【自転車】全日本学生RCS 第3戦 大町美麻ロードレース 奮闘するも、サバイバルレースで完走者なし…
2016年 全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ 第3戦 大町美麻ロードレース
2016年7月17日(日)
長野県大町市美麻特設コース(12.6kmサーキット・標高差226m)
昨年度の文部科学大臣杯 全日本大学対抗選手権自転車競技大会のロードレースが行なわれた舞台でのレースとなった全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ 第3戦。路面に凹凸がありそれによる体力の微量な消費が予想された。クラス1+2のレースは交通規制の影響もあり、足切りされる選手が続出。完走者は計9名とサバイバルレースとなった。法大勢はその9名にくい込めず。全員が足切りされてしまうという悔しさの残る結果となった。
試合結果
クラス1+2 結果
順位 | 名前(学部・学年) |
---|---|
DNF | 木原孝明(文2) |
DNF | 堀川裕輝(営4) |
DNF | 渡部将太(人2) |
DNF | 勝又高陽(法2) |
DNF | 近藤翔馬(文1) |
DNF | 須貝翔吾(法2) |
DNF | 北條顕登(法3) |
DNF | 加藤雅之(人3) |
DNF | 佐藤遼(経2) |
DNF | 堀込統吾(法1) |
DNF | 浅井創(営4) |
DNF | 青野将大(法4) |
※DNFになった順番に記しています。
クラス3 結果
順位 | 名前(学部・学年) | 平均速度 |
---|---|---|
FAD | 岩澤修平(人2) | 34.23km |
※FAD…完走はしたがゴールタイムから5%以内にゴールできず完走扱いにはならない。
戦評
昨年度文部科学大臣杯 全日本大学対抗選手権自転車競技大会(インカレ)のコースである大町美麻レース。1周12.8kmと1周が長いのが特徴のレースだ。そこでは、浅井創(営4)、佐藤遼(経2)、須貝翔吾(法2)がそれぞれ19位、31位、34位と完走を果たした。本日のレースは交通規制の関係もあり、トップから数分で足切りになってしまう。その中でも優勝が目されるのは、日大の岡本隼、明大の野本空や松本祐典、鹿屋体大の徳田優や冨尾大地か。全日本学生ロードレース・カップ・シリーズとはいえ、インカレ前最後のロードレースということもあり、実力者が勢ぞろいし、サバイバルレースが予想された。
13周、計160kmを超えるクラス1+2には、主将青野将大(法4)、ロード班エースである浅井、同じく最上級生である堀川裕輝(営4)、北條顕登(法3)、第32回 全日本学生選手権個人ロードレース大会では13位と健闘した加藤雅之(人3)、新鋭佐藤・須貝、勝又高陽(法2)、トラック班では安定した実力を誇る渡部将太(人2)、木原孝明(文2)、新入生の近藤翔馬(文1)、堀込統吾(法1)が名を連ねた。 スタート位置につく際、今までのRCSランキングを考慮し青野と佐藤が前線へ。そしてパレード走行で始まったレース。序盤は5、6人の逃げができるも、すぐに集団に吸収されてしまう。2周目の時点で堀川、木原が遅れをとってしまう。そして3周目手前で足切りとなってしまった。その時点で11人と比較的大きな逃げができ、その逃げが活性化する。それを1分の時間を挟んで追走するのは佐藤、野本(明大)、岡本(日大)、小林和希(明大)、谷順成(関大)だ。徐々にレース人数が減っていく中で、メイン集団から少し遅れを見せていた渡部が足切りとなる。5周目では逃げの規模が少し小さくなるが、未だメイン集団と逃げのタイム差は1分強。勝又、近藤がメイン集団後方へ。ここでレースも半分が過ぎ雨が止み、晴れ間が見え始め気温も高くなる。法大勢は集団内で様子を伺うも、逃げに反応し浅井、堀込を含めた4人がアタック。しかし、それも集団に吸収されてしまう。また、遅れをとっていた勝又、近藤、須貝、北條が立て続けに足切りを受けてしまい、法大勢は5人に。松本(明大)が先頭集団からアタックすると、集団全体のスピードが上がる。集団から抜け出した加藤を含めた数人の逃げが形成される。残り周回4回で逃げは10名であったが、その中から岡本(日大)がアタック。これに反応したのが冨尾(鹿屋体大)。他の逃げのメンバーは追いかけられず。岡本が徐々にスピードを上げていく中、冨尾はそれを捕まえられず。レースは、岡本、冨尾、それに続く6、7名の追走集団、メイン集団という構図に。レースが残り周回少なくなり、上がるトップ選手のペース。ラスト2周で残っていた法大勢全員のいた集団がまさかの足切りとなってしまった。
ロード班エースである浅井
クラス3には、岩澤修平(人2)が出走。4周、12.6kmを走る。雨が降る場面も見られる中でのレースとなった。レース開始直後はメイン集団内に位置し、前方にいた岩澤。しかし3周目にさしかかるとメイン集団と2分半ほど遅れをとってしまい、足切りされる選手も現れ始める。最後の1周もなんとか完走を目指したが、トップとの差は5分半と大きく劣勢に。結果、トップタイムの5%以内にゴールできず、完走扱いにはならず。悔しさをにじませた。
クラス1+2は完走者が9名と、サバイバルレースとなり、法大勢としては完走者を輩出できず。これは1ヶ月後にせまるインカレにむけて克服しなければならない課題が如実に現れた結果といえるだろう。しかし、悪いことばかりではない。クラス3では完走扱いこそならなかったものの、レースを走りきった岩澤。クラス1+2では1年生である堀込が健闘し、積極的な動きを見せた。うつむいている時間は、もう残されていない。あと1ヶ月で法大自転車部はいかなる成長を遂げるのか楽しみだ。(宮下尚子)
監督・選手コメント
都甲泰正 監督
ー今日のレースを振り返って
グラウンド班もそうなんですが、インカレが本番で前哨戦でのレースなので、仕上がり的にはあと1ヶ月あるのでこれから追い込めば、インカレではそこそこ走れるかなというところです。今みんなに言ったんですが、もう一回気合いを入れ直して、自分いじめの追い込む練習をあと1ヶ月間やって3日間休んで、それから本番を迎えれるという追い込み方しか、今年はできないので。どちらにしてもグラウンドとロードと総合でインカレの(総合)優勝は決まるので、グラウンド班は頑張っていますが、ロード班は…というところで、みんなでもう一度一丸となって練習して。インカレで出しきって、もうちょっと練習しておけばよかったなということのないように、結果にすべて満足できるように。負けても勝っても、満足できるくらい練習していくぞという話をして、4年生はこれで最後のインカレですが、3年生以下については来年に向けて、来年を見据えてもっと強くなるための練習をこの1ヶ月間でやる、という。今日の結果をうけて、みんながっかりしていると思いますが、法政のポリシーとしたら、自転車だけではなく文武両道、自転車だけではなく勉強もして、自転車もトップアスリートとして頑張るということなんですが、部活動ということに変わりはないので、自転車を楽しむ、楽しみながら強くなる。グラウンド班でいうと、タイムが上がっているときっていうのが楽しくてしょうがないんですよね、今は鈴木陸来(文2)とか。どこまで強くなるんだろうな、コンマ一秒早くなるためにはこういう練習をすればいいということが分かっているので、彼らは勉強も一生懸命やっているし、大学の生活が楽しくてしょうがないと思います。切磋琢磨と一丸魂というのが法政のポリシーであるので。
ー今日の作戦はやはりインカレを想定しての作戦でしょうか
そうですね、勝手に動く選手と、主要メンバーを上位に入れるためにサポートをする選手とに分かれて、レース展開を見ながら、指示をする。メインの選手をサポートするメンバーがいけ、とかああしろ、とか言いながらレースをするような感じですね。
ー加藤選手が「消極的だった」と言っていました
積極的にがんがんいけと言っています。今日つぶれていく選手がたくさんいましたよね、がんがんいってつぶれて後ろに戻ってという、そういう積極的なレースをする選手というのは必ず将来強くなってくるんです。このレースを練習だと思えば、もっと積極的にストイックにレースを攻めるというか、自分からレース展開をつくるという。レース展開をつくった選手たちにはそういう利が必ずくるので。そのためのメンタルの強化もこの1ヶ月間で必要かなと。練習では周りと切磋琢磨して自分を追い込み、レースでは一丸となって戦うという、これが法政のやり方です。もっともっと積極的にいけば必ず優勝できると思うので、頑張っていきます。
加藤雅之
ー今日のレースを振り返って
一昨年の美麻(2014RCS 第4戦 大町美麻ロードレース)のレースが今日と同じ、サバイバルレースで。去年のインカレは完走者が30人とかで、どちらになるのかなというのは考えていたところなんですけど、天気が晴れていたので人数的にはあまり絞られないかなと思っていて。サバイバルではなかったので、うまく立ち回って集団の頭とれればいいなと思っていたんですけど、見誤ったというか…消極的になってしまったレースでした。
ーこのコースの相性は
苦手なコースではないです。登りが3分くらい2回あって、あんまり長く登らないので、好きなコースではあります。
ー法大勢の結果としては
下級生は頑張ってくれていたんですけど、ポイントを取らなくてはいけない自分たちが消極的になってしまって。行くべきところを見誤ってしまったので、そこが課題です。
ー今日は加藤選手を生かした作戦があったようですが
浅井先輩と、佐藤と自分がインカレを想定して20番以内に入るという考えだったんですけど、先頭10人にそのうちの誰かひとりでも入るべきだったと思うんですが…。その3人で協力して前に送ったりできればよかったのですが、消極的になってしまいました。
ー今日は最初は雨で次第に晴れ、最後は暑くなりましたが、その天候の変化の影響はありましたか
あんまりないですね。朝は涼しかったので、夏バテするほど暑くはなかったので走りやすかったです。
ーコンディションはよかったのですか
はい。
ーレース前マークしていた選手
強い選手は明治の野本選手だったりだと思うんですけど、自分よりも少し強いくらいの選手にうまくついていって、立ち回れればという意味では、早稲田の孫崎選手だったり、日大の走り方の上手い選手を気にして見ていました。
ー改めて今日見つかった課題としては
レース勘が足りなかったのでレース勘と実力をつけて、もっと自信をつけられるような練習量が足りなかったということが課題です。
ーインカレに向けて
インカレではこのようなことのないように、10位以内目指して頑張ります。
今年躍進を遂げる加藤
堀込統吾
ー今日のレースを振り返って
作戦通りの動きではなかったんですけど、青野先輩や加藤先輩が集団をコントロールしていたりとか、自分と浅井先輩が逃げにのるとか、個人個人ではいい動きができていて。でも自分と浅井先輩が逃げたときにできた最後の逃げがそのまま先頭集団まで追いついていて。自分は集団へドロップしてしまったので、展開の読みは当たっていたのですが、自分の力不足でチャンスを逃して、これからインカレまでに1ヶ月しかないですが、練習していくしかないなと思いました。
ーレース前の作戦としては
加藤先輩、佐藤先輩、浅井先輩を上位20位以内に送り込めっていうチームの作戦で。その中で自分と北條先輩と近藤が逃げに乗ったり、それで法政が展開をつくっいくっていう作戦だったんですけど、逃げも決まらず、作戦通りにはなっていなかった感じでした。
できるだけ足をためるようにして、自分がいけるようなタイミングだったり、集団に追いつけると思ったら、そこで前の方にどんどん出るようにしようと思ってレース中は走っていました。
自分、結構体が弱いので、暑くなってきて気分もあんまりよくなくかったです(苦笑)。
そうですね、はい。水分を多めにとるようにしていました。
よかったです。
粘り強さですね。レースになったときは集中して、いつもより走れます。
はい。本番に強いと思っています。
根本的にパワーが足りないので、逃げの集団からドロップしたときも平坦でスピードも上がっていない中で遅れてしまったので、登りをするにもパワーが足りないので、そこが課題です。
これから時間がどんどんできていくので、乗り込みをしっかりしていきたいと思いました。
フォトギャラリー
- 「消極的だった」ともらした加藤
- 最前線でスタートした青野㊧、佐藤
- 早い時点でのDNFとなってしまった堀川
- 悔しい表情を見せた北條
- トラック班である渡部は苦戦を強いられた
- 木原㊧もレースを動かすことはできず(㊨堀川)
- 近藤もトラック班であるが、エントリーした
- 同じレースで今年は完走とならなかった須貝
- クラス1である勝又もサバイバルレースで積極性に欠けた
- 今年多くのタイトルを奪取する、主将青野も完走は叶わず
- 昨年は1年生ながらインカレ完走を果たした佐藤
- レース後、悔しさのこもる表情を見せた堀込