• HOME
  • 記事
  • フィギュア
  • 【フィギュア】第88回日本学生氷上競技選手権大会 全員でつかんだ部門優勝!宮田は男子Aクラスで準優勝に

【フィギュア】第88回日本学生氷上競技選手権大会 全員でつかんだ部門優勝!宮田は男子Aクラスで準優勝に

スケート

【フィギュア】第88回日本学生氷上競技選手権大会 全員でつかんだ部門優勝!宮田は男子Aクラスで準優勝に

第88回日本学生氷上競技選手権大会
2016年1月4日(月)~7日(木)
栃木県立日光霧降アイスアリーナ

今シーズン学生最後の戦いとなる日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)。法大からは男子Aクラスに3人、女子Aクラスに1人が出場した。
男子では宮田が準優勝。服部、渡部が8位9位と並び、男子フィギュア部門で法大が団体優勝となった。女子は藤澤が9位。
また、氷上インカレ全種目(フィギュアスケート・スピードスケート・アイスホッケー)において法大が総合優勝に輝いた。

2
見事フィギュア部門優勝を果たした

試合結果

最終結果

クラス 選手名 学年 学部 順位 SP FS T
男子Aクラス  宮田大地 1 2 61.59③ 131.34② 192.93
 服部瑛貴 4 8 53.10⑨ 110.17⑧ 163.27
 渡部幸裕 4 通信 9 55.99⑧ 104.03⑩ 160.02
女子Aクラス 藤澤亮子 2 9 42.67⑭ 85.14⑧  127.81
  ※SPはショートプログラム、FSはフリースケーティングの略。丸数字は種目別順位

戦評

男子AクラスSP

 独特な振付から始まる宮田のショートプログラム「シンドラーのリスト」。最初の3ルッツ+3トゥーループで着氷が乱れ、氷に手をついてしまう。直後の2アクセルは綺麗に決め、いつもの調子を取り戻していく。他の要素も1つ1つ確実にこなし、しなやかなステップや安定感のあるスピンを披露。また手足を大きく使い、表現力豊かな演技で観客を魅了した。得点は61.59の3位。フリースケーティングでは完璧な演技を見せ、さらに順位を上げてほしい。

  大声援の中登場したのは渡部。今大会「ロクサーヌのタンゴ」を使っている選手が多い中で、「本物のロクサーヌ」を目指した。6分間練習ではジャンプが不調に思われたが、冒頭の3トゥーループ+3トゥーループと得意のワタベルッツ(3ルッツ)を誰よりも高いジャンプでさく裂させ、観客を沸かせた。これで調子がつき、スピンの回転もこれまでの渡部よりもスピードがあり、華麗なものとなった。続く2アクセルもクリーンな着氷で成功。今回彼の注目すべきは、その後からのステップシークエンスだ。「ステップは楽しむ」その言葉通り終始笑顔をのぞかせながら、ジャッジへ向けて渾身の演技を披露。ここまで全ての要素を成功させたことも相まって、「気持ちが自然と乗った」という。フィニッシュで掲げた拳が「俺が本物のロクサーヌだ!」と語っていた。スタンディングオベーションもあり、フィニッシュ後は仲間の方へ振り返り満面の笑みでピースサインを送った。自信たっぷりのSPは55.99点とパーソナルベストを叩きだした。

 法大男子3人の中で1番最後の滑走となった服部。リンクへと現れた彼の表情は、硬く見えた。今季のSPは「お客さんに楽しんでいただけたらと思って作ってもらった」というプログラム。演技直前、客席からだけでなく他大の選手、そして法大スピード部門の選手からも「ガンバ!」と応援の声をかけられる。軽快なジャズが流れ始め、遊び心のある振り付けと笑顔で演技冒頭から、観る者を惹きつける。直前の6分間練習では成功した、3トゥーループ+3トゥーループは惜しくも着氷が乱れてしまう。その後のジャンプ、3ループと2アクセルでも着氷時バランスを崩す姿が見られた。ステップではつまずいてしまい、ミスが重なったものの、武器である表現力でカバー。何よりちょっとしたミスだと、振り付けの一部に見える「流れ」があった。演技はまとめあげたものの、今シーズンの演技の中では全体的に精彩さを欠くものとなった。点数は53.10点で9位。演技後、「緊張して、体がガチガチになってしまっていた」と語る服部。引退まであとわずかということもあり気負ってしまうこともあるだろうが、最後まで「楽しんで」滑ってほしい。

女子AクラスSP

 最後に登場したのは藤澤。法大女子唯一の出場となった。曲は「リベルタンゴ」。シックな衣装に身を包み、演技を披露した。冒頭、インカレに合わせて取り組んできたという3ループが2になってしまう。しかし「ダメージなく次に繋げられた」という本人の言葉の通り、続く3トゥループ+2トゥループを綺麗に着氷し、流れに乗る。中盤の藤澤らしい丁寧なスピン、ステップは会場を沸かせた。課題となっていた最後の2アクセルをパンクすることなく見事に降り、演技を終えた。演技後には首を傾げる姿も。得点は42.67。最初のジャンプの失敗が響き、得点を伸ばすことはできなかった。フリーでは「ゆっこスマイル」を見ることはできるだろうか。

男子AクラスFS

 「ルッツだけは誰にも負けたくない、誰よりも高く」、「楽しんで滑る」という目標を抱いてFSに挑んだ渡部。彼の選手として最後の演技を見るために、リンクサイドには法大だけでなく沢山の他大の選手が応援に駆け付けていた。「ふたりでスローダンスを」、全日本では見られなかったFSをファンも心待ちにしていたに違いない。まず演技冒頭の3ルッツ、その完成度は渡部自身「今までで1番良かった」と振り返る出来だった。勢いそのままに続く2つの3回転+2回転のコンビネーションジャンプも成功させていく。途中手をつく場面も見られたものの力強いジャンプとは対照的に、ステップシークエンスでは今はいない女性を思い浮かべ追いかける、柔らかな振り付けで観客を魅了する。演技後半は表情も苦しげになり、スピンではミスもあったがほぼノーミスの演技に会場はスタンディングオベーション。SP、FSどちらも観客総立ちで拍手を贈った。総合得点160.02点で9位。上位入賞とはならなかったが、観客から贈られるその拍手には感謝、選手引退を惜しみながらも新しい門出を祝う気持ちが込められているようだった。

 渡部の演技から「自分も頑張ろう」と意気込んだ服部。始めの3ルッツを綺麗に着氷したが、次のコンビネーションでは予定していた3ループ+2トゥーループではなく2ループ+2トゥーループとなってしまう。その後も3ループで転倒や2アクセルで手をついてしまうミスも見られたが、情感のこもった表現力と安定したスピンは健在。最後の曲が盛り上がる場面でのジャンプも「決めてやろう」という気持ちが強すぎて力みすぎてしまい、まさかのシングルトゥーループに。苦笑いの表情も見られたが、締めのコレオシークエンスでは体を大きく使い、繊細で雄大な「トゥーランドット」を表現した。このときの心情を「感謝の気持ちを伝えたいと思いながら滑りました」と語った服部。観客にもその思いは十分伝わったはずだ。フィニッシュ後は悔しそうな笑顔。総合得点は163.27点で8位。今大会では悔しさも残る結果となってしまったが、現役最後の演技は最高の笑顔で締めくくってほしい。

 法大3人目の登場は、SPを3位で折り返した宮田。曲は「ブレイブハート」。冒頭の3ルッツ+3トゥループを綺麗に降りると、続く3フリップ2トゥループも見事に決める。全日本選手権では手をついた3ループは、今シーズン初めての成功。ガッツポーズが飛び出した。スピン、ステップでは曲に合わせ、力強さと切なさを見事に表現。会場を宮田の世界観に引き込んでいった。その後も次々とジャンプを決めていく。「気負うことなく」という言葉の通り、1年生とは思えない圧巻の演技を披露した。最後の2アクセルの着氷後にはもう一度ガッツポーズ。完璧な演技で会場を魅了し、笑みが溢れた。代表に選出された世界ジュニアまであと少し。調子は上々。今大会の経験は、次なる高みへ繋がるだろう。成長著しい法大のルーキーが世界に挑む。

女子AクラスFS

 法大勢最後の演技は藤澤。フリーの曲「Sleeping  Beauty」に合わせ、滑らかなスケーティングが始まる。冒頭のジャンプを綺麗に決め上々な滑り出しを見せると、続く3トゥーループやコンビネーションジャンプも成功。またスピンやステップでも、いつも通り安定感のある美しさを見せた。今まで不調が続いていたジャンプも今回は全て成功させ、完璧な演技を披露。「今できることは全部やった」と語った藤澤は笑顔を見せた。フリーの結果は85.14で8位、総合で127.81と9位で幕を降ろした。

 上記の結果、男子フィギュア部門では法大が団体優勝となった。4年生は法大生として最後の舞台をこのような形で締めくくれたことに満足しているようだ。彼らは次に広がる道へ。残された後輩たちはさらなる高みを目指していく。それぞれの思いは胸に残り、今年度の学生の大舞台は幕を閉じた。(宮下優希・梶山麗・安藤優花・阿部暁野)

選手コメント

服部瑛貴 主将

(SP後)

―SPを振り返って
緊張して体がガチガチになってしまったのが、全体としての印象です。

―全日本よりも緊張しましたか
はい、しました。全日本は楽しく滑れたんですけど、チームメイト2人が先に滑ったのを見ていたので僕もきちんとやらなきゃっていう気持ちが先に出てしまって、少し固くなってしまいました。

―演技前チームメイトとの会話はありましたか
あったんですけど、本当にどうでもいいものしか(笑)。例えば、明大と関大との戦いをどこが制するかみたいな。

―直前の6分間練習では3回転のコンビネーションジャンプを成功させていましたが、演技本番では着氷が乱れてしまいました
そうですね、1回氷から上がってもう一度自分の演技をするのに戻った瞬間に、緊張してるなって自分でも分かるくらい色んなことを考えていたので、そのせいかなと。

―いつもどうやって緊張をほぐしていますか
いつもはそんなに緊張しない方だと思うので、特にこれといってリラックス法みたいのないんですけど、今回は若干意識してしまったのかなと。チームに迷惑をかけられないなっていうのがあったので。チーム戦の良い所でもあるんですけど、悪い部分でもあるのかなと思います。

―全日本から今日まで期間も短く、調整が難しかったと思いますがコンディションは
体調はもう良好でした。練習もきちんとすることができて、程よくお正月も体を休めることができて、コンディションはきちんと整えることができたと思います。

―インカレまで具体的にはどんな練習を
(全日本から)帰ってきて、FSの甘さが全日本で感じた部分だったので、FSの曲かけを中心にしました。SPは自信があったので、FS程は力をいれなかったんですけど。ちょっと今回はコンディションよりも先にナーバスになってしまったのかなと思います。

―演技中は、法大のスピードスケート部門の選手も応援に来ていました
もう本当に感謝ですよね。普段接することが無いので、より一層嬉しかったです。

―明日のFSではどんな演技を
全日本の時はお客さんを泣かせるみたいなことを言ってたんですけど、今回は1つ1つの技に集中して。正直なところ(宮田)大地に勝つ自信は無いんですけど(笑)、完全優勝に向けての立役者になれるように頑張ります。

(FS後)

ーFSを振り返って
疲れました(笑)。チームメイトとお客さんに拍手で押してもらって最後まで滑り切ることができました。

ージャンプも2つ抜けてしまいましたが
ループが、今までの入り方が不安だったのでターンからジャンプを跳ぶように変更して挑んだんですけど、それでもやっぱり力んでしまって、一つ目のループが抜けてしまいましたね。最後のトゥーループは曲が盛り上がるところだったので決めてやろうと思ったら、パーンとシングルトゥーになっちゃいました(笑)。ほんとに最後の最後でしたけどあれで力が抜けて、その後の最後は持っていけました。

ーコレオシークエンスは心がこもっていたのがと伝わってきましたが、どんな事を考えながら滑っていましたか
もう、みんなが見てくれているし、チームメイトが支えていてくれているし、自分の演技っていうよりも感謝の気持ちを伝えたいなと思いながら滑りました。最後は。

ースタンディングオベーションもありましたね
たぶん曲のせいと(笑)、最後がああいう構成ということでスタオベしてもらったんですけど、最後の国体では全員にスタンディングオベーションしてもらえるように頑張ります。

ー渡部選手がとても良い演技をした後の滑走でしたが、プレッシャーなどはありましたか
確かに続かなきゃとは思いましたけど、結構良い意味で捉えて見ていたので、そんなにプレッシャーに感じることはなかったです。「自分も頑張ろう」という力になりました。

ー法政の部員全員で話したことはありましたか
ホテルの部屋が男子みんな一緒で、生活リズムが一緒だったんですけど、いつものような自分のルーティンは正直みんなこなせなかったと思うんですよ。でも、結局みんな演技の結果は良くて、「こういう試合期間中の過ごし方も良いね」みたいな話はしていました。いつもは部屋は個別だし、ご飯も別だったり、寝る時間とかシャワーの時間も全然違うんてすよね。昨日は帰ったらバスタオルが無くて、「1枚で回そう!」ってなって本当に大変だったんですけど(笑)。でも本当に絆も深まってすごく良い試合期間を過ごせたなと思います。あ、今日も色々あってお昼のお弁当食べられなくて、お昼なしでやったら、みんな上手かったですね(笑)。僕以外みんなノーミスでしたからね。

ー団体優勝となりました
このインカレという試合を団体優勝から始まって(2013年インカレ)、こうやって団体優勝で締めれたことは、僕の大学生活の思い出の一つとして一生残ると思います。この試合というかインカレ全部を通して、ですね。インカレはすごく良い試合というか好きな試合ですね。

ー法政で戦うということに意味があるということでしょうか
はい。もういつも以上にパワーになりますね。みんながいると。心強いです。

ー法政だけでなくて他大の選手の応援もありましたね
はい。森(望:明大)くんなんかには「法政ライバルなんで応援しません!」とか言われたんですけど、めっちゃ応援してもらって、可愛い奴だなと思って(笑)。そういう明治と法政だけじゃないですけど、ライバル同士であっても普段は仲間なので応援し合える関係というのはすごく心地良いし、スケートって良い世界だなって思いますね。

ー法政としては最後の舞台になりましたが
チームメイトの勇姿が見れた試合になって、僕の残りの競技人生だけじゃなくて、これからの人生における刺激になりました。

ー自分以外の仲間の演技を見てそれぞれに対して思ったことは
幸裕は、かっこいいなと思いました。言葉が合ってるかわからないですけど、惚れ直しましたね(笑)。大地は頼もしいなっていうのがありましたね。もう(法政を)任せて大丈夫たなって思います。ゆっこはこれからもずっと法政のアイドルでいてもらうためにも、ずっと笑顔で競技も私生活も頑張って欲しいですね。

ー服部選手最後の舞台となる国体に向けて
埼玉県の代表として出させて頂くのですけど、大好きな法政の一員であるという自覚を忘れずに戦っていきます。

渡部幸裕 副将

(SP後)

ーショートはノーミスで素晴らしい演技でした
そうですね(笑)。ちょっと危ないジャンプもありましたけど。

ージャンプは堪えましたね
結構堪えました。6分間練習がそんなに良くなかったので。たまたま試合で入ってくれたのですごい良かったです。練習では結構ジャンプはできるんですけど、試合になると全然違うので…

ーほぼノーミスということで、ショートを振り返っていかがですか
ノーミスだったので、楽しく滑れました。前も楽しいって言ったんですけど、全日本のときとは違う楽しさでした。全日本は1人で戦いに行った感じで、今回のはみんながリンクサイドにいてくれたので声援とかもすごい聞こえて、みんなで戦った感じです。

ー演技前にリンクサイドでみんなとお話されていましたが、どんな話をしていたのですか
「一撃必殺」。一撃必殺です!(笑)

ーどういうことでしょうか
今回ロクサーヌ(のタンゴを使った選手)が3人いたんですよ。で、とりあえず誰が本物のロクサーヌかを決める、みたいな(笑)。もちろん曲を使ってるので、「俺(が本物のロクサーヌ)だ!」みたいな感じで(笑)。何をやったら本物になれるのかを考えたとき、僕はジャンプが武器だから、ジャンプが全部決まったら、「一撃で俺がロクサーヌだ!」ということで、「一撃必殺」。そんなような全っ然スケートと関係のない話をしていました(笑)。で、出ていくときに、握手したりハイタッチをしたりわちゃわちゃしたりして、みんながいっぱい僕のために立ってくれたから、すごく嬉しかったです。

ー渡部選手の登場のときの観客の声援もすごかったですね
そうなんですか?みんな(学生)が言ってくれてると思ってたから観客の人はあまりわからなかったですね…。でもすごく嬉しいですね。演技終わった後とか声援が飛んできて拍手してもらって、その風景を見ているのが嬉しかったです。

ーステップのときの笑顔について
全日本のときもそうだったんですけど、とにかくステップは楽しむという風に思ってて。盛り上がっていくから自然と感情が乗ってくるというか、それで、たまたまうまくいってたし、みんながすごく応援してくれていたので嬉しくて、それかな。

ー2アクセルの前に「ダダダダ!」と腕全体で盛り上げる場面もありましたね
2アクセルの前に通るところがみんなの前で、すごく「頑張れ頑張れ頑張れ!」って応援してくれていたので「いくぜええ!」って感じでやりました(笑)。けど、ショートは後半もう結構キツいんですよ。でも自分を奮い立たせて「いくよーー!俺絶対飛ぶから!!」という感じで、自分で若干プレッシャー掛けていました。これで転んだらカッコ悪いと思ったんですけどギリギリセーフでしたね(笑)。やっと今シーズン、ノーミスというか、一応ジャンプは全部入ったので、やっとできたなという感じですごく嬉しかったです。

ー母親でもある渡部泉コーチとはどのようなお話を
それが、僕の最後の試合なのに風邪引いちゃって、来れなかったんですよ。先生がたまたま来れないときに限ってノーミスをしてしまうっていう(笑)。明日もノーミスを狙っていきたいですね。

ー全日本の後、4回転の話もありましたが
今日の公式練習でやろうと思って、4回転のイメージしてたら、3回転で4回転のイメージで跳ぶと回り過ぎちゃって転んじゃったんですよ、そしたら別の先生に「トリプル調子良いやり方でやりなさい」って言われて、「俺4回転やろうとしてるんだけどな」みたいな感じだったんですけど(笑)。4回転と見られてなかったんです。ちょっとまた、明日様子見てみます。4回転ルッツできそうってみんなに言われるから練習でやってみたりもしたんですけど、実際やってみたら、「みんなの嘘つき。」って感じでしたね(笑)。全然回らなかったです。今トゥーループやってるんですけど、いってもまだ回転不足もいくかいかないかくらいで。大地の方が回ってますね。やってみてやっぱりすごいなと思いました。

ーコーチからインカレに向けて言われたことはありましたか
いつも「楽しくね」という風には言ってくれますね。東のときはそういう感じではなかったんですけど、全日本のときは「楽しく、悔いの残らないように」と言われていましたね。

ーやはり今大会が最後の大会ということで意気込みも違いますか
最後って意識はあるかも知れないんですけど、そんなに自分的には最後って感じじゃないんですよね。いつもと同じように緊張して大会に臨んでて、これが最後だからという感じではないですね。たぶん離れてからやっとわかるような感じだと思うんです。

ー打倒明治でそれぞれ担当があると前に伺いましたが…
一人一殺っていう目標ですね(笑)。今のところクリアしていますね。俺は梶田か。
服部:クリアしてない。俺野添に負けてるもん。
渡部:けど大地が勝ってて、鎌田くんより瑛貴の方が上だよね?総合的には法政が勝ってる…
服部:違うんです、俺は野添に勝ちたいんです。

ーフリーへ向けて
フリーも大好きな曲で、東日本ではルッツ転んでしまったので、とりあえずルッツを決めて得意なジャンプを決めて、勢いに乗って滑っていきたいと思います。とりあえず一人一殺(笑)。

(FS後)

―演技を振り返って
最後っていうこともあって、すごく緊張していたんですけど最初の1発目のルッツを跳んだら飛んでっちゃいました(笑)!

―完成度の高い3ルッツに歓声があがりました
そうですね。今シーズン、今まで滑ってきた試合の中で1番良かったと思います。上がりも良かったですし、降りた時の流れも良くて本当に競技生活の中では1番よかったです。

―手をついてしまう場面もありましたが、ほぼ完璧の演技でした
満足です!滑ってて、皆の声援もあって幸せでした。

―今回のFSが良かったのは、昨日のSPが上手くいった影響もあるのでしょうか
少し自信にもなりましたね。けど、SPよりも構成難易度が低いというか3回転の連続ジャンプも入っていないですし、得意のルッツを1発目にもってこれるので、SPよりはそんなに緊張はしなかったかなと思います。SPの方が緊張しました。

―FSの演技後半は辛そうな表情も見られましたが
FSはいつも疲れちゃって(笑)。けど皆が応援してくれて、最後まで滑りきることができました。

―演技中気をつけたところは
「自分のスケートをすること」と、あとは「ルッツだけは誰にも負けたくない!誰よりも高く!」っていうのを目標に。あと「楽しく滑ること」、滑っていて辛いっていう感情もあったんですけど楽しかったですし、すごく幸せでした。

―コーチについて
お母さん風邪ひいちゃって、最後なのに来れなかったですけど、先生いないと調子いいのかな(笑)。ノーミスしちゃうんですよ(笑)。けど見せてあげたかったですね。

―FSへのアドバイスは
やっぱり「自分の滑りをしてきなさい」と。あと、「行けなくてごめんね」と言われました(笑)。とにかく僕の滑りを見てほしい。高さのあるジャンプだったりとか、あと日頃練習している曲の中でのステップだとか、そういうところですね。

―今回FSではステップシークエンスの直前、動きがゆったりしているように見えました
あそこはゆっくりな曲で止まっているところなんですけど、1番表現できるというかFSのテーマは「優しく」なので。女性を追いかけるようなイメージで作ってて、今はいない女性を思い出す回想シーンみたいな。回想シーンに入る前のゆっくりなところのイメージだったので、ためてためて「ここから行きますよ」っていうのを強調してました。

―最後の舞台で、やりきれましたか
やりきりました!一言で言うと、ただただ幸せでした。そうですね…すごく幸せでした。

―今までの演技の中で、今日の演技は何番目の出来でしょうか
感情の高ぶりとか、思いがあったので。たぶん1番だったと思います!それに僕パーソナルベストなんですよ!総合得点はたぶん。

―FSだけだと東日本の方が点数は高かったのでしょうか
そうですね。あのスピンが1個0点なんですよ。最後から2番目のスピンが0点になってて、一応回ったつもりだったんですけど姿勢が高かったりとか、回り切ってないとかがあって。それで2点損してそれが入ってれば東日本と同じ点数でした。けど全然気にしてないというか、それよりも嬉しい感情があったので。

―演技後ガッツポーズをしていましたが、その時の気持ちは
僕の中では後半の3トゥーループも危なかったし、3サルコウも危なかったんですけど。手もついちゃったので、まあ…うん!良かったみたいな出来だったんですけど、皆が笑顔でガッツポーズで迎えてくれて、皆のおかげでガッツポーズできました(笑)。

―ファンの方々にメッセージを
会心のワタベルッツを決めることができました!応援ありがとうございました、すごく幸せに滑ることができました。

藤澤亮子

(SP後)

ー今日の演技を振り返って
今日は、最初のループが最近跳べるように戻ってきていたので、狙っていたんですけど。まあでもダメージが無かったから、そのあと響かずに終われたかなと思います。

ーこの大会までに練習で取り組んできたことは
やっぱりループジャンプですね。一応この大会に合わせて、練習で決められるようにはなってたので。

ー最初のループがダブルになってしまいましたが、残りのジャンプは好調でしたね
練習では(ループは)跳べるようになっていたんですけど、曲では全然だったので。どちらかというといつも通りな感じでした。

ー課題だったアクセルのパンクに対する練習は
普通の単発での練習でもそうなんですけど、とりあえずどんな形になっても締めるように。パンクで0点というのが一番もったいないと思っていたので、とりあえず締めて。ちょっとくらい軸がブレても直せる自信はあるので。回る前に締めて跳ぶというのを心掛けて練習していました。

ー演技後は首をかしげる姿が見えましたが、お気持ちは
やっぱりループがダブルになっちゃったのが。なんだろう、悪いダブルじゃ無かったので。転ぶとかだったら修正点が見つけにくいんですけど、ダブルになるということはきっともっと思いきって行けばトリプル回れたのかなというのが、ちょっと悔しかったです。

ー全日本を経験した男子3人の演技を改めて見て
全日本は雰囲気が違うというか。テレビで主将のショートだけ見たんですけど。自分も全日本を経験したことがあるので、観客の方を身近に感じるところもいいんですけど。本当にそういう雰囲気が全然違うので、そういうお客さんがたくさんいる楽しい雰囲気が記憶に新しいまま、凄くのびのびと滑れているんじゃないかと思います。

ー明日のフリーに向けて
自分は(女子)一人だし、団体優勝とかもかかってないし、のびのびと。ショート落ちとかそういうのもないので。あとは、課題のアクセル2本ですね。ビビらずに。締めることを目標にします。

(FS後)

―今日の演技の感想をお願いします
スピンやステップは取りこぼしがあるかまだ分からないですけど、取りあえず今できることは全部やったかなっていう感じです。

―コンディションは良かったですか
そうですね。順番が後の方だったので疲れるかなって思ったんですけど、全部跳んで気持ちよく滑れていると疲れないもんだなと思いました。

―今までの大会ではジャンプが不調でしたが、今回で晴らすことができましたか
まだ跳べていたジャンプが全部戻せているわけではないので、今跳べるように、戻ってきたジャンプは今日で全部曲に入って、ほぼパーフェクトにできたので、あと2年は新しいものをやっていけるように頑張ります。

―今大会を振り返って
男子の総合優勝と4年生がすごい良い演技をしてくれて、自分もいっぱい泣いてから、自分が最後だって分かってたので、どうしても良い形で締めたくて、その一心でやって皆喜んでくれて、すごい思い出に残るインカレになりました。

―大学として4年生が出場するのは今大会が最後ですが
もうただただ寂しいですけど、最後だからこそこうやって盛り上がって楽しくやっていける点もあるのかなって思って思います。本当はまだまだいてほしいですけど、良い形で終われて良かったです。

―国体に向けて意気込みを
今回の試合での失敗がショートで最初がダブルになってしまったジャンプくらいなので、それをショートで跳ぶことと、フリーもまた今日みたいな演技をして、後は引退の服部先輩を見て、泣いて、それも含めて良い形で終わらせたいなと思います。

宮田大地

(SP後)

―今日の演技を振り返って
冒頭のコンビネーションジャンプを失敗して、ちょっと失敗したなって感じです。

―コンディションは
全日本終わってきて、なんか練習はちゃんとやってきたんですけど、やっぱり全日本にピークを持ってきているので、ベストなコンディションでは臨めていなかったのかなって思います。

―今回の演技はいつもよりのびのびとやれていたように見えましたが
本当ですか。でも今日は氷に、地に足が着いてない感じだったんで、自分で滑った後も今日はあんまり良くなかったなって感じでした。

―今回も演技前に大原櫻子さんの曲を聞いてたのですか
今日は聞いてないです。今日はコブクロ!コブクロを聞いてました(笑)。

―全日本から今大会までに修正、重点的にやったことは
福岡に帰省してて、現状維持と調整して、あとはやっぱり全日本は皆大技をやってたんで、4回転をちょっと練習したりしました。

―帰省してリラックスできましたか
そうですね。やっぱり東京とは違って、地元が1番落ち着いて良かったですね。

―明日のフリーに向けて
部門優勝が懸かってたり、4年生が2人いるので、優勝して送り出したいなって思ってます。

(FS後)

―団体優勝を決めて
嬉しいです。大学を卒業される先輩が2人いらっしゃるので、ちゃんと優勝して送り出したいと思っていたので。

―個人2位という結果について
フリーではノーミスでしたし。充分満足しています。

―個人の順位での目標はありましたか
とりあえず団体のために順位を1つでも上げていきたいなと思っていたので、そういう意味ではすごくこの結果は嬉しいです。

―フリーの演技を振り返って
フリーは最初のルッツとかが良かったのと、あとはループが今シーズン初めて決まって良かったですし。他のジャンプはちょっと危ないところもあったんですけど、うまく降りれて。大きなミス無く終われたので良かったと思います。

―3位で折り返しましたが、緊張やプレッシャーは
いや、そんなに。初めてでしたし、1年生なので全然気負うことなく。このまま行ったら法政が勝てるぞというのもありましたし。そういった面でやってやろうと思ってやりました。

―SP首位の日野選手(中京大)の次の滑走となりましたね
2人でも話してたんですけど、全日本選手権では、僕の次が(日野)龍樹くんだったので、また違った感じでできました。龍樹くんはすごく上手いので、見たかったなあと思いましたね。

―ジャンプの細かいミスが続いた全日本から一転、今回はノーミスでしたが練習してきたことは
練習はちょっとあんまり。年末だったのでゆっくりしてたので。でもやっぱり、インカレに向けての練習はしてきましたし、集中して臨めたかなとは思います。あとやっぱり前に先輩が2人滑られて、それでもう泣いちゃって。訳分かんなくなっちゃって。それでまた気持ちも引き締まりました。

―全日本に引き続き4回転には取り組みませんでした
やっぱりまだまだ確率とかもあんまりですし。公式練習で1発跳んだんですけど、入れるには早いなという部分があったので。もっともっと練習を積んで行こうと思っています。

―3つ目のループが決まってガッツポーズも出ましたね
今シーズン初めて決まったので、「よっしゃあ!」みたいな感じで自然に(笑)。

ースタンディングオベーションは見えましたか
ちょっとスピンの後だったので目がボーッとしてたんですけど、あ、立ってるな、みたいな感じでした。ショートは時々良いときがあったんですけど、フリーはミスがある試合がほとんどだったので。このインカレでノーミスで終えられて自信がつきました。

―自分で今回の演技に点数をつけるとしたら
131点です(笑)いや違います。ちょこちょこミスがあったので80点…いや85…。85点で!

―改善すべきところはありますか
やっぱりプログラムの中で隙があるというか…まだまだ内容が濃くないので、詰めていきたいです。振り付けも…ちゃんとする。プログラムの内容を濃いものにしたいです。

―初めてのインカレはどんな大会でしたか
引退する方々がいて。何年も続けてこられたスケートがこれで終わってしまうという演技を見て、泣いて、そのまま試合に臨むという。凄い試合になりました。渡部くんからもう号泣して。(服部)瑛貴くん見て泣いて。それでよりやらなきゃいけないなと思いました。

―激動の大学1年目でした。特に印象に残っていることは
全部です。疲れました。凄い疲れました大学1年目。

―世界ジュニアに向けて目標は
トップ10以内。

―そこに4回転は
もちろんです。必要だと思います。

―来年以降の目標は
本格的にシニアで戦っていくので、トップの選手と戦っていけるように。トリプルアクセルと4回転が無いと戦えないっていうのは知ってましたけど、今回の全日本選手権も第3グループからみんな跳んできてるので。やっぱり一桁に入って入賞とかを狙うには、そこは跳んでいかなきゃいけないと思っています。

渡邉直弥(通1)

(大会を見ていて)
―法大の3人の演技を見て
すごかったんですけど、本当に素人みたいな意見になっちゃうんですけど、どこが良かったとか言わなくてもいい見た人には分かる、本当にすごい演技でした。自分も来年は出たいなという思いが強くなりました。

―闘争心がわきましたか
闘争心が生まれて、前まで負けてもいいやとか下手くそだからしょうがないとか思ったんですけど、上手になって良い演技をして上手くなったところを来年見せたいなと思いました。

―服部選手は自分が先輩で良かったと思ってもらえるような演技をしたいとおっしゃっていましたが、実際に見ていかがですか
演技じゃなくても、ずっと思ってるんですけど私生活の面でも素晴らしい人なので、本当に尊敬しています。先輩で良かったというより出会えて良かったと思います。こういう形で出会えたから、色々演技も見させていただく機会があって。人としても先輩としても良かったなと思いますね。

―4年生に聞きたいことは
とくに聞きづらいとかはないので、いつもぽんぽん聞いちゃうんですけど。(渡部)幸裕君があそこまでの出来をもってこれるメンタルの強さについて聞きたいです。公式練習が終わってからすごく幸裕君いつも通りで。あと6分間練習と4分半の演技が終わったら選手人生が終わるわけじゃないですか。それなのに本当にいつも通りなんですよ。「腹減ったー」とか、「これ食べていい」とか。あと10分くらいで選手人生が終わるという人には見えなかったので、自分の中では不安とかもあったと思うんですけど、それを全然近くの人にも見せなくて演技もあんなに素晴らしくて、そのメンタルについて本当に聞きたいです。どうやったらあんなに楽観的というか良い意味で、そう考えられるのか。(服部)瑛貴君には、とりあえずスケートってどうやるんですかって聞きたいです。本当にフィギュアスケートだなって思える演技なので。

4年生対談インタビュー ~引退~

 今大会で法政大学の選手としては引退となった服部瑛貴、渡部幸裕、中畑美咲(法4)。部活を引退してそれぞれどのような道に進むのか。フィギュアスケート人生も振り返りながら語ってもらった。
10
 
 

ー3人とも今日で法政大学としては引退ということで
服部・渡部・中畑:そうですね。
服部:僕はまだ国体がありますが。

ー最後を団体優勝で締め括れた感想をお願いします
中畑:1年生のときに初めて優勝して、それ以来優勝できてなくて。今年は人数的にも可能だったし、絶対優勝して欲しいなと思っていたのでそれが達成できてすごく嬉しいです。
渡部:最後優勝できてすごく嬉しいです。終わり良ければって感じですね。
服部:最っっっっっ高です!!

ー3人の法政に入った経緯は
中畑:私は指定校推薦で入ったのでスケートはあまり関係なかったんですけど、続けようかなと思って自分で声掛けて入れてもらいました。
渡部:僕は卒業していった先輩方との繋がりが大きかったですね。だいぶ先輩なんですけど、有名になった大西勝敏先生とか、染谷慎二先生とか、本当にすごい人たちの影響ですね。そういう先生たちに習って、その人たちがいた法政に入りたいと思って入りました。
服部:僕も幸裕と同じように、特に染谷慎二先生の影響が大きくて入った経緯があるんですけど、それ以外にももちろん大学からのサポートとか、一緒に練習ができる仲間の存在とかを考えて選びました。

ー声を掛けられたのですか
服部:そうですね。僕の先生の先生が染谷先生で、とか、色々繋がりがあって、法政でスケートをしたいと思いました。

ー法政に入って良かったと思ったことは
服部:仲間!
中畑:そう、仲良い仲間。
服部:特に幸裕がいたのは大きかったですね。
渡部:俺も。
服部:そしてこうして色々な大学のメンバーと巡り会えてこれたのは、すごく良い大学生活でした。
中畑:泣きそう…(笑)。

ーフィギュア以外で大学生活良かったと思ったことはありますか
服部:僕は、特にSSI(スポーツ・サイエンス・インスティテュート)なので、大学からきちんとサポートしてもらってスポーツの授業とかで学べるという点ですかね。法政ならではのシステムかなと思っているので。他の大学だと例えば卒論でこの時期大変だったりとかするんですけど、法政の場合はスポーツに対してきちんと理解をしてくれていると思うので、競技も学業もきちんと両立して4年間過ごすことができました。
渡部:うーーん、学業の方は特にないですね。学校に行くこともほとんどないですし。フィギュア関係抜くと何もないですね(笑)。
服部:所属のキャンパスどこかわからないみたいな(笑)。
渡部:多摩キャンはわかるけど多摩キャンはどこにあるのかわからないです(笑)。
中畑:私はフィギュア部以外の他の部活の人とか、その繋がりで色々な友達ができたりとかですね。それで他のスポーツも見に行かせてもらったりとかしてたから、それは良かったですね。法政というか体育会に入って良かったことみたいな感じですけど。他の部との繋がりが結構あるかなって思いました。
服部:美咲顔広いよね。

ーフィギュアスケート部として思い出に残ってることは
中畑:今日!
服部:俺もそうなんだよね~。
渡部:それはもう、今だからね~。
服部:今日出されちゃったので、僕は1年生のインカレです。
渡部:もうないじゃん(笑)。ずるいよね、1番最初と最後なんて!
中畑:あるよ!あるよ思い出。幸裕がけがして出れなかったインカレの瑛貴の演技とか。
渡部:いや俺見てねえから!(笑)
中畑:ごめんごめん(笑)。
渡部:僕はこういうとき。みんなと喋ってるときとか。あと、初めての部活!
服部:え?
渡部:え、違うの?
服部:僕が思ったのは、みんなと過ごした時間。
中畑:お~!
渡部:くさいな~!
中畑:幸裕が言いたいのは初めての部練でしょ?4月だよね。
渡部:そうそう。上尾でやったやつ。

ー初めての部練はどうでしたか
渡部:やっぱりいつもバラバラのところで練習してる人たちが、集まるっていうのがすごく新鮮でした。あと、レベルが近いっていうのが。特に僕なんて周りで跳んでくれる人なんていないからすごく新鮮で楽しかったですね。

ーどういう練習をしたのですか
服部:半分くらいガチ練をそれぞれして、もう半分はスピンとかステップをみんなで見ながらやっていました。
中畑:このスピンどうやってやってるの?とかね。スピン大会的な。

ー以前Twitterでどなたか呟いていましたね
中畑:ムービーですよね!あれは遊び(笑)。
服部:あれも部練のときです。

ー4年間全部振り返って
服部:全部素晴らしいなって思います。
中畑:私もすごい楽しかったし、法政らしさじゃないけど、仲も良いしお互い刺激し合ってるから、丁度良い感じだし、法政入って良かったなと思いました。
渡部:僕はみんなといれて幸せでした。
服部:なんか取って付けたような感じだなあ~?(笑)
渡部:取って付けてないよ!俺はここインタビュー受けてずっと「幸せ幸せ」って言ってて、本当に幸せだから。
中畑:試合の演技の後に幸裕が「幸せでした」とか言ってて、私すごい泣きそうになっちゃった。
渡部:そこは泣けよ(笑)。
中畑:いや泣いてたかも(笑)。幸裕んときみんな泣いてたよ。
渡部:ほんとに?いつもやらない男がたまにやるとあれなんですね。いや、みんな心配してくれるんですよ。感動とかじゃなくて心配してくれてるんですよね。
中畑:感動したよ?
服部:したしたした。
中畑:心配も、してた。安心した。色んな思いからの涙。
渡部:けど、見ててもらえて本当に幸せでした。

ー大学とは別に、フィギュアスケーターとして自分の人生を振り返って
服部:一生こういう緊張感を味わえないと思うと、だんだん寂しくなってきますね。平凡な日々になるのかな~っていう。
渡部:俺は、一つの技(ルッツ)をここまで極めたのが、よく他のものを取らなかったな、よくこれをここまでずっと続けてきたなという感じですね。俺の場合は一応スケート界には残るから、自分の緊張っていうのはもう味わえないかもしれないけど、これから見てる側の緊張感があるのかなっていう。結構先のことも考えてきちゃいましたね。
中畑:なんだろう、よくここまで続けたなと思います。元々大学でそんなにやるつもりはなくて、シンクロもたまたま繋がりでやってただけだから。知り合いに誘われて最初はやったんだけど、ここまで続けようとは思ってなかったし、スケート漬けの生活になるとは思ってなかったから、自分でも想像してなかったことが起きててて、びっくり。よく頑張ったなと思います。
服部:何がきっかけになるかわからないからね。

ースケートを始めたきっかけは(前に渡部選手はそういう環境が初めからあって、小さい頃から氷を食べてたとコメントしていましたが)
中畑:氷食べてたってやばい(笑)。
渡部:よくお腹壊してました(笑)。そのせいかまだ若干お腹がゆるいです。
服部:僕はたぶん小2くらいなんですけど、僕らがそのくらいの頃ってロシアの男子がバンバン4回転を跳んでる時代だったんですよ。そういうのをNHK杯とかで見て、やってみたいなと思ったのが最初のきっかけです。
渡部・中畑:へえ~!
服部:きっかけはほんとに、エフゲニー・プルシェンコとかの、4回転ですね。
中畑:私は幼稚園の友達がスケートやってて、「一緒に遊びに行こうよ」みたいな感じでやって、楽しかったからやりたくなって始めたのがきっかけです。(出身が)札幌だったから、リンクとか安いしいっぱいどこにでもあるから。

ースケートを続けるのも金銭面で結構かかると思いますが
中畑:かかりますね。
服部:こうやって、自分がやりたいことをやらせてくれた両親に感謝だなと思います。
中畑:うん。本当にそれ。自分の子供にはスケートやらせたくないと思いますもん(笑)。だってこんなに送り迎えしてもらったりとか遅いのにご飯作ってもらったりとか、迷惑しかかけてないと思いますもん。(渡部選手の方を見て)あなたは、別だけと。
渡部:うん、そうですね。まあ知らない間に氷の上乗ってましたし。
服部:別の取材でも「誰に一番感謝をしたいですか?」と聞かれたんですけど、挙げきれなくて。全員ですね。本当に。
中畑:そうですね。関わってくれるみんなですよね。だって誰が何を与えてくれるかわからないもん。きっかけとかもたまたまだったりとか。すごいですよね。
渡部:僕は一番は先生でありお母さんですね。俺はそうですね。絶対。練習中も食事中もずっと一緒にいて、あの人には感謝してます。
服部:俺が泣きそう…。
中畑:ほんと…。
渡部:でも今日風邪でいないっていう(笑)。

ー進路について
中畑:IT系の会社です。
服部:販売員やります。
渡部:自分のリンクでスケートを教えます。俺知らない間にツイートで回ってました(笑)。まあどっちみち知られますけど。今もバイトで教室やらせてもらってます。

ーまだスケートやりたい気持ちも残っていますか
中畑:ない(即答)。
渡部:美咲早いね(笑)。けど一応気持ちは決めてはいました。俺は大学入るときから。
服部:僕もきっちり大学4年生で終わるつもりできましたけど、アイスダンスだったりとか誘いをすごく頂いたので、どうしようかなと迷った時期もあったし、寂しさとかも今になっても沸いてくるところがあるので、やっぱり、ひっくるめてスケートが好きなんだなと思いました。

ーこれから何かの形でスケート界に関わることもあるのでしょうか
服部:あり、ますね!
渡部:そう、瑛貴が働いてしまう。けど僕、瑛貴の踊りが大好きなんですよ。なんで、僕がインストラクターをしたとき、の生徒の振り付けをお願いしようと思ってて。
中畑:すごい…!
服部:いえーい。頑張ります。機会さえ頂ければ、もう勉強してやろうかなとは思ってます。
中畑:やってほしい…。
服部:コーチ、渡部幸裕。振り付け、服部瑛貴。みたいな。近いうちにそうなれたら僕も嬉しいです。
渡部:だって勿体無いじゃないですか。
中畑:うん。先生っぽいね今の(笑)。先生、さすが目の付け所が違いますね。

ー他大学のフィギュアスケート選手の進路はどのようなものなのでしょうか
服部:特にこの世代の大学のみんなはもうスケート界に残るのはたぶん幸裕だけなんですよね。
渡部:他に聞かないよね。
服部:結構僕らよりも前の世代だといるんですけど、僕らの世代だとほんとに幸裕だけですね。
中畑:みんな就職しちゃうよね。
渡部:こんなに才能持った人たちがね…。たから、この世代を集めて、ちょっと合宿みたいなのをしてみたいんですよね。みんな集めて。
服部:みんなバラけちゃうからね。やっぱりフィギュアスケートを続けていくという選択が難しい環境なので。社会人の実業団みたいなものもないですし。どうしても大学で選手生命を終わらせる選手が大多数なんですよね。

ー法政は全員が仲が良いですが、部内でのそれぞれのキャラは
服部:しっかり担当です(笑)。
渡部:そう。
中畑:でも裏ボスは私だよ(笑)。
渡部:そう。(服部選手を指して)本当にしっかり担当。ほんっとうにしっかり。
服部:表向きはね。
渡部:なんだろう、誰も周りにいなくても、例えば今ホテルで4人部屋なんですけど、僕は食べ飲みっぱなしとかなんですけど、瑛貴はもうきっちり洋服を畳んで、ゴミをきっちり捨てたりとか。
服部:いやいやいや。
渡部:主将ですよ!?本当にいつも助かっています。でももしかしたら、おっちょこちょい担当かもしれない(笑)。…なんで仲良いのかね?(笑)でも他の大学見てるとそんなに仲良くないところも結構あるよね。
服部:確かに。
渡部:あ、でもしっかり担当2人いますよ。(中畑選手を指して)こちらの方もすごくしっかりしてて。
服部:幸裕はムードメーカーですかね。
渡部:だらしない担当?
中畑:いや、だらしなくはないじゃん!(笑)
服部:あとうるさい(笑)。
渡部:静かに喋れないんですよ。すぐ思ったことバッと口に出しちゃって、それがかなりデカいんです。
服部:俺部屋にいるとき、うるせえなこいつってずっと思ってたもん(笑)。
中畑:けどね、幸裕がいなかったらこういう明るい空気とかはないと思う。
服部:確かに。俺結構、幸裕みたいなタイプの人がいなかったら、どんどん真剣な方に向いてっちゃうタイプなので。
中畑:ガチになってたと思う。
服部:なので、こういう雰囲気でやってこれなかったのかなって思うと、やっぱりムードメーカーですね。
渡部:なんか、嬉しいですね。一つでも役に立てて嬉しいですね。

ー謙虚ですね
渡部:そこだけは謙虚に(笑)。いつもバラバラだから(笑)。
中畑:こういうところが良いですよね。本当に良いキャラしてる(笑)。
服部:みんなキャラ立ってるよね。
渡部:特徴ありますよね。

ー後輩に対して思うことは
渡部:可愛い。可愛い後輩たちです。うちらに(村山)光くんがいたときは後輩の立場だつたけど、先輩になって、改めて入ってきてくれた子たちをみていると、すごく可愛いよね。
服部:うん。
中畑:可愛いね。
渡部:大人じゃないとか言ってるんじゃなくて、すごく可愛い。
中畑:けどなんか、
服部:頼りがいもあるよね。
渡部:あるあるある。
中畑:すごいしっかりしてるから、下のみんなも。
渡部:俺よりしっかりしてますね。考え方も全て。
中畑:ひとりひとりが自分の考え持ってそれに向かってやってるし、だから後輩だけど後輩って感じがあまりしないかな。
服部:まあアドバイスをするなら、こういうムードメーカーがいないので、ふざけていっても面白いよ~みたいな。
中畑:うちらは、幸裕がこうだからこれでバランス取ってる感があるんです。けど、下の代はみんながしっかりしてるから、うまくまとまれないからもうちょっと欲しいよね。あったらきっと楽しくなるよね。
服部:ね!ふざけるのも良いよね。
渡部:たまにですよ?度が過ぎたときは「大概にせい!」って言われるんですよ(笑)。

ームードメーカーとして、後輩にムードメーカーがいないということについては
渡部:じゃあ、作ります?(笑)
中畑:誰だよ(笑)。
渡部:誰かいるかな?
服部:ポカするタイプじゃないんだよな、みんな。
中畑:けどちょっと抜けてる分では大地くんかな。
服部:そうだね。
渡部:けどまた新しい後輩が彼らの下にできたら変わるかもしれないですね。

ー4年生3人も仲が良いですよね
中畑:仲良いっていうか、ここの2人がなんという感じ、カップルだから私がそれのお世話してるというか(笑)。
服部:うん、そう。ワンワンワンって(笑)。
渡部:リード付けられてるから(笑)。俺は感情の思ったままに走り出しちゃうから(笑)。
服部:美咲は本当に部活のこととかをしっかりやってくれて、僕たちも競技に専念できて、本当に主務として、主務以上の仕事をしてくれて、本当に…なんだろうな(笑)。
中畑:わかった。それぞれがないものを他の人が持ってるから、それでうまくカバーし合ってやってこれたのかなって感じがする。
服部:本当にチームプレーができたなって感じですね。

ー後輩へのメッセージをお願いします
渡部:誰よりも高く。
中畑:何も気にしないでスケートできるのは大学生のうちだと思うから、その大学生のうちに色々スケートでやりたいこととか、スケートに集中してほしいと思います。何も気にしなくてできるのをわかってるとは思うけど、さらに楽しくやって欲しいなと思います。
服部:誰でも壁にぶち当たることはあると思うんですけど、絶対に助けてくれる人、見てくれている人がいるので、そういった人たちの存在をどういう時でも忘れずに、競技生活を全うして欲しいなと思います。

ー最後にファンの方へのコメントをお願いします
服部:さっき言ったことになっちゃいますけど、僕が挫けそうになったときに、支えてくれたのがファンの皆様で、その応援がなかったらそれこそフリーの4分半の演技を滑り切ることができない試合もあったと思います。色んな人の声を聞いてここまで頑張ることができました。本当にありがとうございました。
渡部:皆さんがいなかったらここまで「ワタベルッツ」が広まってなかったのかもしれないですね。僕の一番得意としていたジャンプをここまで色んな人に喜んでもらえて僕もすごく嬉しかったです。本当に瑛貴みたいな感想になってしまったけど、本当にそう。本当に幸せです。頑張ってるものに対して喜んでいただいて本当に幸せだと感じます。

ー「ワタベルッツ」に関して、名付け親の木村真人選手(八戸工業大)に思うことは
渡部:そうみたいなんですよね(笑)。彼は東北ブロックでジュニアのときから一緒に戦ってきて、同期ですごく仲が良くて。もしかしたら一番良く見ててくれていたのかもしれないですね。一番見ててくれて、こういう風に言ったら観客の人たちが呼んでくださって。だから、大切な同期ですね真人は。見ててくれてありがとう。

ー中畑選手がファンに思うことは
服部:シンクロ年々盛り上がってるよね。
中畑:そう。法政のファンの人や瑛貴のファン繋がりとか色々のファン繋がりの人がTwitterをフォローしてくださって、その人たちが私がシンクロやってるのとかも知っててくれて、そのシンクロのことも声掛けてくれたりとか、「シンクロすごい」と思ってくれる人が結構増えてくれたのが嬉しいかなと思います。
渡部:見ててくれると嬉しいよね。
中畑:そう。
渡部:たぶんみんなおんなじことだと思う。
中畑:「法政仲良いよね」とかも言ってくれるよね。だからすごい見てくれてるんだなと思って。私たちが気付かなかったこととかも書いてくれたりしてて。気付かされることもたくさんありました。

 

フォトギャラリー

  • 2見事フィギュア部門優勝を果たした
  • msp地に足が着いていない感じだったという(宮田SP)
  • wspキレキレのステップを披露(渡部SP)
  • hsp緊張から少し固くなってしまった(服部SP)
  • fspジャンプのミスで悔しさが残った(藤澤SP)
  • wfsSPに引き続きFSもノーミス!(渡部FS)
  • hfs最後のコレオシークエンスに思いの全てが込められていたようだった(服部FS)
  • mfs演技中何度も笑顔とガッツポーズをのぞかせた(宮田FS)

    • ffsノーミスの演技後、満面の笑みを浮かべた(藤澤FS)
    • 3表彰式の様子
    • 1本学講師兼任の竹内洋輔監督と
    • 104年生の皆さんありがとうございました!

関連記事一覧