インタビュー
2023年9月15日(金)
男子団体総合8位、女子団体総合4位と共に昨年逃したシード権を奪還して2023年シーズンを終えた法大水泳部。強い法政復活に向けて、長期計画の1年目として土台形成を先頭で担ってきた男子主将・西田大晟と女子主将・庄司朋世、そしてチーフマネージャーを務めた村上夏帆に最後のインタビューをおこなった。今回はその第2弾、女子主将・庄司朋世へのインタビューである。
記事
庄司朋世 女子主将
〜『STORONG REVIVAL.』強い法政復活へ 〜を掲げ、この1年間強い法政復活に向けてチームの先頭に立ってきた庄司。「私自身、主将という立場を経験することが初めてで、苦手意識もあった」と就任当時を振り返るが、彼女なりに練習態度や試合の結果など背中で引っ張ってきた。
インカレ初日の400m個人メドレーは、チームの先陣を切る形で最初に決勝の舞台に登場した。男子主将・西田大晟はレース前の庄司を「あんなに緊張して、強張った顔をした庄司を見たことがなかった」と思い返すが、入場の際に仲間からハイタッチを力に変え、こみあげてくるものを抑えながらスタート台へと向かった。結果は5位と表彰台には一歩届かなかったが、「チームのトップバッターとして法政にいい流れを持ってくる」という宣言通り、結果でチームを引っ張るという自らの主将像を最後まで貫き通した。
法政大学入学直後は苦しい時期が続いた。高校3年生から大学1年生までベストが更新できず、股関節の怪我も重なりこれまでメイン種目として取り組んできた平泳ぎの練習ができなくなった。怪我をきっかけに個人メドレーに転向すると状況は一変。彼女の強みである平泳ぎと自由形を生かした後半型の泳ぎで、タイムはみるみると伸びていった。個人メドレーと向き合ってきたこの4年間。競泳生活最後となったインカレ3日目の200m個人メドレーB決勝では、「後にも先にもこんな気持ちで泳ぐレースは他にはないなと強く感じた」と振り返るように、競泳との別れを惜しみながら万感の思いで泳ぎ切った。
大学競泳生活を通して、改めてチームの良さを感じた庄司。仲間と手を取りながら困難に立ち向かってきたこの4年間は、彼女に何にも代えがたい経験を与えたはずだ。次のステージでも庄司は庄司らしく進んでいく。(野田堅真)
主将インタビュー
庄司朋世 女子主将
-インカレ全体を振り返って
個人としてはこのインカレを引退レースに考えていて、個人メドレー2種目共に決勝に残ることを目標としていました。レースまでは自分が得意としている400m個人メドレー(以外:4コメ)の方で、チームのトップバッターとして法政にいい流れを持ってくることを頭に入れて練習を続けてきました。しっかりと結果を出してチームに貢献できたのでそこはすごく良かったです。200m個人メドレー(以外:2コメ)の方も、全て自分の力を出し切ってのB結果進出だったので悔いはないです。今年のインカレは4日間通してしっかりとやり切れて、今までで1番楽しい大会になりました。
-主将として女子チームを率いて4位という結果だった。この結果に関しては
女子団体総合4位という結果には正直びっくりしました(笑)3位のチームとも僅差だったので本当に驚きましたし、何より嬉しかったです。
-主将として駆け抜けた1年。チームをまとめるという苦労は大きかったか
私自身このような主将という立場を経験することが初めてで、苦手意識もありました。男子主将の西田大晟が先頭に立ってチームをまとめることが上手だったので彼に頼ってしまう部分は大きかったんですけど、自分は自分なりに、苦手なりにチームを引っ張っていこうと意識していました。練習の態度や試合での結果など、背中でチームを引っ張れる主将を目指して1年間やってきました。なかなか苦労も多く大変ではありましたが、徐々に慣れていって、最後は自分らしく練習だけでなく他の日常面でもチームを引っ張ることはできたのかなと思っています。
-主将職を通して成長できた部分はどこか
チームがどうしたらもっと良くなるのか、また「シード奪還」という目標に向かってどうしていくのかを4年生全体でもですし、主将と寮長、夏帆(チームマネージャー・村上夏帆)の4人で話し合うことが多くありました。その話し合いの中で、自分の意見をしっかりと伝えること、他人の意見を聞き入れることなど主将という立場だからこそできる、人と対話する力が成長したのかなと思います。
-そもそも法大に入学するきっかけは何だったのか
法政大学を選んだ理由は、私が高校3年生の時に大学4年生だった知り合いの先輩の勧めで、チームの練習に参加させていただいたことがきっかけです。その時の練習の雰囲気が私が他に練習参加をしていた他の大学に比べて凄く良くて、ここなら速くなれそうだなと思い、インカレと日本選手権で決勝に進むことを目標に入学しました。
-4年間の中で1番辛かった時期は
入学してすぐの1年生の前半ですかね。高校3年生から大学1年生の時はベストが全く出ない状況が続いていました。そんな中、股関節を痛めてしまって得意の平泳ぎの練習ができなくなってしまった時に、 4コメに種目をシフトしたことがきっかけで、他の種目でもタイムが伸びるようになり徐々に全国の舞台で戦えるようになりました。
-4年間を通して1番印象深いレースは
やっぱり今年のインカレの最後の2コメのレースですかね。予選が終わってから悔しい訳でもないのに、あと1レース泳いだら終わっちゃうんだという悲しさから涙が止まらなくなってしまって(笑)。ケアしてもらう時も、準備している時も、レース中も終わってからも泣いていました(笑)。結果が良くても悪くてもなんでもいいと思って望んだ最後のレースは、今までに無い感情で泳いでいました。後にも先にもこんな気持ちで泳ぐレースは他にはないなと強く感じたので、1番印象深いですね。
-法大水泳部での4年間でどのように成長できたか
今まで競泳は個人スポーツかなと思っていたんですけど、この大学4年間を通してチームって良いなと改めて思いました。水泳部で仲間と力を合わせて苦難を乗り越えていく経験を数多く詰めたので、今後社会人になってからもチームで連携して、仲間を大切にして、今まで培ってきたことを活かしながら生活していけたらなと思います。
-今後の水泳ライフはどうなるのか
趣味で水泳を続けて、可能なら2、3年後に日本社会人選手権にふらっと出れればいいかな〜くらいですかね(笑)
-後輩に対して最後にメッセージを
速くて、真面目に練習に取り組める選手が揃っているチームだと思うので、これからもさらに上を目指して頑張っていって欲しいです。また、このままシードを取り続けて、数年後には総合優勝を成し遂げて欲しいなと思います。