【サッカー】天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権 1回戦 法政大1-0ブリオベッカ浦安 13年ぶりの天皇杯 序盤の竹本弾を守り切り東京ヴェルディが待つ2回戦へ駒を進める!
【サッカー】天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権 1回戦 法政大ーブリオベッカ浦安
2019年5月26日(日)
フクダ電子アリーナ
13年ぶりの出場となった天皇杯。先週の明大戦で完敗を喫した法大は入念に準備をして挑んだ今日の試合。前半、法大が主導権を握ると35分、森岡のインターセプト気味のクリアボールに反応した竹本がヘディングでゴールに流し込み先制。後半は疲れがでてきたのか一時的に相手に主導権を握られるもキャプテンの加藤を中心に相手にゴールを割らせず、見事に無失点勝利。東京ヴェルディが待ち受ける2回戦に駒を進めた。
試合結果
トータル試合結果
1 法政大 |
1 | 前半 | 0 | 0 ブリオベッカ浦安 |
---|---|---|---|---|
0 | 後半 | 0 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
35分 | 得点 | 法政大学 | 竹本大輝 | 1-0 |
68分 | 交代 | 法政大学 | 橋本→紺野 | |
75分 | 交代 | 法政大学 | 佐藤(大)→田中 | |
86分 | 交代 | 法政大学 | 竹本→平山 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 |
12 | GK | 中野小次郎 | 経済3・徳島ヴォルティスY |
23 | DF | 関口正大 | 現福3・新潟明訓高 |
2 | DF | 森岡陸 | 現福3・ジュビロ磐田Y |
5 | DF | 加藤威吹樹(cap) | 経済4・サンフレッチェ広島Y |
3 | DF | 高木友也 | 経済3・法政第二高 |
6 | MF | 大西遼太郎 | 社会4・ジュビロ磐田Y |
26 | MF | 佐野皓平 | 現福3・清水エスパルスY |
17 | MF | 竹本大輝 | 経済3・成立学園高 |
20 | MF | 佐藤大樹 | 経済2・コンサドーレ札幌Y |
11 | MF | 橋本陸 | 経済4・西武台高 |
18 | FW | 上田綺世 | スポ3・鹿島学園高 |
サブメンバー | |||
---|---|---|---|
21 | GK | 長島卓哉 | スポ4・東京ヴェルディY |
4 | DF | 蓑田広大 | 現福2・青森山田高 |
24 | DF | 宮部大己 | 経済3・法政第二高 |
8 | MF | 紺野和也 | 現福4・武南高 |
13 | MF | 長谷川元希 | 現福3・大宮アルディージY |
19 | FW | 平山駿 | 経済3・三菱養和SCY |
28 | FW | 田中和樹 | 社会2・浦和学院高 |
マッチレポート
トーナメントの初戦という事もあり、試合の入りは互いに様子を伺いながらも要所でペースアップする様相を呈した。FWを裏に走らせる攻撃を中心に展開する浦安に対し、法大は加藤威吹樹と森岡陸が堅牢な守備を見せた。左SB高木友也が自陣でボールを奪われ2対2の状況でショートカウンターを受けた場面でもキャプテンの加藤が絶妙のカバーリング。結果的に前半の被シュート数を0に抑え、似たようなシチュエーションから2失点して惨敗を喫した明大戦とは見違えるような組織的な守備が構築されていた。
ボランチの位置で抜擢されたのはここまでリーグ戦出場なしの佐野皓平。3分にチームのファーストシュートを放つとその後は大西遼太郎とバランスを取りながらロングフィードでリズムを作り、長山一也監督の期待にしっかり応えた。13分には高木のドリブル突破から左SHの竹本大輝を経由してFW佐藤大樹がサイドに流れてクロスを上げ、ファーで右SBの関口正大が合わせた。惜しくもミートしなかったものの「逆サイドの選手が絞りながら顔を出して良い距離感でサッカーできた」と長山監督が語った通り、攻撃面でも可能性を感じさせるシーンが多々見られた。22分には上田綺世のポストプレーから橋本陸がボールを運ぶと最後は竹本がカットインして枠内シュートを放ち、徐々に浦安ゴールへと照準を定めていく。そして36分、相手のクリアを森岡が跳ね返したボールがGKとDFの間に流れ、そこに飛び込んだ竹本がヘディングでネットを揺らした。押し込んでいる時間帯に1点を取り切った法大がリードして試合を折り返す。
後半開始早々、法大は大西と佐藤が立て続けにミドルシュートを放ち追加点を狙う。54分には高木のクロスに上田がフリーで合わせたがポストに直撃。徹底マークに遭い続けたエースのダメ押し弾は叶わなかったものの、この日の上田は前線からの激しいプレスで浦安のビルドアップを封じつつフィジカルを活かしたポストプレーでチームに貢献した。60分を過ぎて流れが浦安に傾きかけた所で紺野和也を投入し、得意のドリブルでファウルを誘いながら法大の時間を作っていった。72分にはゴール至近距離からフリーでシュートを浴びたがGK中野小次郎のファインセーブによって難を逃れる。ゴール前まで運ばれるシーンは前半より増えたものの、30度を越える暑さにも耐えて依然として集中を切らさない守備陣が粘り強く対応した。アディショナルタイムには上田の献身的な守備にも助けられ、試合はこのまま終了。終わってみれば被シュート数2という堅守ぶりを発揮し、1-0で勝利を飾った。
明大戦での完敗を受けてこの一週間でチーム全体での意識改革を図った法大がその成果を示す形となった。生まれ変わったオレンジ軍団は7月10日に行われる2回戦でJ2の東京ヴェルディと対戦する。天皇杯ではお馴染みなプロVSアマチュアの構図である。周囲から「ジャイアントキリング」が期待されているのは間違いないが、それを起こす為には「格下」側が浮き足立たずにしっかり戦い切る事が必要不可欠だ。間に挟むリーグ戦とアミノバイタルカップを経て一層たくましくなるであろう法大イレブンに目が離せない。
次のゲームは中2日で迎えるリーグ戦の立正大戦。爆発的な攻撃力を誇る好調のチームが相手だが、今日の勝利をきっかけに何としてでも勝ち点3を掴みたい。(岩瀬斗真)
監督・選手コメント
長山一也監督
ー試合を振り返って
暑い中での試合でしたが、敗戦した明大戦の反省を活かして選手が謙虚にトレーニングに取り組み、攻守にわたってやれる事をしっかりやってくれました。
ー明大戦と比べて前線からの守備が安定していました
前の(上田)綺世と(佐藤)大樹が一緒になってやってくれましたし、奪った後もボランチから何本か良いボールが入っていて逆サイドの選手も絞りながら顔を出したりして良い距離感でサッカーができていたと思います。
ーGKに抜擢された中野選手がビッグセーブを見せました
しっかりとゲームに入ってくれましたし、リーグ戦でうまくいかなかった部分を彼なりに落とし込んでトレーニングしていたので大丈夫だろうと思って起用しました。小次郎にしか捕れないようなハイボールを捕ったシーンもありましたし、自分の長所を出しながらゲームに入っていけるようになると良いGKになってくるなと思います。
ーリーグ戦から一部メンバーを入れ替えました
チームの事を考えて準備しながら特に頑張っていた選手を起用しました。綺世は明大戦の後に叱りつけたんですけど(笑)この1週間は守備をガンガンやって、紅白戦でも点を取って。色々リズムがありますし、自分で気付いてくれたんだと思います。今日の決定機は決めて欲しかったですけど、やらなきゃいけない事を理解してやってくれていました。
ーヴェルディ戦に向けて
ヴェルディ戦はユニバーシアード等もあってメンバーの変更が色々あるかもしれないですけど、まだ時間があるのでリーグ戦とアミノバイタルカップでチームとして経験を積んで勝てるようにしていきたいです。
大西遼太郎
ー今日の試合を振り返って
前半は自分たちの試合が出来たと思います。2点3点取れれば理想でしたが後半途中、相手に流れがいってしまった中でしっかり無失点で終えることができたのは良かったと思います。
ー初めての天皇杯でした
モチベーションとやることは特に変わらずいつも通りでしたが会場の雰囲気は違うなと感じました。
ー先週の明大戦から1週間空きました
プレーの面よりも気持ちの面で勝ちたいという気持ちが足りてないと明大戦後に言われました。そこから1週間気を緩めずしっかりトレーニングできたことが今日の結果な繋がったと思います。
ー初めて佐野(皓)選手とボランチを組みました
佐野選手はボールの配給がとても上手い選手なので自分は相手のストロングポイントを潰すことを徹底して出来たので良かったと思います。
ー守備面での自己評価は
相手の11番のところをしっかり潰すことができたので良かったと思います。
ーミドルレンジからのシュートを2本打ちました
試合前に相手のボランチのところが少し空くということは分かっていたので枠は大きく外れてしまいましたが狙いとしては良かったと思います。
ー次に向けて
2回戦は東京ヴェルディで格上の相手になりますがチャレンジャー精神を忘れずに結果にこだわってやっていきたいと思います。
竹本大輝
ー今日の試合を振り返って
前半は自分たちのペースで試合を進めることができましたが追加点が取れなかったのでその部分は課題だと思います。後半は前半に比べて少しプレーの質が落ちたので試合を通じてプレーの質を落とさないようにチーム全体で強化していけたらと思います。
ー後半は少しプレーの質が落ちました
前半はチーム全員が頭を使ってプレーすることができてましたが疲れが溜まった後半は体力面だけでなく考え方が単調になってしまったのが要因だと思います。
ー今日の試合に向けての取り組み
キャプテンのイブくん(加藤威吹樹)を中心にミーティングをして一からしっかりやっていこうと週のはじめに話合ってこの日に向けてしっかり準備が出来たと思います。
ー今日の試合に限らず左サイドで高木選手とコンビを組みますが
(高木)友哉はしっかりボールを持てますし周りを見ることが出来る選手なので友哉のポジショニングを見ながら、また友哉の自分のポジショニングを見ながらプレーしてくれるので非常にプレーしやすいです。
ー先制点を振り返って
(森岡)陸が粘ってボールをあげてくれて自分のところに流れてくるなという予感がしたので後は突っ込むだけでした。
ー後半途中に交代しました
後半途中から自分のところでチャンスを作ることができなくなって監督が察したのかなと思います。次は90分通してプレーの質を保てるようにしたいと思います。
ー次の試合に向けて
次は立正大が相手で勢いのあるチームなのでまたしっかり準備して挑みたいと思います。
森岡陸
ー今日の試合を振り返って
気温の高い中でしたが立ち上がりは失点しないようにチームとして守備から入って、いい時間に点を決められて試合を進められたかなと思います。
ー浦安はロングボールで裏を狙う形が多かったですがCBとして意識した点は
ボランチからダイレクトで背後に蹴ってくるのはスカウティングで分かっていたので注意していました。自分のストロングポイントは相手のFWを潰すことなのでそこを活かしながらしっかりいぶくん(加藤)とチャレンジ&カバーして対応できたと思ってます。
ーメンバーを入れ替えながら前節の敗北から立て直していく準備はどうでしたか
監督に怒られ、力を入れて皆で立て直していこうという事で1週間取り組みました。メンバーは代わったんですけど、出ていない選手の分まで頑張ろうと皆で意思疎通ができていたので結果に繋がったと思います。
ー立て直しのきっかけとなった明大戦後のロッカールームではどんな事があったのでしょうか
監督からは「怒る気力もない」と言われて。僕達は逆転する試合が少ないので先制点を取られてから諦めムードが漂っていた所を監督と照井部長に指摘されました。今年まだ複数得点を取ってなくて勝った試合も全部1-0というのが2点目を取られた後に返せないと思ってしまった自分達がいたのではないかと皆で振り返りました。今日は1-0でしたけど、チャンスが結構あったのはこの1週間で攻撃面についてじっくり話し合った成果かなと思いますし、ヴェルディ戦やリーグの立正大戦では複数得点を決めてくれると思っています。
ー次節は強力な攻撃陣を誇る立正大戦です
まずは無失点に抑えて、攻撃面でもビルドアップの部分とかで攻撃陣がやりやすいようにしてきたいです。今日アシストはしましたけど今年はまだセットプレーで得点していないので自分から決めていきたいです。
フォトギャラリー
- 試合に挑む法大イレブン
- 今日も安定したプレーを見せた高木
- 左サイドで攻撃の起点となった竹本
- 前線で相手に脅威を与えた佐藤(大)
- 加藤はチームの無失点に貢献
- スタメン抜擢の橋本
- 先制点後のシーン
- 途中出場の紺野はドリブルで相手に脅威を与えた