【フェンシング】全日本学生フェンシング選手権大会~男子サーブル&女子エペ個人~男子サーブル大崎が初優勝!準優勝に高橋が続く!女子エペは上位進出ならず、団体戦にかける
全日本学生フェンシング選手権大会
2014年11月10日(火)
駒沢オリンピック公園体育館
2日目も男子は上位を独占。男子サーブル大崎葵一(営3)が初優勝を果たし、続く2位には高橋優作(法2)が入った。インカレ初優勝を狙った安藤光平(法4)は準決勝で敗れるも3位へ。一方女子エペはベスト8入りも逃す不本意な結果に終わった。
総合成績
種目 | 出場選手 | 順位 |
---|---|---|
男子サーブル | 大崎葵一(営2) | 優勝 |
高橋優作(法2) | 準優勝 | |
安藤光平(法4) | 3位 | |
大槻達哉(営2) | ベスト16 | |
柳嘉亮(文1) | 〃 | |
吉井想(営1) | 2回戦敗退 | |
横尾知浩(社1) | 〃 | |
佐藤篤志(法2) | 1回戦敗退 | |
女子エペ | 池田五月(文3) | ベスト16 |
富永恵美(法1) | 〃 | |
小林未来(文4) | 1回戦敗退 |
男子サーブル個人 戦評
インカレ2日目。前日の男女フルーレ個人戦に引き続き、上位入賞、そして優勝を狙う法大選手たちの姿があった。
男子サーブル個人戦には安藤光平(法4)、大崎葵一(営3)、高橋優作(法2)、大槻達哉(法2)、佐藤篤志(営2)、柳嘉亮(文1)、吉井想(営1)、横尾知浩(社1)の8人の法大選手が本戦へ参戦した。
8人中7人がシードにより1回戦が免除され2回戦からスタート。唯一、1回戦を戦った横尾(社1)。無事勝利を収め全員が2回戦へ駒を進める。安藤、大崎、高橋らは2回戦、3回戦を危なげなく勝ち進んでいき、ベスト8の仲間入りを果たす。2回戦で佐藤は今季の関カレで優勝した曽我(中大)と対決する。序盤は主導権を握られるも、徐々に点数を返していき9-10まで盛り返す。点差を縮めたことで油断したのか、その後は5連続でポイントを連取され敗北。吉井はペースを保持し、14—10とあと一歩のところまで攻め込むもランプを灯すことができずに惜敗してしまう。横尾は2回戦で同校の安藤と試合が開始された。試合のイニシアティブは常に安藤に掌握され、横尾は攻め切ることを許されず8—15。大槻は2回戦、15—6と快勝するも、3回戦に横尾に続きまたも安藤と対決。流れをうまくつかむことができずに8—15と敗北を喫する。柳も2回戦を辛勝し3回戦に勝ち進んだものの、川浪(朝日大)との対決は終始相手にリードを許し5—15と力の差を見せつけられる。
準々決勝、高橋は日大の吉川と対決。「今インカレの中で一番ロースコアに抑えられた」と語るように、先制点決めると序盤からポイントを奪取。2度の5点連取で相手を圧倒し15—5と快勝。大崎、安藤も高橋の勝利に続くかのように手ごわい相手を破り三人ともベスト4へ。
準決勝では大崎と安藤の法大対決が行われた。安藤にとってはこれで三度目となる同校対決。試合開始から緊迫した雰囲気が漂い中二人の力がきっ抗する。中盤までお互い互角の攻防戦が続いたものの、大崎の突きで終盤その均衡が崩れる。14—10となり安藤も前へ前へと果敢に追い上げるも勝利のランプは大崎に灯り15—13で大崎が決勝戦の舞台へ進んだ。
高橋は慶大の町田と対決。予想のつかない試合展開に会場が固唾を飲んで見守る。一進一退の戦いは終わりが近づくと高橋が4ポイント連取。勝利を収め決勝戦へ。
3位決定戦では安藤が町田に対して常にリードを保ち3位を勝ち取った。
男子サーブル個人の決勝戦では大崎と高橋の決戦が実現した。先制点を決めることで出だしは高橋が5—1と主導権を握る。後輩に負けたままではいられない大崎は点差を詰めていく。中盤からは大崎の剣技が光り、高橋に追いつくだけでなく着々と点差を突き放し、15-11で大崎が優勝へと輝いた。
大崎(右)と高橋(左)が決勝を戦った
「これまで頑張ってきたかいがあった」。優勝の瞬間、大崎は喜びをかみしめた。
準優勝の高橋、準決勝では町田(慶大)との激闘を制した
3位を決めるも、インカレでの優勝はついにかなわず。安藤は悔しさをにじませた。
男子サーブル個人戦では1位、2位、3位を法大陣で埋め尽くした。昨年のインカレでは3人がベスト8、ベスト16止まりであったが今大会では大躍進。大会はまだ半ばに差し掛かったところで、団体戦が残っている。法大は団体戦でも己の力を発揮し、優勝するのは必中ではないだろうか。(和多慎之介)
女子エペ個人 戦評
女子エペ個人戦にはキャプテンの小林未来(文4)、昨年度同大会準優勝の池田五月(文3)と先日行われた関東インカレで優勝を果たした富永恵美(法1)が出場。
予選プールの結果よりトーナメント一回戦からの出場となった小林は奥村(明大)と対戦。小林にとっては最後のインカレで結果を残したいところだったが、中盤の連続失点が響き無念の一回戦敗退となった。二回戦から出場した富永は佐久間(日体大)と対戦し、一本勝負までもつれ込む接戦を制し三回戦へ進む。池田は高木(日大)に序盤はリードを奪われるが、14-13で迎えたマッチポイントを同時突きで何とか勝利し三回戦に繋げた 。
小林(右)は無念の初戦敗退
ベスト16が出揃い観客の一層熱のこもった応援が飛ぶ中、富永が大迫(日大)と激突。中盤に連続失点するが一挙に6点奪う場面も見られ、10-10の接戦に持ち込む。ベンチの小林からの指示で気持を入れ直し後半で勝負に出るが、あと一歩及ばず敗戦。関カレ王者はベスト16で姿を消した。隣のピストでは池田が横井(日大)と対戦。序盤に8連続得点を許しなかなかペースを掴めない。結局、最後まで勢いが感じられないまま7-15のダブルスコアで敗れた。
昨年準優勝の池田だったがベスト16で敗れた
関カレ優勝の富永もベスト8入りならず
僅差ではなく力の差を見せつけられ敗戦となった女子エペ個人戦。3選手とも満足のいく結果とはならなかったが、敗戦から得られた課題も多くあっただろう。この悔しさを糧に次の団体戦では栄光をつかみ取って欲しい。(竹内大将)
選手のコメント
大崎葵一(男子サーブル 優勝)
―個人戦優勝おめでとうございます
ありがとうございます。実感があまりないですけどうれしいです、やっとって感じで。大学に入って徐々に成績を上げてきて、これまで頑張ったかいがあったなと思います。
―関東インカレから今日まで準備されてきたことは
2週間しかなかったのでなるべく疲れを取ることと、関カレの時にだめだったことを意識して練習してきました。
―特にどういったところを意識されましたか
いつも下がりで我慢できなくて前で勝負することが多かったんですけど、なるべく足で切ったりして相手に出させてから仕掛けるという感じで我慢しました。それがいい感じにはまって よかったです。
―準決勝、決勝と同校対決でしたがやりにくさは
ここまで来たら思いっきりやろうと思っていました。安藤先輩はいつもお世話になっているので、最初は接戦になればいいと思っていたので勝ててよかったです。決勝は御付きの後輩だったので最後は楽しくやりました。
―普段の練習では勝てていましたか
だいたい安藤先輩に負けているんですけど、3年目にしてようやく勝てました。
―今回の内容は100点満点中、何点ですか
95点です(笑)。超良いとはまだ言えなくて、審判に熱くなってしまうことがまだあるのでもっと冷静になれたらなと思います。
―大崎選手の得意な攻め方は
自分はそんなに安藤先輩のように技術はないので、スピード勝負でやって います。スピードでいってそれにビビった相手にトリッキーな技で攻めれるのが理想です。
―逆にやりにくい相手は
法政に左のサーブルがいないので左利きとか、自分のスピード任せなところを知っていて誘って来たりする選手が苦手ですね。
―新たな目標はできましたか
次の個人戦は全日本選手権なのでちょっとは結果が出るように頑張りたいです。
―次の団体戦に向けて意気込みを
インカレ3連覇と今年の大学のタイトル4冠を狙います。
高橋優作(男子サーブル 2位)
―準優勝おめでとうございます。今のお気持ちは
ありがとうございます。ここまで来れるなんて思っていなかったので嬉しいです。
でもトーナメント表を見た感じでは”勝てないな”と思う相手は正直いませんでした。接戦接戦の繰り返しでなんとかベスト8まで勝ち進んで、準々決勝の吉川選手(日大)はとても強い人なんですけど、自分はたまたま相性が良くて、昨年のインカレでも当たって勝てたので今回も勝つぞと思い挑んだ結果、今インカレの中で一番ロースコアに抑えられてスムーズに勝てたのでよかったです。
準決勝では、今季の関カレを優勝した曽我(中大)さんと対決するんだと思っていて厳しいなと感じていたんですけど、町田(慶大)さんとの対決となり、勝つぞという気持ちと運で何とか2位になれました。
―大会前は何位を予想されましたか
昨年がベスト16だったので、今回はベスト8に入って選手紹介に行きたいなと思っていました。
―試合内容はどうでしたか
試合前は不安が残る練習で終わっていたんですけど、いざ試合が始まると仲間のアドバイスもあり、いい動きができました。
決勝では体力が尽きてしまって後半は思うようなプレーが出来ませんでしたが、それ以外はベストの試合が展開できたと思います。
―今日の試合内容は100点満点中何点ですか
目標は超えられたので90点ですね。あとはもっと足を動かしていける様に体力をつけていきたいです。
―一番印象に残った試合は
今日の試合で一番焦ったのは準決勝の試合です。他の試合では接戦の中でも余裕があって、点を取られても抜かされても次のポイントは取れるぞという明確なプランがあったんですけど、準決勝は焦りがあって、何とか勝てた感じです。
―法大同士の対決はやりにくいですか
とてもやりづらかったです。法政大学には強い人たちが集まっていて普段の練習ではボコボコにされているので、そのイメージがありました。
だからいつもとは違うことをしないとという焦りがあったんですけど、今日は練習よりいい試合ができたので良かったです。
他大の人たちと試合するときは、普段一緒に練習しないので”よし勝ってやるぞ”と意気込んで試合に臨んでいます。
―練習では自分の技を全て出すんですか
そうですね。個人戦も大事なんですけど団体戦は絶対に優勝したいので、その為に隠したりはしません。
法政大学には強いライバルがたくさんいて、そんな中で本気を出し合って、切磋琢磨練習している感じです。
―課題は見つかりましたか
今までの試合で自分が点を取るときは自ら前に出る時が多くて、守るときはやられていたので今回はとにかく前へ前へと思っていました。
自分がアタックして切れなくて下がったとしても、ポイントを奪えるようにしたいです。気持ちの面でも決勝の時集中できていませんでしたし、体力面でも後半動けていない時があったので、体力面・気持ち・下がりの3つが課題です。
―雰囲気はどうでしたか
試合に入っていない時にはベンチに入ったり、自分が試合に敗れても仲間を応援していて、良かったと思います。
―目標はなんですか
個人戦では1.2.3位を取れたんですけど、まだインカレには団体戦が残っているので、勝って優勝したいです。
フォトギャラリー
- 大崎と安藤が準決勝で激突
- 安藤に敗れた大槻
- ベスト8入りを逃した柳
- 横尾は2回戦敗退
- 吉井は際どい判定も2回戦敗退
- ベスト8メンバー。大崎(左から4番目)、高橋(5番目)、安藤(7番目)