【硬式野球】秋季リーグ戦開幕直前特集第3回 4年生投手、4年生捕手
2014年9月7日(日)
法政大学川崎総合グラウンド
屈辱の5位に沈んだ春季リーグ戦からはや3か月。夏のキャンプ・オープン戦を通じ、激しいレギュラー争いが行われ、1からではなく0からチーム作りがなされた。様変わりした法大ナインで再び天皇杯を目指す戦いが始まろうとしている。第3回は石田健大と鈴木貴也の4年生投手、中園洋輔と安本英正の4年生捕手。集大成となる最後のシーズンに向けて抱く思いとは。
4年生投手(石田健大、鈴木貴也)
―春のシーズンを振り返って
石田:思い通りにいかないシーズンで悔しい日が続きました。春が終わってから夏に向けて、一生懸命練習を頑張ってきました。
鈴木貴:2季連続5位ということで、ピッチャー陣も結構点を取られたので悔しいという一言です。
―最上級生として臨んだリーグ戦で今までと違った点はありましたか
石田:色々なプレッシャーはありましたけど、今までと違うということはあまりなかったですね。楽しんでできました。
鈴木貴:僕もあまり変わったことはないですけど、4年生になって勝ちたいという気持ちが強くなりました。
―自身の成績についてはどう思われますか
石田:3勝しかできず、あれだけ試合数投げたにしては少ないので(7試合登板)、秋は投げた試合は全部勝つくらいの気持ちでやっていきます。
鈴木貴:四球が多かったので、全然良いピッチングはできなかったかなと思います。
―今年から同級生バッテリーとなりましたが、昨年と比べていかがですか
石田:投げにくさはなくて、逆に自分の希望を言えるのでやりやすいです。息も合っていると思いますし、良いピッチングができています。
鈴木貴:石田が言ったことと同じですね。
―普段からバッテリー間で話したりはしていますか
石田:そうですね。全員仲が良いので、みんなで話し合ったりふざけたりとか色々しています。
―北海道キャンプではどんなことをテーマに取り組みましたか
石田:体力をつけるということがひとつで、あとは個々のレベルアップをしにいきました。
鈴木貴:ピッチャー陣は10日間で700球という投げ込みをして、その中でも試合をこなしていき、投げる体力はみんな上がったんじゃないかなと思います。
―キャンプの成果は帰ってきて出てきましたか
石田:北海道に比べて暑かったのでしんどかったですけど、何とか耐えて頑張る力がつきました(笑)
鈴木貴:北海道の成果かは分からないですけど、戻ってきてからの方が調子が良いので(キャンプに)行って良かったなと思います。
―その調子の良さは今のオープン戦でも続いていますか
鈴木貴:オープン戦で勝てているので悪くはないです。
石田:そうですね。良い感じです。
―期待する後輩はいますか
石田:玉熊も頑張っていますし、1年生のピッチャーも多く投げていて全員頑張っていると思うのでみんなに期待したいです。
鈴木貴:僕も全員に期待しています(笑)
―何かアドバイスを送ったりしていますか
石田:まだ1年生は思いっきり投げるだけだと思うので、特に深いアドバイスはしていないです。
鈴木貴:サインプレーや牽制を教えるくらいで、フォームとかは教えてないですね。
―石田投手は現在リーグ通算18勝を挙げていますが、19勝の山崎福也投手(明大)18勝の有原航平投手(早大)は意識する存在ですか
石田:最終的に自分が一番、多く勝利数をとっていれば良いと思います。秋投げる試合で全部勝って23、24、25勝くらいできれば良いと思います。
―鈴木貴投手は先発、中継ぎどちらの可能性もあると思われますが
鈴木貴:特に希望はありませんが、自分の任された役割を全うしたいと思います。
―秋で学生野球が最後となりますが、今までの野球生活で思い出に残っていることはなんですか
石田:小学校の頃からずっと野球をやってきていますが、大学野球が何だかんだ充実しています。今が一番楽しい日々を過ごせていると思います。
鈴木貴:2年前の六大学優勝です。ベンチ入りしていて、一緒にマウンドで喜び合ったことが一番印象に残っています。
―お互いが4年間で変わったと思うところはありますか
石田:なんですかね、多少練習を真面目にやるようになったことですかね。最後というのもありますし、頑張っているように感じます。
鈴木貴:全体的に毎年、毎年凄くなっていると思います。
―どんなピッチングをしてもらいたいですか
石田:悔いのないようなピッチングをしてもらえれば良いと思います。
鈴木貴:全試合完封で(笑)
―大学生活でやっておきたいことはありますか
石田:大学生活中ですか?やることはやったので大丈夫です(笑)
鈴木貴:野球終わってから、みんなで遊びに行きたいですね。
―初戦は早大との対戦ですが意識や警戒する選手はいますか
石田:やっぱり有原が出てくると思うので(有原を)打ち崩すことと、僕らは打線を抑えないといけないのでまず中村(奨吾)を打ち取って、一人ひとり集中して投げていきたいです。
鈴木貴:同じです。
―最後にチームと個人の目標を聞かせて下さい
石田:チームは日本一になることが最低条件だと思うので、そこを目指して頑張りたいです。個人としては、プロを目指しているのでそれに向けて(ドラフト)上位でいけるように一試合一試合良い結果を残して、全力で悔いが残らないように戦っていきたいと思います。
鈴木貴:チーム目標はみんな優勝で同じだと思うんですけど、個人はどこで投げるか分からないですが、しっかりチームに貢献できるように一生懸命投げたいと思います。
(取材:宮城風子)
プロフィール
石田健大(いしだ けんた)
経営学部4年
1992年3月1日生まれ
広島出身・広島工
179cm、80kg・左投げ左打ち
鈴木貴也(すずき たかや)
人間環境学部4年
1992年7月11日生まれ
愛媛出身・済美
179cm、77kg・右投げ右打ち
4年生捕手(中園洋輔、安本英正)
―リーグ戦開幕まで1週間を切りましたが、現在の調子はいかがですか
中園:オープン戦もいつも以上に勝率も高くて、練習試合ですけど、リーグ戦に向けていい雰囲気でやれていると思います。
安本:チームとしては、普通にやれば勝っている試合が多いので、チームの状態や調子はいいと思います。僕自身は、もうちょっとバッティングの方も調子を上げていかなければいけないなと思います。
―春季リーグが終わってからはどのように過ごされていましたか
中園:「どうしたんや」と周りからも言われて、春は本当に情けない結果に終わってしまったので、自分たち4年生にはもう秋しか無いので、死に物狂いでこの秋に向けて一生懸命やってきました。
安本:5位だったのでやっぱり悔しい思いはありました。リーグ戦終わってからすぐに帰省期間とかがあったんですけど、母校とかに行って後輩が頑張っている姿を見て、自分も奮起しなければいけないなと思い、今まで以上に頑張ったと思います。
―この夏、特に重点的に取り組みましたか
中園:春はピッチャーで困ったと思うので、ピッチャーがひとりでも多く出てきてもらいたいという気持ちは強くて、ピッチングから今まで以上にピッチャーに対してアドバイスとかはするようにしました。
安本:全部です。(笑)バッティングもそうですし、とくに試合で意識しているのは、キャッチャーなのでやはり守備が見られるので、キャッチャーの時に試合の流れを読むというか、自分の味方のピッチャーであったり、そういう細かいところを読めるようにしてきたとは思います。
―これまでのオープン戦を振り返って、課題や収穫はありましたか
中園:課題はたくさんあると思うんですけど、それ以上に、ベンチの雰囲気だったりとか、毎年やってきたいつものオープン戦よりも収穫は多かったと思います。戦い方がわかってきたんじゃないかなという実感はあります。
安本:個人的に課題は、神宮でそのプレーができるかどうかですね。収穫は、ホームランを打てたことです。この前の試合で、たまたま振ったら当たったので。(笑)別にホームランがいいという訳ではないんですけど、ホームランも打てるぞっていう余裕が持てたかと。
中園:自信になるね。
―北海道キャンプはいかかでしたか
中園:こっちに居たら暑さに負けて、暑い暑い言っていたんですけど、北海道は涼しいので、むこうでそういうこと関係なく野球に取り組めました。人数も絞られていたので、内容の濃いというか、自分のスキルアップにもなりしたし、チームプレーなどのスキルアップにも繋がって、いいキャンプになったと思います。
安本:涼しくてやりやすかっし、いつもとは違う練習というか、ケースノックとかサインプレーの確認とか、そういうところを確認できてよかったんじゃないかなと思います。
―キャンプの空き時間などは北海道を楽しめましたか
中園:美味しいものはいっぱい食べました。
安本:僕修学旅行で一回行ったことがあって、その時ほとんど(観光スポットは)行ったので観光はしなかったですね。
中園:1日オフを貰ったんですけど、どこ行くとかはまあ無かったんですけど、海鮮とかラーメンとか・・・
安本:ホテルの周辺とかの。
中園:美味しいものはたくさん頂きました!
―期待している下級生ピッチャーはいますか
中園:自分は新井(諒)ですね。球自体は素晴らしいものを持っているので、あとはそれを結果に結びつければ自信を持てるかなと思います。この秋多分1回くらいは出てくると思うので、見てもらいたいですね。
安本:僕は三浦(浩太郎)です。今まで肩を壊していて、新人戦では投げたことがあるんですけど、140キロ中盤を投げるし、けがをしていたのでその悔しさを出してくれるんじゃないかなと思います。今年甲子園を準優勝している三重高校の出身なので、やってくれるんじゃないかなと思います!
―後輩キャッチャーに期待していることなどはありますか
中園:3年生のキャッチャーがけがをしていて練習しているキャッチャーが実質いなくて、2年生のキャッチャーがベンチに入ったりしているので、今後チームを引っ張っていけるようなキャッチャーに今のうちからなってもらいたいなと。このリーグ戦でなってもらいたいなと思います。
安本:中園が言ったとおり、今3年生のキャッチャーがいないので、実質2年生になるんですけど、グラウンドに入ったら学年は関係ないので、4年生のピッチャーにもズバズバ言えるように、自分がまとめて引っ張っていくんだという気持ちでやって欲しいですね。
―オフの過ごし方を教えてください
中園:この前カブトムシを取りに行ったんですけど・・・。(笑)
安本:ほんま?なんで?ひとりで?(笑)
中園:貴也と(笑)
安本;まじ?
中園:惨敗!
―この近辺でですか
中園:はい。山奥に行こうかとか言って、仕掛けとか作って行ったんですけど、時期が遅くて・・・。キャンプから帰ってきてから行ったので、ちょっと涼しくなってて。助監督の息子さんが幼稚園くらいで割と小さいんですけど、その子にプレゼントしようと思って行ったんですけど、惨敗に終わってしまいました。(笑)
安本:そうなん?(笑)
中園:まあ最近のオフのイベントと言ったらそれくらいです。
安本:僕のオフの過ごし方は、基本的に練習はしないですね。オフは絶対に練習しないです。用事がなかったら、自分の部屋が好きなので自分の部屋で過ごすことが多いです。
中園:あとバーベキューもしました、4年生で。
安本:用事があったら行きますけど、基本部屋です。(笑)
中園:でも、オフ何かしようってなって4年生で動くことは多いです。
―以前「キャッチャー会」があるとお聞きしましたが、最近は開催されましたか
中園:最近はしてないですね・・・。しようしようとは言っているんですけど、下級生がノリ悪いんで。(笑)あ、じゃあさっきの下級生に求めることに「ノリをよくしろ」って加えてください!(笑)
安本:「キャッチャー会に参加して欲しい」って。(笑)
―キャッチャーとして心がけていることは
中園:自分のことだけじゃなくて、チームのことを優先して見られるように。客観的に、冷静に見られるようには心がけていますけど、難しいですね。
安本:なるべく落ち込まないようにしますね。高校の時からそうなんですけど、僕怒られたら結構落ち込むので。キャッチャーって守備とかの中心になると思うので、何か言われても気丈に振る舞うというか、僕がチームを引っ張っているっていうのがあるので、そこで落ち込んでいたら周りに影響が及ぶし、とくにピッチャーだったら気を使うので、冷静に判断できるように、気丈に振る舞います。
―お二人で技術的なことを話したり、アドバイスしあったりすることはありますか
安本:しますね。
中園:結構教えてもらったりしますね。試合中に外から見ていてどうだったかとか、そういう話は毎試合しますね。
―お互いに意識し合ったりもしますか
中園:しますね。
安本:はい。
―ご自身のアピールポイントは
中園:これっす!(腕をまくると大きなあざが)
安本:やばくないっすかこれ(笑)
中園:ボールが当たりました。けがだらけなんですよ、キャッチャーって。(笑)
安本:俺もあるよ、太ももに。(笑)
中園:この辺(胸の当たり)もやばいっすね、いつも。アピールポイントです!
中園・安本:(笑)
安本:こんだけ頑張ってるんだぞ!っていうアピールポイントです!
中園:ピッチャーの球を必死で止めてます!
―秋のチームと個人の目標を教えてください
中園:僕たちが入学して2年の秋にリーグ優勝はしているんですけど、自分はベンチ入ったり入らなかったりで、優勝のときはベンチに入っていなかったのでまだグラウンドで優勝を経験してないですし、日本一というのも経験してみたいので、この秋でリーグ優勝して日本一になるのが目標ですね。個人としては、春は安本にレギュラーを取られてしまったので、秋はチャンスを待って、その時が来たらベストなプレーができるように準備して活躍したいです。
安本:チームの目標はリーグ戦優勝です。個人としては、具体的な目標で言ったらベストナインとかです。でもまあチームが勝てばいいかなというか、試合に出ていても出ていなくてもチームのために貢献できるプレーをしたいなと思います。
―最後に、最後のシーズンに向けて意気込みをお願いします
中園:優勝するのはもちろん、ファンの方やお客さんが応援したくなるような雰囲気でやっていきたいなと思います。
安本:春に掲げた目標が「奪取」なので、それを達成します。奪取します!
(取材:菅野響子)
プロフィール
中園洋輔(なかぞの ようすけ)
法学部4年
1992年10月6日生まれ
三重出身・いなべ総合
179cm、82kg・右投げ左打ち
安本英正(やすもと ひでまさ)
経営学部4年
1992年8月1日生まれ
岡山出身・広島商
179cm、81kg・右投げ右打ち
フォトギャラリー
- 法大が誇るエースの石田
- オープン戦で好調の鈴木貴
- 投手のボールに体を張って受ける中園
- 冷静なプレーを心掛ける安本