【ラグビー】新監督就任!”強い法政”復活へ 島津新監督・苑田HCインタビュー
2017年4月2日(日)
法政大学多摩キャンパス
昨季までFWコーチとして法大ラグビー部を支えてきた島津久志氏が、新たに監督に就任した。選手からは「ついていきたいと思える人」と、人望も厚い。現役選手のみならず、OB、また保護者へのサポートにも徹し、最前線で現場の指導に専念する苑田右二HCや遠藤コーチとの連携を図っていく。今回はそんな島津監督と 苑田HCにお話を伺った。
また、新たにFWのフルタイムコーチも召集され、今年はFWコーチ計5人体制で、昨季課題に残ったFWの強化に徹する。この強力な指導陣をバックに、”強い法政”の復活だ。
※インタビューは4/2に行ったものです。
島津久志監督
新監督就任挨拶(ラグビー祭にて)
今年からチームを指揮させていただくことになりました、島津といいます。よろしくお願いいたします。1993年度に卒業しまして、キャプテンを務めていたわけですけれども、どっちかというと僕はチームを引っぱるというかチームをまとめてサポートして作っていくんだというキャプテンだったと自分で思っています。ですので、監督という重責を担ったわけですが、現役の選手とOBの方々と保護者の方々、皆さんをサポートできるようやっていきたいと思いますので、これからも応援のほどよろしくお願いいたします。
インタビュー
ーFWコーチから監督に就任した経緯は
OB会から推薦を受けてという形でした。去年ずっと下の子たちを見てきたので、彼らがどんどん学年が上がっていって、ひと通りのことが分かっているからですね。
ー改めて昨年を振り返って
入れ替え戦でしたからね。本当に不甲斐ない試合で。下まで落ちてしまっているので、あとは上を見て行くだけです。
ーやはり上手くいかなかった1つの理由としてはFWが課題に残っているのか
そうですね。なので今年から関東学院OBの作田くんという方をFWのフルタイムのコーチに召集して。FWコーチも4人、作田くん入れて5人なので、そういった意味ではFWの強化をしていきたいと思います。特にセットプレーですよね。スクラムと、ラインアウトと。その辺を中心に頑張っていきたいと思います。
ーどういった指導法をとっていきたいか
1番最初に学生と話したことは、コーチと選手とOB会などの関係性をフラットにやっていこうということですね。信頼関係の中でのフラットというような。その中で信頼関係を破るようだったらそれはそれで当然フラットではないわけで。そういった意味では当然僕らは生徒のことを信頼しているし、生徒からも僕らのことを信頼してもらって、フラットな関係性を築いていこうと思いますね。
ー監督とコーチの役割の違いは
僕はどちらかというとGMみたいな形なので、対外的には監督ということになっていますが、GMと考えて頂けると1番分かりやすいと思います。
ー東川寛史選手を主将に就任した経緯は
実は当初、首脳陣はキャプテンと置かずにリーダー3人をまず決めていたんです。そうしたら、逆に学生から「東川をキャプテンにしたい」と言われて。それから主将に任命したという形でした。学生が自主的に言ってきたことを僕らがフラットな関係性の中で断る理由も無いのでという感じですね。
ー実際に主将に就任した東川選手をみて
3人のリーダーの中にも当然東川も入っていたので。グラウンドでチームを引っ張ってくれていますね。
ーご自身もかつて法大の主将を経験されましたが、当時の思い出は
僕らの時代はアクの強い奴らばっかりだったので(笑)。伊藤剛臣とか、スター選手が多かった時代で。僕が引っ張っていくというよりは、まとめていくだけで大丈夫でしたね。今回も苑田がいて、遠藤がいて、作田がいて、ということになれば、フルタイムでいてくれていながら、僕がサポートする形が出来ればそれでいいのかなと思いますね。
ー理想とするチーム像は
セットプレーが出来ればなんとかなるチームだと思うので、去年のことをひとまず引き続き踏襲しながら、あとは常に「考えてラグビーをやれ」と春からずっと言っていますね。自分たちで意識を持って、頭を使って考えてラグビーをやってほしいです。なので練習後には必ず、「今日ちゃんと意識して練習した人」と手を挙げさせてます。最初のうちは全然居なかったんですけど、やっとここ2ヶ月くらい経ってみんなが手を挙げられるようになってきたので、いい方向に向いていると思いますね。
ー法政大学を通してどんな選手になってほしいか
ラグビー部指針というかたちで提示しているのですが、今、どちらかというとラグビーってプロ化が進んできている中で”選手”という意識が強かったので、1度立ち戻って、君たちは”学生”なんだよというのを再意識しようということで、マインドチェンジしようとしています。”選手”から”学生”へといったことを話しながら、うちの大学は「自由と進歩」「自由を生き抜くための実践知」という理念がある大学なので、そこを意識しながら、自由に物事を考えて、自分たちで結論をそれなりに出し、実行に移していくということを法政大学のそのままの理念をラグビー部でもやろうとしています。
ー新入生が入寮した際にも「細かい指針を示した」とありましたが
まさに今話したことですね。ちょうど入部式の時に1年生のご両親が来ていたので、そういったことを話しました。
ーこの春特に取り組みたいことは
フィジカル部分ですね。とにかく体を大きくすることです。今はそれに取り組んでいるので、もう4月末から試合も始まってくるので、やっと2ヶ月間、みんな体も大きくなってきていますし。あとは試合に向けてそろそろチームとしての練習をしていかないとだなといった感じですね。
ー新チームの雰囲気は
いいと思いますよ。寮も新しくなりましたし、住みやすくなっているようなので。
ーまずは春季大会を迎えますがそこでの目標は
全勝してほしいですよね。下のチームといったらあれですけど、Cグループに入ってしまったので。そこで勝ちながら、弾みをつけていきたいです。あとは関大の定期戦や、立命館との試合も組まれる予定なのでいくつか招待試合があったりもするので、、下のチームよりは上のチームとやる時のために、春季大会を戦って、いい具合に春を終え、夏合宿でまたおそらく網走に行ったら同志社とか、慶応とか、筑波とかがちょうどタイミングが合うと思うので、そこで練習試合を組むと思うので、そこできっちり仕上げて。秋に臨みたいというところですかね。
ーこの1年間での目標は
やはり大学選手権というのがひとつ目標ですけれども、勝負は勝負で大丈夫だと思いますけど、学生の人間形成というか、僕はそっちに重点を置きたいなとは思っていますね。
ーライバル校は
リーグ戦全部ですね。
ー法政大学ラグビー部ファンの方々へ
グラウンドなり、試合会場に来てください。チームの雰囲気が変わっていることも分かるでしょうし、見に来て損はさせません!
選手からの声
島津さんは人間としてもすごく尊敬できる方ですね。接していて、「この人についていきたいな」と思える方です。自分の立場から上から目線ではなくて、自分たち目線に立って「こうした方がいいんじゃない」とアドバイスをくれます。人によって態度を変える人ではないかなと思います。(東川寛史主将)
島津さんはどちらかというと「お前たち頑張ってよ」みたいな感じなので、かなりやりやすくはなります。HCの苑田さんとも自分たちの意見をすり合わせて考えてくださるのでそこはかなりありがたく思っていますね。(増田和征副将)
島津さんが来たときは「意識して練習できてる人」を毎回聞かれるのですが、「その日何を意識してやるか」ということを主に言われるので、意識して練習に臨むということはできていると思います。(井上拓学年リーダー)
選手との信頼関係を大切にし、チームのサポートに徹する
苑田右二ヘッドコーチ
―昨年を振り返って
結果は不本意なものです。その中で法政の内情がよく分かった実りのある1年間でした。
―内情とは
自分たちのレベルがどこにあるのかという部分です。
―例年より練習が多かったそうですが、その中で結果が残せなかった原因は
今までの練習が足りてなかったので、やることが山積みでした。なので必然的に練習量を上げないとトップのチームには勝てないという判断で練習量を増やしました。結果が残せなかったのは準備不足だと思います。
―監督が変わり、作り上げたいチーム像は
昨年は強みが全くなかったので、ディフェンスやアタックなど、強みになるものをつくっていこうと思います。法政は伝統的にディフェンスが強いのとボールの速く動くアタックが特徴的なので、そこを取り戻す練習をしていこうと思います。
―監督とHCの役割分担は
僕は現場の責任者として、練習の指導を行っていきます。
―指導スタイルの中で大事にしている部分とは
勝つに越したことはないですがプロではなく学生なので、どんなリーダーにも必要とされる人間を育てることが、ラグビーでも会社でも必要とされる人間を育てることが重要だと思ってます。
―神戸製鋼時代の指導との違いは
神戸製鋼の時は役割分担ができているのでラグビーに特化してできるが、ここでは生活面含めて、教育していかないといけないのでいろんなことに手を付けないといけないですね。
―コーチの大学時代と今のチームの違いは
自分たちの方が全てのことにおいて規律をしっかり守って、選手間で作ったルールを最後まで人を裏切らず貫く部分がありました。今はそういう部分が薄れているので自発的な行動が少ないと思います。
―チームの中で注目している選手とは
今はみんながゼロからのスタートなので全員に注目してるというか、ここからいいプレーヤーがジャージを着ることになると思います。今は全員に期待している状態ですね。
―今年の目標
勝つに越したことはないですが、自分たちのラグビーを貫けるラグビーができたらと思います。
自身の経験を糧に、現場の責任者としてチームの指揮をとる