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【硬式野球】東京六大学野球秋季新人戦 準決勝 対立大 変則左腕の前に打線が沈黙‥‥接戦をものにできず三位決定戦へ

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【硬式野球】東京六大学野球秋季新人戦 準決勝 対立大 変則左腕の前に打線が沈黙‥‥接戦をものにできず三位決定戦へ

東京六大学野球秋季新人戦 2回戦 対立大
2015年11月4日(水)
神宮球場

昨日の試合で12安打10得点と打線が爆発し勢いに乗る法大打線。
しかし今日は相手の変則投手の前に打線は沈黙。
春季新人戦王者の立大の前に接戦を制することはできず、3位決定戦に臨むこととなった。

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あと1人の場面から追撃の本塁打を放つ水谷

試合結果

トータル試合結果

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
法 大 0 1 0 0 0 0 0 0 1 2 6 0
立 大 1 0 1 0 0 1 0 0 × 3 8 1

(法大)●宮本幸、藤森、河野-中村
(立大)池田、○加藤郁-高田
[本塁打]
   (法) 水谷ソロ(9回=加藤郁)

 

打撃成績

打順 位置 選手 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (6)  大崎  2 0 0 見三振  空三振    死球          
  H 向山 0 0 0             死球    
  1 河野 0 0 0                  
  H 1 0 0                 右飛 
2 (8) 清水二 4 0 0 二直   投直  左飛     空三振    
3 (4) 小林 3 1 0 右中間二   四球   空三振    二ゴロ     
4 (3) 原田 4 1 0 左邪飛   右前安   三ゴロ     捕飛   
5 (7) 3 1 0   死球  見三振   右飛     右前安   
6 (9) 水海 4 0 0   左飛 見三振     空三振   二ゴロ  
7 (5) 川口 2 0 0   四球   三邪飛    空三振      
  H 日下 1 0 0                 見三振 
8 (2) 中村 4 1 0   左前安   右飛   左飛     中飛
9 (1) 宮本幸 0 0 1   中犠飛①              
  H 町田 1 1 0        左前安          
  1 藤森 0 0 0                  
  H 吉岡 1 0 0             空三振     
  6 水谷 1 1 1                  右越え本①
    31 6 2                  

 

投手成績

  球数 打者
宮本幸  3 56 13 3 4 1
藤森 3 46 13 3 3 1 1
河野 2 42 9 2 3 1 0
8 144  35  8   10   3   3 

 

ベンチ入りメンバー

11 森脇(経1=掛川西) 32 中村(営2=多良木)  31 北(法1=佼成学園) 
13 長谷川(経2=聖望学園) 2 川口(人1=横浜) 35 清水哉(社1=富士学苑)
14 宮本幸(営2=富山一) 3 森 (キャ2=日大三) 38 小林(法1=中京大中京)
15 藤森(法2=西武台千葉) 6 大崎(法2=智辯学園) 4 水海(文2=桐光学園)
17 稲垣(営2=法政) 7 水谷(営2=大阪桐蔭) 9 清水二(法2=中京大中京)
18 金子雄(文1=常総学院) 8 原田(法1=春日部共栄) 33 大西将(経1=桐蔭学園)
19 河野(文1=法政二) 23 吉岡(営1=智辯学園) 39 増野(人1=大手前高松)
20 駒場(文2=鹿沼) 26 町田(社2=桐蔭学園)    
22 日下(営2=鳴門) 29 向山(営1=法政二)    

  

戦評

   昨日は東大を投打に圧倒し、白星を飾った法大。今日の相手はシードの立大だ。先発を任されたのは宮本幸治(営2)。秋季リーグ戦ではベンチ入りを果たしながらも、出場機会に恵まれなかった宮本に、この一戦は託された。

   試合は初回から動き出す。「緊張があった」と制球の定まらない宮本幸が1死一、二塁のピンチを招くと、4番大東孝輔に投じたストレートが甘く入り、先制の中前適時打を浴びてしまう。続く6番峯本匠にも左前安打を浴び、あわや追加点かと思われたが、ここは左翼手森龍馬(キャ2)の好返球で失点を阻止。主将のプレーで悪い流れを断ち切った。すると2回、先頭の5番森が死球で出塁。その後安打と四球で1死満塁の絶好機となったところで打席には9番宮本幸を迎える。2ボール1ストライクからの4球目。変化球を泳ぎながらもミートさせた打球は中堅手の後方へ。悠々と三塁走者が帰塁し、自らのバットで試合を振り出しに戻してみせた。

   しかし、投手としての宮本幸はなかなか調子が上がらない。3回、1番寺山寛人の振り逃げで出塁を許すと、2番岩崎純基はすかさずバント。暴投も重なり1死三塁と、再びのピンチを招く。何としても失点は阻止したい場面だったが、3番田中健には易々と左犠飛を許し、またもリードを与えてしまった。「自分の力不足」。宮本幸は悔しさを滲ませながらこの回でマウンドを降りた。後を引き継いだのは藤森祐太郎(法2)。4回、5回と立大打線を寄せ付けない投球で打線の援護を待つ藤森。しかし、6回に2死から四球を足掛かりにさらに1点を失うってしまう。

   打線は5回からマウンドに立つ変則左腕、加藤郁杜を捉えきれない。ストライク先行で攻めてくる加藤に対し凡打の山を築いてしまう。試合は進み9回。これまで1安打に封じられ、この回も2死。あとがない場面で、途中出場の水谷友生也(営2)が打席へ。「本塁打しか狙っていなかった」と2球目を振り切ると、打球はそのままレフトスタンドへ着弾。しかし字打者が倒れ試合終了。春季新人戦王者の立大に屈した。

   試合後、うつむきながらベンチを後にする法大ナイン。新人戦はリーグ戦とは違う様相だ。しかし「負けてこんなに悔しいんだ」とは主将の森の言葉。この敗戦をそれぞれがどのように生かすかが重要だろう。そのためにも明日。三位決定戦を制し、来季への試金石としていきたい。(原口大輝)

クローズアップ

町田大輔 内野手 (苦難乗り越え、今日もグラウンドへ)

  「野球が楽しいです」。迷いのない言葉が、彼の強さを物語っている。町田は「ベンチでは特に町田が声を出してくれる」(清水二)と、チームメイトも認める元気印だ。しかし、彼が歩いてきた道のりは、決して平坦なものではなかった。

  それはあまりにも突然のことだった。二年前、高校最後の夏の県大会初戦を目前に控えていた彼を病魔が襲う。感覚がなくなるほど体は痺れていき、すぐに手術をしなければ、後遺症が残ると医師から告げられる。高3の夏が目の前で奪われた。何よりも耐えられなかったのは、これまで支えてくれた両親に野球をしている姿を見せられなかったこと。強豪校のレギュラーでありながらプレーすることが許されなかった夏。甲子園という夢舞台で輝く同学年の姿を見ることさえ辛かった夏。しかし、人生で一番苦しかった夏が彼を強くした。

  「とにかく試合に出たい、野球がしたい」、その一心で乗り越えてきたリハビリ。大学入学後は、森と共にリハビリを続けてきた。相手の活躍を自分のことのように喜び合う、それぞれがお互いの心の支えとなる存在だ。そして今日、2人は揃っての試合出場となった。四回二死の場面、町田が代打に送られる。結果は左前安打。神宮に快音を響かせた。一番に自分の活躍を見せたかった両親の目の前で。

  「目標はリーグ戦メンバーに入ること」。誰よりも強い男が今日、新たなスタートを切った。(下河辺果歩)

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 監督・選手コメント

 福居涼 学生コーチ

―試合後はうつむく選手の姿もありました
試合後に主将の森が言っていたんですけど、メインはリーグ戦だけど、新人戦で負けてこんなに悔しいんだっていう話をしてて。チームにとってこの負けの悔しさを知って、来春のリーグ戦で同じ悔しい思いをさせないようにというか。そこはチームにとって、将来長い目で見てプラスだったと思います。

―変則左腕の加藤投手に苦しんでいた印象です
短い試合の中で、相手投手の特徴を掴むのも技術なのかなと思います。そういう面を鍛えていかないとダメなのかなと。マシンの球を打っていても、野手の投げてくれる球を打っていても、そこは鍛えれないと思います。なるべくああいう投手に近い球を日頃から打っていくべきだったなと思いました。

―福居学生コーチから見た加藤投手の印象は
ストライクが先行していて、うちの打者が追い込まれて、苦しくなって打ち取られるということが多かったです。安定していて、ああいう投手がうちにもいればいいなという感じでした。

―宮本投手は悔しさの残る結果に終わってしまいました
日頃のブルペンから引っかかったワンバウンドの球が目立つので、試合の中で修正できなかったことが大きかったと思います。

―試合後自身で伝えたことは
個々の技術は昨日今日で変わるものではないので、チーム全体の雰囲気というか、そういうところで負けたんじゃないかなと僕自身思いました。技術というよりは精神面というか、声かけであったり、当たり前のことが当たり前に出来てなかった部分が大きかったという話をしました。

町田選手チームにとってどんな存在ですか
確実にチーム全体にとってプラスです。チーム全体で見たときに声を出す元気印というのはチームに1人2人は絶対に必要なものだと思うので、メンバーを勝ち取るために、技術だけじゃなくて、そういう部分も監督や指導者は見ていると思います。がむしゃらになって勝ちとろうとしているところは惹かれます。

―不本意かもしれませんが、明日の3位決定戦に向けて
その不本意という気持ちが全てで、やっぱり決定に行って戦いたかったんですけど、こうなったら立教の敗戦は切り替えて、明日は新人戦でずっと負け続けて、負けれない相手なので取らなきゃダメな試合です。頑張ります。

 

 町田大輔 内野手

―今日の試合を振り返って  
チャンスは結構あったのですが、そこで点を取れなくて、自分たちのミスで失点してしまったので反省点が多い試合でした。

―四回に代打での出場となりましたが、準備はできていましたか
僕は、基本的に代打で出ることが多く、初回から誰かが怪我したら出るくらいの気持ちで待っているので、四回での代打も気楽にいつも通りにいけました。

―高3の夏に病気を知ったときのお気持ちは
高校野球を頑張ってきて最後の大会で出られなかったということでいろいろな 思いがありますが、何よりも支えてくれた両親に野球をしている姿を見せられなかったのが辛かったです。

―どのようなお気持ちでリハビリを乗り切ってきましたか  
とにかく試合に出たい、野球がしたいという思いでやってきました。リハビリをしている状態のときに、自分を法政の野球部が迎えてくれたので、やはりチームに貢献したいという気持ちは強いです。

―野球ができるようになった今のお気持ちは
他の選手がどう思っているかはわかりませんが、自分は野球が楽しいのでこれからも自分らしく、楽しくやっていきたいです。

―共にリハビリを続けてきた森選手については
龍馬とはずっと一緒にやってきたので、あいつが活躍すれば嬉しいし、向こうも僕が活躍すればおめでとうと言ってくれるのでお互いに支え合って頑張っていきたいな、と思います。

―ベンチでの盛り上げで意識していることは
自分はチームの中でも元気がある方だと思っているので、声で少しでもチームの役に立てたらいいなと思っています。

―今後の目標
まだリーグ戦ではメンバーに入ったことがないので、次のリーグ戦に出場できるように頑張りたいと思います。

―明日への意気込み
出番が回ってきたら、自分のやれることをやってチームの勝利に貢献できたらいいなと思っています。

 水谷友生也 内野手

―今日の試合を振り返って
勝ちたかった試合でした。

―敗因は何だと思いますか  
チーム全体の雰囲気が悪かったと思います。

―今日も途中出場でしたがベンチから見ていて感じたこと  
みんな頑張っていましたけど、雰囲気が悪かったので怪しいなというのはありました。それをベンチの自分が何とかしようとも心かげていました。

―9回2アウト、劣勢の場面で打席が回ってきましたがどのようなお気持ちでしたか
本塁打しか狙っていませんでした。初球から思い切りいきました。

―打った球は
真っ直ぐです。

―水谷選手は「守備の人」という印象がありますが
今日の本塁打で打撃の面でもアピールできたかなと思います。

―新人戦では森選手がキャプテンですが、森選手の存在は  
しっかりしているしチームを引っ張ろうという姿勢で頑張っているので、自分はそれに付いていけるように頑張っています。

―試合後のミーティングではどんな話を
細かいプレーのことや、雰囲気が悪かったことなど今日の試合の反省点を話しました。

―明日の3位決定戦は明大との試合ですが
優勝はなくなりましたが、相手が明大なので負けたくないです。意地でも勝たなきゃいけないという気持ちに切り替わりました。

 

 宮本幸治 投手

―今日の試合を振り返って
今日は自分が全部ゲームを崩してしまいました。

―先発を伝えられたのはいつですか
昨日の試合後すぐ、先発するというのは言われていたので、準備だけはしっかりしようと思っていたのですが、全然ダメでした。

―立ち上がり不安定な投球となってしまいましたが
緊張などはありましたか 久しぶりの先発だったので、緊張は少しありました。立ち上がりだけはしっかりしようと思っていたのですが、自分の力不足でした。

―2回には三者凡退で打ち取りました  
ボール自体は自分の感覚的によかったのですが、バッターを抑えるという面ではまだまだ足りないものばかりで。2回のピッチングはたまたまかなと思います。

―ご自身の今の調子は  
ボール自体はすごくいいと思うのですが、バッターと対戦できるボールにはまだまだなっていないのだと思います。

―見つかった課題
マウンドに立つまでにどれだけ準備ができるかが、その後のピッチングにつながるので、試合に入る前にどういう気持ちで準備するかが大事だと思いました。

―明日への意気込み
明日の試合が最後なので、いいゲームをして「今までありがとうございました」という気持ちを4年生に伝えたいです。今日負けたからといって下を向いている暇はないので、一戦必勝でやっていきたいと思います。

中村浩人 捕手

―今日の試合を振り返って  
バッテリー間のミスで点を取られてしまいました。秋季リーグ戦でのバッテリーの課題が露呈してしまった試合だったと思います。

―今日の投手陣の調子は
悪くはなかったですね。勝負所でいかに抑えられるかが重要だと思います。

―昨日の試合後に明日組む投手とはよく話をしたいとおっしゃっていましたが
(宮本)幸治さんが投げることは分かっていました。紅白戦でもよく組んでいたので、しっかり意志疎通ができているとは思っていたのですが、試合の入りで自分が慌ててしまったかなと思います。

―紅白戦での宮本投手のピッチングは
良かったです。

―河野投手は今日初登板でした
河野はかなりいいボールを持ってい るので、そのいいボールを出せるように、積極的に声をかけました。

―どのような声をかけましたか
真面目な野球の話というよりは、「笑顔でこいよ」、「もっと力抜け」とか「いいボールが来てるから、相手を見下す感じで投げろ」などと声をかけました。

―3回には振り逃げから失点につながる場面がありました  
あれは本当に自分が情けないという思いしかないです。

―明日の明治戦への意気込み  
リーグ戦では4年生たちが最後の意地を見せてくれたので、自分たちもしっかりそれを受け継いで、いい試合ができるようにしたいです。

フォトギャラリー

  • mizuあと1人の場面から追撃の本塁打を放つ水谷
  • fujimori2番手でマウンドに上がった藤森
  • kawano3番手河野は初の神宮でのマウンド
  • kuyasii敗戦にうつむく選手たち
  • nakamura態勢を崩されながらもしぶとく安打を放った中村
  • miyamoto宮本幸は一時同点となる犠飛を放つ
  • harada新人戦で4番に座る原田
  • miyamoto2悔しさの残るマウンドとなった宮本幸
 

 

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