【フェンシング】関東学生リーグ戦 3・4日目 男子サーブルはリーグ戦全勝優勝で堂々の5連覇!女子エペも1部の舞台で頂点に輝く!
2016関東学生フェンシングリーグ戦
2016年5月19日(木)、5月20日(金)
駒沢オリンピック公園体育館
3・4日目を迎えた関東学生リーグ戦、男子サーブルと女子エペの試合が行われた。男子サーブルは5連覇が懸かる今大会。昨年1部昇格を果たした女子エペは挑戦者として他大学に挑んだ。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子団体サーブル | 大崎葵一(営3)、高橋優作(法3)、佐藤篤志(営3)、大槻達哉(法3)、柳嘉亮(文2) |
◯45-27専大、◯45-36日大、◯45-33早大、◯45-34明大、◯45-41中大 |
優勝 |
女子団体エペ | 池田五月(文4)、都甲好栄(国文3)、富永恵美(法2)、村上久美(国文2)、 | ●34-45早大、◯45-35日大、◯45-40明大、◯45-29日体大、◯45-14専大 | 優勝 |
男子サーブル団体
昨年学生4冠を達成した男子サーブル団体。"常勝軍団"として関東学生リーグ戦に挑んだ。
初戦は専大。第1セット目を任されたのは高橋優作(法3)。先制点は奪われるも5点目は奪取。続く大崎葵一(営3)、柳嘉亮(文2)もプラスで回していき、15—10。その後も相手に勢い付かせることなく45—27で快勝。2試合目の日大戦では白熱したバトルが繰り広げられる。第2セット終了時に8—10とリードを許すも、第3セット目には高橋が失点を抑えて7ポイントを取得し逆転に成功する。しかし第4セット目は柳が相手のペースに吞まれ19—20と抜きつ抜かれつの展開が繰り返されていく。しかし最後は主将の大崎が最上級生としてのプレーを魅せ45-36で勝利を収めた。次戦の早大戦は45—33、明大戦は45—34と連勝し最後の試合へ。
上級生としてピストに上がる高橋
専大戦に出場し活躍を見せた佐藤
第5試合目、最後の戦いとなる相手は昨年共に王座への出場を果たした中大。第1セット目をプラスで回すものの、第2セット目に出場した大槻達哉(法3)がスコアを覆され9—10に。しかし高橋、柳が相手の得点をそれぞれ3点に抑え見事巻き返しに成功。続く大崎は同点で終え第6セット目。4点あった得点差だったが相手の剣技により1点差まで詰め寄られてしまう。第7・8セット目で点差を2点まで広げ40—38とし、大崎に最後を託す。優勢ではあるものの、少ないリードで緊迫した場面。最初にランプを灯したのは中大。先制点を許し40—39。相手に勢いを与えまいと3連取を奪い4点差に広げる。中大も43—41と攻め上げるも、大崎が勝負強さを見せつけ2ポイントを獲得。この熱戦を勝利に飾った。
最後回りとしてしっかりと締めた大崎
見事関東学生リーグ戦5連覇を果たした男子サーブル団体。ピンチの場面でも安定したプレーでチームを導く大崎。上級生として中回りで活躍した高橋。主力の一員、メンバーの一人として欠かせない存在となった柳。彼ら全員の活躍があったからこそ掴めたこの1冠。2冠目、そして3連覇が懸かる王座が待ち構えている。いざ頂点へ。彼らの躍進は止まらない。(和多慎之介)
女子エペ団体
昨年1部昇格を果たし、チャレンジャーとして1部の舞台に臨むこととなった女子エペ。
初戦の相手は昨年5冠を達成している強豪校の早大。第5セット終了時点で25-25と中盤までは互角の戦いを見せるが、徐々に相手のペースにのまれていってしまう。最後は早大の勢いを象徴するかのように5連続のポイントを許し敗北。重い出だしとなってしまった。
尽力するも早大に敗北を喫する
だが、第2戦の日大戦でそんな空気を払拭したのは2年の村上久美(国文2)だった。2点ビハインドで迎えた第3セット、よく足を動かし積極的に前に出ることで相手を圧倒。すぐに2点を返すと、クロスゲームを繰り広げたのち3連続得点で11-14とリードを広げてバトンを渡した。法大はこのまま引き離し、村上は1部初勝利の立役者となった。続く明大戦でも勢いは変わらず。最終セットで2点差まで追い詰められてしまう場面はあったものの、45-40でこのゲームも勝ち取り2日目に良いかたちでつなげた。
今大会の立役者となった村上
2日目もチーム女子エペの元気印、村上、富永恵美(法2)の2年コンビが躍動。ベンチの明るい雰囲気と強気なプレーでチームを盛り上げる。第4戦の日体大戦では終始主導権を握り続け、1度もリードされることなく勝ち星を得た。第5戦の専大戦では相手が付け入れない動きで失点を抑えながら点差を広げていく。第7セットには、今大会が団体復帰戦となった都甲好栄(国文3)が1点も許さず5連続得点を奪うなど圧巻の試合展開を見せた。最後まで盤石かつ攻撃的な法大らしい戦い方で、45-14と圧勝で締めくくり、全試合を終えた。混戦となった女子エペの結果は最終戦までもつれ込んだが、早大が日大に敗れ2敗となったため、4勝1敗で法大の優勝が決まった。
優勝へと導いた池田
昇格1年目にして優勝という快挙を成し遂げた女子エペ。だが、「自力で掴めなかったことが悔しい」とこの結果にも満足はしていない。2年の活躍が光ったことはこの先への希望となるだろう。「王座決定戦こそは完全優勝」と力強く宣言してくれた若き力から目が離せない。(向井知優)
選手コメント
高橋優作
—優勝おめでとうございます。試合を振り返ってどうですか
ありがとうございます。昨日よりは緊張しないで、やりたい事ができました。でもその分相手も強くて、試合内容は良かったんですけど、得点を見るとあまり良くなかったなと思います。自分は3年生なので本当は点を取らないといけない場面もあったんですけど、大崎先輩に助けてもらうことが多かったです。
—今試合で一番印象に残ったことはなんですか
最後の中大戦の8セット目に流れが向こうにあった中、最後の2本を同じ技で取れたことが印象的ですね。。昨年までは自分の次に2人の先輩がいたので安心感があったんですけど、自分がしっかり40点目を取らないと次が大崎先輩しかいなくて、焦ってしまうと思うので、どうしても自分が40点目を取らないといけない気持ちが強いですね。相手も焦っていて、なんとか40点目を守ることができました。
—接戦になると焦ってしまったりしますか
昨日はスコアを意識しすぎて、点数面で焦ってしまったんですけど、今日は点数よりも自分のやりたいことがうまく決まらなかったりして焦ってしまいましたね。
—上級生となって試合に臨む心境の変化は
2年生の時は自分が早回りだったというのもあるんですけど、チャレンジャーとして試合に臨めて、逆にそのような気持ちでやるとチームの勝ちもそうですけど、一試合一試合こだわってできていました。また"絶対この相手にはマイナスしたくない"だったり自分なりに考えられて、結果的に内容もよくて点も取れたりしてのびのびプレーできていましたが、上級生となり自分が中回りになって最後は大崎先輩しかいない状況になると、どうしても仕事しないといけない気持ちになりますね。昨年の大崎先輩が今の自分のポジションだったので、それを見ているともう少し頑張らなきゃなと思って焦っちゃったりはしました。本当はもっとのびのびできた方が点数もプレーとかもいいと思うんですけど。まだ緊張しているところもあります。
—全日本後からこれまで取り組んできたことはありますか
入りのバリエーションを増やすとか、技のアイデアばかりこだわっちゃって、大事なところがしっかりできていなかったので、試合の時に技がいろいろあるんですけど使う自信がないというか、使っても完成度が低いというか、あらゆるところに手を出してしまった感じがありました。もっと絞って、大事なところの完成度をしっかりと高めて練習していく方が大事だったかなとちょっと思っていますね。色々なことをしすぎてアタックに繋げられなかったり、手を引いてしまったり、初歩的なところで点を取られてしまったり、入りに自信がないからプレーに自信を持ってできなかったりするところがあったので、もっと種類を絞ってしっかり一つ一つの完成度を上げていけたらいいなと思います。
—昨年のインカレ時は”体力面が課題”とおっしゃっていましたが
団体戦は5本なのでそこまで実感はできていないんですけど、体力というよりは、技の組み立てとか内容でうまくいかなかった印象がありますね。
—気を付けているポイントはありますか
安藤先輩がいたときは自分が一番下だったので、応援してもらったり、先輩たちが点を取るのを見てモチベーションを上げたり自然にできていました。ですが先輩が卒業していなくなって、大崎先輩が試合しているときベンチの中は自分が一番上になるんですけど、点を取ったときとかどうやって盛り上げたらいいのかなとか今まで気にしていなかった部分を意識するようになって、安藤先輩の存在は大きかったなと思いましたね。ベンチワークのやり方も気を付けていかないといけないな思いました。また去年は自分が試合するときも後ろに上級生2人がいるからのびのびとできていたと思うんですけど、今は自分で取らないといけないという意識が出てきちゃって、そこを気にしないで今まで通りプレーできるようにしなきゃいけないなと思いました。
—試合に出場した下級生の活躍はどうでしたか
柳には助けてもらったなという感じはしてますね。柳が頑張ってくれているから自分も頑張らなきゃなという気持ちにさせられますし、気持ちとしては”やってやるぞ”ってなるので助かりましたね。点数も取ってくれましたし、チームのモチベーションも上げてくれたので、感謝しています。
—団体戦での大崎選手の存在は
安心感がありますね。昨年は安藤先輩が最後周りをされていて、大崎先輩も今年よりはのびのびとしていたと思うんですけど、今年は最後周りとして45点を取らないといけないプレッシャーを感じるんじゃないかなと思います。それでもやっぱり大崎さんがいると安心感がありますし、自分がやられてもこの人なら大丈夫と思えます。すごい方です。
—最後に王座に向けて抱負をお願いします
今回は技術面で課題が見つかって、そこを大事にしていかなきゃいけないなという部分が分かったので、技術面を改善しつつ自信をもってプレーできるようになって、絶対優勝したいです。今回よりもいいスコアで中大に勝ちたいです!
村上久美
—1部初挑戦にして優勝となりましたが
うれしいですけど、早大に負けて優勝が他力本願になってしまったというところがあったので、そこは悔しいですね。王座は完全に全勝して優勝したいです。
—1部は初めての舞台でしたが特別に思うことはありましたか
今年初めて1部に上がるので、チャレンジャーという気持ちであまり気負わずやっていこうということはチームのみんなで話していて、のびのびやっていこうと思っていました。
—今大会に向けて取り組んだことは
エペでトレーニングを組んでやってもらったりとか、個人個人がレベルアップできるようにとか、弱点の克服とかを中心にやってきました。弱点は秘密です(笑)。
—2年の活躍が流れをつくっていましたね
ありがとうございます、そうですね(笑)。本来なら全日本からリーグ戦まで時間が空いてしまうんですけど、自分たち(村上、富永)はアジアジュニアと世界ジュニアに行っていて、1からチームを組みなおして戦う経験ができたのが大きかったと思います。
—調子はいかがでしたか
昨日はよかったですけど、今日はあんまりで昨日の自分は超えられなかったなと思います。
(富永)私は昨日練習場に道具を置き忘れて監督に怒られたので、今日はそれを挽回するつもりで頑張りました!
(村上)今日めちゃめちゃ良かった!!
(富永)全部プラスで返ってきたので良かったです!(笑)
—ベンチの明るい雰囲気が印象的でしたが意識されていますか
そうですね。お互いがお互いを信頼することを大事にしているので、下級生が盛り上げて先輩たちに楽に戦ってもらおうということは考えていました。
—王座決定戦に向けて
今回は早大に負けてしまったんですけど負ける相手ではなかったので、王座は完全優勝を目指したいと思います!
フォトギャラリー
- 主力の一人として活躍した柳
- 勝利に大貢献した村上
- 最終戦に出場を果たした大槻
- 一翼を担った高橋
- 5連取に成功した都甲
- 笑顔でハイタッチする池田
- 女子エペ団体メンバー
- 男子サーブル団体メンバー