【硬式野球】侍ジャパン壮行試合 高校日本代表対大学日本代表 宇草が1番・左翼で先発出場し1安打 試合は緊迫した接戦となり、引き分けに終わる
侍ジャパン壮行試合 高校日本代表対大学日本代表
2019年8月26日(月)
神宮球場
U-18ベースボールワールドカップに出場する高校日本代表との壮行試合を行った大学日本代表。大学生の力を見せつけたいところだったが、序盤、ミスが目立ち、試合は高校日本代表ペースに。2本の本塁打などで食らいつくも、9回には勝ち越しを許してしまう。しかし、最後の攻撃で主将の篠原涼(筑波大)が適時打を放ち、引き分けで試合終了。最後に大学生の意地を見せる結果となった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
高校日本代表 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 8 | 2 |
大学日本代表 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 5 | 10 | 1 |
(高校日本代表)佐々木、宮城、西、林、飯塚—水上、山瀬
(大学日本代表)森下暢、早川、村上、内間、佐藤隼、山崎、吉田、伊藤―海野、古川
[本塁打] 海野ソロ(4回=宮城)、牧ソロ(6回=西)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (7) | 宇草(法大) | 3 | 1 | 0 | 左飛 | 左邪飛 | 右前打 | 四球 | 敬遠四 | ||||
2 | (6) | 小川(国学院大) | 2 | 0 | 0 | 三振 | 遊ゴロ | |||||||
H6 | 児玉(九産大) | 3 | 0 | 0 | 一ゴロ | 遊併打 | 三振 | |||||||
3 | (9)89 | 柳町(慶大) | 4 | 1 | 0 | 三振 | 左翼線二塁打 | 三振 | 三振 | |||||
4 | (4) | 牧(中大) | 4 | 2 | 2 | 左飛 | 左前打① | 左越え本塁打① | 中飛 | |||||
5 | (D) | 郡司(慶大) | 2 | 1 | 0 | 右前打 | 三振 | 四球 | ||||||
RD | 田中(亜大) | 1 | 0 | 0 | 三振 | |||||||||
6 | (3) | 佐藤都(東洋大) | 4 | 1 | 1 | 三振 | 右前打① | 三振 | 三振 | |||||
7 | (2) | 海野(東海大) | 3 | 2 | 1 | 中前打 | 左越え本塁打① | 三ゴロ | ||||||
2 | 古川(上武大) | 1 | 0 | 0 | 振逃 | |||||||||
8 | (8) | 丸山(明大) | 1 | 0 | 0 | 三振 | ||||||||
H9 | 森下翔(中大) | 1 | 0 | 0 | 三振 | |||||||||
H5 | 篠原(筑波大) | 2 | 2 | 1 | 中前打 | 中前打① | ||||||||
9 | (5) | 元山(東北福祉大) | 1 | 0 | 0 | 三振 | ||||||||
H5 | 安本(法大) | 1 | 0 | 0 | 三振 | |||||||||
H8 | 竹村(近大) | 2 | 0 | 0 | 一ゴロ | 三振 | ||||||||
計 | 35 | 10 | 5 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | |
森下暢(明大) | 2 | 31 | 7 | 1 | 2 | 0 | 0 |
早川(早大) | 1 | 14 | 4 | 1 | 2 | 0 | 0 |
村上(東洋大) | 1 | 20 | 6 | 3 | 3 | 0 | 1 |
内間(亜大) | 0 2/3 | 19 | 5 | 2 | 0 | 1 | 2 |
佐藤隼(筑波大) | 1 1/3 | 11 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 |
山崎(東海大) | 1 | 12 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 |
吉田(日体大) | 1 | 13 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 |
伊藤(苫小牧駒大) | 1 | 18 | 5 | 1 | 1 | 0 | 1 |
計 | 9 | 138 | 37 | 8 | 12 | 1 | 4 |
戦評
WBSC U-18ベースボールワールドカップに出場する高校日本代表と、日米大学野球選手権大会で3大会ぶりに優勝した大学日本代表。日の丸を背負った、若き侍たちが大学野球の聖地、明治神宮野球場にて激突した。法大からは、宇草孔基(営4)と安本竜二(営4)が出場。宇草は1番左翼で先発出場を果たす。大学生として絶対に負けられない戦いにリードオフマンとしての活躍が期待された。
大学日本代表の先発は、大学No.1投手との呼び声高い森下暢仁(明大)。森下は高校時代に宇草、伊藤寛士(文4)、舩曳海(キャ4)らとともに高校日本代表にも選ばれた経験を持つ。初回をわずか6球で抑えこみ、先輩として高校生に大学生の実力を存分に見せつけた。その裏、森下暢の好投に応えたい大学日本代表。最速163㌔を誇る佐々木朗希(大船渡)に対して、大学日本代表の切り込み隊長、宇草が打席に入る。試合前「思い切って初球からガンガン振っていきたい」と意気込んでいたままに、初球から152㌔のストレートを弾き返す。しかし、相手の好守に阻まれ、出塁することができない。その後、3番・柳町達(慶大)も152㌔のストレートに空振り三振に倒れ、初回を無得点で終える。
注目の高校日本代表先発・佐々木の前に惜しくも左飛に倒れた宇草
続く2回、早速試合が動く。無死二塁から、美爆音で有名な習志野高校吹奏楽部の応援に圧倒されたのか守備の乱れで高校日本代表に先制点を許す。大学日本代表にとっては、嫌な形での失点となった。
その後、高校日本代表に1点を追加され、迎えた4回裏。遂に大学日本代表が反撃する。先頭打者の柳町が出塁し、無死二塁で迎えるは4番・牧秀悟(中大)。見事左前適時打を放ち、1点を返す。さらに、6番・佐藤都志也(東洋大)も右前適時打を放ち、同点に。そして、続く6番・海野隆司(東海大)の左越えソロ本塁打で大学日本代表が逆転に成功する。
しかし、5回表に高校日本代表に2点を奪われ、再び勝ち越される。 1点ビハインドで迎えた5回裏。1発出れば同点という場面で、安本が代打で出場する。対する相手は、高校ビッグ4の一角、西純矢(創志学園)。大学生として、パワーを見せつけたいところだったが、空振り三振に終わる。続く、1番・宇草は右前安打で出塁。センバツでの1試合最多盗塁記録を持つ宇草と今年甲子園を沸かせた強肩捕手、山瀬慎之介(星稜)の盗塁対決に注目が集まる。勝者は宇草。見事盗塁を決め、大学生の「技」を見せた。
その後、両チームともに1点を取り合い、大学日本代表は1点を追いかける形で最終回を迎える。壮行試合とは言えど、高校日本代表を気持ちよくワールドカップに送り出す気など毛頭ない大学日本代表は、1死二塁から8番・篠原涼(筑波大)が中前適時打を放ち、土壇場で同点に追いつく。その後、2死三塁、サヨナラの好機で迎えるは1番・宇草。東大、慶大、早大の連合応援団による応援ボルテージは最高潮に。しかし、申告敬遠により宇草は歩かされ、続く打者が三振に倒れ試合終了。同点に終わり、大学日本代表にとっては悔しい結果となった。
サヨナラの好機を作ったものの、最後は児玉(九産大)が三振に倒れ、引き分けとなった
法大から出場した宇草と安本は9月14日の秋季リーグ戦開幕に向けて気持ちはすでに切り替えている。昨年の向山基生(現=NTT東日本)のように、2人が大学日本代表での経験をチームに生かして、秋季リーグ戦を制覇することに期待したい。
(髙橋尚輝)
選手インタビュー
宇草孔基 外野手
—試合を振り返って
勝ちたかったですね。試合やってる以上は勝負なので勝ちたかったです。
—個人としては
自分の中では打ち損じてしまったので、そこは少し悔しかったです。実力不足というか、まだまだ練習しなければいけないと思いました。
—満員の神宮球場どうでしたか
ナイターで満員の神宮で試合をすることは、中々経験できないことだと思うので、これからも糧にしていきたいと思います。
—佐々木選手の印象は
大きくて手足が長いなと思いました。しなやかでマウンドとの距離が近いなと感じました。
—法大ファンに向けてひとことお願いします
本当に日本代表に選んで頂いて色々なことを経験させて頂きましたし、それをチームに生かして秋は絶対にリーグ優勝するつもりでこの夏過ごしているのでこれからも1日1日リーグ戦まで積み重ねていけるように強い気持ちを持って頑張ります。
安本竜二 内野手
—試合の感想は
引き分けで終わってしまったので、しっかり勝ち切りたかったですね。
—オールスターゲーム明けでしたが、ご自身のコンディションは
タイトなスケジュールでしたけど、体は結構良かったです。
—いつもと違った雰囲気での試合でした
高校生側の応援がすごくて、すごく良い環境でやらせてもらえて感謝ですね。
—対戦した西純矢投手の印象は
良い球投げていましたよ。捉えきれなかったので惜しかったですね。
—高校代表の森敬斗選手と接点があると伺いました
あの子も静岡出身で、お兄ちゃんと友達です。そのつながりで、よくご飯行ったりとか年末一緒に過ごしたりしています。さっき試合後にも話して、今日の結果について悔しがっていましたね。
—大学代表としての活動が終わりますが、ここまでを振り返って
本当にいろんな経験をさせてもらえて、こういう舞台でやれたことはプラスでしかないので生かしていきたいと思います。今回の高校生との試合もそうですけど、代表では1点勝負の試合が多かったので、こういう試合は絶対にチーム(法大)に生かした方がいいので、持ち帰りたいなと思います。
フォトギャラリー
- 打撃練習に臨む安本
- 試合前には高校代表と大学代表がともに写真撮影を行った
- 試合前セレモニーで首脳陣とグータッチをかわす宇草
- 佐々木に対しては積極的に初球から振りにいった
- 代打で出場した安本は惜しくも三振に倒れた
- 右前打を放つ宇草
- 9回にはスクイズにより失点を喫した
- 試合後、同じ静岡出身である高校代表の森(桐蔭学園)と話をする安本