【フィギュア】2016東京フィギュアスケート選手権 本格的シーズン開幕!藤澤、渡邉ともに東日本選手権への出場権を手にした!
東京フィギュアスケート選手権大会
2016年9月22日(木)〜25日(日)
ダイドードリンコアイスアリーナ
ついにシーズンが開幕した。全日本選手権出場への第一関門である東京選手権。初戦となった今大会には藤澤亮子(文3)と渡邉直弥(通2)が出場した。藤澤は4位、渡邉は7位で見事東日本選手権への出場権を獲得した。
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試合結果
クラス | 選手名 | 順位 | SP | FS | 総合得点 |
---|---|---|---|---|---|
シニア男子 | 渡邉直弥(通2) | 7位 | 42.90点⑨ | 87.01点⑥ | 129.91点 |
シニア女子 | 藤澤亮子(文3) | 4位 | 45.63点⑤ | 75.44点⑦ | 121.07点 |
※SP:ショートプログラム、FS:フリースケーティング。丸数字は種目別順位。
戦評
SP
法大勢最初の登場は渡邉直弥(通2)。ショートの曲は「レ・ミゼラブル」。冒頭の3コンビネーションジャンプををステップアウトすると、続く3ルッツでは転倒してしまう。最後の2アクセルはしっかりと着氷し、立て直したかのように思われたが、渡邉最大の武器であるスピンでもまさかの苦戦。氷に足をとられ、GOEを伸ばすことができなかった。42.90の9位でFSへ。
渡邉のSP、演技直前胸に手を当てる美しい立ち姿が印象的だ
シニア男子に続いて行われた、シニア女子SP。藤澤は12番滑走で、新プログラム「レ・ミゼラブル」。演技は、「Work Song 囚人の歌」の重々しい曲調から始まった。冒頭、3ループ+2トゥーループのコンビネーションジャンプを決め、大きな歓声があがった。続く3トゥーループも着氷。おだやかな曲調へと変わり、藤澤の強みである丁寧なスピンで観客を魅了する。スピンでは全て加点がつく出来だ。終盤、最後のジャンプである2アクセルで惜しくも転倒したが、点数は45.63点で5位。藤澤自身「練習よりは結構良かったので、満足」と振り返る、上々な滑り出しとなった。
藤澤は冒頭のコンビネーションジャンプをしっかりと着氷した
FS
迎えたフリー。渡邉の演目は昨シーズンから引き続き「シルク・ドゥ・ソレイユ」。衣装が印象的なこのプログラム。最初のジャンプは3ルッツを予定していたが、ここは2ルッツに変更し、しっかりと着氷。続く3フリップは惜しくもステップアウト。次のコンビネーションジャンプはクリーンに降りたものの、最初の3サルコウで回転不足をとられ、得点は伸びず。得意のスピンではしなやかさを見せ、会場を魅了。GOEにおいても好評価を得た。後半の2アクセルと2トゥループのコンビネーションもしっかりと加点をもらう綺麗なジャンプ。最後まで丁寧に滑りきり、ジャンプもしっかりと立て直してみせた。フリーの得点は87.01。トータル129.91で、7位まで順位を上げて見せた。試合後、はにかんだ笑顔で今後の課題を述べた渡邉。誰よりも謙虚に、誰よりもひたむきにスケートと向き合う彼だからこそ、表現できる世界がある。これからどんな世界を私たちに見せてくれるのかが楽しみだ。
渡邉はFSで2つ順位を上げ挽回した
シニア女子FS、前日のSPの結果から藤澤は最終グループの滑走。樋口新葉(日本橋女学館)や永井優香(駒場学園高校)、昨年の全日本選手権上位の選手と同じグループだ。この時間帯に観客が最も多いことで、その注目度は明らかだった。そんなプレッシャーのかかる場面、藤澤は6分間練習直後の滑走だった。リンクの中央から演技が始まる。FSは昨年から持ち越しの「Sleeping Beauty」。2つ目のジャンプが3トぅーループの予定が2回転になってしまった以外は、順調に単独のジャンプを着氷していく。コンビネーションジャンプはあえて回避した。軽やかなステップの場面では会場から手拍子が起り、スピンはもちろん全てレベル4。スピードを落とすことなく、演技をまとめ上げた。結果は75.44点とSPと合わせ総合で121.07点。シニア女子23人の中を勝ち抜き4位となった。
藤澤は、SPで転倒した2アクセルはしっかり「締める」ことを意識したと語る
藤澤、渡邉ともに東日本選手権への出場権を手にしたが、シーズン初戦であるだけに2人は演技後それぞれ反省点を口にした。まだまだ「理想の演技」へは程遠い、そんな口ぶりだった。2人は今年の目標の1つとして全日本選手権出場をあげている。そのためには東日本選手権で上位に食い込まなければならない。誰もが全日本選手権への切符を手に入れるため、演技に磨きをかけてくるだろう。次戦は10月東日本学生選手権、11月には勝負の東日本選手権が控えている。期間が短い中で、どれだけ課題を克服し理想へと近づけるかが勝利への鍵となる。これからどんな演技を見せてくれるのか、熱き氷上の戦いから目が離せない。(阿部暁野・梶山麗)
選手 コメント
藤澤亮子
(SP後)
-演技を振り返って
練習で全然跳べてなかったのが1本目跳べて、その流れで2本目跳べたんですけど、ちょっとツケが回ってきたかなと。いつも跳んでるものを転んじゃったのが(笑)。でも。練習よりは全然良かったので結構満足です。
-今回の衣装も、お母様の手作りですか
はい!
-SPは映画をイメージされているんでしょうか
映画は結構何回も見てて、好きな曲だったので。本当は映画をイメージしなきゃいけないんですけど、好きな曲で滑っているのを表現したいというか、楽しんで滑れたらなと思ってこの曲にしました。
-腰の調子は
良い時と悪い時と結構波があって、結構頑張って練習しちゃうと次の日にダメになっちゃうので。やる日はやる、やらない日はやらないって自分で区切りをつけて無理やりやらないようにしてます。
-SPを5位で折り返しましたが、FSに向けて
とりあえずブロック通過が目標なので、無事に終われたらそれで充分です。
(FS後)
-演技を振り返っていかがでしたか
2本目のトゥーループがダブルになってしまったんですけど、夏の試合ではそこがダブルになってしまって、そこからパカパカと失敗しちゃったので二の舞になっちゃいけないと思って、その後は頑張りました。
-コンビネーションジャンプがありませんでしたが
いつもはあんまりジャンプ跳べないので、予定されてなかったっちゃ予定されてなかったんですけど、色んな人にコンビネーション、コンビネーション言われて(笑)。もちろん必要なので練習からちゃんと跳ぶようにして、コンビネーションつけるようにして、東(日本選手権)はもう本当に万全じゃないとダメだと思うので、練習したいと思います。
-FSでは2アクセルが成功しました
はい!FSの2アクセルは去年も結構失敗が多かったので、インカレ(日本氷上競技選手権)から締めるように、締めるようにやってSPよりは結構自信があったので。
-東日本選手権まではどう過ごされますか
とりあえず東インカレ(東日本学生選手権)があるので、それまでにSPでおりた3ループをFSにも1本入れられるようにして、東インカレで挑戦してから東日本で抜くか、挑戦するか、ゆっくり練習しながら考えていきたいなと思います。
-改めて意気込みを
東日本では全日本(選手権)狙いたいです!って本当は言いたいんですけど、たぶんすごく焦ると思うので。来年がラストになると思うので、ラスト2回試合やってる感を楽しみながら滑れたら、たぶん落ち着いてできたら良い演技ができると思うので、できるように準備していきたいと思います。
渡邉直弥
(FS後)
―SPを振り返って
直前の練習で緊張してしまって、動きが固いのが自分でも分かりました。本番は結構集中できたんですけどやっぱり最初のジャンプを失敗してしまって。次のジャンプでリカバリーしようと思ったんですけど、思いすぎて本来そのジャンプの注意しなきゃいけないところを注意できなくて失敗して。スピンは穴にはまっちゃったので仕方がないかなという感じなんですけど(笑)。今回の試合は課題を見つけるというのが一番の目標だったんですけどそれにしても悔しいなと思いました。
―前回大会からやってきたことは
練習でのジャンプのパンクを少なくするのと、締める。パンクはクセになっちゃうので、それが出ないように。少なくしようと心がけていました。
―見つかった課題は
練習と本番は全然違うんだなと思って、その空気に呑まれてしまって。すごくもったいないなと思ったので、次はしっかり自分のやってきたことを堂々とできるようにすることが次の課題かなと思います。
―FS前にコーチと話していたことは
3ルッツの調子が上がらなくて、それをダブルにすることはコーチの判断で。その話と、その次のフリップの注意。あと緊張して僕は力入っちゃうんですけど、とりあえずそんなに力入れなくても滑るから、丁寧に滑るってことだけでいいみたいな感じです。
―3ルッツは直前で変更に
6分間練習の終わった時点でダブルにしてと言われたんですけど…正直…。高2以来なんですよ、2ルッツを試合で故意に(プログラムに)入れたのが。すごく悔しかったので。次は絶対にトリプルを入れたいし、それ以上のものも入れたいし、それ以上に演技を安定させたいです。安心して応援してくださる方に見てもらえる演技がしたいなと思います。
―FSではジャンプをしっかり立て直しました
今月に入って練習もいっぱい取り組んできて、なのに昨日(SP)それを全然出せなくて。でも頑張ってそれがいきなり成果に出たらつまんないなと思って。ちょっと落ち込んでいたんですけど、そんな簡単に(成果は)出ないし、出ないから面白いんだと思って。今日はもう思いっきりやろうと思って。落ち着きつつ思いっきり滑りました。
―切り替えはできた
そうですね。あとちょっと公式練習から本番までで疲れちゃったので、今日は接骨院に行ってきて。それも違ったのかなと思います。
―今シーズン武器にしたいところは
ずっとなんですけどスピン。全部レベル4の取れるスピンが出来るので、そこは誰にも負けないように。昨日失敗しちゃったんですけど、どんなに氷がガタガタでも、やりづらくても絶対いいスピンをやりたいなと思うし、安定感も取り戻せるように。一つ一つの練習を頑張りたいと思います。
―見ていて気になった選手は
明治大学は凄く人数が多いんですけど、その中でも皆個々で凄く上手だなと思っていて。同じリンクで練習している佐上凌選手(明大)とか練習のときから意識が違うし、いつも見ていて演技とかそれ以前の問題で凄くいいなと思います。あと中野耀司さん(明大)!すごい。本当に4分半あっという間だなと思います。そういう演技ができるようになりたいです。東(日本)で言うなら佐藤洸彬選手(岩大)とか鈴木潤選手(北大)とかもいるので。レベルアップした自分と戦ってもらえるように頑張りたいと思います。
―スケート以外の課題は
ちゃんと単位を取ることと……。…ちゃんと単位を取ることです!(笑)
―次に向けて
次は今日跳べなかったルッツを入れるのはもちろん、他のジャンプも安定して跳べるように。あと課題がたくさん見つかったので、これも頑張りたいと思います。
フォトギャラリー
- SPの演技後、ほっとした笑顔を見せた藤澤
- 藤澤は「SPは好きな曲。楽しんで滑れたらと思い選んだ」と語った
- SPは緊張したと振り返った渡邉
- 渡邉はジャンプは失敗してしまったものの、曲調の盛り上がる部分のステップで魅せた
- 前日のSPから、FSではジャンプを立て直した渡邉
- 渡邉はFSで不思議な世界観を表現した
- 藤澤のFSは昨年に引き続き「Sleeping Beauty」だ
- 藤澤の安定感のあるスピンは会場から拍手が起こった