【ラグビー】関東大学春季大会 対慶大 後半に攻め立てられ逆転負け 今大会初勝利ならず
関東大学春季大会 グループB 対慶大
2016年5月22日(日)
法政大学多摩グラウンド
初戦で大東大に敗れ、迎えた対抗戦グループに所属している慶大との第2戦。先制点を挙げるなど、常にリードを保った展開で前半を折り返す。しかし後半に入り、足が止まりだす苦しい時間帯に相手の猛攻を受けた法大はリードを守り切れず、1点差で逆転負けとなった。
試合結果
トータル試合結果
40 |
19 |
前半 | 17 | 41 慶應大学 |
---|---|---|---|---|
21 | 後半 |
24 |
ポイント詳細
3/3 | T | 3/4 |
---|---|---|
2/3 | G | 1/2 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
※(カッコ内)は前半/後半表します
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 西内勇二 | 経4 | 東福岡 |
2 | HO | 大澤翔舞 | 営3 | 長崎北 |
3 | PR | 金子崇 | 社3 | 東福岡 |
4 | LO | 牧野内翔馬 | 社4 | 東福岡 |
5 | LO | 大塚翼 | 社4 | 日川 |
6 | FL | ウォーカーアレックス拓也 | 社1 | 東福岡 |
7 | FL | 斉田倫輝 | 経3 | 仙台工業 |
8 | NO.8 | 松島史也 | 2 | 尾道 |
9 | SH | 中村翔 | 経1 | 東福岡 |
10 | SO | 林修兵 | 社4 | 伏見工業 |
11 | WTB | 東川寛史 | 経3 | 東福岡 |
12 | CTB | 小幡悌己 | 4 | 石見智翠館 |
13 | CTB | 奈良望 | 社2 | 秋田工業 |
14 | WTB | 北島遥生 | 現3 | 常翔学園 |
15 | FB | 安藤慧 | 経1 | 國學院栃木 |
16 | Re | 黒田圭汰 | 社3 | 報徳学園 |
17 | Re | 川越藏 | 2 | 高鍋 |
18 | Re | 竹内広行 | 4 | 長崎南山 |
19 | Re | 山根陵 | 現2 | 大津緑洋 |
20 | Re | 西松大輝 | 4 | 國學院栃木 |
21 | Re | 根塚聖冴 | 経2 | 京都成章 |
22 | Re | 矢澤巧久留 | 社4 | 御所実業 |
23 | Re | 和田源太 | スポ4 | 御所実業 |
戦評
昨年から前半戦の立ち上がりの悪さを課題としていた法大であったが前半開始6分、WTB東川のパスを受けCTB小幡が早々トライ。SO林のゴールも決まり、まずは法大の先制で試合は幕を開けた。両チーム共にボールを繋ぎゴールラインまで攻め上がる場面が見られるもあと一歩のところでのミスが目立ち、なかなか得点には至らず。法大は課題となるディフェンス面で慶大のスピードに悩まされる。得点は7-0のまま23分が経過。するとここで自陣ゴール前での慶大スクラムから左サイドへのパスでトライを許してしまう。しかし幸いゴールは決まらず。ここでトライを取り返したい法大はSO林のナイスタッチで一気に陣地を稼ぐと、ラインアウトからモールでゴールライン手前まで押し込む。その後左サイドへ回したボールを受けたSH中村がWTB東川に上手く繋ぎ、トライを挙げる。「いつもだったらFWにこだわるようなプレー」も今回はBKでとりきった。しかし30分、慶大に1トライ1ゴールを許してしまい同点まで追い上げられてしまう。
同点のまま残すところあと5分。するとSO林のキックをWTB東川がキャッチ。「走ってなんぼ」と語る東川のランニングが光り、FLウォーカーがトライ。ゴールも決まり、19-12。均衡を破った。だが、ここで気の緩みが表れたのか、残りわずか2分のところで慶大にボールをあっさりと奪われトライを許してしまう。幸いゴールは決まらず、19-17と2点のリードを保ち前半を終えた。
まさに取って取られる試合展開。常に法大はリードを保ち優勢のようには思えたが、点を挙げたあとのキックオフ後のプレーに気の緩みが垣間見え、取り返される展開に持ち込まれてしまう。
1年生ながらトライを決め、フル出場を果たしたFLウォーカー
後半は慶大の連続トライで幕が開けてしまう。1ゴールも決められ得点は19-29。逆転を許し、10点差とされる。やはりここでも課題であるディフェンス面に縦をつかれ、慶大がボールの主導権を握る展開に。どうにか流れを変えたい法大。そこでSH根塚がイン。すると流れは法大に傾いた。まずはWTB東川のナイスランからWTB北島が繋ぎ、パスを受けたFLウォーカーがトライ。さらに続いてCTB小幡がトライを挙げる。2本共にSO林のゴールも決まり、33-29。逆転を飾った。
残すところあと10分。引き続きSH根塚のテンポのよいパスさばきで試合は法大ペース。RES西松、矢澤も足で効果的に縦へとボールを繫ぎ、敵陣まで攻め上がる場面が見られる。しかし34分、慶大が前へ前へと運んだボールにタックルが刺さらず、トライを許す展開に。ゴールは外れたものの、この1トライにより33-34と1点差で慶大のリードを許してしまった。
残り時間は4分。まだ逆転の望みは十分にある。しかし再び自陣ゴール前でつくられた慶大のモールから左にパスを繋がれ、トライを奪われた。33-41、残り2分で点差は8点。1トライ1ゴールを挙げても勝利は無理な展開であったが法大は粘り強いプレーを続けた。横へ横へと繋いだパスはWTB東川に渡ったのち効果的にゲイン。一度CTB奈良に渡ったボールが再び東川の手に渡り、最後は法大のトライで締めた。SO林のゴールも決まったが試合は40-41と惜しくも1点差でノーサイドとなった。
前半はリードを保ったものの、後半での立ち上がりが響き、僅か1点差での敗戦。惜しくも白星には及ばなかったがチームは前を向いていた。試合を重ねる毎に出てくる課題を日頃の練習で修正していけば法大の理想とするチーム像が確立していくはずである。「最終戦には最高のパフォーマンスができれば」。日に日に進化していく法大ラグビー部の姿を見届けたい。(山口有沙)
監督・選手コメント
谷崎重幸 監督
―今日の試合を振り返って
非常に大味な試合になってしまいましたね。
―点を取った後にすぐ取られてしまう展開が続きましたが
そうですね。試合の入り、キックオフというのは流れを継続していくという部分では重要なので、ここは大きな課題となりましたね。
―前半は粘り強く守れていたと思いますが
そうですね。そこから流れを継続して後半の最初も攻めたんですけど、慶大のディフェンスが非常に良かったので、それに対して孤立してしまいました。サポートが足りなかった印象ですね。
―サポートが足りなかった原因は
現時点ではまだ練習でそこに焦点を当てていないので、そこが大きいと思います。
―後半は早い時間にトライを許してしまいましたが、入り方はいかがでしたか
打ち合いが雑だったので、そこが大きな課題ですね。ブレイクダウンの流れの練習がもっと必要だと感じました。
―後半は特に根塚選手が入ってからテンポが良くなったように見えましたが
そのつもりで出しているので、まだまだですね(笑)。この暑さの中で選手達も疲労が出てくる時間帯だったので、そこでどれだけやれるかが勝つためには重要になってくると思います。相手も同じように疲れているので。
―スクラムについて
前半はしっかりと組めていたんですけど、後半になって大事な場面で課題がありましたね。
―慶大の印象は
ディフェンスもアタックもまっすぐ縦に当たってきましたね。ブレイクダウンを怖がらずにがむしゃらにぶつかってくる印象です。
―次の試合に向けて
まだ公式戦2試合と関大との定期戦を含めて3試合しか戦っていないんですけど、見つかった課題を修正できれば成長につながるので、頑張っていきたいと思います。
西内勇二(PR,スタメン出場で力強いプレーを見せる)
―今日の試合を振り返って
慶大は体ができていて、縦に縦に来ていました。それに最初は対応できていたんですけど、後半から一対一で対応できなくなって少しずつ離されてしまったと思います。
―対応できなくなってしまった原因は
体力的なものもあると思いますし、僕としてはスクラムで流れが悪くなったかなと。セットプレーで確実にマイボールとし出すというのができていなかったと思います。
―点を取ったあとすぐに取り返されてしまう展開となりましたが
本当にもったいないことをしたなと。頑張って取って、そこで後ろのサポートが悪くてキックオフでミスしたり、簡単なミスなんですよね。毎回点を取ったあとのキックオフが一番大事ということは言っているんですけど。ちょっとまだそういう練習をしていなかったので、やらなきゃいけないことがたくさんありますね。
―具体的にはどんなことをやるべきだと思いますか
まずは今やっていることを詰めるということですね。ディフェンスだったら均等に立つとか、アタックだったらフォワードはしっかり早くかたちをつくるとか。そういう基本的なものですね。
―久しぶりのスタメン出場でしたが
自分の強みであるインパクトというものが出せなかったかなと思います。
―PRに転向してから試合経験があまりないとのことでしたが
これがPRになってから3試合目で、一番最初も年末ちょっと出たくらいなのでまだまだですね。スクラムもちょっとずつは良くなってると思うんですけど、まだチームに迷惑をかけているので…難しいです。
―拓大戦に向けて
大東にも慶大にも負けたんですけど、拓大戦は去年もしっかり勝っているので、ここから流れを変えたいと思います。
小幡悌己(CTB,先制トライを決める)
―1点差という惜しい試合でしたが、振り返って
スコアは1点差だったのですが、この1点はスコアよりも大きい1点だと思うので、しっかり冬までにこの「1点」を埋められるように努力していきたいと思います。
―前半に法大がトライを取った後、すぐに慶大にトライを取り返されたシーンがありましたが、その原因は
トライを取ったことによって安心感というか、相手にリードしたということで皆の気が少し緩んでしまい、あのような結果を招いてしまったと思うので、そこも改善点としてトライを取った後はもう一回気を引き締めて、全員で意思統一をしてやっていかないと勝てないなと思いました。
―試合前、チームやバックスで意識した課題は
普段から掲げている課題は「やられる前にやる」というものなのですが、今日はできていたとは思いますが、結果が出ませんでした。
―慶大の印象は
チームのコンタクトが強くて、走ってくる攻撃など自分たちが目指しているラグビーができているので、それに負けないように自分たちも上回るために、フィジカルや走ることなどが必要になってくると思いました。
―今日の試合、BKのアタックとディフェンスは
アタックは悪くなく、精度も保てていたのですが、ディフェンスがところどころ1回で抜かれてトライされるという場面があり、そこは毎年の課題になっているので、改善していかなければならないと思います。
―課題を改善するにはどのような練習を
もっとディフェンスに焦点を置いて、選手一人ひとりがそれを意識しながらやっていくことが必要だと思います。
―最初の先制トライを振り返って
自分の力ではないですが、東川がいいところにボールを浮かしてくれたので、決めてやろうと思いました。
―後半追い上げたのは次の試合にもつながったのでは
来週こそ競り勝ちたいなと思います。
―次の試合に向けての意気込みを
大東大戦、慶大戦という2試合のミスを改善して、全てをぶつけていきたいと思います。大東大戦で出た「ディフェンスが一点に寄ってしまう」という改善点も今日の試合では生かせていたと思うので、どんどん改善していき、最終戦には最高のパフォーマンスをできれば良いなと思います。
東川寛史(WTB,運動量を武器に2トライを決める)
―今日の試合を振り返って
アタックは全然問題なかったと思いますけど、得点に絡むところ、最後の敵陣22mラインのところの精度や、得点を取られたあとの気持ちの切り替えの部分などが課題だったというのはあります。内容的にはそんなに負けた感じの内容ではなかったんですけど、やはり結果的に要の部分がやられていたので、負けたのはそこが悪いかなといった感じです。
―ご自身の走りやゲインなどトライのきっかけになるような効果的なプレーが目立ちました。
でも自分が抜けるのって内側のCTBとかがしっかり動いて相手を釣ってくれたりだとか、外側のWTBとかFBとかがしっかり走ってくれているおかげなので、自分がというよりはみんなのおかげでそういうプレーができたんじゃないかなと思います。
―2トライの活躍。トライシーンを振り返って
最初のトライはいつもだったらあそこはFWでこだわるんですけど、SHの中村翔が持ってきてくれてああいう取り方もあるんだと自分でも発見できたトライでした。最後のトライは苦しいところで1本取り切れたのは収穫だと思います。
―今日の慶大戦、どういった気持ちで挑んだか
勝ちに行くという気持ちはいつもと同じなので特に特別な気持ちはないですね(笑)。
―プレーで心がけていることは
自分はWTBの中でそんなに足が速くない方なので、とりあえず運動量でいろんなところから顔を出していこうっていうプレーと、外から見えるのでどんどんみんなの刺激になるような声を出していこうっていうのは心がけています。
―普段の練習でも「運動量」という面に力を入れているのか
そうですね、やっぱり自分は走ってなんぼだと思っているので、そこはしっかり責任を持って取り組んでいます。
―ご自身の持ち味、ここを見て欲しいというようなプレーは
やはり仕事量ですかね。
―拓殖戦に向けて
絶対勝ちにいきます。
フォトギャラリー
- 2トライを決める活躍を見せたWTB東川
- CTB小幡は先制点となるトライを決めた
- トライに喜ぶ選手たち
- 力強いアタックでチームに貢献したPR金子
- 突破を試みるWTB北島
- 久しぶりの先発出場を果たしたPR西内
- キッカーのSO林
- 途中出場で流れを変えたSH根塚