【バスケ】第63回関東大学バスケットボール選手権大会 対日体大戦 苦しみ掴んだ大きな一勝
第63回関東大学バスケットボール選手権大会 対日体大戦
2014年5月25日(日)
東洋大学スポーツセンター
シーズン開幕となる大学バスケットボール選手権、通称トーナメントがチップ・オフ。
前回大会では2回戦で敗れ15位に終わった法大。1部の実力を見せつけるべくより上の順位を目指したいところ。今大会では、2回戦でインカレ王者の東海大との対戦に選手も心を躍らせている。
初戦の相手は日体大。最近の対戦成績は2連敗中と決して侮れる相手ではない。両試合ではインサイドでの得点を封じられたことが敗因と考えられる。新チームとなり、苦手意識を払拭できるか。いざ、戦いが始まる。
トータル試合結果
68 法政大学 |
15 | 1Q | 10 | 65 日本体育大学 |
---|---|---|---|---|
19 | 2Q | 19 | ||
19 | 3Q | 18 | ||
15 | 4Q | 18 |
法政大学スターティングメンバー:日体大戦
選手名 | 身長/体重 | ポジション | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|---|---|
#67 佐藤 翔耶 | 181/78 | G | 6 | 1 | 3 |
#24 加藤 寿一 | 190/75 | F | 15 | 6 | 1 |
#19 田宮 開 | 183/72 | GF | 0 | 0 | 1 |
#5 松澤 大晃 | 197/82 | C | 10 | 5 | 1 |
#16 沼田 凌 | 190/85 | C | 6 | 7 | 1 |
法政大学主な交代選手:日体大戦
選手名 | 身長/体重 | ポジション | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|---|---|
#7 藤井 裕太 | 175/65 | G | 17 | 3 | 4 |
#11 中野 広大 | 182/71 | F | 3 | 1 | 0 |
#14 植村 哲也 | 175/75 | G | 11 | 1 | 5 |
#31 安達 幹 | 187/87 | PF | 0 | 2 | 0 |
#34 萩原 陵太 | 190/75 | C | 0 | 1 | 0 |
戦評
インサイドに高さのある選手を揃え、ガード陣には本間遼太郎など力のある選手がいる日体大。それだけに2部とはいえ油断はできない。ついに2014シーズンがチップオフ。
第1Q。序盤は加藤寿一(文3)の得意のドライブからのジャンパーや沼田凌(法3)のリバウンドショットなどで得点を重ねる。ディフェンスやリバウンドでも日体大を圧倒。しかし、徐々に高さで勝る日体大のディフェンスに苦戦し、得点が伸びない。対する日体大は本間のジャンパーなどで得点を重ね15対10で1Qを終える。
第2Q。スタートは1Q終盤の悪いリズムを引きずったものの、佐藤翔耶(法2)が3Pシュートを沈めチームに流れを呼び込む。ディフェンスでも高い位置でプレスを仕掛け、速攻で加藤がゴールを奪い法大ペ―スかと思われた。しかし、激しいディフェンスの代償として残り6:50秒で既にチームファールが4つになってしまう。これに乗した日体大はファールで得たFTを確実に得点を重ねる。さらに、ゲームを上手くコントロールしていた佐藤のPFも3つとなり、下げざるを得ない展開に。佐藤の代わりに入った植村哲也(文1)だが、相手のゾーンを攻略できず3分間無得点と我慢の時間が続く。ここで試合をつないだのが、中野広大(法2)の3Pシュート。苦しみながらも、34対29とリードで前半を終えた。
第3Q。スターターに植村、藤井裕太(社2)を起用しアウトサイドの得点力を強化し後半に挑む。寄りの早いディフェンスを見せると、藤井がハイポストの合わせからのレイアップ。3Pシュートを決めてチームを引っ張る。しかし、ここで大黒柱沼田が着地の際に足を痛め、負傷退場。そのまま病院へと向かうこととなった。この非常事態に法大はタイムアウト。沼田のいなくなったインサイドに対し、日体大は赤土裕典などのポストプレーで反撃。法大は、植村のゲームメイクに支えられ、藤井の3Pシュートや松澤大晃(法4)のジャンプショットなどで得点。53対47でこのQを終える。
勝負の第4Q。インサイドが手薄になった法大に対し、日体大はインサイドを中心に得点を重ねる。ボールの回りの改善とボール運びを安定させたい法大は、佐藤、藤井、植村の3ガードで応戦。しかし、アウトサイドが入らず、サイズダウンした為リバウンドが奪えないと裏目にでてしまう。残り4:15秒、遂に法大は60対61と逆転を許してしまう。この窮地を救ったのが、最上級生としてこの試合数字以上の貢献を見せていた松澤。足がつるシーンも見られたが、交代を固辞。その松澤が逆転のシュート、さらに値千金のジャンパーを沈めリードを3点に。この点差を守り切った法大は68対65で初戦突破を果たした。(高橋和杜・山分和紀)
試合後の監督・選手のコメント
今井一夫監督
ー今日は久々の勝利となりました
今日勝つ為に今まで全敗してました。選手達に勝つ味を噛みしめてもらう為です。本当に勝てて良かったです。ここで負けるのと勝つのでは大違いなので。
ー昨年のリーグ戦では2連敗するなど決して相性の良い相手ではありませんでした
日体大もベスト16決めをする中で、やっぱ一番うちが組み合わせ的によかったと思ってたはずなので、それは何としてでも勝ってやりたいというのはありました。
ー今日の勝因は苦しい時間帯に誰一人下を向かなかったことにあるのでは
そうですね。やっぱ、今日の試合は負けてはいけないというのが、出だしから良い雰囲気を醸し出してくれたのだと思います。寿一(加藤寿一選手)も入れ替え戦の時のディフェンスだったりリバウンドを見せてくれたし、気持ちが入ってプレーしてくれたと思います。
ーディフェンスの際、特にピック&ロールの部分に改善が見られました
それは練習の成果ですね。今まではあそこをイージーにやられて点数を取られるのがあったので、よく意識を持ってやってくれたと思います。体力的に疲れてきた後半は、インサイドでフロントを取られるシーンが目立ったのが課題ですかね。あとは大晃(松澤大晃選手)。もっともっと体力つけてほしいです。本当によく頑張ってくれたんですけど、頑張ってあそこまで出来るなら、もっともっと上のプレーが出来ると期待したいです。
ー激しいディフェンスの代償としてPFが増えてしまう場面も目立ちました
吹かれたらファールなのでしょうがないんですけど。ボールに手を出すんだけど、もう少しで腕に行ってしまうなって時に、腕が引けないっていうのはまだ足が一歩動けていないということだと思うので、そこが課題ですかね。
ー京王電鉄杯から温めていたゾーンを使用しました
あんまり機能しなかったですね。沼田がいなくなってしまったというのが大きいかなと思います。チームでやるものなので、1つが穴となると全部くずれてしまう。そこは選手の起用で考えるべくところは私にもあったかなと思います。
ー佐藤(佐藤翔耶)選手不在の際、代わりに入った植村(植村哲也)選手がばたつくシーンもありました
向こうがゾーンやってたのもあると思います。。1年生だから遠慮しているところがあるので、もっとガツガツ指示して良いぞとは言っています。植村にしても藤井にしても動じずにゴールを狙えるところが彼らの良いところなので、それを活かしてあげたいですね。
ー4Q。3ガード起用については
それは3ガードでやろうと。1センターで。リバウンドもとれない状況だったので。3ー2ゾーンの真ん中を佐藤、両サイドを藤井、植村で寿一を下にもっていけば去年のゾーンのレベルくらいなら出来るのではと思って起用しました。
ー沼田選手の負傷については
痛いですね。トーナメントだったのが不幸中の幸いです。前から痛めていた疲労骨折のとこですかね。ぐきっという音がしたって本人は言っていました。リーグ戦までゆっくり治して帰ってきて欲しいと思います。こっちは居なかったら居ないなりにやるしかないので、頑張ります。(負傷退場後すぐにタイムアウトをとりました)それは、変わった人間がゲームに入り切れてなかったので。
ー東海大戦に向けて
当たって砕けるしかないです。向こうが100%出せるかはわからないですし、うちが150%出して向こうが1%なら何が起こるかわからないですからね。
松澤大晃
ー緊迫した試合展開でしたが振り返っていかがですか
いやホッとしました。強い相手ですけど自分達は1部で相手は2部ですしここで負けるのと勝つのでは全然違うので。
ー日体大は長身の選手が多くインサイドの選手には負担の大きい相手でしたが
身長も幅も大きい選手が多いですが踏ん張れました。沼田が怪我してしまったのはすごく大きかったんですが、時計が止まった時などに後輩達に声をかけるなどしてチームワークに徹しました。
ー後輩達などに声をかけるようになったのは最上級生としての自覚が芽生えたのでしょうか
試合に一番でている4年生が自分なので。
ー日体大はあまりいい印象がない相手でしたが
そうですね。去年もリーグ戦で2連敗してしまって。苦手意識はありました。大きい選手がいながらどんどんスピードで流れを作ってくるチームなので。だからこそ練習の時から相手を意識したいい雰囲気で練習することができました。
ー沼田選手が怪我で欠場された時の印象は
いやーかなり焦りました。得点力でかなり変わってくるので。
藤井裕太
ー今日の試合を振り返っていかがですか
今日の相手は2部で自分達は1部なので、絶対に負けられないと思ってました。勝てて良かったです。
ー今日の日体大の印象は
どんどん攻めてくるチームだったので、こちらもどんどん攻めようと思いました。
ー京王電鉄杯に比べるとディフェンスが改善されているように見えました
京王電鉄杯では頑張ることができなかったので、終わってから意識して練習しました。それが今日に生きたのだと思います。
ー大事な場面で3Pを決めていました
いいパスが来たので、いけると思っていつも通りシュートしました。
ー次の東海大戦に向けて抱負をお願いします
相手はレベルが高いですが、いい戦いはできると思うので気持ちで負けずに戦いたいと思います。
植村哲也
ー今日の試合を振り返っていかがですか
接戦になったときに気持ちの面で、自分達が勝っていたので最終的に勝利という結果につながったと思います。
ー高さのある相手に対してどのようなゲーム作りをしようと考えましたか
テクニックのある相手のセンターに対しては跳ばないで体を寄せるように監督から指示がありました。それとガード陣にプレッシャーをかけて高さのある選手にボールを入れさせないように気をつけました。
ーオフェンス面でも活躍を見せ、11得点をあげました
前半はあまりシュートを打つ機会がなかったのですが、後半はシーソーゲームだったのでガードも点を取りにいくことが必要だと思い、攻めました。
ー次は優勝候補の東海大ですが意気込みをお願いします
自分達には失うものがないので、強気で相手にぶつかっていきたいです。
フォトギャラリー
- 「今シーズンを占う試合だった」と監督が語る一戦に勝利
- 怪我から復帰しエースとしての存在感を十分に発揮した加藤
- プレーだけでなく精神的支柱にもなりつつある松澤
- 終盤フェイスガードでつかれるも、チーム最多得点をあげた藤井
- この日も少ないプレータイムながら二桁得点をあげた植村