関東学生アメリカンフットボールリーグ 第4戦 対慶應大
2024年10月6日(土)
アミノバイタルフィールド
前日の試合で東京大が明治大に勝利し、ますます混戦を極める今年の関東学生アメフトリーグ。プレーオフ進出に向けて勝ち続けたい法政大は、第4戦で慶應大と対戦。終始「攻める守り」をし続けたディフェンス陣の活躍もあり24-10で見事勝利‼開幕4連勝となった。
試合結果
トータル試合結果
法政大学ORANGE |
3 | 1Q | 0 |
慶應大学UNICORNS |
---|---|---|---|---|
7 | 2Q | 7 | ||
7 | 3Q | 3 | ||
7 | 4Q | 0 | ||
法政大学ORANGE | 24 | Total | 10 | 慶應大学UNICORNS |
試合得点
Q | ポジション | 選手 | 得点方法 | トライフォーポイント(以降:TFP) |
---|---|---|---|---|
1 | K | 高城颯真(経3=法政二) | フィールドゴール(以降:FG) | - |
2 | TE | 矢作一颯(法2=足立学園) | タッチダウン(以降:TD) | ○ |
3 | QB | 齊藤空大(法3=駒場学園) | TD | ○ |
4 | QB | 齊藤空大 | TD | ○ |
戦評
開幕4連勝で優勝戦線から抜け出したいリーグ戦4戦目。相手は前節立大に勝利し勢いに乗る慶大。
法大のキックで試合開始。ファーストプレーからスクイブキック(キックオフをゴロボールで蹴ること)を選択すると、RB・廣瀬太洋(営4=駒場学園)が慶大陣27ヤード付近でリカバーに成功する。攻撃権が法大に移り迎えた最初の攻撃。TD獲得には至らなかったものの、K・高城颯真(経3=法政二)が39ヤードのFGを決め開始1分に幸先よく先制し、3-0とする。再び高城のスクイブキックで試合が再開され、この日最初の慶大の攻撃が始まる。ただDL/主将・山田晋義(営4=日大鶴ケ丘)のQBサックによる6ヤードロスなどもあり、慶大は思うように攻撃ができない。その後は大きく試合が動くことなく、そのまま3-0の法大3点リードで試合は第2Qへ。
慶大の法大陣35ヤード地点からの攻撃で始まった第2Q。迎えた3rd&9。相手QBが上手く法大ディフェンス陣を交わすと、そのままエンドゾーン中央へと走り込んできたWRに34ヤードのTDパスが通る。その後のTFPも決められ、第2Q開始1分で3-7と逆転される。法大はこのリーグ戦初めて相手チームにリードを許す形となった。その後の法大の攻撃。キックオフ後のレシーブではWR・高津佐隼世(キャ3=佼成学園)による35ヤードに及ぶビッグリターン。
それを足掛かりに、慶大陣31ヤード地点から確実に前進。慶大陣13ヤード地点から迎えた1st&10。QB・谷口雄仁(営4=法政二)に変わって入ったQB・齊藤空大(法3=駒場学園)がQBランにより一気に押し込む。TDまで残り2ヤードとして1st&goalの攻撃。相手ディフェンス陣を乗り越え中央突破を図った齊藤だったが、ボールをファンブルしそのまま相手がリカバー。リードを奪われた直後の痛いミスに流れは一気に慶大に傾いたと思われた…。しかし、法大陣20ヤード地点からの相手の攻撃をしっかりと抑えると再び法大にチャンスが。前半残り3分、法大陣13ヤード地点。谷口から牛島基希(経2=法政二)へのパスなどもあり確実にボールを運ぶ。法大陣37ヤード地点から迎えた2nd&6。谷口から放たれたボールは、サイドから中央に切り込んだWR・宮﨑航也(文4=千葉日大一)へと通り35ヤードのロングゲイン。続けて慶大陣23ヤード地点からの1st&10。ここでも谷口はパスプレーを選択。TE・矢作一颯(法2=足立学園)が右サイドへと走り込むと、やや半身の状態でキャッチしそのままディフェンス陣を交わしてTD‼
高城のTFPも成功し、素早い反撃で流れを取り戻す。10-7と逆転し試合は後半へ。
法大のレシーブで後半スタート。リターン後のファーストプレーでこの試合2本目の谷口から宮﨑のロングパスが成功し、40ヤードのビッグゲイン。
慶大陣22ヤード地点から3度の攻撃で前進し、慶大陣7ヤード地点から迎えた1st&goal。再び法大はQBを齊藤にスイッチ。齊藤は自ら右サイドへと走りきると今度はきっちりとTD獲得‼TFPも決まり、後半開始3分で追加点を獲得し17-7とリードを広げる。
しかし慶大も喰らいつく。レシーブ後の攻撃はパスを中心に展開すると、法大陣11ヤード地点まで前進。迎えた1st&10の攻撃、相手QBが右サイドへのドローからそのままTD成功かに思われたが、ここは相手OLにホールディングの反則があり無効に。その後の攻撃ではTDを決め切ることができず、法大陣21ヤード地点からの4th&10で29ヤードのFGを決め17-10と慶大は確実に点差を詰める。残り3分半からの法大の攻撃は、パスを多用するもTDには繋がらず7点差のまま勝負は最終Qへ。
最終第4Qはディフェンス陣の攻める守りがチームに流れをもたらす。慶大陣39ヤード地点から始まった法大の攻撃は、3rd&3のパスプレーでインターセプトを許し不安な立ち上がりに。開始早々相手オフェンス陣に流れが傾きかけたと思われたが、ここから法大ディフェンス陣が魅せる。慶大陣33ヤード地点から始まった1st&10の慶大の攻撃。今季絶好調のDL・髙橋和音(法4=海陽学園)がQBサックで10ヤードのロスに成功。
その後3rd&16からQBによるスクランブルで1ストダウンを更新されるが、次に相手オフェンスに牙を向いたのはDL・川村達哉(文4=明治学院)。再びQBサックで11ヤードのロスに成功すると、続くプレーでは山田が今日2本目のQBサックに成功し、さらに13ヤードをロスさせ完全に試合の流れは法大に。試合時間残り約6分。法大陣30ヤード地点から始まった法大の攻撃。廣瀬のランや谷口から高津佐へのパスなどで、慶大陣40ヤード地点までボールを運び迎えた1st&10。RB・中川達也2本のランで前進するもゲインは1ヤードと苦しい状況。3rd&9として迎えた攻撃でこの日の勝負を決めるプレーが。右サイドへ大きく開いたWR・阿部賢利へと、谷口の狙いすましたおよそ35ヤードのロングパスが見事に成功。このプレーで相手チームに反則があったが、法大はこの反則の適応を辞退しプレーを活かす選択をとる。最後は再びQB齊藤がランTDを成功させ勝負あり。
TFPもきっちり決め24-10で試合時間は残り1分半。最後の慶大の攻撃は、焦った相手オフェンス陣の隙をついたDB・浅賀大生(デ3=法政二)のインターセプト成功で反撃もここまで。ファイナルスコア24-10で法大は開幕4連勝となった!
次週の相手は今季のリーグ戦優勝候補筆頭、こちらも4試合負けなしの早大とのマッチアップ。試合後に山田主将は「全勝でリーグ戦を終えられることにこしたことはない」と語った。全勝優勝に向けての天王山。昨年のリーグ戦でも唯一の黒星をつけられた早大相手に、ORANGE戦士は怯むことなくぶつかっていく。(記事:野田堅真)
選手インタビュー
DL/主将・山田晋義(営4=日大鶴ケ丘)
ーー今日の試合振り返って
素直に4連勝は嬉しいです。法政自体も今年ずば抜けて強いという訳ではないので、しっかり目の前の勝利を獲りに行こうと普段から言っていることがしっかりできたのかなって思います。
ーー今日の試合はディフェンスが、特にDL陣の活躍が目立ったが
相手オフェンスを研究する中で、今日はDLの活躍所が多そうだぞとみんなやる気になってましたね(笑)。しっかり準備してきたプレーができました。
ーー相手オフェンスをどのように分析して今日の試合に臨んたか
相手オフェンスの9番はキープレイヤーだなと頭に入れて臨みました。勢いに乗らせたらめんどくさいオフェンス陣なので、しっかり前々で止めることを意識していましまた。ただ、いつも僕たちがやってることをやれば勝てるよねっていう自信もありました。悪かったプレーもありましたが、全体的には良かったと思いますね。
ーー次戦への修正点は
ビッグプレー一発で相手を勢いづかせないようなディフェンスは心がけたいですね。流れってものはないとは思っているのですが、やっぱり自分たちの雰囲気で試合運べることに越したことはないのでその部分ですかね。次の試合はそういったプレーが命取りになると思ってるので、ディフェンス陣はそういった隙を見せないこと、逆にオフェンス陣はその隙をつけるような準備をしていきたいです。
ーー次戦はいよいよ早稲田との天王山、最後に意気込みを
試合まで1週間しかないのですが、全員が勝ちにいくための準備を徹底したいです。リーグ全勝でプレーオフに進めることに越したことはないので、勝ちにいきます。見ててください!!
(取材・野田堅真)
DL・川村達哉(文4=明治学院)
――試合を振り返って
今までにないくらいきつい試合でしたけど、ディフェンスがいいところで止められたから良かったなっていう感じですね。
――試合中どのようなところがきつかったのか
思ったよりも(相手の)パスとかが通っていて、自分の中では想定していない状況だったので。厳しかったな、きつかったなと思います。
――QBサックもあったが
嬉しかったですね。シチュエーション的にも結構きつい状況だったので、やっぱり素直に嬉しいなと思います。
――開幕から4連勝となったが、チームの状況は
これまであんまり厳しい試合というのは正直してこなくて、まだ慣れていないところもあると思っていて。これから強いチームが多いので、気持ちの面で飲み込まれないようにしないといけないかなと思います。
――4年生最後のシーズンの意気込みは
多分今年でアメフトを辞めると思うので、やっぱり最後は後悔のないように。毎年結構後悔があって終わっているので、後悔がないように頑張りたいです。
(取材・木村未緒)
WR・宮﨑航也(文4=千葉日大一)
ーー今日の試合を振り返って
今日は大事なところでパスが取れたのでそこが今回の試合でよかったなと思います。
ーー前半から後半にかけて調子が上がっているように感じたがどのように修正したのか
前半終了後に監督から「気合い入れなおそう!」という話がありましたね。それでオフェンス全員でまた気持ちを新しく持ち直して、一丸となって後半に向かえたかなと思います。
ーー先ほどロングパスキャッチができたとあったが相手ディフェンスをどのように予測していたか
過去の試合を見て相手のプレーを分析していたので、それがその通りにきて準備していたことができたかなと思います。
ーー次戦に向けて
次に戦う早稲田も強い相手なのでしっかり準備して勝ちたいと思います!
(取材・佐藤桃香)
DB・岡村裕(キャ2=佼成学園)
ーーリーグ戦初のスタメン、今日の試合を振り返って
自分は去年の夏から腰の手術と肉離れで、15ヶ月ぶりにフィールドに帰ってきました。中途半端に帰ってきたというよりかは体づくりや、体重管理をすべて仕上げて帰ってきたので特に緊張もなく、いつも以上に興奮してプレーできたと思います。
ーーチーム内の雰囲気は?
DBの中で自分は低学年ですが、先輩が色々自分の意見を聞いてくれるので自分の中ではすごくやりやすい環境だと思います。
ーー今まで怪我で苦しい時期の中、どういったリハビリをして今日の試合を迎えたか?
怪我したところが腰なので手術後は何もすることもできず、とにかく体幹トレーニングや練習や試合の見学を重ねてきました。でも去年の冬は体も心も腐ってしまって南雲さんとかと喧嘩したんですけど、それは今思い返すと自分が腐っちゃっていたからで、それを色々先輩や大人のスタッフが支えてくれていたので感謝しかないです。
ーー次戦に向け、意気込みを
今年のディフェンス陣なら早稲田のオフェンスを止めることができると思うので、そこでDBが試合を変えられるように頑張りたいです。
(取材・川邉まなみ)
QB・齊藤空大(法3=駒場学園)
――今日の試合を振り返って
自分は1番のミスは僕が出た2プレー目でファンブルしてしまったというのがあります。ポジション柄、練習の時にあのような場面になることがないです。意識の中でしか強くボールをロックするというのができないですけど、そこで次の試合に向けてロックの大事さがこの試合で身をもってわかりました。それが勝てた試合だったというのが1つ成長だと思います。これからの1週間で今日足りなかったミスした部分というのを意識して練習していきたいなと思います。
――2つのTDを振り返って
取れたことはすごく良かったなと思っています。
――この試合を通して感じたチームの課題は
自分も含めてなんですけど、反則だったり、ボールセキュリティの部分が甘かったと感じています。そういう小さなミスがあると早稲田には勝てないと思うので、そこを1週間でつぶしていきたいです。
――次戦に向けて
僕が入学してから早稲田に勝てていないので、しっかり勝っていきたいなと思います。
(取材:白戸大貴)