【自転車】2016 全日本選手権自転車競技大会 オムニアム 1日目 レベルの高いレースが繰り広げられる中、荒井、渡部、近藤の3名が明日のオムニアム決勝へ進出!
2016 全日本選手権自転車競技大会 オムニアム 1日目
2016年11月19日(土)
伊豆ベロドローム
毎年伊豆ベロドロームで開催される全日本選手権自転車競技大会 オムニアム。例年は2日間だが今大会であるが、今年から変わり決勝は1日で行なわれることとなった。また、オムニアムはいくつかの種目の結果によりポイントが与えられ、それを競うものだが今年は行なわれる種目にも変化が。タイムトライアルはなくなりレース種目のみとなった。今年の文部科学大臣杯 全日本大学対抗選手権自転車競技大会でポイントレース優勝の荒井佑太(営3)を筆頭に法大からは7名がエントリー。明日の決勝進出を懸けポイントレースで行なわれ、近藤翔馬(文1)が1組1位、そして2組目は荒井が2位、渡部将太(人2)が8位で望みをつなげた。
試合結果
予選(ポイント・レース 15km) 1組
順位 | 名前(学部・学年) | ポイント | 備考 |
---|---|---|---|
1位 | 近藤翔馬(文1) | 45pt | 2Laps |
13位 | 鈴木良(経2) | 5pt | |
DNF | 鈴木康平(スポ4) | ― |
予選(ポイント・レース 15km) 2組
順位 | 名前(学部・学年) | ポイント |
---|---|---|
2位 | 荒井佑太(営3) | 12pt |
8位 | 渡部将太(人2) | 4pt |
DNF | 上野恭哉(営1) | |
DNF | 鈴木陸来(文2) |
戦評
朝から雨が降りしきる中、伊豆ベロドロームでは熱戦が行なわれていた。毎年、ベロドロームで開催される全日本選手権自転車競技大会 オムニアム。この大会は今年、大きな変化が見られた。例年のように2日間でタイムトライアル種目、レース種目で競い合うのではなく、1日でレース種目のみでチャンピオンを決める。各レースの順位によりポイントが与えられ、その累計で競われる。いわば、個人インカレといったものか。レースはスクラッチ、テンポ・レース、エリミネイション、そしてポイント・レースの4つ。それを1日で行なうという、選手にとっては負担の大きいものだ。明日行なわれる本戦に向け今日は予選が行なわれた。10周ごとにポイント周回が与えられるポイント・レース(15km、60周)で2組、各組上位10名が決勝へ。それ以外の選手は21位以下順位決定戦へと進む。法大からは鈴木康平(スポ4)、荒井佑太(営3)、渡部将太(人2)、鈴木良(経2)、鈴木陸来(文2)、近藤翔馬(文1)、上野恭哉(営1)がエントリーした。
1組目は鈴木康、鈴木良、近藤の3名がしのぎをけずった。序盤から近谷涼(マトリックスパワータグ)が単独で逃げる。それに続き数名が追走。近藤も負けじと逃げに加わり、早い時点でラップ認定を受ける。残り31周のことだった。逃げがラップをしようとしたことにより、逃げそしてメイン集団のスピードが上がり、鈴木康が遅れをとってしまう。先頭に抜かされてしまい、近藤がラップ認定をされたのと時を同じくして、レースを下ろされてしまった。またもや近谷、そして安田京介(京産大)、山下祥平(日体大)が逃げる。たった一人で追随するのは、鈴木良。しかしすぐに集団に吸収されてしまい、逃げには追いつけず。その3名がラップし、レースは折り返し地点を過ぎる。ここで、近藤が動く。松本憲斗(鹿屋体大)、法大OBである新村穣(CS Slinger)、沢田桂太郎(日大)、貝原涼太(日大)の5名がエスケープ。ラップに成功すると、レース残り1周を迎える。鈴木良が最後の意地を見せ、逃げるがスプリント勝負に敗れ、最終順位は3位。惜しくも決勝進出を逃した。一方の近藤は2ラップを獲得し、1位で予選通過と確かな実力を見せた。
レベルの高いレースであったが、完走を果たした(左から近藤、鈴木良)
ポイント・レースでは学生日本一の称号をもつ荒井主将、今年度の文部科学大臣杯 全日本大学対抗選手権自転車競技大会優勝者である鈴木陸、中距離では昨年の荒井を思わせる走りを見せる渡部、期待のルーキー上野は2組へ。1組とはうって変わり、こちらは選手たちが互いの出方をうかがう展開に。逃げはできず、ハイスピードでの集団走行となった。そんな中でも、荒井は1回目のポイント周回から着実にポイントを得る。途中、鈴木陸が遅れを見せる場面もあったが、復帰。しかしその後も集団の後方へ。残り28周で足切りとなってしまった。3回目のポイント周回で3位通過した上野も、徐々にその表情に陰りが見え始める。安田開(日体大)が逃げると、さらに集団のペースは上がる。4回目のポイント周回前には荒井と渡部もしかけ、両者得点を獲得。残り18周。上野がまさかのアウトとなってしまった。渡部はその後もポイントを奪取。ラスト1周、ゴールを目指しアタックしたのは一丸尚伍(ブリジストンアンカーサイクリングチーム)と荒井。一騎打ちとなり、わずかな差で2位でのフィニッシュとなったが、最終順位も2位と余力を残しての予選通過。渡部も8位と明日の本戦に期待できるレース内容であった。
予選2組目は法大勢が4名出場した(左上から渡部、鈴木陸、荒井、上野)
本日は予選にもかかわらず熱いレースが繰り広げられた。明日のオムニアム本戦はどのようなレースとなるのだろう。特に荒井は優勝が期待される選手のひとりだ。渡部、近藤も下剋上を目指し、実力を十分に発揮してほしい。本戦に出場できなかった選手も、それぞれが悔いの残らぬ走りを見せてほしい。今日のレースはまだ序章。クライマックスはこれからだ。(宮下尚子)
選手コメント
近藤翔馬
―今日のレースを振り返って、逃げができる展開は予想されていましたか
速いメンバー、ナショナル(チーム)の人とかがいたので、動きには同調しようとしていました。自分で追ってラップを決めた方が楽になれるので、ラップは狙っていました。
―マークしていた選手はいますか
特にはいないですね。知っている選手はいなかったのですが、前で展開があったら動くように、後は自分からしかけて自分から逃げをつくるというかたちで。2回目のラップのときはたまたまもがいたあとに、ひとりで抜け出すかたちになって。後ろから追走で来て、そのままラップが決まったので思う展開通りになりました。
―どういった経緯でこの大会にエントリーされたのですか
自分よりも速い人たちと走ると、自分のレベルアップにつながるので、練習がてらという感じもあったんですけど(笑)、あんまり(冬は)自転車の回数が乗れないので。乗れる時にレースがあったら出るという感じです。
―去年との変更点は近藤選手にとってプラスなものですか
タイム競技は得意じゃないので、全部レース系なのでその方が自分としてはやりやすいです。
―このレースは得意、というものはありますか
自分はいつもポイントレースを得意としているので、なるべくポイントレースでポイントを稼ぎたいです。
―テンポ・レースはあまり聞きなれないものですが
そうですね、(走るのは)2回目です。
―どのようなレースなのですか
毎周ごとにポイント周回になります。ポイントレースは10周に1回だったんですけど、1周に1回ずつ1位にポイントが追加されてラップされたら4ポイント、というかたちですね。
―明日の本戦に向けて意気込みを
決勝上がったからには優勝したいので、優勝するように頑張ります。
1年生ながらも、その存在感を示した近藤
フォトギャラリー
- 「優勝したい」と語った近藤
- 途中で足切りとなってしまった鈴木康
- 鈴木良は完走なるも、本戦進出は叶わず
- 悔しさの残るレースとなった鈴木康
- 混戦の中でも確実にポイントを稼いだ渡部
- 優勝候補である、荒井主将
- レースは法大勢がコントロールする場面も見られた(左から上野、荒井)
- 予選ではあるが、熱戦が繰り広げられた(左から渡部、鈴木陸)
- 予選2組、荒井と一丸のゴールスプリント勝負は圧巻だった
番外編:OBフォトギャラリー
- ラップ合戦の予選1組でも、臨機応変さを見せた新村
- 明日のレースにも期待がかかる