【ラグビー】関東大学春季大会C 対成蹊大 中井5トライ大暴れ!セットプレーも安定、”これが法大”見せつけた100点ゲーム!
関東大学春季大会C
2017年5月21日(日)
法大ラグビー場
春季大会初戦の日大戦後、筑波大との練習試合、関西大との定期戦を間に挟み大会としては2戦目となった成蹊大戦。 日大戦、筑波戦では立ち上がりの悪さを課題としていた法大であったが、今日は開始早々法大の得点の嵐。前半戦ではBK陣の猛攻で大量リードを飾った上相手をノートライで抑え込む。後半、わずかな隙を突かれ相手に1トライを許してしまうものの結果は100点超え。セットプレーも終始安定し、ルーキーも活躍。春季大会Cグループ全勝を目指すにあたって、その強さを見せつけた試合となった。

試合結果
トータル試合結果
| 102 | 52 | 前半 | 00 | 7 成蹊大 | 
|---|---|---|---|---|
| 50 | 後半 | 07 | 
ポイント詳細
| 8/8 | T | 0/1 | 
|---|---|---|
| 6/5 | G | 0/1 | 
| 0/0 | PG | 0/0 | 
| 0/0 | DG | 0/0 | 
※(カッコ内)は前半/後半表します
法政大学メンバー
| No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 | 
|---|---|---|---|---|
| 1 | PR | 黒田圭汰 | 社4 | 報徳学園 | 
| 2 | HO | 大澤翔舞 | 経4 | 長崎北 | 
| 3 | PR | 金森達哉 | 社3 | 法政 | 
| 4 | LO | 山根陵 | 現3 | 大津緑洋 | 
| 5 | LO | ウォーカーアレックス拓也 | 社2 | 東福岡 | 
| 6 | FL | 五反田拓巳 | 経4 | 法政 | 
| 7 | FL | 山下憲太 | 社1 | 長崎海星 | 
| 8 | NO.8 | 増田和征 | 経4 | 京都成章 | 
| 9 | SH | 中村翔 | 経2 | 東福岡 | 
| 10 | SO | 時崎魁人 | 文3 | 法政二 | 
| 11 | WTB | 井上拓 | 社2 | 御所実業 | 
| 12 | CTB | 呉洸太 | 社3 | 大阪朝鮮 | 
| 13 | CTB | 東川寛史 | 経4 | 東福岡 | 
| 14 | WTB | 中井健人 | スポ3 | 筑紫 | 
| 15 | FB | 奈良望 | 社3 | 秋田工業 | 
| 16 | Re | 濱野隼也 | 社1 | 秋田工業 | 
| 17 | Re | 石原由大 | 社1 | 日川 | 
| 18 | Re | 江口宏坪 | 現2 | 京都成章 | 
| 19 | Re | 李承記 | 経3 | 大阪朝鮮 | 
| 20 | Re | 松島史弥 | 経3 | 尾道 | 
| 21 | Re | 横尾俊也 | 経2 | 法政 | 
| 22 | Re | 長利完太 | 経3 | 桐蔭学園 | 
| 23 | Re | 尾崎達洋 | 社4 | 桐蔭学園 | 
戦評
 気温30度の暑さのなか行われたこの試合。相手は、関東大学対抗戦に所属する成蹊大だ。古豪復活の狼煙を上げるためにも、この春季大会は一つも負けてはならない大会だ。
  成蹊大学のキックオフで始まったこの試合。早速試合は動き出す。前半6分。敵陣22メートルラインで、成蹊大が自陣からの脱出をしようと試みたキックをHO大澤翔舞(営4)がチャージ。インゴール内に転がるボールをLO山根陵(現2)が飛び込み先制トライ。WTBの中井健人(スポ2)がゴールを決め、7-0とする。このトライから、法政のトライラッシュが始まった。前半8分、相手のキックオフのボールを取ると、1次攻撃でテンポよくWTB井上までパスをつなぐ。その井上は相手を振り払い独走。敵陣22mラインでポイントを作る。その後増田がゲインし、最後は中村から、井上へとパスがつながりノーホイッスルトライ。12-0となる。さらに、1分後には相手のペナルティから、この日、久々の試合復帰となったFB奈良望(社3)から再び井上へとつながり、最後は内側のサポートにいたSH中村翔(経2)がトライ。19-0となる。この試合全体を通じて奈良から井上、もしくは中井へのパスが相手ディフェンスを苦しめていた。同15分には相手のペナルティキックがノータッチとなり、カウンター。パスをつなぎ、外のカバーに入ったSO時崎魁人(経2)がゲイン。さらに、パスをつなぎ、フェーズを重ねると井上がこの試合2つ目のトライを決めた。これで26-0。井上の活躍に負けじと中井も大奮闘をみせる。前半32分さらに、37分にもトライを決める。前半だけで、法大は8トライを決め52-0と試合の大勢が決まる。

WTB井上のトライ
後半も法大の猛攻は続く。後半2分、相手のペナルティから速攻を仕掛け、時崎のゲインなどで7回フェーズを重ね、最後は中井がトライ。さらに同6分にも奈良から受けたパスから中井が倒れないフィジカルの強さで相手を引きずりトライ。同40分にも中井はトライを決め、この試合5トライの大暴れとなった。そして、奈良や途中出場のPR江口宏坪(現2)、FB尾崎達洋(社4)もトライを決めるなど、終わってみれば、102-7。「圧勝」という言葉がふさわしいゲームだった。
この試合は、濱野隼也(社1)や石原由大(社1)といった新戦力が多くデビューした。まさに全員が活躍したベストゲームに思えた。 しかし、選手たちは満足していない。「7点は余計だった」(中井)と相手をノートライで抑えられなかったことを反省。浮かれた様子は全く見せなかった。秋季リーグ戦で結果を出すために。次戦も結果も内容も圧倒してみせる。(藤原陸人)
監督も「将来が楽しみ」と期待のかかる濱野
監督・選手インタビュー
島津久志監督
ー今日の試合を総括して
全体的に見てもよかったと思います。点数もあれだけ取りましたし。1つ残念だったのが、1トライ取られたことですね。あれがなければパーフェクトだったかもしれないです。日大戦、筑波大と試合をして、スロースターター、前半から力を発揮できなかったことが関西の時に少し変わって。今日もどうなのかなと思ったら、最初から力を出してくれていたので徐々にいい感じにはなってきていると思います。
ー前半の立ち上がりが課題であった中、今日は好スタートでした
練習の時から、それはもう最初からやろうよと終始言っていましたし、どれだけ自分たちで意識ができるかというのをやっと今日は意識できてきたのだと思いますね。
ー100点を超えるゲームを成し遂げることができた要因となったのは
個人のスキルもどんどん上がってきていると思いますね。常に「意識できた人」と試合後挙手をさせていますが、今日手が挙がらなかったので逆に言うともしかしたら、意識しているレベルがどんどん上がってきているのか、レベルが上がったところでさらにやるところが出来ていなかったというようになっているのか、手が挙がらなかった時は一瞬驚きましたが、きっとそういうことなのかなと、そこは前向きに考えてましたね。
ー選手の口からも、1トライを許してしまったことから今日の試合には満足していないとありました
一瞬、フッと集中力が切れる場面があってそこで得点を許してしまうのはまだまだ課題ですね。そこの修正点を自分たちで分かっているのであればいいと思いますね。
ー昨年からディフェンスが課題となってきていましたが今日の試合ではディフェンスも健闘していたかと思われます
大分もうプレッシャーがかけられるようになって、前に前に出ているので、その辺は今後も続けていければいいのではないかなと思いますね。
ー前戦から様々な選手の起用が目立ちますが、試している段階なのですか
試しているというよりかは、その時その時1番ベストな選手というのを起用していますね。故障があると変更したりはありますが。
ー今日復帰戦となった奈良選手はFB、東川選手はCTBでの出場でしたが
そういった意味では試しているというのはありますね。選手起用とポジションは少し違いますが、ポジションの面で考えると試している部分はありますね。
ー今試合5トライを挙げた中井選手はコートの中でも積極的な声がけが目立ちましたがどういった選手ですか
トライゲッターですしね。盛り上がっている場面で、ノリに乗れる選手です。
ー途中からの選手交代でスクラムの前列を1年生が張る場面も見られましたが、今日出場していた1年生については
今日スタメンで出場していた山下(憲太)も、途中ゴール前でキックを蹴ることがなければ頑張ったなと思いますけれども、あれも1つの長所だとは思いますね。しっかり前にタックルも行けていますし、ボールにもしっかり絡んでいますし。濱野は、体も大きいくて練習中も積極的に声を出して取り組んでいるので、将来が楽しみな選手ですね。
ースクラムも安定してきていますが
フルタイムの作田くんというコーチを1人呼んで、つきっきりでスクラムをずっと見てもらっていて。日本一低いスクラムを目指そうとやっていますので、その成果も出ているのではないですかね。
ーBチームのゲームでは序盤少し苦しみを見せたものの完封勝利を飾りました
今Aチームで、スロースターターだから直していこうというのが、直ってきつつ、Bチームでも同じことをやっているので。チーム全体としてやるべきことでしょうと。やはりその辺の意識ができていないのかもしれないのですが、随所にいいプレーも見れましたし、チーム一丸となってやっていかないとチーム全体のレベルも上がっていかないので、ただAチームに言っているだけではないんだということをBチームにも分かってもらえるといいですね。
ー次戦、山梨学院大戦に向けて
遠征で、日帰りでもありハードスケジュールですが、都心で10時からの試合とかになってくれば同じようなスケジュールになるとは思うので、秋に向けて、その辺のことも学ぶというか、自分たちで理解しながら、あとは山梨学院はFWが大きいと思うので、去年は網走で合同練習をしたりというのがあって、FWの大きさも分かっていると思いますし、その中でスクラムなりラインアウトなりがどれだけ通用するのかというのがまた試せればいいのではないかなと思いますね。
大澤翔舞
ー今日の試合を振り返って
チームの目標が「タフ」ということなので、前半の最初から上げていこうという気持ちでやってきました。個人的には、FWのセットプレーとフィールドプレー、そこをフォーカスして1週間やってきたので、そこを思いっきり出していこうとやってきました。
 ー前半では相手ボールをチャージをする場面も見られました
「タフ」というチームの目標の中でハイプレッシャーというのがあって、プレッシャーをかけて、圧力をかけていくということだったので、相手が蹴るとわかったので、そこは思いっきりプレッシャーをかけようと。あれは運が良くて当たったという感じなんですけど、そういう姿勢で行くようにしていました。
 ーFWでトライを奪いましたが、トライシーンを振り返って
ゴール前のFWのラックサイドで、FW的には、近場近場を攻めていくというのをやってきたのですが、相手がそんなにでもなかったというのもありますが、前に前進していきました。そこで「タフ」なところが出たんじゃないかなと思います。
 ーFWのプレーの振り返って
 今日は試合前に、ラインアウトとスクラムのセットプレーは100%でやっていこうとなって、結果的にそれが実現できたので、そこは一番良かったと思います。ですが前半途中20分30分の時に疲れで走れていなかったので、そこをもっとみんなで意思統一して、走ることであったり、声出して盛り上げないとという部分を次の試合に活かせたらいいかなと思います。  
ースタメンと主務の掛け持ちについて
 結局主務というのは運営をやっているので、周りの選手100人程いるんですけど、全員を管理しながら、自分が選手をいいパフォーマンスとして出すという2つの任務というか、責任があるので大変だとは思うんですけど、別にそんなに自分は意識してなくて、あくまでラグビーをやっているというのがメインなので、楽しみながらやっています。
ー今年で最終学年ですが、意気込みは
 春のリーグ戦は、絶対勝たなきゃいけない試合なので、そこから夏に課題を修正して、秋に勝てるように、大学選手権に行けるように、やっぱりそこが目標なので、まずは1試合1試合全力で、試合していこうと思っています。  
ー改めて今年の目標は
個人的には1対1、フィジカルとかでは負けたくないと思っていて、フォワード的には、セットプレー、絶対勝っていこうと、100%というのにこだわってやっていきたいので、そこで負けないようにやっていきたいなと思います。それでその後に勝ちというのはついてくると思うので、まずはそのFWのセットプレーを8人みんなが頑張って、走って頑張りたいと思います。

大澤のスローインでラインアウトも安定
中井健人
―今日の試合は102対7とベストゲームだったと思いますが、振り返って
 いや、7点が余計です。ディフェンスを頑張ろうという目標で、102点を取れた相手に対しての7点は反省点です。しっかり修正して0点で勝てるチームにならないといけないです。他チームの強豪校とやったらもっとやられてるのでしっかり修正したいです。  
―今日は5本トライを決めたアタックを振り返って
前半はもう2本トライを自分自身取れたかなと思います。今日の相手にはもう少しトライを取れればなと思いました。  
―点差はありますが、満足はしてないということですか
 そうですね。僕もみんなも満足してないと思います。  
―試合中大きな声をかけて、チームメートを鼓舞してる姿がありましたが、普段から意識してますか
 そうですね。ボールがもらえることが少ない分WTBとして、声を出して、アタックとディフェンスをすることをいつも心がけてます。  
―試合中タックルされても倒れないプレーが目立ちましたが
 ステップで抜くプレーもやりたかったです。コンタクトは良かったですが、ボディーバランスを保って抜けるように頑張りたいです。  
―3年として春季大会初出場ですが、気持ちの変化はありましたか
 2年間毎年出場してるときより、今は3年生なので上級生としての自覚を持って、後輩をフォローできる人間になれたらと思います。  
―3年生になられて変えている行動はありますか
 筋トレは遠藤コーチと一緒にやらせてもらっていて、秋に向けて体は強くなるように頑張ってます。  
―遠藤コーチと一緒にやられる筋トレは今までと違いますか
 全然違います。今までの自分が甘かったと痛感してます。  
―同級生の奈良選手がFBで、久々に出場されました。井上選手も含め、バックスリーは皆活躍されましたが
 そうですね。皆に負けないように頑張らないといけないです。  
―去年と違うBKの強みやプレースタイルはありますか
 秋に向けて余っていても、縦に走り込む練習をしてます。去年だったら、相手をかわすところも、しっかり正面でぶつかっていく。そのような縦へのランニングスピードは徐々に上がってるかなと思います。しかし、帝京大や東海大に比べればまだまだです。実力を上回ってFWを助けてやれるくらいのBKになりたいなと思ってます。
  ―今年のチームスタイルは伝統のBKの展開ラグビーですか
 やはり、そうしたいですね。
 ―中井選手の今季の目標を教えて下さい
 東海大のアタアタ(・モエアキオラ)選手のように大学生でも日本代表に選ばれてるWTBもいるので、彼らに負けないように日本代表に選ばれたいです。法政のために頑張って、日本代表に選ばれるように頑張ります。  
―最後に次回への山梨学院戦への意気込みをお願いします
 山梨学院戦というより秋に向けて、修正できるところは全部修正する。勝ち負けも大事ですが、練習でやったことを全部発揮できることの方がより大切だと思います。秋に繋げられるように、山梨学院戦も頑張ります。

キッカーとしてもチームに貢献した
山下憲太
ー今日の試合の感想は
 今日の試合は復帰戦ということもあって、1年生ということもあって、試合前は結構緊張もしていたんですけど、自分が走って良いプレーをしたときに先輩たちが褒めてくれるので、どんどん緊張もほぐれていって、最終的には楽しくラグビーできました。  
ー初出場の試合が100点を越えるものでしたが
 楽しくやれました。 自分が得点をしたわけではないんですけど、得点に繋がるようなプレーはできたので、そこは自信を持っていいかなと思います。  
ー積極的なゲインが見られましたが
 No.8の増田さんの近くに自分が結構いて、増田さんが必ずゲインしてくれるので、あとは増田さんについていけばボールをもらえることが多かったので、本当に増田さんのおかげです。  
ー自身の役割について何かは指示はありましたか
 今日の試合の前に、ヘッドコーチの苑田さんから「何でお前を使ったかわかるか?」と聞かれました。ディフェンスです、と自分が答えたら「ディフェンス激しく行かなかったら、1分で替える」と言われたので、頑張りました。  
ースタメンとしてプレーしてみてどうでしたか
 頼ってしまう場面とかがあって、やっぱり自分も15人の一員として出るので、自分が引っ張っていくくらいの気持ちでやりたいと思いました。でも、後半はその気持ちを持ってできたので声も出せてたと思います。前半最初の方は萎縮してしまっていて、思い通りにはできなかったので、次からは最初からそういう気持ちでいけるように頑張ります。  
ー1年でスタメン入りは難しいと思いますが、そのチャンスに、どのように自身をアピールしたいですか
 自分の持ち味がタックルで、タックルをすればチームとかスタッフの方々からも認めてもらえるので、それは自分がラグビーを始めた時から思ってて。ずっと「お前はとにかくタックルしろ」みたいなことを言われてきたので、ディフェンシブなFLになりたいと思います。  
ー自身と同学年で試合に出場した濱野選手、石原選手について
 二人が途中出場した時はうれしくて、一緒に頑張ろう、という気持ちでした。自分が1年生の中では最初に出ていたので、二人も自分と同じように最初は萎縮してしまうかもしれないと考えたので、声をかけました。
 ーこれからの抱負をお願いします
 けがをせず、法政ラグビー部だけじゃなく、他の大学からも嫌がられるようなFLになって、噂されたいです。「アイツと試合したくない」と言われたいです。 

1年生ながらアタック、ディフェンス共に終始力強いプレーで存在感を発揮
フォトギャラリー
 今試合5トライを奪ったトライゲッター中井 今試合5トライを奪ったトライゲッター中井
 復帰戦となった奈良はFBでスタメン出場 復帰戦となった奈良はFBでスタメン出場
 素早いパス裁きを見せたSH中村のボールキープ 素早いパス裁きを見せたSH中村のボールキープ
 尾崎は最後の最後にトライを決めた 尾崎は最後の最後にトライを決めた
- 体の張ったプレーを見せるLO山根 
- PR黒田はフル出場しスクラムの最前列としても奮闘 
- PR金森は今大会初スタメンを獲得 
 「日本一低いスクラムを目指す」。 「日本一低いスクラムを目指す」。



 
							 
							 
							 
							 
							 
							