【硬式野球】秋季リーグ直前インタビュー①~𠮷安遼哉主将~

𠮷安遼哉 主将

ーーオープン戦通しての今の調子は
頭部死球とかもあって合流自体が遅れたんですけど、徐々に守備の方もバッティングの方も(状態が)上がってきているなという実感はあります。

ーー最後のリーグ戦が迫っているなかで今の心境は
みんなでも話したんですけど、最後だから「やるしかない」という感じですね。

ーー改めて春リーグを振り返って
今思うと、自分らのなかでは仕上がってたと思ってたんですけど、リーグ戦に入るといろいろ甘さだったり、足りないところが明確になりました。それは負けるだろうなというのが今になってすごく感じます。(そう思っていた理由は)オープン戦でも勝ててたし、雰囲気もすごく良かったし、でもそれが過信だったのかなと思います。1番は勝ててたっていうのが大きいです。

ーー春リーグが終わってからチームとして1番取り組んできたことは
1番はバッティングが変わりました。大島監督から大振りが目立ったって言われたので。投手陣はいつも通り1点台で抑えてくれてたので、あとは野手が2点、3点取れる打線を組めれば勝てるので。バッティングの低く強い打球というのを1番にやりました。

ーー大島監督も試合中に逆方向にライナーゴロっていうところをよく言っているが
もちろん外野フライが必要な時もあるんですけど、基本は低く強い打球で、野手の間を抜くっていうのを自分らのテーマとして、『しぶとい野球』をしようと思ってます。

ーーそのような取り組みを経て、変わったなと思うところは
簡単なフライアウトや、早いカウントでのミスショットっていうのが減ってきました。相手に球数を投げさせて、アウトになっても内野ゴロで相手のミスを誘うなど、内容が良くなってきたかなと思います。

ーー9月に入り社会人野球の強豪にも勝てる試合が増えてきたがそこに関しては
出てる人の内野と外野の声かけや雰囲気がすごく良いので、それが最小失点の理由でもあり、勝ちきれてる要因なのかなと思います。

ーー𠮷安主将自身の春以降のバッティングのテーマは
自分は早いカウントでのミスショットが多かったので、中途半端なスイングをなくして、1球1球、1スイング1スイングで相手にプレッシャーをかけるくらいしっかりやることが大事なのかなと思います。(具体的にはどんな練習を)バッティング練習は全体で変えました。しっかり5球って決めて、1球目から流さずに、1球1球リーグ戦を想定して大事にやっているのがつながっているのかなと思います。

ーー捕手だけでなく一塁手もやるようになったきっかけは
今はもうあんまりやってないんですけど、前はいろんな視点で見れて、今までは捕手の目線でしか見れてなかったです。最近はベンチの時もあるので、いろんな角度で見れて、ここが足りないなとか、すごい新鮮だったので、良い経験になったと思います。

ーー関西遠征には行けなかったが他の選手から何か聞いたりしたか
あの時はチームとして徹底してることをやっている時期で、勝ち負けにあまりこだわってませんでした。その時は勝てなかったんですけど、今勝ててるってことは、それがつながってきてるのかなと思います。

ーー捕手から見て投手陣全体の仕上がりは
やっぱり4年生の4人(篠木、吉鶴、安達、山城)は受けてて安心するというか、ある程度の仕事はしてくれると思います。あとは下級生がいろんな選手が投げてきているので、相手も(球を)見たことないと思うので、すごい楽しみだなと思います。

ーー下級生の投手で具体的にあげるなら
自分は山口凱矢(営2=桐蔭学園)が1番受けてて、抑えれる投手になれるというか、オープン戦でもピンチで出てきて、打者1人や2人だけ投げて代わることもあるんですけど、すごい良い仕事してくれてると思います。(山口凱投手が春から変わったポイントは)春は(球が)抜けたり、引っかかったりっていうバラつきがありました。今夏のオープン戦ではまとまって、元からすごい良い球は持っていたので、リーグ戦では大事な場面で使われることが多いんじゃないかなと思います。

ーー春リーグ以降のチームとしての『競争』についてはどう見てるか
結果として3、4年のベンチ入りが少ない状態にはなっちゃってるんですけど、それを受け止めていくしかないと思います。自分が出来ることをしっかりやって、みんなライバルなので仕方ないのかなと思います。(具体的にどのような方式での競争か)Aチーム、Bチーム、Cチームの入れ替わりが激しくて、あまり固定でずっと出てる選手が少なかったです。この選手が急にCチームから上がってきてスタメンになったり、全員チャンスがあると思ってます。その点ではすごい競争心があって良かったのかなと思います。

ーー『細部へのこだわり』については具体的にどんな指示が
1番は声かけです。下級生が多かったので、声掛けづらかったり、4年生の投手に声掛けづらかったり、外野にもなかなか声出せなかったんですけど、そういうことが出来るようになってきました。あとは目に見える1つ1つがダラダラならないように、1個1個、休憩をしっかり取って、テキパキした良い練習ができたんじゃないかなと思います。

ーー総じて今のチームの強みと弱みは
なかなか春はゲッツーとか取れなかったんですけど、今回守備に関してはゲッツーを取れたり、ピンチで良いプレーが出ています。そこに関しては投手陣にこの守備が加わると、点を取られる可能性は少ないのかなと思います。課題で言うと、走塁と犠打などの小技が接戦になってくるとすごい大事になってきます。そこを残りの期間でしっかり詰めてやっていきたいです。

ーー法大は秋に弱いイメージがあるが
去年は自分も出てて、なかなか投手陣と野手陣の意見が分かれたり、最後だし楽しくやろうとか、なんとなく(リーグ)に入っちゃってた感じがありました。その点では今年はたくさん話しあって、ミーティングも何回もして、「こうしていこう」って悪いところも自分らで目を当ててやってきました。なので違う部分が見れるんじゃないかなと思います。

ーー法大での4年間は野球人生全体としてどんな時間だったか
失敗して学ぶっていうのが1番多かったのかなって思います。法政に入ってからなかなか勝てなかったり、自分もベンチに入れなかったり、結果もなかなか残せなかったりっていうのがありました。良い選手は失敗から学ぶことが出来るので、それがすごい大事だったなっていうのは感じます。

ーー1番辛かった時期は
3年の秋は正直何をしても上手く行きませんでした。捕手としてマスク被っても点取られちゃうし、上手くリードしてあげられなくて、バッティングもなかなか打てなかったです。その秋っていうのはしんどかったです。(その時に支えてくれた人や助けてくれた人はいるか)同期といっぱいいる時間が長くて、落ち込んでてもみんなといたら元気が出ました。「やらないといけないな」とか「出てるだけ幸せだな」とか思って、自分は切りかえれたというか、元気でました。

ーーまだ入学してから優勝出来てないなかで感じる他大学との差は
細部へのこだわりの部分が春リーグですごいはっきりしました。それをこの夏は突き詰めてやってきたので、秋は結構楽しみですね。

ーー大阪桐蔭と法大の違いを感じるところは
間違いなく今の同期の方が能力が高いのは感じるので、すごくもったいないというか、何で勝てないんだろうなっていうのは感じてたので、もどかしさはすごくありました。(そこはチーム力の差か)1個1個の取り組みに対するこだわりが(大阪)桐蔭の時の方が強かったのかなと思います。

ーー大学ではより自主性が重んじられるなかで意識したことは
全部自分次第なので、自分も下級生の頃は周りを見てる余裕もありませんでした。自分のレベルアップだけを考えてやってきました。

ーー1年生の頃から試合に絡んできたなかで優勝に対する想いは
1年生の頃から先輩が卒業するたびに「お前らの代は強いから優勝しろよ」ってすごい何回も言われてきました。春リーグでああいう結果になってしまったのはすごく悔しいです。その先輩たちの分も優勝したいなという気持ちは強いです。

ーー社会人のチームに行った際にOBの方と何か話したか
昨年の慶大の人なんですけど、JR東日本の栗林(泰三)さんです。慶應も(当時は)春なかなか勝てなくて、秋優勝したのでチームがどういう感じで(秋リーグに)入っていったのかとか、どういう雰囲気だったのかを詳しく聞けました。慶應も悩んで、大会とかリーグ戦の試合ごとに成長していったって聞きました。なので別に焦って仕上げなくても良いのかなと思って心に余裕ができたというか、話を聞けて良かったです。(より具体的に言うと)不安はもちろんあって、ずっと勝てない時もあったけど、ちょっとチームとして良くなってきたかなってタイミングでリーグ戦に入ったみたいです。そこからリーグ戦試合していくごとに、チームとして成長出来たと言ってました。あとは細かいことだったり、自己犠牲っていうのは自分たちで徹底しようってやっていたみたいです。そういうのは自分から見ても、バッティングが良いチームだったので、それでも自己犠牲の気持ちがあったことで、あのバッティングだったんだなというのは感じました。(話をして)すごく勉強になりました。

ーー秋リーグの個人的な目標は
ベストナインを獲りたい、それだけです。

ーー入学当初から一緒に戦ってきた大島公一監督に対する想いは
自分は1年の時から(ベンチに)入れてもらってたので、まだまだ全然力がない時からオープン戦も出させてもらいました。すごい良い4年間にさせてもらったので、少なからずその恩は最後に絶対良い形で返してあげたいなと思います。

ーーこの4年間で1番成長した部分は
やっぱり守備ですかね。守備が本当に全然出来なかったので、なんかもう試合に出てて先輩に申し訳ないくらい出来ませんでした。その面に関しては今は自信を持って捕手として出来ているので、そこは練習を積んで成長した部分かなと思います。

ーー今春には同じ大阪桐蔭の藤江星河投手(明大4年)との対戦もあったが今でも連絡を取ったりするか
今でもたまに電話したりします。藤江も結構オープン戦投げてるみたいなので、秋こそは打ちたいですね。

ーー去年から球を受けてきた篠木健太郎投手(営4=木更津総合)に対する想いは
間違いなく第1先発で、法政の看板です。正直安心はしてるというか、期待というかいつも通りやってくれるだろうなという安心はあります。そこを自分が受け身にならず、悪い時は自分が引っ張っていけたり、良い時は乗せてあげたりっていうのをしっかりやって、もう1回最優秀防御率を獲らせてあげたいです。(去年から変わったと感じるところは)気持ち的には落ち着きが出たのかなと思います。元からベンチに帰ってくると冷静に話すタイプでした。今年はさらに落ち着いて相手の分析も出来て「こうしていこう」っていうのは話しやすいので、そういう面では成長をすごくしているんじゃないかなと思います。

ーー吉鶴翔瑛投手(営4=木更津総合)に関しては
春リーグ前半はなかなか調子が上がらなくて、そこを自分がなんとかしてあげられたなという後悔もあります。この秋こそは篠木と一緒に5勝させて、プロに行かせてあげたいなと思います。(吉鶴投手が成長した部分は)シンプルに球種が増えて、球の精度がすごく良くなりました。落ち球だったり、曲がり球とどっちでも三振取れるので、その精度がすごく上がったのが成長した部分だと思います。

ーーファンの方へ
春リーグ不甲斐ない成績でも最後まで応援してくれてありがとうございます。秋こそは絶対法政が優勝という形で終わらせたいと思うので、引き続き応援よろしくお願いします。

(取材・矢吹大輔)

𠮷安 遼哉(よしやす・りょうや)
法学部4年・2002年5月12日生まれ
大阪府出身・大阪桐蔭
180cm 85kg・右投左打
昨季成績: 13試合 50打数11安打 打率.220 1本 5打点 1盗塁
『法政大学野球部第109代主将。大阪桐蔭高時代は2年生から4番を任されるなど打てる捕手として入学。3年春から正捕手の座をつかみ、法大自慢の投手陣をけん引。今春は慶大とのカードでは3試合連続打点をたたき出すなど勝負強い打撃でチームを救う場面も。学生野球ラストシーズンで胴上げなるか』

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

【秋季リーグ直前インタビュー一覧(公開次第更新いたします)】

𠮷安遼哉主将(法4=大阪桐蔭) https://sports-hosei.net/75276/
黒坂夏希主務(営4=法政) https://sports-hosei.net/75299/
武川廉副将(人4=滋賀学園)
西村友哉副将(法4=中京大中京)
篠木健太郎(営4=木更津総合)
吉鶴翔瑛(営4=木更津総合)
安達壮汰(営4=桐光学園)
山城航太郎(キャ4=福大大濠)
松下歩叶(営3=桐蔭学園)
石黒和弥(法3=高岡商)
藤森康淳(営2=天理)
中西祐樹(法2=木更津総合)
中村騎士(営1=東邦)
内海壮太(法4=御殿場西)
中津大和(営4=小松大谷)
姫木陸斗(人4=日大藤沢)
鈴木大照(文4=明徳義塾)
大島公一監督
髙村祐助監督

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