2021年10月25日(月)
法政大学野球部合宿所(オンライン)
4年連続で法大に明るいニュースが届いた。鈴木昭汰(令2年度卒=現千葉ロッテ)、高田孝一(令2年度卒=現東北楽天)、石川達也(令2年度卒=現横浜DeNA)に続いて今年も法大から3名のプロ入りが決定。山下輝(営4=木更津総合)は東京ヤクルトスワローズに1位、三浦銀二(キャ4=福岡大大濠)は横浜DeNAベイスターズに4位、岡田悠希(人4=龍谷大平安)は読売ジャイアンツに5位で指名を受け、幼き頃からの夢を叶えた。今回は先日お届けできなかった選手たちの独占インタビューを掲載。指名を受けた率直な気持ちを各選手に語っていただいた。
※取材はオンラインミーティングツール『Zoom』を用いたオンラインにて実施
独占インタビュー
山下輝 投手
ードラフト会議から2週間が経ちました
指名挨拶があってから、ようやくプロ野球選手になれたんだなという実感が湧いてきました。
ー2.3日前から緊張は
睡眠の方は大丈夫だったんですけど、食事の面ではご飯が喉を通らなかったですね。
ー指名後の食事は
選ばれて、夜の食事からはいつも以上に食べられました。
ー当日はどのような過ごし方を
午前中練習して、治療を受けてという感じですね。後は部屋の掃除を軽くして、あとはドラフト会議を見て、指名を待つという流れでした。
ーいつもと変わらず
そうですね。リーグ戦始まってすぐでしたし、次の日も試合はあったので、身体のケア等をしっかり行っていました。
ー広島東洋カープと東京ヤクルトスワローズから重複で1位指名を受けました
まさか指名が被るというのは、考えていなかったことなので、抽選ということで、(自分を)求めてくれている球団が2つもあったので、本当に嬉しく思っています。
ー神宮球場がホームになりますが
親しみがすごくある球場なので、とてもやりやすいという感覚にはあります。
ー中山翔太(平31年度卒)選手と同じチームですが、何か連絡は
電話で「おめでとう」というのは言ってもらって、「一緒に頑張ろうな」という言葉をかけてもらいました。先輩なので、色々分からないことはどんどん聞いていきたいと思います。
ーどの選手からどのようなことを教わりたいか
技術的なことだったら、高橋奎二投手のようなストレートの質を目標に、今は(トレーニングに)取り組んでいる最中なので、ストレートの投げ方だったり、どのようなイメージでボールを投げるのかというのは、聞いてみたいです。
ー高津監督の印象は
試合中でもニコニコしている印象がありますし、やりやすい環境を作ってくれているのかなと思います。
ー三浦選手と岡田悠選手も同じセ・リーグ球団からの指名となり、プロではライバルになります
対戦する機会があれば、すごく楽しみですし、みんなで1軍で試合に出れればそれがベストだなと思います。
ー同じ六大学で明大の丸山和郁選手も東京ヤクルトスワローズから指名を受けました
指名を受けてから話はしていないんですけど、高校時代の日本代表のときもチームメイトでしたし、面識のある選手が同じチームに選ばれたので嬉しく思います。
ー明日から明大戦を迎えますが、意識は
明治の中で、1番良い打者だと思うので、良い勝負が出来ればと思っています。
ープロを意識したきっかけは
野球を小学校3年生から始めて、その時からずっとロッテを見てきたので、何回か観戦に行ったこともありましたし、あの場でプレーしてみたいと小さい頃から夢を見て野球をやってきました。
ーその中で憧れを抱いた選手は
西岡剛選手が在籍していたときのロッテが一番好きだったので、西岡選手ですね。
ープロ野球選手になるまで、1番辛かった出来事は
大学1年春のときの、トミー・ジョン手術ですかね。今まで、けがをしたことがなくていきなり肘を痛めてしまったので、そこが一番苦しかったです。
ー同期の三浦選手が1年生からマウンドに上がった中で、思うところは
すごく焦りがありましたけど、手術した以上治すしかないので、そこは割り切れました。
ーそのけがを共に乗り越えたとも言える青木前監督からは
指名を受けてすぐに電話をしたんですけど、「良かったな」という言葉をいただきました。
ー1年目の目標は
あまり数字は分からないので、開幕一軍を目標に頑張りたいと思っています。
ー1年目から二桁を期待される
そんなに勝てる自信はないですし、早川さん(隆久・東北楽天)の足元にも及んでいないと思うので、まずは追いついていきたいと思います。
ー対戦したい打者は
プロに行けば、全員がすごい打者だと思うので、全員とやりたいです。特別誰というのはないです。
ー最終カードとなる明大戦へ向けての意気込みは
まだ1勝しかできていないので、最後は2連勝という形で終われるように頑張ります。
ーヤクルトファンへ
今、優勝争いもしていますし、強いチームに選ばれたので、すごく嬉しいことですし、来年から戦力なれるように頑張っていきます。
ーヤクルトのユニホームを着た自分を想像して
あまりイメージは湧かないのですが、似合う選手になれるように頑張ります。
ー法大ファンへ向けて
最終カードになりますが、最後まで全力で戦うので応援よろしくお願いします。
(取材・大井涼平)
三浦銀二 投手
ードラフトの時を振り返って
ものすごくうれしかったです。
ー試合と試合の間という大変な日程でのドラフトでした
自分なりに気持ちは安定していたのかなと思います。
ー集団感染が発生した中でもリーグ戦に参加できたことについて
参加できたことに対してとてもうれしかったですし、周りの方に配慮していただいたこともとてもうれしかったです。
ただ、45日間のブランクはとても大きく感じました。他の選手も感じていることではあると思うんですけど、連係ミスだとか、息が合わなくて細かいところはいろいろとミスがあったので、あの45日間がなければなと思うことはありました。
ー開幕戦の立大1回戦では悔しい結果となりました
それに関しては自分の実力だと思うので、そのブランクは関係ないと思っています。
ー立大1回戦はドラフト前最後の登板となりましたが、意識されていましたか
すごく意識していましたし、結果を出さないといけないな、と思っていました。
ー当日は午前中、どのように過ごしていましたか
いつも通りに起きて、練習をしていました。練習が終わってからは昼寝をして、散髪をしてきました。
ー名前を呼ばれた瞬間は
めちゃくちゃうれしかったです。ただ、欲を言えばもう少し早く呼ばれたかったという思いはありました。
ー横浜DeNAからの指名でした
4年間過ごしていた神奈川だったので、ほぼ地元という気持ちもあります。結構うれしかったです。
ー指名を受けて一番最初に連絡した人は
母ですね。「遠いけどまた見に行くね」と言われました。
ーあらためて横浜DeNAの印象は
ピッチャー陣、バッター陣ともにレベルが高いチームだと思っているので、そこに1日でも早く慣れたいなという気持ちです。
ー法大OBも多く在籍しているチームです
やっぱりOBの方たちが在籍しているというのはやりやすい環境だと思いますし、球場が近いというのもかなり親近感が湧いています。
ー三浦大輔監督の現役時代の印象は
ものすごくコントロールが良いというイメージがあるので、自分が目指すピッチャー像の一人かなと思っています。
ーベイスターズの選手について、福岡大大濠高時代の先輩である坂本裕哉選手の名を共同会見では挙げられました
高校の時から今までご飯に行ったりなど、けっこう仲良くしてもらってました。技術的な話はあまりしないですけど、車の話とかをしています。
ー車はかなりお好きなんですか
坂本さんも好きですし、僕も好きです。今のところはGT‐Rに乗りたいなと思っています。ベイスターズは1年目は車は禁止みたいなので、乗るとしたらその後からかなと思います。
ー横浜スタジアムの印象は
アメフトの応援で1回行きました。大きいなと思います。観客席の傾斜もすごいですし、大きい印象があります。
ーセ・リーグということで、山下輝選手との投げ合いや岡田悠選手との対決なども期待されます
すごく楽しみです。プロに入ってからの楽しみの一つかなと思っています。
ー他に対戦したい選手は
阪神の浜地真澄さんは一個上の(福岡大)大濠の先輩ですし、投げ合いたいなと思います。バッターは村上(宗隆、ヤクルトスワローズ)ですかね。同じ九州で同世代と共通点も多いですし、負けたくないなと思います。
ー浜地選手とは指名後に連絡は
「おめでとう」と連絡が来ていたので、「ありがとうございます」と返しました。浜地さんとは同じ右ピッチャーということもあって、技術的な話をすることは多いですね。変化球の握りとかは真似していることが多くて、チェンジアップとかはけっこう浜地さんから習ったりしていました。
ー福岡大大濠高のチームメイト、古賀悠斗選手(西武ドラフト3位)、仲田慶介選手(ソフトバンク育成14位)が指名を受けました。指名後に連絡などは
「おめでとう」と言い合いました。そこで一番(プロ入りの)実感が湧きましたね。
ー特に古賀選手は指名時に「侍ジャパンなどでもう一度バッテリーを組みたい」と話していました
もうちょっと先の話だと思うんですけど、将来的にできたらいいなと思いますね。
ー古賀選手はバッテリーを組みたいという話でしたが、三浦選手もバッテリーを組みたいですか、それとも対戦をしたいですか
僕も対戦をしたくないので、バッテリーを組みたいですかね。打たれそうなので(笑)。
ー加藤重雄監督からかけられた言葉は
「おめでとう」と言われました。1年生の時からコーチとしてグラウンドに来ていらっしゃったので、その時に「プロに行きたい」という話をしていました。「夢が叶ってよかったな」と言われるのと同時に「残りのリーグ戦も頑張ろう」という言葉をかけられました。
ー青木久典前監督とは
3年間見てくださった方なので、青木前監督には自分から電話をしました。「おめでとう。3年間しか見れなかったけど、分からなかったことがあったら聞いて」と言われました。
ー高卒プロ入りという選択肢もあった中で進学を選んだ理由は
青木前監督からすごく「うちに来てやってほしい」と言われて、高校の八木監督からも「遠回りにはならないから、大学でワンクッションを置いてからでもいいんじゃないか」と言われ、納得して進学を決意しました。(進学をして)ものすごく良かったと思います。成長させていただけましたし、すごく良い環境で野球をすることができたので本当に感謝しています。
ー成長した点は
技術的にもそうですし、人間的にも成長することができました。寮生活も初めてでしたし、自立するという点では先輩たちや同級生を見て成長できたので、すごく良かったと思います。
ー主将を務めて変わったことは
自分にしか興味がなかったので、キャプテンを務めて、周りが嫌でも見えるようになりました。気になることがいっぱい増えましたし、それについて悪いことは改善して、良いことは伸ばしていったりという行動を取れるようになりました。こういう力はキャプテンだからこそ培うことができたのかなと思います。
ー4年間を振り返って
自分の中では山あり谷ありの4年間でした。最終的にプロに行くこともできましたし、今季の優勝はもうないですけど、終わりよければすべて良しということで、最後しっかり投げて終われたら良いなと思います。
ー4年間でいちばん辛かった時は
3年生の時の1年間ですかね。何をやってもやっても上手くいかない、という感じで、自分がやりたいことと自分ができることがマッチしなくてすごくしんどい時期でした。
ー野球を始めたきっかけは
小学校で体を動かしている時に、先生から「小学校の野球チームの体験に行ってみて」と言われて、その小学校の少年野球チームに入りました。その紹介がなかったら野球をやっていたかは分からないです。
ープロ野球を初めて意識したのは
高校2年生の時に浜地さんがプロに進まれて、いちばん近い人がプロに行ったので、その時から意識しました。
ーそこから三浦選手の中で変わったことは
このレベルの姿勢以上で練習に取り組まないとプロに行けないんだな、という具体的な目標、ラインが見えるようになりました。
ーセンバツ大会では一躍名をとどろかせました
あの時は流れが良かったというか、周りの選手にすごく助けられたというのもありました。結果として「三浦銀二」という名が出てただけで、点を取られたら負けていたと思いますし、運が良かったのかなと思います。
ー「銀二」という名前の由来は
常に1番目を目指して謙虚にやっていけという意味が込められています。
ープロでの目標は
とりあえず開幕時点で一軍にいたいなと思います。
ー具体的な数字などは
先発か中継ぎかは分からないですけど、とにかく防御率を低い数字で終わらせたいなと思います。
ーここまで主に先発投手として活躍してきました。中継ぎより先発をやりたいという思いがあったりはしますか
中継ぎより先発の方が自分的には好きなので、先発でいきたいなという思いは強いですね。
ー明日からの2試合への意気込みは
終わりよければすべて良しということで、フレッシュトーナメントや来年の後輩たちに良い流れを持って臨んでもらえるように、あと2試合、先輩として良い形でチームを渡したいなと思っています。
ー法大ファンに向けてのメッセージ
残り2試合となりましたけど、しっかり4年生をはじめ、チーム一丸で戦っていくので、応援よろしくお願いします。
ー横浜DeNAファンに向けてのメッセージ
開幕一軍を目指してこの冬しっかり練習をするので、開幕一軍を果たした際には応援をよろしくお願いします。
(取材・五嶋健)
岡田悠希 外野手
ー指名された際の率直な感想は
指名される前は「どうなるかな」という不安しかなかったんですけど、指名されて 「これからプロでやっていかなあかんから、また一から頑張ろう」という気持ちと、ずっと目標だったので、うれしい気持ちが交互にありました。
ー指名後にどなたかと連絡は
これまでお世話になった、指導していただいた方であったり両親だったり、あとは友達とかから(連絡が)来たので、連絡を取りました。
ーご両親からの言葉は
本当に喜んでくれていて、「おめでとう」と言っていただいたので、「これから頑張るね」と言いました。
ーリーグ戦の合間にドラフトを迎えた形となったが、前後の試合にはどのような気持ちで臨んでいたか
(ドラフト)前後とかは関係なく、ずっと勝つという気持ちでやってはいるんですけど、結果が出ずにずっとこんな感じなので、なんとか勝ちたいなとは思っているんですけど結果に出ないという感じですね。
ー4年間の大学生活で得たものは
野球ではレベルの高い大学なので、いろいろ上達したところもありましたけど、一番は人間力というか、人間性という部分で。当たり前のことは当たり前にできるようになりました。人間性という部分で成長したと思います。
ー読売ジャイアンツの印象は
本当に強くて伝統のある、プロ野球界の中心のようなチームなので、本当に下手なことは出来ないですし、ジャイアンツの一員になる準備段階として、これから生活面でもしっかりやっていかないとなと思います。
ー原辰徳監督の印象は
指揮官として結果を出しておられますし、現役時代もすごい選手だったので、すごい人だなと思います。
ージャイアンツで印象に残っている選手は
自分は広島県出身で、ほとんどの人がカープファンだったんですけど、自分の父親がジャイアンツファンで、自分もその影響でジャイアンツファンになっていました。初めて野球を見に行った時に「かっこいいな」と思ったのが二岡(智宏、現読売ジャイアンツ三軍監督)選手ですね。
ー二岡選手を目標にしたことは
いろいろな選手を見ていたので誰を目標にというのはなかったんですけど、小学校の頃は内野もやっていたので、二岡選手を見てショートをやりたいなと思っていましたし、野球を初めて見た時は本当に二岡選手がかっこいいなと思いましたね。
ー本拠地・東京ドームの印象は
一度都市対抗野球を見に行って、すごくきれいな球場で、プレーしやすそうな良い球場だなと思いました。
ー同期の山下輝選手、三浦選手とは同じセ・リーグの所属となるが
同じセ・リーグということで対戦も多くなりますし、情報とかも多く入ってくると思うので、いい刺激になりながら切磋琢磨しあえるいい関係かなと思います。
ー対戦したい選手は
自分の高校の先輩でもある高橋奎二(東京ヤクルトスワローズ)さんと対戦したいです。
ー理由は
本当に高校時代お世話になった先輩なので、まだ足元にも及ばないですけど、いつかレベルアップした姿で対決したいなと思っています。
―どのような選手になりたいか
外野手であればバッティングができないと意味がないと思うので、柳田(悠岐、福岡ソフトバンクホークス)選手とか吉田正尚(オリックス・バファローズ)選手のような打てる選手を目指して、あとはトリプルスリーを狙える、走攻守そろった外野手を目指したいと思います。
ー目標とする具体的な数字は
やっぱり3割30本30盗塁ですね。やるからにはそこを目指して、毎日死に物狂いでやりたいと思います。
ーこれまで応援してくださった法大ファンと、これからお世話になるジャイアンツファンのみなさんへメッセージをお願いします
まずは法政大学ファンのみなさま、自分がメンバーに入って試合に出るようになってから本当に法政大学を勝たせることができなくて、ずっと悔しい思いをさせてしまって申し訳ございませんでした。それでもスタンドからの温かい拍手とか声援が本当に力になりましたし、これからも法政大学の応援をよろしくお願いします。
ジャイアンツファンのみなさんには、これからどんどん頑張って結果を出して、ジャイアンツにふさわしい中心選手になれるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。
(取材・相田遼介)