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【硬式野球】「チーム松下」初陣 長らく苦しめられてきた立大エース・小畠攻略で一つ目の勝ち点奪取なるか/東京六大学春季リーグ戦 立大戦展望

東京六大学野球2025春季リーグ戦 対立大
2024年4月19日(土)、4月20日(日)
神宮球場

4月12日に開幕した東京六大学春季リーグ。10季ぶり47度目の賜杯奪還を目指す法大の初戦は4月19日(土)第2試合の立大戦だ。この記事では立大の戦力分析と、チーム松下初陣の展望を紹介する。

“チーム松下”初戦の行方はいかに

今季リーグ戦日程、順位表(第1週終了時点)

立大戦展望

立大からは昨秋時点で4季連続の勝ち点を挙げているものの、昨春は3回戦、昨秋は4回戦までもつれ込むなど、毎シーズン接戦が続いており、決して楽に勝たせてくれる相手ではないことがうかがえる。昨秋も、昨春に続いて立大のエース・小畠一心(4年=智弁学園)に苦しめられた法大打線だが、今季小畠は慶大戦で計221球を投げており、慶大2回戦の14日から法大1回戦19日までの中4日での先発が予想される。疲労の面を考慮すれば、コンディションは万全とは言い難く、そこが攻略の糸口となるか。

2連勝のためには立大エース・小畠の攻略が至上命題(立大投手陣分析)

1回戦の先発が予想される小畠一心(4年=智弁学園)の投球は、今季も健在だ。立大の開幕カードとなった慶大1回戦では先発し、9回2/3を150球で投げ抜き、自責点はわずか1。中1日空いた月曜日の2回戦でも再び先発のマウンドに上がり、5回を71球で投げ自責点1に抑えた。ここまでの防御率は1.23と、開幕からエースとして申し分ない成績を残している。
手元で動くというストレートは的を絞りづらく、昨季より球威が増している印象だ。さらに、鋭く落ちるフォークボールを武器に、今季は14回2/3で14奪三振と、1イニングあたり1個のペースで三振を奪っている。これは、昨秋の42回2/3で20奪三振だった数字と比較しても、奪三振能力の向上が顕著に表れている。
昨秋、法大打線は小畠に対し1回戦で初回に集中打を浴びせ2得点を奪ったものの、4回戦では10回を2得点に抑えられるなど苦戦した。昨年の春秋通算で法大相手に26回を投げ、自責点はわずか4、防御率1.38という数字からも、法大が小畠を苦手としている様子がうかがえる。今季はこの”壁”を打ち破り、小畠から大量得点を奪うような打線の爆発に期待したい。

立大エースの小畠

2回戦は竹中勇登(4年=大阪桐蔭)の先発が予想される。竹中は慶大との2回戦に先発登板したが、初回に4失点を喫してノックアウト。救援陣も安定感を欠いており、大越怜(4年=東筑)は今季防御率18.00、吉野蓮(4年=仙台育英)も13.50と”4年生投手4枚看板”は小畠以外本調子には程遠い。
一方で、田中優飛(2年=仙台育英)がリリーフとして台頭し、今季6回を投げ防御率3.00の成績を残しているものの、現時点では打線にとって脅威となる存在とは言いがたい。今カードの2回戦は、法大も絶対的な先発投手を欠いていることから、得点の奪い合いとなる展開が予想される。2連勝のために打線の奮起に期待がかかる。

中継ぎの柱として期待される吉野は現時点では本調子とは程遠い

立大打線はリードオフマンの山形と4番の主将西川に警戒(立大野手陣分析)

立大打線を分析していく。まず打率の面で目を引くのは、リードオフマン・山形球道(4年=興南)だ。慶大戦では全3試合に出場し、13打数6安打、打率.462と絶好調。今季は中堅方向に低く鋭い打球を放つ打撃が印象的だが、昨秋の法大1回戦では篠木健太郎(令6年度卒=横浜DeNAベイスターズ)から右中間への本塁打を記録するなど、長打力も兼ね備える。
もう1人、警戒すべきは4番で主将の西川侑志(4年=神戸国際大附)。慶大2回戦では4打数3安打、本塁打1本と固め打ちを見せ、チームトップの3打点をマーク。ここまでの打率も.364とチーム3位で、好調を維持している。
その他にも、1回戦で2点タイムリーを放った丸山一喜(3年=大阪桐蔭)、守備で再三の好プレーを見せている小林隼翔(2年=広陵)など、下級生の活躍も目立つ。バットがよく振れており、今季の立大は非常に脅威的な打線を形成している。

主将の西川は乗せると怖い打者

対する法大の開幕カード注目選手

法大の開幕カード注目選手を紹介していく。まずはなんと言っても主将の松下歩叶(営4=桐蔭学園)だろう。昨秋は打率.352、5本塁打、13打点といずれもキャリアハイを更新。今季は主将に就任し4番にも座る。「冬の期間は体づくりに力を入れて、基本的なウエイトトレーニングや食事を意識的に変えた。その結果、打球の強さが変わってきた」と語るチームの大黒柱の1発に今季も大きな期待がかかる。

昨秋の4回戦では延長13回にサヨナラ本塁打を放った松下

投手陣ではエースの野崎慎裕(営4=県岐阜商)に期待だ。野崎は昨秋、不調の吉鶴翔瑛(令6年度卒=現東芝)に代わり第2先発の座を奪取すると、最終カードの明大戦で先発し5回無失点の投球を披露。「キャンプ、オープン戦を通して勝負できる球種が増えて、そこが自分の強みとなった」と語る左腕の投球に、今季の法大の命運がかかる。

新エース・野崎にかかる期待はおおきい

まとめと展望

法大にとって、勝ち点奪取の鍵は初戦での小畠攻略に尽きる。これまで苦しめられてきた相手だが、今カードは登板間隔が短く、疲労が見える中でいかに付け入るかがポイントとなる。法大エースの野崎と小畠の投げ合いに注目だ。
2回戦は互いに投手の決め手を欠く中、打撃戦になる可能性が高い。法大打線がいかに大量得点を取るかが勝利のための鍵となる。
いずれにしろ打線が早い段階で勢いに乗れれば、2連勝も見えてくる。初戦の立ち上がりが、春の流れを決める重要な局面となるだろう。(中山達喜)

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