• HOME
  • 記事
  • 硬式野球
  • 【硬式野球】仲間との歓喜を何度も最前線で迎え入れた鶴丸紘学生コーチ 勝利を見据え、チームを支え続けた4年間に幕を下ろした(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑯)

【硬式野球】仲間との歓喜を何度も最前線で迎え入れた鶴丸紘学生コーチ 勝利を見据え、チームを支え続けた4年間に幕を下ろした(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑯)

鶴丸 紘 学生コーチ

ーー秋季リーグ戦を振り返って、どのようなシーズンだったか
春の結果を受けて夏に取り組んできたことは、特に野手陣に関しては、結果もそれなりについてきてくれたのかなという印象があって。裏を返せば、やって来なかったことはしっかりと結果として駄目な方向に出てしまったなというところが秋を受けての印象です。

ーー今秋3位という結果についてはどのように受け止めているか
自分としては優勝しか見てなかったので、もちろん悔しいんですけど、3位とは言っても、その中身を見てみるとほぼ2位から5位まで同じような勝率だったので。あんまりそんなに、3位っていう数字には何も思っていないというのが素直な感想ですね。

ーーチームの状態や雰囲気については
春がちょっとひどかったので。夏、しっかりと具体的な目標とか、チームとして意識することとかっていうのを、しっかりとみんなが共通認識として持てていたので。なのでみんなが1つにはなれていたのかなとは思いますね。

ーー最後のシーズンとして、どのような気持ちでのぞんでいたのか
形はどうあれ、もう絶対に優勝するっていう気持ちで入ってはいましたね。

ーー今までの試合で特に印象深い試合は
自分的には早稲田戦の3戦目が1番印象に残ってますね。3連覇してた早稲田さんに勝ち点取れたっていうことがまず大きくて、その中で試合展開も結構きつくて点取って逆転されたりとか、終盤にかけて点を取られるみたいな状況が続いてる中で、最後、 今泉秀悟 (キャ2= 石見智翠館 )選手とか土肥憲将(キャ3= 鳴門 )選手とかが、タイムリーを打ってくれたことに、正直その2人に関してはフレッシュの時から見ていたので、それがもう素直に嬉しくて、印象に残ってます。

ーー学生コーチになられた経緯は
表向きでは、正直、学生コーチとしてチームに貢献したいとかっていうのを言っているんですけど、本当は最初はもう選手を諦めるという、そのネガティブな理由で、ただ学生コーチになったっていうのが素直な経緯ではあります。

ーー選手を続けたいという気持ちとの葛藤は
葛藤はあって、やっぱりこの法政大学野球部ってところで挑戦したい自分もいたんですけど、周りの選手との差を感じて。学生コーチとして1回環境変えるという意味でも、やろうかなと思いました。

ーー決心を後押しした存在やきっかけは
自分的にはさっきも言ったネガティブな理由がすごく大きいので、本当に、野球を自分がプレイしてて、失敗しても別に悔しくなくなっちゃったとか、野球に対して熱がもう全くなくなってしまったというのをプレイしてる時に感じて、もうその体験がまさに学生コーチになろうと思ったきっかけですね。

ーー学生コーチとして苦労したことや大変だったことは
まず1番最初に、自分よりも圧倒的に上手の選手たちに対して、もう選手を諦めた側の人間がどういう風に指示したりとか、練習メニュー考えたりとかっていうのが、説得力がないんじゃないかという不安はありました。今考えてみれば、自分の芯を持って発言したりとか、自分の軸をぶらさないってところを徹底してやれば、ある程度選手たちはついてきてくれるのかなというのは、最後の方は感じていました。

ーーその軸とはどのようなものだったか
チームが勝つかどうかというところの軸1本で考えて、そのために何ができるかというのをぶらさずに、選手たちに声をかけ続けたという感じですかね。

ーー逆に嬉しかったことや手応えを感じた瞬間は
監督さんとかから遠征の指揮を任されたりとか、選手から何か練習メニューとか、そのチームの運営を任された時に、やりがいとか嬉しさというのは感じていました。

ーー得点が入った場面等で、ベンチ前で選手を迎え入れたり、喜びを表現されている姿が印象的だったが、そうした振る舞いについて、意識されていたことは
自分的にはなるべく感情は出しちゃダメだと思っているんですけど、どうしても感情が出てしまったっていう感じです。

ーー仲間達の活躍を学生コーチとしてどのように見ていたか
もう学生コーチと選手という間柄ではあるんですけど、言っても友達なので、そこは打ったりとか良いプレーが出たら1友達としても1チームメイトとしても嬉しかったです。

ーー4年間を振り返って印象的だった出来事や経験は
嫌だった思い出と良い思い出と1個ずつ言うと、嫌だった思い出としては、1年生の頃に、外出禁止っていう懲罰みたいなものを連帯責任で1年生全員受けて、計3回あったんですけど、合計したら約半年間だったっていうので。その不自由が多かったなというのが印象に残ってます。逆にいい思い出としては、学生コーチになって初めて、新潟でやったサマーリーグに学生コーチとして行かせていただいた時に、その時の技術コーチのよしまつさんという方がいらっしゃったんですけど、その方に色々野球教えてもらったりとか、チームを指揮する上で大事なことを教えていただいたりとか、その経験が、これから学生コーチとしてチームを導いていこうという気持ちにさせていただいたので、そこの出会いですね。

ーー法大に入って良かったと感じる点は
周りの選手とかスタッフの人とかと過ごして、本当にレベルの高い選手ばかりですし、ちゃんと自分で考えて自分の意見を言えるようなスタッフ陣ばかりだったので、そこは周りに恵まれたのかなというのはすごく思ってます。

ーー監督・助監督への思いは
助監督の髙村さんに関しては、オータムリーグにも一緒に行かせていただいたんですけど、その時にも自由にやらせていただいたりとか。基本的に髙村さんに関しては自分のことを信頼してくれて、色々やらせてくれて、感謝しかないです。あと、リーグ戦終わった後に、毎回バスで高村さんが前の席なんですけど、コーヒーを試合終わった後にくれて。そういう気さくな感じも、すごく嬉しかったですね。大島監督に関しては、基本的には野球の話ばかりしているんですけど、もちろん大島監督も選手時代の経験とか知識とかあるので、そういったこ技術的なところを教えていただいたりとか、そういうことに関して本当に一流の方なんだなっていうのは感じていたので、自分の野球に対する知識の幅みたいなものを広げてくれて感謝しています。

ーー後輩へ伝えたいこと
いっぱいあるんですけど、まずは、やらなきゃいけないことをしっかりと責任持ってやろうっていうのが1つ。例えば、朝の点呼ちゃんと出るとか。朝の掃除をしっかりとやるとか、まずはそういうところをしっかりとやってほしくて。で、自分が言えることではないんですけど、やっぱり大学生はもう大人の集団であるべきだと思うので、いろんな、不自由なこととか、理不尽なこととか、監督とか、そういう色々な人に対する愚痴じゃないですけど、言いたくなる時もしっかりと自分の心に止めて。そういうところに目を向けるんじゃなくて、自分のやるべきことにしっかり目を向けて欲しいっていうのが1番伝えたいことですね。

ーー来年の法大期待の選手は
3年生の土肥(憲将、キャ3= 鳴門 )選手に期待しています。彼は捕手なんですけど、捕手結構多くて、1年生にも良い捕手がいっぱいいて、なかなか試合でもレギュラーとして出られない状況で。その中でも土肥選手は、朝、中西祐樹(法3= 木更津総合 )選手と一緒に練習してたりとか、本当に練習中も1番声を出してガッツあるプレーをしてたりとか、そういう、泥臭さある選手なので。大げさかもしれないんですけど、やはりもう次の代は土肥選手にかかってるんじゃないかというのは、去年あたりから思っているので。もうそういう頑張り屋さんなところとか、泥臭いところがちょっと推しですね。

ーー4年生の同期への思いは
自分は今でこそチームのためにそこそこ考えてそこそこ動いてるみたいになってるんですけど、3年まではほぼ腐ってて、色々な出会いとか、松下(歩叶、営4= 桐蔭学園 )を初めとする頑張ってる同期とかを見てもう1回頑張ろうって思えたので、貴重な出会いをくれてありがとうと伝えたいです。

ーー最後に、応援してくださったファンの方々へのメッセージをお願いします
本当不甲斐ない試合ばかりだったんですけど、本当に毎回試合を見に来てくださって、もう法政がどんな負け方してようが、もう本当に本気で応援してくださっている姿を見させていただいたので。そういうところに本当に勇気をもらったので、言葉で表すのも恐縮なんですけど、本当にありがとうございますという言葉を届けたいです。

(インタビュー:印南空音)

鶴丸紘(つるまる・おう)
スポーツ健康学部4年・2003年11月18日生まれ
東京都出身・都城東
173cm77kg・右投右打

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

【秋季リーグ振り返りインタビュー一覧(公開次第更新いたします)】

松下歩叶(営4=桐蔭学園)主将 ・ドラフト振り返りインタビュー
【硬式野球】「息の長い選手に」 “世界の松下”がプロの舞台へ飛び立つ 東京ヤクルトスワローズ 1位指名・松下歩叶ドラフト振り返りインタビュー – スポーツ法政
・秋季リーグ戦振り返りインタビュー
【硬式野球】「とても長い1年間だった」 主将&4番の重責を担ったヤクルトドラフト1位・松下歩叶 リーグ通算14本塁打を放った強打者が見せた”執念”の集大成(秋季リーグ戦振り返りインタビュー①) – スポーツ法政
赤間梢吾(キャ4=法政二) 【硬式野球】進化を続けた“二高の星”赤間梢吾は防御率0.00と有終の美を飾りラストイヤーを締めくくった(秋季リーグ戦振り返りインタビュー②) – スポーツ法政
永野司(営4=倉敷商) 【硬式野球】悔いと感謝を胸に仲間と歩んだ永野司の最終章 けがを乗り越えた先で新たな舞台へ駆け上がる(秋季リーグ戦振り返りインタビュー③)– スポーツ法政
野崎慎裕(営4=県岐阜商) 【硬式野球】仲間に愛され、重圧を背負い続けたエース・野崎慎裕 逃げられない立場で貫いた覚悟を胸に刻み、新たな舞台へ挑む(秋季リーグ戦振り返りインタビュー④) – スポーツ法政
丸山陽太(スポ4=成東) 【硬式野球】今季けがから復帰した最速151キロ右腕、丸山陽太はチームのためにフル回転し、次のステージへ(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑤) – スポーツ法政
助川太志(グロ3=茗渓学園) 【硬式野球】唯一無二の経歴で神宮へと上り詰めた助川太志 初登板から中継ぎで確かな存在感を発揮し、来季は投手陣の中核へ(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑥) – スポーツ法政
山床志郎(文2=高鍋) 【硬式野球】「優勝に貢献できればなんでもいい」今季フル回転の山床志郎 法大のエース目指し来季での飛躍を誓う(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑦) – スポーツ法政
井上和輝(法1=駿台甲府) 【硬式野球】「自分でもびっくり」 1年生ながら4本塁打と大爆発の井上和輝 課題の守備面を克服し更なるステージへ(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑧) – スポーツ法政
今泉秀悟(キャ2=石見智翠館) 【硬式野球】打率3割到達もなお進化を求める今泉秀悟 守備と走塁のレベルアップでチームに流れを作り勝利を目指す(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑨) – スポーツ法政
中村騎士(営2=東邦) 【硬式野球】今季も内野の要として存在感を放った中村騎士 来季は“3割バッター”を目指し打撃面でもさらなる飛躍へ(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑩) – スポーツ法政
品川侑生(文4=三重) 【硬式野球】ラストシーズンで開幕スタメンを勝ち取った品川侑生 堅実な守備に加えリーグ初本塁打も放ちさらなる成長を胸に次のステージへ(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑪) – スポーツ法政
浜岡陸(法4=花咲徳栄) 【硬式野球】代打の切り札としてベンチを支えた浜岡陸 けがに苦しみながらも花を咲かせたラストイヤー(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑮) – スポーツ法政
片山悠真(文3=八王子学園八王子) 【硬式野球】「もっと長打を」来季主砲候補・片山悠真 成長著しい大型外野手は守備力を磨きつつ本塁打と長打でチームをけん引する存在へ(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑫) – スポーツ法政
藤森康淳(営3=天理) 【硬式野球】今秋27安打を放ち歴史にその名を刻んだ藤森康淳は首位打者&B9獲得 “つなぐ意識”で得た新境地(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑬) – スポーツ法政
境亮陽(営1=大阪桐蔭) 【硬式野球】走攻守三拍子そろうリードオフマン・境亮陽 逆方向の巧打と俊足で1年目から輝きを放つ(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑭) – スポーツ法政
鶴丸紘 (スポ4=都城東)学生コーチ
平尾聡一郎 (文4=海星)学生コーチ
大島公一 監督

 

関連記事一覧