【テニス】平成27年度関東学生テニストーナメント大会 単複ともに準優勝に終わるも、手ごたえつかむ
平成27年度関東学生テニストーナメント大会
男子シングルス、ダブルス決勝
2015年5月10日(日)
有明テニスの森公園
大会最終日、迎えた決勝戦。法大は、男子シングルスに大友優馬(スポ4)、男子ダブルスに大友・杉本椋亮(社4)が出場した。両試合ともに接戦となるが、どちらも惜敗。優勝はかなわなかった。
試合結果
男子シングルス決勝
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
● | 大友優馬(スポ4) | 3-6,6-4,2-6 | 上杉海斗(慶大) |
男子ダブルス決勝
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
● | 大友優馬・杉本椋亮(社4) | 6(5)-7,6(10)-7 | 今井慎太郎・河野優平(早大) |
戦評
来る大会最終日。日差しが照り付ける中行われた決勝戦には、男子シングルスに大友が、ダブルスには大友と杉本が出場した。
男子シングルス、大友の相手は上杉海斗(慶大)。ここまで第1シードの今井(早大)や村上彰啓(経3)を倒し躍進している人物だ。試合は上杉サーブから始まる。第2ゲームで相手のリターンエースや力強いウィナーが冴えブレイクされるも、第3ゲームでブレイクバックに成功。その後も好調を期すサーブが光るも、またもや第6ゲームでブレイクされてしまう。巻き返しを図りたい大友だったが、相手のテニスに押されてしまい、そのままファーストセットを3-6で先取されてしまう。第2セット、第3ゲームまで両者サービスゲームをキープした状態で、大友がメディカルタイムアウトをとる。「(体のコンディションをあげること以外にも)流れを変えたいと思った」と大友が語るように、タイムアウトの後、大友の調子が上がり、第5ゲームでブレイクされるも、鋭いショットですぐにブレイクを返す。その後もキレのある球で相手のミスを誘い、第10ゲームでブレイクに成功し、セカンドセットを6-4でとり、試合はイーブンに。試合の流れをつかみ、流れにのる大友はファイナルセット、第2ゲームでブレイク。そのまま高い打点からのフォアハンドウィナーが光り、2ゲームを連取。このまま試合は大友の流れでいくと思われたが、上杉が猛攻をしかける。第5ゲームでブレイクバックされると、第7ゲームでもブレイク。大友の甘いショットにも確実に対応し、ポイントを重ねていく上杉。再び試合は上杉の流れになりつつある中、大友も負けじと持ち味の力強いショットを重ねるも、ブレイクはならず。2-6でファイナルセットを落としてしまった。
惜しくも優勝はならなかった
男子ダブルスは、第1シードの早大ペア、今井慎太郎・河野優平ペアとの対戦。今井はシングルスでも第1シードの強者だ。ファーストセット第1ゲーム、大友サーブから試合開始。速いサービスで相手を圧倒しキープ。杉本の確実に決めるボレーや、大友の絶妙なスライスショットが随所で見られるが、両者一歩も譲らず。第9ゲームでブレイクポイントを握られるも、大友のサーブが功を成し、キープ。そして、試合はタイブレークへ。大友サーブから始まったタイブレークだったが、最初のポイントからブレイクされてしまい展開は劣勢へと進んでいく。もう一つミニブレイクを追加され、第7ポイント。サーブボレーが光り、ミニブレイクを一つ返すが、そのまま5-7でファーストセットをとられてしまった。なんとしてでもとりたいセカンドセット。杉本の鋭いフォアショットが活き第3ゲームで早々にブレイクに成功する。その後も杉本のバックハンドのスライスショットや大友の安定したサーブでなんとかブレイクを重ねたいところであったが、第6ゲーム。ラブゲームでブレイクバックされてしまうと、そこから相手が徐々に勢いを取り戻す。今井の2連続サービスエースなど、ブレイクのチャンスを与えない相手のテニスに呑まれ、またもやタイブレークに突入。激しいネット際の攻防を制する場面も見受けられたが、集中した相手のプレーが先行しタイブレークは10-12で終え、敗北を喫した。
ダブルスもまた接戦の末に敗戦
単複ともに決勝に進んだが、どちらの試合もあと一歩届かず。大友、杉本両者にとって最後の春関(関東学生テニストーナメント大会)となったが、初めてダブルスを組んだ今大会で決勝まで進んだということは、彼らの自信にもなるはずだ。シングルスでは、惜しくも準優勝だったが、まだシーズンは始まったばかり。今回見つかった課題を克服し、インカレ(全日本学生選手権大会)やリーグ戦につなげてほしい。(宮下尚子)
総評
多くの選手は、全日本学生テニス選手権大会(インカレ)への切符をかけて戦った本大会。法大で春関中(コンソレーションを除く)にインカレ本戦ストレートインを決めたのは、男子シングルス:大友、杉本、小村拓也(経4)、村上彰啓(経3)、塚越雄人(経3)、長田和典(スポ3)、松尾魁人(社1)、男子ダブルス:大友・杉本組、中島佑介(スポ4)・塚越組、小林理久(スポ4)・長田組、女子シングルス:林彩子(社1)、女子ダブルス:川島知枝(社4)・林組の、8名と4組だ。村上は、昨年の2回戦敗退から大きく順位を伸ばしベスト8入り。成長を感じさせた。松尾と林は、1年生ながらインカレ本直を決め、期待を感じさせる結果となった。そのほか、故障を抱えつつ奮闘した小村もインカレまでには調整をしてくるだろう。夏に向け個々の課題を修正し、インカレ、そしてリーグ戦へ。躍進を期待したい。(須藤未来)
監督・選手コメント
植村直己監督
―ダブルスの試合の方は、タイブレークまでいき、惜しかったですね
お互いにダブルスというより個人技の勝負な試合でしたね。流れが行ったり来たりしなくて、強気でいったもの勝ちと言いますか。もちろん向こうのサーブ力はあったのですが、つけいる隙はあったと思います。もう少しダブルスらしく、たとえばファースト(サービス)入った時のポーチだとか、ファーストボレーまでいって前をとってそこでボレーを何本か返して相手がミスをするとか。そういう『ダブルス』になってくるともうちょっと良くなるなと思いましたね。ちょっとまだ、一発エースに頼る部分があるので。もちろん杉本が前で一本打つときもあるので、それはそれで良いのですが、もう少し遠くからのボレーとか低いボレーなどが確実になってくれば、もっともっと強いと思います。今日は、相手のサーブをちょっと簡単にキープされすぎてしまったので、ああいうのをもう少し粘って、キープされても良いので一本二本とる、粘り強さがあると流れが来た時にもっていけますよね。タイブレークに入った時ですとか。そういうところで、サーブ力の差があったかなと思います。ダブルスは大事なところで良いサーブが入るかどうかという部分にかかっているので。
―お二人とも調子がイマイチあがらなかったですね
軽い肉離れをしたりだとか、背中や肩が痛いとかで、二人とも連戦で来ているので。4年生でちょっと就活もあったりして、特に杉本はあまり練習できていなかったですね。その中でも、よく単複で決勝まで行ってくれたと思います。2つとも決勝に行ったということは、夏につながっていくと思うのでね。最終日までくるということは、他のメンバーにとっても大変だと思うんです。ですが、ここで1番いい応援をしなければいけないですし、気持ちの面での体力だとか空元気でも声を出さなければいけないところなど、いろいろなところを学べたと思うので、チームにとってもシングル・ダブル決勝に残ったというのは成果になりますよね。
―今大会、村上彰啓(経3)選手が躍進しましたが
そうですね、本当に頑張ってくれました。代替わりをして、昨年の反省から練習量をチームとして増やしました。練習を阻害するような部の変なしきたりといいますか、そういったものをある程度やめようということになりまして。もちろん、体育会の礼儀やマナー、上級生が厳しく指導したりすることは構わないのですが、行き過ぎた決まりをやめよう、と。そういう体質を少し改善することで、練習量が増えたので、それを7か月やってきて。今大会では、ファイナルセットで勝つ試合が多かったと思うので、そういう積み重ねがでてきたかなと思います。あとは、試合を重ねたり、シングルスの速い動きの練習を増やしたりもしました。昨年はダブルスを重点的にやりすぎてシングルスがちょっとあまり良くなかったので、シングルスの練習も少し見直しました。人数が増えたので、昼休みもコート空けないようにローテーションにしたりしましたね。チームの練習自体が昨年よりも活気があると言いますか。村上もそういうなかで練習量が増えて、調子が良くなってきましたね。練習もすごく集中してずっとやっていて、昨年は合宿でけがをしてしまったんですけど、今年はけがもなく合宿で練習もできたので。試合にもトライし始めて、自分のスタイルを少し覚えてきましたね。新進戦(関東学生新テニス選手権大会)の時に、うまく出始めたんですけれど、3回戦で負けてしまって。その時、フォアハンドを打った方がいいんじゃないか、と。打つのも、エースを取りに行くのではなく、打つことで自分のディフェンスが楽になるので。あまり攻められっぱなしでなくなって、そういう部分で自分のスタイルが確立されてきたかなと思います。あとは、思っていたよりもできるという自信がこの大会でついたんじゃないでしょうか。上の選手と対戦して、もっとものすごく強いと思っていたところがあると思うんですけれど、実際戦ってみるともっといけるんじゃないか、と感じられたと思うんですね。そういうところを、もっともっと試合に出て実戦をすることで、試合でのメンタルを強くできると思います。表情も引き締まりましたし、彼は練習も生き生きとしてやっているので、本当に楽しみですね。
―1年生の活躍も目立ちましたね
小見山(僚・スポ1)、松尾はパワーがあって、サーブも良いですしね。林も動きが良くて実力を出し切れたんじゃないかなと思います。松尾はインカレ行きも決めて、よくやりましたよね。ダブルスで出た前崎(直哉・経1)を含め、その4人は本選に出たということが良い経験になったと思います。小見山は、(山田晃大・社3との)ダブルスも(高田航輝・上杉海斗ペアとの試合で)セカンドセットは惜しかったので、あれが最初からできていれば違ったと思います。まだ組んで日が浅いので、もう少し夏に向けて個々の技術もあげて、戦術が立てられるようになればもっと強いと思うので。インカレ予選を勝ち上がって、リーグ戦メンバーにも入れるような活躍を期待しているので。パワーがあることが魅力だと思うので、楽しみなペアだと思います。
―インカレに向けて
シングルスであれば、早い動きの練習で、心拍数が上がるような練習を一か月くらい前から取り入れていったのでそれをさらにやっていきたいですね。ダブルスは、ボレーの技術をもう少しあげていきたいです。サーブもそうですが、ボレーの技術が上がればダブルスは結構上がってくると思うので。ダブルスらしいダブルスをできるようにしていきたいですね。サーブが強くなればリターンも強くなりますし、ボレーの練習はやっぱり少し多めにやっていけたらと思います。あとは、個々の選手が自分のテニススタイルをどういうものにしていくか、をつかみ、そのためにはどういう練習が必要になるか、というのをね。上手く、選手が自分のテニススタイルを確立していければと思います、村上のように。練習だけでなく、試合に出て、また帰ってきたら練習で、実践を伴いながらやっていければいいのかなと思います。ただ上手くなるだけでなく、自分のスタイルをつくるということを考えながらやっていけば、と思います。
大友優馬
―今日の試合を振り返って
決勝戦ということで、雰囲気もこれまでとは全然違って。私自身、少し雰囲気に押される部分があって。これまでとはちょっと違ったような精神状態で、プレーをしていたのが自分でも分かったので。ちょっと冷静さを失っていたと思います。
―試合前、緊張は
緊張という感じじゃなかったんですけど、どうもこう、これを緊張というんですかね。なんだかすごい大丈夫かなっていう、不安な感じでした。
―メディカルタイムアウトについて
一応、腰のあたりがちょっと。痛かったは痛かったんですけど、どちらかというと流れを変えたいなと思って。自分も冷静じゃなかったので。一回ちょっとリズムを変えてみようと思って。
―第3セットとられてしまった要因としては
雰囲気に呑まれたままで、どうにかセカンドセットは落ち着いてプレーができたんですけど、ファイナルの時最初のほうでチャンスがあった部分でとれなくて、落ち着いてやっていれば、まだチャンスはくるはずなんですけど、そこでまた焦ってしまったので。精神的な浮き沈みが多い試合でしたね。
―上杉選手が今日とても調子が良さそうに見えました
でもそんなに良くはないと思いますけどね、多分足とか痛そうでした。両方同じようなコンディションだったんじゃないですかね。体的には。
―今日のコンディション
それは疲れてはいるんですけど、どちらかというと体の疲れを誘発してしまったその精神的な部分のほうが試合には影響したんじゃないかと思います。
―見つかった課題
今大会通じて、フォアハンドがすごい調子悪くて。バックハンドは得意ショットではないので、それほど気にはしていないんですけど、やはり得意ショットであるはずのフォアハンドがうまくいかないことが多くて。それはやっぱり技術的な面だと思うので、サーブも最後入らなくなったりボレーも入らなくなったりだとか、チャンスのところでとれなかったりとか、ミスが出てしまうというのがあって。ミスが出るとどうしても勝てないスポーツなので、そこはやはり全体的に練習していく必要があると。
―春関(関東学生テニストーナメント大会)を振り返って
大会2シードになるっていうのは、随分前から分かっていたので去年よりもプレッシャーがかかることは重々承知だったんですけど、調子が悪い中で、一応シードを守る上では決勝までいかないといけないんですけど、大きな目標として去年よりはベスト8だったので、ベスト4には入るというのは一つの目標としてやっていたので。その中で、2回戦とかそうですけど、厳しい試合をなんとか勝ちあがってこれたので前よりは精神的に自分がタフになったんじゃないかなと。今日の朝までは感じていたんですけど、やはりもろいなと。思った大会でした。
優勝まであと1歩及ばなかった
大友優馬・杉本椋亮ペア
―今日の試合を振り返って
杉本:悔しいの一言に尽きます。本当に悔しいです。悔しいです。
―作戦としては
杉本:ベースとしてサーブ、ボーン、ボレー、ボーンでいって、大事なところでフォーメーション使ったりして。
大友:今日はサービスキープだったからね。
杉本:サービスとにかくキープすることでした。サービスキープは大前提で、試合してました。
―相手の印象
大友:威圧感がありますね。体が大きいっていうのもあると思うんですけど、相手もやっぱりサーブ、ボーン、ボレー、ボーンなので。僕らが相手に対してどう見えてるかは分からないんですけど、イメージとしてリターンしにくいっていうのはありました。圧迫感があるというか。
杉本:サーブ、ボーン、ボレー、ボーン対決でしたね(笑)。真っ向勝負ってやつ、意地と意地のぶつかり合いみたいな。
―サービスキープが続くという展開は予想されていましたか
大友:キープしてないと、すぐ負けちゃう(笑)。
杉本:サービスゲームの時はもう、死ぬ気でとりにいってリターンの時はノープレだったね。
大友:とれない。
杉本:だからもう、ノープレでいこうということを話していて。
―敗因は
杉本:一本のとりきれる強さというか。
大友:僕の目線でいくと、タイブレ(タイブレーク)とかで僕のほうにセットポイントがきて、リターンが入ってはいるんですけどなんかさわられちゃっていうのがあったので。そこで逆を打てたら多分クリーンエースになっているだろうなというのが何本かあったので、その1/2でしたね。そこで攻めれるかどうかっていうような感じでした。
杉本:タイブレークだから、あと一本とれる強さをもっと身につけて、絶対とれるパターンみたいのをつくったほうが良かったかなと。ただ一本とるだけじゃなくて、自分たちのかたちというのを持っておけば良かったかなって思いました。
―杉本選手は、今日のコンディションはどうでしょうか
杉本:絶好調です。
―春関(関東学生テニストーナメント大会)を振り返って
杉本:そうですね、僕シングルスがふがいない試合で終わってしまったので、ダブルスで集中しようということで、やっていたんですけど、結果決勝までこれて満足ではないですけど、初めて組んだ大会でここまでこれたっていうのは自信になりましたし、今後につながる試合ができたかなと思ったので、収穫の多大会になりました。
大友:初めて組んだ大会であって、インカレを決める大会で。就活とかもあってあんまり練習する機会もいつもほど多くはなくて。正直ちゃんとインカレの権利をとれるか不安な部分もあったので。とれれば上出来だなと思っていたので(笑)、ここまでこれて驚きです。
杉本:8、16くらい(に入ることを予想)だったね。
―今日見つかった課題は、先ほどの一本を決めるということでしょうか
杉本:あと、サービスリターンかな。ファーストボールかな。ファーストボールっていうのは最初にさわるボールで、サーブだったり、リターンだったり、ファーストボレーとか。ファーストボールの硬さ、レベルの底上げをできればいいかなと。そこが課題だったかなって。前からなんですけど、特に今回決勝やってみて強く感じました。
―インカレに向けて
杉本:優勝します。絶対に優勝します。約束します。
大友:約束はしないけど、単複とります。
杉本:名を残します。
大友:楽しくやります。マナーに気をつけます!
杉本:そうですね(笑)、インカレはマナーに気をつけます。
相手のサーブに食らいつく杉本(奥)・大友
フォトギャラリー
- 毎日2試合を戦い抜いた大友
- 前に出て果敢に攻めた
- 杉本は新進に続くダブルス優勝を目指したが、惜敗
- これからダブルスとしての精度アップが期待される
- *裏方*
- 多くの部員が試合を見守っていた
- 女子テニス部も応援に駆け付けた
- 大友のシングルスの試合でボールボーイを務めた志田将(スポ1)
- ダブルスでのボールボーイ小見山