について
インカレでは2年連続で延長戦で負けるという形で、去年延長戦で東海大に負けて「この悔しい思いはもう二度としないんだ」という意気込みで今シーズンが始まったわけですが、また同じ形で負けてしまって残念です。
―試合内容については
この試合に関して言えば、ほとんど私は指示を出しておらず、4年生に任せていました。とくにベンチの北川などが指示を出していまして、彼らの言っていることは正しいので、その意思を尊重して試合を進めました。流れとしては前半で5点差をつけられて、それを後半にしっかり追いついて延長戦まで持ち込めたのは力がついたということだと思います。そのあとの5分ハーフの延長戦は短い時間の中で何をしなくちゃいけないかというところが足りなくてこういう結果になってしまったと思います。
―後半は法大のペースだったが
激しいDFを信じてやり続けていたので、相手のエースの古川大輔(京都・洛北)選手が前半を終わった時点で疲労していまいした。そこから完全にこっちのペースだったので、さらにハイプレッシャーでいったら速攻などもうまく決まって流れを掴むことができました。ペースを掴む後半までよく我慢できたと思いますね。セットの攻めのオプションがどうしても個人頼みな部分があるので、もう少し組織的な攻めができていれば良かったですね。
―その中でもCBの福本選手が器用に応えているが
彼がパスを振ったあとに、関西の厳しいDFに対して両バックがどれだけ自由にもらえるか、パスをもらう前の動き方をもっと工夫しないといけないです。そこをもっとうまくやれば機能しますし、勝てるチームになると思います。
―4年生への思いは
チームを明るく、楽しい雰囲気をつくるということを彼ら中心にやっていまして、日々の練習も非常に良い雰囲気でやることができて、常に良いムードで試合に臨むことができていました。そういった部分で渡邉を中心としたリーダーシップで取れていたと思います。最上級生だと後輩は遠慮してしまうことがあると思うのですが、逆に後輩に一生懸命声をかけたりしてコミュニケーションをとっていて、それが試合の中でも下級生も声をだせる環境を作れたのだと思います。そういった部分でのチームの強さも1年通してあったと思うので、そこらへんが今年の4年生の特徴だと思います。
―今年1年間を振り返ってみて
最低限の部分での入れ替え戦回避をできたのは、底上げという面ではうまくいったのかなと思います。ただ、Aクラスやインカレ上位というところを考えると、もう一つ力をつけないといけないと思います。例えば、残り時間がなく確実に点を取りたい時に、何かオプションがあるかというとなくて、普通に攻めてしまうというところですね。自信を持ったフォーメーションなどがあればそこで慌てることもなく安心して堂々とプレーできます。そういった部分のオプションはリーグ戦の中での竸っている場面や今日のような試合で延長戦に入る前に1点とっていれば勝っていたので、そういったところが勝敗を分けると思います。残留するという最低限の目標から、Aクラス入りという段階まであと一歩というところまでは力をつけてきたと思います。
―来年からの期待したい選手は
GKの柿崎を中心にチームを作っていきたいと思います。今日のように前半で20点も取られてしまったらゲームは成り立たないと思います。後半は逆に点数を抑えられたのですが、それでも後半のスコアは15対10。うちはやはり15点前後しか取れないのでやはりどれだけ強固なDFにするかというのは今年以上に重要になってくると思います。
―いままでは高い目標ももってやってきたと思いますが、来年からの目標は
来年は全国大会でも活躍した有望な新入生が入ってくるので、競争はさらに激しくなりますし、いまの下級生には刺激になるので、そこからスキルアップしてもらいたいです。もちろんその先には全国優勝という目指すものはあります。
※選手のコメントは後日公開予定です。
フォトギャラリー
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まさかの敗戦に肩を落とす主将の渡邉
- 1年間主将としてチームをけん引し続けた
- 法大のエース遠藤はインカレでも本領発揮した
- 来季から主将を任される長谷川
- 佐藤監督から”来季の軸”と言われた柿崎
- 来季からも得点源として期待される高間
- 北川(奥)ら4年生を中心に話し合った
- 応援席から精一杯のエールを送る選手たち