【硬式野球】東京六大学野球秋季リーグ戦開幕直前特集 第2回 チームを優勝へ導く!主将・副将インタビュー ~向山基生選手、川口凌選手、中村浩人選手、中山翔太選手~
2018年8月22日(水)
法政大学野球部合宿所
『優勝候補筆頭』と言われながら、第2カードの時点で優勝可能性が消滅した昨季。優勝を知らない世代を今年で途絶えさせるべく、今季こそ優勝を目指す法大野球部は、9月8日(土)に初戦である早大戦を控える。今回は、12季ぶりの優勝に向けて昨季の雪辱に燃える主将の向山基生(営4)、副将の川口凌(人4)、中村浩人(営4)、中山翔太(人4)の4選手に今季リーグ戦への思いやチームを率いていく上での取り組みなどを伺った。
選手インタビュー
向山 基生 主将
–昨季を振り返って
2カード連続で勝ち点を落として、優勝争いから早い段階で抜けてしまったことが一番の反省点だったと思います。
–昨季の良かった点は
投手で若い選手が台頭してきたり、チーム全体的には終盤にきつい状況の中で明治に連勝できたことは、この秋につながっていくかなと思います。
–現在のチームの課題は
良い投手が投げてきたときに打ち崩すことができるか、ということだと思います。二線級の投手はみんな打てると思うので、エース級の投手から打つことが課題だと思います。
–日本代表で得たことの中で、どのようなことをチームで共有したか
すごく細かい緻密な野球をしたので、その中で習ったようなことをチームには教えていっているつもりです。相手のクセであったり、また、ランナーのプレッシャーのかけ方であったりといった走塁面でのことが多いと思います。
–日本代表で仲間として戦った六大学の選手で、改めて警戒すべきだと感じた選手は
田中誠也(立大)、小島和哉(早大)ですね。代表の時はあまり良くはなかったですが、この2人の左投手は自分たちにとって勝たないといけない相手だと思うので、警戒したいと思います。
–今季は最後のリーグ戦となります
2年生のころから出場させてもらっているので、神宮というのは思い入れのある場所ですし、だからこそ一層優勝したいという気持ちがたくさんあります。
–ドラフトへの意識は
もちろん大事なことではありますが、神宮は就活をする場所ではないので、しっかりとチームの勝利のためにプレーしたいと思います。
–現在の調子は
いつも通り調整できていると思います。まだまだ良くしていかなければいけない部分はありますが、今のところはまあまあという感じです。
–今季のキーマンは
菅野(秀哉、キャ4)、高田(孝一、法2)、三浦(銀二、キャ1)といった先発陣ですね。野手もしっかりカバーしていかないといけないですけど、ピッチャーがしっかりリズムを作って抑えていってほしいと思います。
–リーグ戦に向けての個人目標は
勝負所で打点を稼ぎたいということと、具体的な数字というのはあまりないですけど、打率に関しては、4割は超えたいと思います。
–チーム目標は
まずは開幕ダッシュをしっかり成功させて、最後にはリーグ優勝で終われるようにしたいです。
–開幕カードは早大です
やっぱり、春にやられている小島は投げてくると思うので、しっかりと対策を練って、圧勝するつもりで臨みたいと思います。
–最後にファンの方々に向けてメッセージをお願いします
ここ数年優勝できていなくて、自分たちもまだ優勝できていないですが、今季は死ぬ気で頑張るので応援よろしくお願いします。
(取材:山﨑有馬)
向山 基生(むこやま・もとき)
経営学部4年 1996年7月5日生まれ
東京都出身・法政二
184㎝80㎏・右投右打
昨季成績:12試合 56打席 48打数 17安打 2本塁打 7打点 7四死球 6三振 打率.354
『昨季は初のベストナインに選出。主将としてプレーでチームを引っ張った。ラストシーズンとなる今季、ここぞという場面の一打を放ち、チームを12季ぶりの優勝へと導く』
川口 凌 副将
-現在の打撃の調子は
良くもなく悪くもなくという感じです。
-具体的には
チャンスで(打席が)回ってくることが多くて、そこでは還せていると思うんですけど、僕は勝負強さだけでなく、エンドランとかバントとかそういった部分でしっかりつないでいかないといけないので、そういう所の精度を高めていかないとなと思います。
-チームとしては
課題もしっかり出ています。試合で出た課題を練習でつぶすという意図があって今年はオープン戦を少なく組んでもらっているので、課題をつぶすというのはできてるかなと思います。
-課題とは
エンドランとかバントとか。守備でいえば(守備位置)中間のフライとかの声掛けだったり、中継プレーの入る位置とかダブルプレーの精度とかいろいろですね。
-昨季以降、チームで徹底してきたことは
練習自体も少し変えてはいるんですけど、寮生活だったり私生活の部分で大きく変えたことは多いと思いますね。
-優勝を逃した要因は
みんなの私生活とか普段の生活、練習に対する姿勢だったりというのが、他の大学に勝って(まさって)なかったというか。気持ちでそういう(負けていた)部分があったと思うので、意識して春が終わってからはやってます。
-開会式と閉会式の入場行進の雰囲気が違うと感じましたが、そこも変えたことの1つ
そうですね。そういう所からしっかりやろうということで閉会式はキビキビやりました。
-個人打率については
いや、もう最悪ですよね。僕が打ってしっかり守らなきゃチームも勝てないと思いますし。やっぱり打つべきやつは絶対打ってくれると思うので、脇役じゃないですけど僕たちが打てば勝てると思います。
-夏に重点的に取り組んできたことは
夏の間は、ほとんどのメンバーが遠征とかでいなくて、自分のことというよりは、チーム全体の一つ一つの動きだったり「こういう所は詰めていかないといけないよ」というチーム全体のことを見るように意識しました。
-出身校の横浜高校が甲子園に出場しましたがご覧になって
見てて「いいな~」と思ったんですけど、とりあえず「勝て!」と。(敗退は)相手のピッチャーが良かったのでしょうがないかなと思います(笑)。
-初戦が大事だと思いますが、早大対策としては
早稲田もそうなんですけど、どこのチームも左ピッチャーが多いので、左ピッチャーを打たないと勝てないというのは分かっています。オープン戦とかでも左(投手)が出てきたら、仮想小島(和哉、早大)とか、仮想田中誠也(立大)とか、チーム全体としてそういうイメージをして打席に立つようにしてます。
-その他でカギとなるカードは
全部ですよね。全部勝たないといけないですけど、個人的には立教と明治は同級生がいるので、最後くらいあいつらには負けたくないなというのはあります。
-他大で警戒する選手は
やっぱり常に意識しているのは渡辺(佳明、明大)と松﨑(健造、立大)の2人です。小島、田中誠也、森下(暢仁、明大)とか、各チームのエースは絶対に打たなきゃなと思います。
-法大でのラストシーズンとなります
4年間は長いようですごくあっという間で、法政のユニフォームを着て試合するのも、リーグ戦は優勝しても10試合しかないので、いろいろ感じることはあるのかなと今は思っています。
-4年間で成長できたと感じる部分は
高校と違っていろいろ考えながらプレーしなきゃいけないというのがあって、野球の引き出しとか、そういう部分も増えたかなと思います。
-今季の個人目標は
やっぱり六大学野球でやっているからにはベストナインをとって卒業したいなと思います。
-開幕に向けて一言お願いします
もう「勝ちます」しかないですね。打って勝ちます!
(取材:渡辺詩織)
川口凌(かわぐち・りょう)
人間環境学部4年 1996年10月1日生まれ
東京都出身・横浜
168㎝72㎏・右投左打
昨季成績:12試合 54打席 43打数 7安打 0本塁打 4打点 5四死球 3三振 打率.163
『優勝を逃した昨季は、個人としても打率において悔しさが残った。持ち前の堅守とパンチある打撃で念願のベストナイン獲得を目指す。』
中村 浩人 副将
–昨季を振り返って
開幕早々4連敗してすぐ優勝がなくなってしまったので、チームとして悔いが残るシーズンでした。個人的には(首位打者獲得で)賞を取れたことで自分の自信にもなりましたし、チームで一番打点を稼げたというのは、チャンスで打てていたということなのでうれしかったです。
–これまで取り組んできたことは
自分はキャッチャーなので、投手とのコミュニケーションだったり、これから出てきてほしいなという下級生にも話しかけましたし、逆にピッチャーの意見を聞いたり、お互いの思っていることを伝えあったりしました。バッティングに関しては力強さがほしかったので、振る量を増やしたりロングティーを多めに入れたりしました。
–昨季、本職は守備と言っていましたが、どんな練習をしましたか
盗塁を阻止するスローイングや、投手が投げやすいようにキャッチング、ブロッキングの練習はしました。あと、キャッチャーは股関節周りが大事になってくるので、重点的に鍛えました。
–オープン戦での調子は
良くも悪くもないという感じです。内容の悪い打席がちょっと多かったのでそこは修正していかなければいけないと思っています。オープン戦では下級生のキャッチャーが出ていて、自分は指名打者のほうが多いのですが、自分が後輩に伝えられることも多いと思うのでお互いに意見を交換しながらやっています。
–調子のいい投手は
朝山(広憲、法3)や三浦(銀二、キャ1)、その辺りの投手は良いかなと感じます。
–注目している後輩は
いっぱいいるのですが、強いて言うなら同じポジションの後藤(克基、法1)と渡辺(雄太、キャ2)は結構オープン戦にも出ているので期待しています。
–どんなことを話しますか
いろいろ聞かれることも多いので、自分の思っていることも言いますし、「違うチームのキャッチャーも勉強になるから見たほうがいいよ」というのは伝えています。
–副将として意識してきたことなどは
上に立つ立場ですし周りからプレーとか私生活の態度とかを見られていると思うので、そこはお手本になるように(意識してきた)。他の選手に「中村がしっかりやっているからそれについていこう」と思ってもらえるようにしています。
–今年は最後の夏でしたが
今年は北海道に合宿には行かずにずっとこっち(武蔵小杉)で試合をやっているのですが、オープン戦も例年より少なくて。その分しっかり練習日があって、試合で出た課題や春季リーグで出た課題に向き合えているので、そこはプラスだと思います。最後のシーズンになるので、やり残すことがないように毎日やっています。
–ここを見てほしいというところは
キャッチャーとしての、チームの扇の要として春から成長した姿を見せたいですし、バッティングはチャンスでの勝負強さを見てほしいです。
–最後に意気込みをお願いします
自分にとってはラストシーズンで、優勝しないまま卒業だけはしたくないので優勝することは絶対なのですが、本当に野球を楽しんでやりたいので、楽しんでやって最後優勝という結果がチームにもたらされれば最高かなと思います。
(取材:八木原綾乃)
中村浩人(なかむら・ひろと)
経営学部4年 1997年1月6日生まれ
熊本県出身・多良木
177㎝76㎏・右投右打
昨季成績:12試合 48打席 40打数 18安打 1本塁打 9打点 5四死球 5三振 打率.450
『昨季首位打者を獲得。捕手としてもレギュラーに定着し、攻守の要として優勝をたぐり寄せる』
中山 翔太 副将
-オープン戦を通して打撃の調子は
まあまあ良い感じです。ミスショットがないのでそれが良いなと思います。
-開幕までにさらに詰めていきたいことは
もっと確実性を上げて、チャンスで1本を打てるようにしたいです。
-台湾遠征から帰ってきてからの調整は
変わらず普通にしています。
-昨季を振り返って
チームとしては接戦を全部落としてしまって、そこで勝ちきれなかったというのが課題ですね。あと打撃陣は打点が少なかったので、そういうところが課題だと思います。
-勝ち切れない要因とは
やっぱり先制点を取って、中盤でまた取ってというのがなくて、一度ペースを相手に握られたらずっとそのままだったので、そういうところが原因かなと思います。
-開幕に向けてチームで取り組んでいることは
寮内での生活とかをしっかり見直して、隙がないようにというか、やれることは全部やろうということでやってます。
-それはできているか
まだ完璧ではないですけど、できてきていると思います。
-他大学で特に対戦したい投手は
特にいないです。
-ドラフト候補として名前も挙がっているが
あんまり意識せずに普通にやろうかなと思います。
-大学4年間での実績を振り返って、自分の思うようなものになっているか
まだ思うようになってないので、徐々に良くなっているんですけど、秋で全部発揮しようかなと思います。
-ラストシーズンはどんなシーズンにしたいか
個人としてもチームとしても完璧なシーズンにしたいです。
-具体的な打撃目標は
数字(で表す目標)はないんですけど、三冠王取ります。
-ファンのみなさまへ
毎回優勝しますと言ってるんですけど、今回はほんとに優勝するので応援お願いします。
(取材:渡辺詩織)
中山翔太(なかやま・しょうた)
人間環境学部4年 1996年9月22日生まれ
大阪府出身・履正社
185㎝95㎏・右投右打
昨季成績:12試合 54打席 50打数 19安打 1本塁打 8打点 4四死球 4三振 打率.380
『法大不動の4番打者。昨季はほとんどの試合で左翼の守備についたが、今季は一塁手としての出場が主になる。主砲の一振りでチームを勝利へ、そしてリーグ優勝へと導く。』