【相撲】第97回東日本学生選手権大会 Bクラス優勝もAクラスではまさかの惨敗… 課題多く見つかる大会に
第97回東日本学生相撲選手権大会
2018年6月10日(日)
両国国技館
東日本の大学相撲部が国技館に勢揃いした東日本学生選手権。法大はBクラスからのスタートとなったが、ライバル・明大などを破り優勝を果たす。流れに乗ってAクラスに進出し上位校に意地をみせたいところだったが、王者・東洋大ら強豪校に圧倒的な強さを見せつけられ惨敗。個人戦でもすべての選手が2回戦までで敗戦し、厳しい結果となった。
団体戦試合結果
Bクラストーナメント
準々決勝
5 法政大学 |
先鋒 |
松浦智哉(人4) |
○ |
0 東京大学 |
---|---|---|---|---|
二陣 |
望月翔平(営3) |
○ |
||
中堅 |
小湊海王(人1) |
○ |
||
副将 |
上平晴輝(法3) |
○ |
||
大将 |
雑賀 聖(法2) |
○ |
準決勝
5 法政大学 |
先鋒 | 松浦 | ○ |
0 慶應大学 |
---|---|---|---|---|
二陣 | 望月 | ○ | ||
中堅 | 小湊 | ○ | ||
副将 | 上平 | ○ | ||
大将 | 雑賀 | ○ |
決勝
3 法政大学 |
先鋒 | 松浦 | ● |
2 明治大学 |
---|---|---|---|---|
二陣 | 望月 | ○ | ||
中堅 | 小湊 | ○ | ||
副将 | 上平 | ● | ||
大将 | 雑賀 | ○ |
Aクラス予選
1回戦
0 法政大学 |
先鋒 | 松浦 | ● |
5 東洋大学 |
---|---|---|---|---|
二陣 | 望月 | ● | ||
中堅 | 小湊 | ● | ||
副将 | 上平 | ● | ||
大将 | 雑賀 | ● |
2回戦
1 法政大学 |
先鋒 | 松浦 | ● |
4 中央大学 |
---|---|---|---|---|
二陣 | 望月 | ● | ||
中堅 | 小湊 | ● | ||
副将 | 上平 | ● | ||
大将 | 雑賀 |
○ |
3回戦
0 法政大学 |
先鋒 | 松浦 | ● |
5 駒澤大学 |
---|---|---|---|---|
二陣 | 五十嵐唯人(営4) | ● | ||
中堅 | 宇野滉史(法4) | ● | ||
副将 | 上平 | ● | ||
大将 | 雑賀 | ● |
Aクラス順位決定戦
3 法政大学 |
先鋒 | 松浦 | ● |
2 慶應大学 |
---|---|---|---|---|
二陣 | 五十嵐 | ○ | ||
中堅 | 宇野 | ○ | ||
副将 | 上平 | ● | ||
大将 | 雑賀 | ○ |
個人戦試合結果
選手名 | 1回戦 | 2回戦 |
---|---|---|
宇野 | ○ | ● |
福田紘也(営2) | ○ | ● |
一佛晏聡(人2) | ○ | ● |
松浦 | ● | ー |
高橋和優 | ○ | ● |
戦評
昨年の東日本学生ではAクラスでの出場を果たしたものの、上位校に敗戦を喫しBクラス降格が決まった法大。今季はゼロからのスタート、再びAクラスでのシード出場を目指し大会に臨んだ。
国技館は多くの大学相撲部の関係者やファンで埋め尽くされた
Bクラス初戦は東大との対戦。圧倒的な力の差を見せつけストレート勝ち。勢いに乗る法大は次戦の慶大との対戦でも、速さのある攻撃で相手に勢いを与えず、5戦全勝でトーナメント決勝まで駒を進める。決勝は明大との対戦。硬式野球では『血の法明戦』と呼ばれるだけに選手たちの気合も一層入っていたように見えた。先鋒・松浦智哉(人4)は粘りをみせるものの押し倒しで敗れ、続く二陣・望月翔平(営3)は突き落としで相手に攻める隙を与えることなく勝利。1-1のタイに持ち込み、迎えるは中堅のルーキー・小湊海王(人1)。「狙って投げるしかない」と意気込み、勝ち越しを懸けた一戦に臨んだ。相手に土俵際まで追い込まれるものの、その考えが功を奏し上手く形勢を逆転。下手投げで勝利を飾った。副将・上平晴輝(法3)が敗れ2-2とされたものの、大将戦で雑賀聖(法2)が小内刈りで技ありの勝利。大将としての重圧を背負っていた中で、雑賀は落ち着いた安定した取組でチームに歓喜をもたらし、見事Bクラス優勝を飾った。
2年生ながら大将として落ち着いた戦いを見せた雑賀
AクラスはBクラスの上位4校(法大、明大、慶大、専大)も参戦。強豪ぞろいの対戦相手が乱立する中、法大は一つでも多く勝ち、2年前のようにAクラス昇格を目指したいところ。しかしAクラスの壁は非常に高いものだった。初戦は前大会王者・東洋大との一戦。圧倒的な力の違いを見せつけられストレート負けを喫する。続く中大との試合も、雑賀が大将戦で勝利を収めたものの、1-4で連敗。3試合目の駒大戦も、完全に相手のペースで進められストレート負けで、Aクラスの現実を味わされる戦いとなった。松浦は「不甲斐ない結果となってしまった」と悔しさを表した。
強敵相手に土俵際で粘ることはできなかった
Aクラス順位決定戦では慶大に3-2で辛勝し12位中10位で団体戦を終了。また、個人戦ではすべての選手が二回戦までで敗北。課題が多く見えた大会となったが、小湊、雑賀ら若手選手の活躍も目立った今大会。上級生たちが刺激を受け、チーム全体に好循環が生まれることがチームがより強くなる第一歩だ。
(文:岡﨑祐平、写真:中村祐吾)
選手コメント
松浦智哉
―今日のコンディションはいかがでしたか
まあ、普通でした。よくもなく悪くもなく。
―今日の試合に向けてはどんな練習をしてきましたか
立ち会いで出遅れないように、自分の相撲を取りきれるように意識して臨みました。
―試合前のチームの雰囲気は
けが人も多かったんですけど、みんなそれぞれが目標を持ってこの試合に臨んでいたので、悪い雰囲気ではなくいい雰囲気だったと思います。
―Bクラスでは優勝。振り返って
自分は負けてしまったんですけど、後輩達に助けられました。
―一方でAクラスでは厳しい戦いが続きました
勝てる試合を逃したというか、勝てる試合もあったんですけど負けてしまったというのが、本当に不甲斐ないと自分で思っています。
―個人戦では1回戦敗退でした
団体戦が終わった時に気持ちが切れてしまったところがあったので、個人戦でも気持ちを入れ直してやりたかったですね。
―今日の試合を通じての収穫は
何も無いですね。本当に悔しいというか、それを次への糧にして頑張りたいです。
―今日特にいい活躍をしたと思う選手は
やっぱり大将(雑賀)じゃないですかね。2-2の時も勝ってくれて助かりましたし、聖はよくハマってくれたと思います。
―4年生として最後のシーズンになりますが、これからの意気込みを
最後なので、本当に悔いの無いようにインカレは勝ちにいきたいです。
宇野滉史
—団体戦を振り返って
駒大戦が一番大事なところだったんですけど、自分の相撲が取れずにダメでした。
—団体戦には途中出場でしたが、準備のほどは
全然知らされてはいなかったんですが、監督に「お前行くか?」と言われて、出させてもらいました。準備の方は、補欠なのでいつでも出れる準備はしていたので、準備はできていました。
—順位決定戦を振り返って
駒大戦の後で落ち込む面もあったんですけど、切り替えてしっかり勝てたので良かったです。
—個人戦を振り替えて
初戦はしっかり勝てたのでよかったのですが、二回戦が格上の相手でだったんですけど、勝てない相手ではないと思ってはいたんですけど、あまり力が出せずに終わりました。
—二回戦はどのような相撲を取ろうと意気込みましたか
体格差があるので、気持ちでは負けないようにと取組に臨みました。
—今年が最終年になりますが目標は
これからは、大きい試合がインカレと選抜大会が地方であるので、そちらの方で上位に食い込めるように頑張っていきたいです。
—今大会の収穫や反省は
四年生になって初めての試合だったので、チームを引っ張っていかなければいけないというプレッシャーもありますし、いろんな面で勉強になりました。
—次戦に向けて意気込みを
選抜で地方の大会があるので、そちらでレギュラーに選ばれるように頑張りたいです。
雑賀 聖
ー今日の取組を振り返って
大事な場面で勝つことができたのですが、詰めの甘さが残る結果だったと思います。
ーBクラストーナメントで優勝しました
もう単純にうれしいです。
ーAクラストーナメントでは、中大の選手に勝利しました
1点でも欲しい場面だったので、勝てて良かったです。諦めないでまわしを取りにいったことが勝因の一つだったと思います。
ーAクラスの順位決定戦では大将として、チームの勝利に貢献しましたが
最後みんな少し気が抜けていて、2-2で回ってきたのですが、大将なので勝たなくてはと思って臨みました。
ーAクラスとBクラスで力の差は感じましたか
あたりの強さが段違いでした。
ーご自身のアピールポイントは
まわしを取ったら負ける気がしないので、そこがアピールポイントです。
ー過去の実績などは
あまりないのですが、国体に出たことくらいですかね。
ー次回への意気込み
立会の弱さが見えたので、立会一発目でまわしを取れるように、押しの強さを強化していきたいと思います。来年は1部昇格を目指して、頑張ります。
小湊海王
ー今日の試合を振り返って
チームの目標としては東日本ベスト4だったのでよかったですが、僕自身は今日が大学に入って初めて選ばれた団体戦だったからか緊張してしまい、1部に上がってからは全て負けてしまったので、次回からは勝てる様にもっと稽古したいと思います。
ー明大戦、1対1で登場した場面について
僕を選んでくれた監督に左前褌(ひだりまえみつ)の相撲を期待されていたので、それを狙って投げるしかないと思ってやったら、偶然ですが上手くいきました。
ー事前に監督からその様な指示が
稽古の時はずっと言われていましたが、試合当日は好きな様にやればいいと言われました。
ー法大相撲部に入部した理由
中学生の時から法政大学の監督にお世話になっていたので、恩返しがしたいと思い、入部しました。
ー過去の実績
インターハイと国体でベスト16、高三の時の金沢大会(全国大会)で団体3位でした。
ーチームの雰囲気について
高校生の時から法政大学で稽古をさせてもらっていましたが、その時より稽古をしっかりやる雰囲気になっていると思うので、今の雰囲気は結構好きです。
ー自身の持ち味
人一倍努力する事ですかね(笑)。具体的な技としては左前褌なので、左を取ってからの寄りですね。
ーこれからの課題
大学に入ってからは相手の圧力を感じてしまい、守りの相撲になってしまっているので、高校生の時の様にもっと自分から前に出ていける相撲をしたいと思います。
ーこれからの試合への意気込み
まだ次の大会に選ばれるかはわからないので、まず選ばれるように頑張りたいです。
フォトギャラリー
- 先鋒として登場した松浦。敗戦が目立った
- 望月は勢いのある戦いをみせた
- ルーキー小湊は土俵際での強さをみせた
- Bクラス優勝、表彰台で笑顔をみせる選手たち
- 大将・雑賀のこれからの成長に注目が集まる
- 団体戦・個人戦ともに出場した宇野。4年生の意地を見せつけたい
- 一佛は巨体を生かし攻めたが、惜しくも2回戦敗退
- 高橋も2回戦敗退と悔しい結果になった