【ハンド】2014関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ戦 対順大 悪夢の5分間・・・勝利を逃し入れ替え戦へ
関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ戦 対順大
2014年9月27日(土)
日体大健志台
前節、国士大に引き分けて今季初の勝ち点を奪取した法大。チームの状態も上向きつつある中、今節は2部から昇格してきた順大と激突。両校にとって入れ替え戦回避のためには絶対に負けられない今試合は互いに譲らぬ好ゲームに。果たして勝利の女神はどちらに微笑んだのか―。
試合結果
31 法政大学 |
16 | 前半 | 16 | 34 順天堂大学 |
---|---|---|---|---|
15 | 後半 | 18 |
戦評
法大は絶好の立ち上がりをみせる。試合開始早々、けがから復帰し中大戦以来、4試合ぶりの出場を果たした坂野翔也(社4)がサイドシュートを決め先制点を挙げる。すぐに1点を返されるものの「40対20で勝つつもりでいく」と佐藤浩監督の意気込み通り、4連続で得点し序盤から積極的に攻撃を展開する。だが相手の順大もすぐに反撃に転じ、法大のシュートミスから速攻を重ね、前半10分で同点に追いつかれてしまう。その後は互いのミスにも助けられながら得点を奪い合うシーソーゲーム。この状況を打ち破ったのは順大。スカイプレーで流れを引き寄せると、一気に3点差まで突き放す。早めに手を打ちたい法大はタイムアウトを要求し、嶋大介(経4)、高間アミン(経1)らサイド陣の素早い飛び出しから速攻を中心に攻め同点に追いつく。さらにこの日も坂野が躍動する。故障明けとは思えない動きでゴールを量産しすぐさま逆転に成功、白熱した試合を一層盛り立てる。リードのまま前半を終えたかったが、安易なミスから失点し16対16の同点で折り返す。
後半、順大に先取点を奪われるが、DFを得意とする石川雄貴(社2)がOFでも活躍。利き手とは逆のサイドからシュートを決める。しかしハーフタイム明けに不安を抱える法大はじわじわと点差を広げられてしまう。けれど調整不足で試合から遠ざかっていた守護神の柿崎雅俊(デ工2)が3連続を含むファインセーブを連発し、チームのピンチを救う。さらにバックプレーヤーの調子が悪いとわかるやいなや、北川誠人(経3)と猪俣淳三郎(経2)を投入し、リズムの変化を図る。要所でタイムアウトを取り、残り5分で1点差まで詰め寄る。逆転を信じていた法大だったが、ここから悪夢が待っていた。攻守に活躍をしていた長谷川良介(社2)が二回目の警告を受け2分間の退場処分となると、DFが崩壊。5連続失点を喫し、順大が試合を決定づける。法大のわずかな反撃もむなしく、31ー34で敗北した。
つかみかけた勝利がこぼれ落ちた。欠けていたメンバーがチームに復帰し、万全の状態でこの試合に臨んだが、最後は気持ちの部分で押し負けていた。今季2部から昇格してきた順大のここまでの勝ち点は0で法大にとって絶対に勝たなければならない相手。まさかの敗戦に選手たちは肩を落とした。この結果わずかにあった可能性がついえ、最終戦を残しながら1カ月後に控える2部との入れ替え戦に臨むことが決まった。課題も多くある。しかし収穫も必ずあるはずだ。もう前を向いて戦うしかない。(蟹沢陽司郎)
コメント
佐藤浩監督
ー今日の試合を振り返って
これで入れ替え戦が確定してしまいましたので、そこに向けてこの悪い状態を引きずらないようにすることが今一番重要だと思います。
ー順大の印象は
相手は気持ちが強かったです。そういう強い気持ちでくることは分かっていたので、必死でやらなければいけなかったです。しかし気持ちのどこかで相手をなめている部分があり、そういうところが結局全部出て相手の最後まで諦めないプレーに押されてしまいました。
ー今日は坂野選手と柿崎選手が数試合振りの出場でしたが
そろったは良いのですが、彼らを頼ってしまうプレーが一部ありました。そうするがためにセットの攻めで前を狙わないで横パスが多くなって逃げてしまう形になりました。そうすると相手のDFは楽になりますので、次の準備を早くさせてしまいました。
ーリーグ戦最後の東海大戦に向けて
今日の一番の課題は前に前にというプレーができず、横に逃げてしまったところが多かったです。それを縦にすることです。行っても前に向けないのであれば、ポストが浮いてそこからパスした後パスをした選手が裏を走るというように、意識的に前に進むようにと指示しています。そういった形で自分たちのプレーができればいいなと思います。
坂野翔也
―今日の試合を振り返って
今日を含めて残り2試合は本当に大切な試合だったのですが、DFから自分たちのリズムにのることができず、OFでも全員横へのパスが多くなってしまい前を狙う意識が足りなかったことが今日の敗因だと思います。
―中大戦以来、4試合ぶりの出場となりましたが
調子自体は悪くはなかったのですが、もっと周りに声をかけたりという部分で配慮が足りなかったです。
―けがの状態はいかがでしたか
けがはしっかりと治してきたので、良いコンディションで臨めました。
―入れ替え戦に向けて取り組んでいくことは
DFの確認をしっかりしたいですね。隣同士もっと声をかけあって(DFの)質を上げていかないといけないです。OFではやはり前への意識を一人一人がしっかり持てるように突き詰めていきたいです。
―最終、東海大戦に向けて
負けてしまったことは切り替えて、今日でた課題をしっかりと修正して、入れ替え戦につなげるという意味でも良い試合をして勝って終わりたいです。
北川誠人
―今日の試合を振り返って
負けてはいけないチームに対して、DFが機能しなかったりだとか自分たちのリズムに乗れなかった試合でした。また、またやられてはいけないこともやられてしまった試合だったと思います。
―自分たちのリズムが作れなかった要因は
キャッチミスやシュートミスだったりとか、ディフェンス3枚目が当たらなければいけないところを当たらなくて上からバンバン打たれてシュートが入ったりする場面が多かったです。それで流れが作れなかったりという部分はあったので、それができていれば自分たちの速攻もできていたと思います。
―逆に順大の速攻は多く決まっていました
戻りが遅いのもそうですし、消極的なミスがありすぎました。OFの時に横パスがあったり、自分たちが前を向いて攻めていない状況でカットされたりされて戻れない、というミスが多く、そのミスで決められた場面が多かったです。
―試合前には前半の接戦の展開を予想していましたか
僕たちは圧倒して、差をつけて勝とうということで入っていたので、トントンで行くつもりはなかったです。差をつけて余裕で勝とうというのがあったんですけれど、気持ちの問題で差が開かなかったりするような展開になってしまいました。
―ご自身の調子は
リーグ期間中調子は悪くなかったので、あとは準備をして、そういう機会があるのなら自分のプレーをしっかりやろうというそれだけなので。今日はその目標はできたかなと思います。
―かなり攻めていた印象でした
みんなが横パスだったので、誰かが縦を狙わないとずれないし攻められないので、それだったら僕がミスはしてはいけないんですけどミスしても良いような感じで強く思い切りいこうかなと思ってやっていました。
―終盤に退場者が出たところからチームが崩れてしまったのでしょうか
あの時間に退場は結構痛いんですけれど、自分たちが1つになって守ればどうってことなかったので、それはやはり僕たちの気持ちの問題だと思います。
―入れ替え戦に回ることが決まりました
入れ替え戦に行ったとしても入れ替え戦で勝てば良いので大丈夫です。しかしやはり2部の1,2位チームは勝ち癖がついていて、その波に乗られたらまずいので、僕たちはやらなきゃいけないことをしっかりやっていこうと思います。雰囲気は、勝てるという気持ちがあれば問題ないので大丈夫だと思います。
―最終戦に向けて
明日勝てれば最下位はないので、1勝できるように頑張ります。
柿崎雅俊
ー今日の試合を振り返って
自分も久しぶりに出場して、出たらちゃんとやろうと思っていました。でも、チームが気持ちが入っていないわけではないんですけど、どれだけ(点差を)離せるかという話をして戦っていたので油断がちょっとあったのかなという気がしました。
ー思ったよりも点を取られてしまった理由はどのような点に原因があると思いますか
キーパーとDFが合っていなくて打たせるシュートが無かったです。チームがあまりまとまっていなかったのかなと思います。
ー以前に佐藤監督が柿崎選手からの素早い返球を受ける選手がいないことを課題とおっしゃっていたのですが、改善はされていますか
球出しの前に、DFも守れていなかったですし自分も(シュートを)止められなかったので、もはやそこまでにいかなかったです。点を決められてしまったので。
ー一番の敗因は
ちょっとした油断だと思います。
ー順大の印象は
相手は気持ちが入っていましたし、気持ちが伝わってきました。スピードもあって間を狙ってきたりしていたので、法政を結構研究してきているなと思いました。相手の方が努力しているなと感じました。
ー今日は3試合振りの出場でしたが
ハンドボール自体も久しぶりだったので、鈍っているなと思いました。
ー前2試合は応援席にいらっしゃいましたが、外から見て何か学んだ点はありますか
国士大戦の時は、チームの雰囲気とかも本当に良くてキーパーとかも分かっていたので勝てる試合だったんですけど、それで勝てないのは法政の弱さかなと思いました。自分たちのミスが多すぎるので、練習の時点でミスをもっと無くしていかないといけないなと思いました。
ー柿崎選手は学部的にあまり練習に参加できていないと思いますが、少ない練習をどのように取り組んでいますか
自分から声を出して、チームの雰囲気を盛り上げたいです。
ー最終戦に向けて
良い雰囲気で入れ替え戦に行きたいので、もし自分が試合に出られるなら、チームを盛り上げて良い雰囲気で勝って入れ替え戦に行きたいです。
フォトギャラリー
- 積極的な縦の攻めを見せた北川
- 3試合振りに出場した柿崎
- シュートを狙っていく坂野
- 体勢を崩しながらも力強いシュートを放つ渡邉大貴(社3)
- スピード感のある攻めを見せる石川
- 速攻へ持っていく竹内光春(経4)
- 激しいDFを受ける長谷川