【準硬式野球】東京六大学準硬式野球春季リーグ戦 対明大1回戦 3時間を超える熱戦は劇的な幕切れ! 勝ち点奪取に向け一歩前進!
東京六大学準硬式野球春季リーグ戦 対明大1回戦
2017年5月20日(土)
明大府中グラウンド
ここ最近勝ちきれない法大は、最大4点のリードを得ながら、8回に救援陣が捕まり同点に追いつかれてしまう。しかし、延長10回に大石智貴(社2)の放った打球が三塁手の失策を誘い、走者が生還。その裏、水谷憲正(経1)が三塁まで走者を進めるも、本塁を踏ませず。1点差のゲームを制した。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 3 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 8 | 14 | 3 |
明 大 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 7 | 9 | 3 |
(延長10回)
(法大)室木、廣田、○秋山、水谷―栗田
(明大)中里、●篠原―奥居、中村亮
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 萩原幹斗(社4) | 報徳学園 | 6 | 2 | 0 | 0 | .320 |
2 | (8) | 甲本裕次郎(社4) | 鳴門 | 4 | 2 | 3 | 0 | .343 |
8 | 中川大輔(社1) | 日大三 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
3 | (7) | 鳴川宗志(社3) | 鳴門 | 5 | 1 | 0 | 0 | .286 |
4 | (2) | 栗田和憲(社4) | 掛川西 | 5 | 0 | 0 | 0 | .294 |
5 | (9) | 石橋優一郎(法3) | 徳島北 | 4 | 2 | 0 | 1 | .261 |
6 | (4) | 藤口帝(社4) | 遊学館 | 5 | 2 | 1 | 0 | .200 |
7 | (3) | 佐々木勇哉(社2) | 花巻東 | 4 | 3 | 1 | 0 | .382 |
3 | 宮原賢悟(スポ4) | 川和 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
8 | (6) | 大石智貴(社2) | 静岡 | 5 | 1 | 0 | 0 | .382 |
9 | (1) | 室木大(経4) | 星稜 | 3 | 0 | 0 | 0 | .182 |
PH | 堀皓貴(社2) | 鳴門 | 1 | 0 | 0 | 0 | .400 | |
1 | 廣田悠樹(社2) | 浦和学院 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
1 | 秋山駿介(経4) | 藤代 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
PH | 大石悠月(経1) | 静岡 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
1 | 水谷憲正(経1) | 聖望学園 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 |
三塁打:石橋(4回)
二塁打:甲本(4回)
盗塁:石橋(2回)佐々木(2,6回)
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
室木 | 7 | 4 | 3 | 5 | 3 | 3.34 |
廣田 | 0/3 | 3 | 0 | 1 | 4 | ― |
秋山 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0.00 |
水谷 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0.00 |
併殺:萩原―宮原(8回)
暴投:水谷(10回)
戦評
お互い最後のカードとなるこの試合、明大は優勝、法大はAクラス死守に向け、お互い負けられない試合となった。
2回、法大は安打で出塁した石橋が盗塁で2塁に進むと、佐々木の適時打で先制。続く大石智も適時打を放ち、さらに続く室木の打席では、守備が乱れた間に大石智が得意の走塁でホームイン。足を絡めた攻撃で一挙3得点をあげる。このまま逃げ切り体勢に入りたい法大であったが3回。先発・室木は死球で出塁した走者を三塁打で返され、続く打者の内野ゴロの間にもう1点を失い、3-2。明大の反撃にあう。
続く4回、法大は好調の石橋があわや本塁打かというフェンス直撃の三塁打で出塁すると、今季は打撃不振に陥っていた藤口が三遊間に弾き返し、追加点をあげる。さらにこれだけでは留まらず、2死満塁とすると、甲本がライト線に絶妙な安打。結果的に走者一掃の適時打となり、この回4点を追加。一気に突き放す。その裏、室木は1点を失うが、そこはエースの意地。3試合連続での4失点以上は回避せんとばかりに、落ち着いた投球で後続を片付ける。ここから室木はピンチを背負いながらも、要所要所を抑えるという本来のピッチングを取り戻し、5、6、7回を全て無失点で切り抜ける。
7-3と法大の4点リードで迎えた8回。マウンドは廣田に託された。しかし、その廣田が捕まってしまう。無死満塁のピンチを背負うと、抵抗できぬまま連打を浴び、7-5。廣田は1死もとれずに降板となった。なおも無死満塁という絶体絶命の状況でマウンドに立つのは秋山。最初の打者は左飛に抑えたものの、続く打者は四球。押し出しで1点差となった。そして続く打者にも適時打を浴び、ついに同点。なおも満塁のピンチでサードへのイレギュラーな打球が飛ぶが、ここを萩原がナイスキャッチ。併殺に仕留め、なんとか勝ち越しは阻止して9回へ。
逆転を許すかに思われたが、秋山(中央)が粘りの投球で踏ん張った
9回表、先頭は先ほどファインプレーを見せた萩原。守備でつくった勢いを自らのバットに乗せ、安打で出塁。続く途中出場の中川が犠打を成功させ、ランナーは二塁に。しかし、後続の鳴川、栗田が倒れ、得点はならず。
そして9回裏、秋山が先頭打者に特大の当たりを浴びるも、フェンス際で鳴川がナイスキャッチ。その後は落ち着きを取り戻し後続を抑え、試合は延長に突入。
延長10回表、法大は藤口が出塁すると、途中出場の宮原の絶妙なバントはセーフティバントとなり、1死一、二塁。チャンスで打席には大石智。打球はサード正面に飛ぶが、それを明大・中村が後逸し、その間に藤口が生還。貴重な勝ち越し点をゲットした。10回裏は、4番手の水谷がしっかりと抑え、辛くも勝ち星を手にした。
苦戦しながらも勝利をおさめ、Aクラス入りへ望みをつないだ法大。第2戦こそは「完勝」して、有終の美を飾りたい。(戎井健一郎)
監督・選手コメント
本間隆洋監督
ー今日の試合を振り返って
苦しい試合、そのひとことですね。
ーシーソーゲームをとることができましたが
ミーティングでも話したんですけど、最後に勝ちきったというのは選手にとっては大きいと思います。ただひとことだけ選手たちに言ったのは自分達で、自作自演でこういうゲームを作ってしまったと。原因はうちだったと念押しをしました。
ー先の早大戦ではシーソーゲームを取ることができませんでした。今日取ることができ、課題を克服したとは言えますか
たまたまとは言いたくないんで学生の頑張りで勝ちきったというのは間違いないです。ただ課題をクリアしたとは言えないですね。逆に課題がたくさん見つかりました。投手陣しかり、野手のちょっとした失策から始まる連鎖といいますか。課題がどんどん見つかった試合だと思います。
ー中継ぎの調子が奮わない原因はどのようにお考えですか
投手陣に関してだと室木が第1戦投げて、去年であれば末次と決まった投手がずっと引っ張ってきた経緯もあるので下が育ってないというのはあります。なかなかオープン戦含めて長いイニング投げる機会がなかったので、半分はこっちのミスなのかなと。育てるというのを怠ったといいますか。ただ、今年に入ってからのチームだけでいえば、こういう形になるというのは投手陣もわかってますので、その辺は投手責任者の室木に反省を促しつつ、自分が投げるだけではなく下を育てるようにと強く言いたいですね。
ーリーグ戦が進むにつれ打線も活発になりましたが
特に誰がどうっていうのではなく本来の力を個人個人が発揮してやってくれてるのかなと。これはもう明るい兆しですね。
ー最後に明日に向けて一言をお願いします
とにかく法政らしさ、投手がピシッと抑えて打線が爆発してと、それこそ圧倒して明治大学さんに勝ちたいと思います。
萩原幹斗(流れを変える守備で勝利を手繰り寄せる)
ー今日の試合を振り返って
序盤からいい展開に持ち込めたんですけど、あの点差で追い付かれるというチームで、甘いところがあるので反省しないといけない試合でした。
ー8回相手の流れを断つ併殺を演出しました
打った瞬間サードゴロだと思いました。(グラブに)入ったのは野球の神様が自分に味方してくれたかなと思います。冷静でしたね。
ー今後に向けて
厳しいですが、後輩に見せるかたちとして今日のプレーもそうですし、自分達の残せるプレーはしっかり真剣にやっていこうって言ってるので、そのつもりでやっていきたいですね。
秋山駿介(絶体絶命のピンチを食い止める投球)
―プレッシャーのかかる場面での登板となりましたが
試合に入る前から、法政らしい野球をしようと心がけていたので、粘り強くやれた点ではよかったと思います
―こういったピンチの場面での登板が多い秋山投手ですが、どういった気持ちでのぞまれていますか
試合の序盤から準備しているので、緊張とか不安な部分はほとんどないです。
―今季は中継ぎ陣が救援失敗する場面が多く見られますが
打線が点をとってくれているのに負けるというのはピッチャーの責任なので、そこは詰めていかないと上の試合では勝てないと思います。ベンチにいる若いピッチャーは投げる機会が少ないですからね。高校の後輩である竹内にはがんばってほしいですね。彼は柱にならないといけないと思うので、もっとがんばってもらわないと、と思います。
―明日に向けて
試合序盤から準備して万全な状態で投げられるように、そして明日も法大らしい野球をして勝ち点をもぎとりたいです。
鳴川宗志(攻守でチームを支える活躍)
―今日の試合を振り返って
序盤に先制していい流れだったんですけど、守備のエラーなどで点を与えてしまったのは反省するべき点だと思います。
―鳴川は今回ファインプレーを連発しました
普段は目立った守備ができないので、基本的なところをしっかりするようにしています
―守備に苦手意識は
苦手意識はありましたが、リーグ戦入って多少は慣れてきました。守備は成長していてきていますが、バッティングはもう少し上げていかないといけないと思います。
―今季中軸として打席に立って
僕の役割はチャンスで一本打つとか、打点をあげることが自分の役目だと思うので、そこを意識してやっていきたいと思います。
―萩原選手や甲本選手など、出塁率の高い先輩の後を打つことにプレッシャーはありますか
プレッシャーは正直いってあります。でもそのプレッシャーに打ち勝たないとだめだと思います。
―明日に向けて
明日はチャンスで打って、守備でも貢献して、連勝できるようにがんばります。
佐々木勇哉(持ち前のセンスが光る打撃を披露)
―今日の試合を振り返って
早稲田戦もそうなんですけど、最近みんなバッティングの調子が上がっていて、流れ的にも途中まで(得点の)取り方もよかったし、いい感じで(チームが)来ているんじゃないかなと思います。後半追い上げられてチームの雰囲気はあまりよくはなかったんですけど、結果的に勝ちは勝ちなので、難しい試合でも勝てたというのは次の試合にもつながると思います。
―最近非常に打撃が好調です
先輩たちが上位で打っていて、(自分は)下位で打たせてもらっているので、それが結果として出ているのかなと思います。気楽には打てていると思います。
―それ以外で打撃好調の要因は
初球はすごく大事にしています。振りにいこうという意識は強いです。
―高校時代から比べて打撃の調子は
長打は減ったんですけど、確かに率は上がったかなと思います。
―7回の守備で打者走者と交錯しましたが、けがの具合は
打者に踏まれてしまって、若干腫れはあるんですけど、いまのところは大丈夫です。
―明日の出場に影響は
(ボールは)握れるので、明日腫れがひどくなったりしなければ出れるとは思います。
―現時点で走攻守で課題は
守備ですね。(みんなに)迷惑をかけているので。先輩は(守備は)目をつぶるとは言ってくれてはいるんですけど、結局いつか大きい守備のミスで負けてしまったら自分の練習不足のせいだなとなるので、守備はこれから重点的に練習が必要かなと思います。
―今季は一塁手として出場していますが
(高校時代は)ずっと外野手で去年もそうでした。
―一塁手としての守備は慣れてきましたか
慣れは全然していないですね。でも、最初の頃よりはいい感じになってきたかなと思います。あとは、帝さん(藤口)が結構声を掛けてきてくれて、守備位置を教えてくれるし、帝さんが広い範囲を守れるので頼っちゃっていますけど、僕は本当にここだけというか狭いところだけでいいかなと思って守っています。
―最後に、明日に向けて一言
もう優勝はないですけど、4年生は最後の年で負けられないと思うので、明日も絶対に勝ちたいと思います。
フォトギャラリー
- 明日も連勝なるか
- 大石智が放った打球が決勝点に
- 佐々木は最近打撃が好調だ
- 藤口は6番に座ってから打率が上がっている
- 石橋は細身ながら長打が打てる打者だ
- 巧みなバットコントロールで安打を量産中の甲本
- 秋山は8回無死満塁からの登板だったが、逆転を許さなかった
- 最後は水谷が締めた