【アメフト】秋季リーグ戦閉幕特集②OFの主軸を担ったWR陣、2世代QBインタビュー
2016年12月4日(日)
法政大学体育会アメリカンフットボール部室
秋季リーグの幕が閉じた。法大は最終戦で慶大に勝利するも、早大に負けたため、法大・早大・慶大が1敗で勝率が並ぶという結果に。得失点差により早大の優勝が決まった。3位に終わった法大。今年のOFで彼らなくしては機能しなかったであろう、2世代QB、そして特に活躍が目立ったWR陣にインタビューを行なった。
選手コメント
鈴木貴史(法4)・馬島臨太郎(キャ3)
―慶大戦を振り返って
鈴木:今まで練習してきた成果が全て出せたなというやりきった感はありましたね。
―試合前のチームの雰囲気は
鈴木:早稲田戦負けてからもみんなマイナスな方に向いているわけじゃなくて、自分たちのやってきたことを全てやりきろう、法政のフットボールをやりきろうっていうことはみんな思っていました。
―終盤は慶大から逃げ切る展開になりましたが、司令塔としてどんな意識でプレーしていましたか
鈴木:追われている展開でも焦るとかじゃなくて法政のフットボールをやるだけ、1つ1つのプレーを確実にしていくだけということだけ考えていました。
―勝因はどこにあったと考えますか
鈴木:オフェンスのスキル陣が慶応のディフェンススキル陣を圧倒していたなと思います。
―今シーズンを振り返って
鈴木:自分自身の調子の浮き沈みが激しくて、いいときと悪いときとで結構差が出ちゃっていたなと思います。
馬島:学ぶことが多かったなと思います。去年と比べて鈴木さんとの会話量も増えて、プレーとか雰囲気の出し方なども教えてもらいました。
―今季の明暗を分けることになった早稲田戦を振り返って
鈴木:早稲田戦に関しては、周りのスキル陣を生かせなかったなというのが自分の反省点です。自分でボールを持ちすぎて結局インターセプトされちゃったりとか、タイミングが遅れたりしちゃったので、そういう面では周りにいるすごいメンバーたちを生かしきれなかったなと思いましたね。
馬島:いきなり出番がきてあまり準備はできていなかったんですけど、プレーコールを考えている櫻井さんが自分を生かせるプレーを選んでくれて、ゲインできたのはよかったなと思います。
―1年を振り返って
鈴木:結構大変でしたね。言うこと聞かない奴もいるし(笑)。QBユニットとしては結構大変だったんですけど、その中でも口ではあまり伝えることはできなかったですけどもプレーの姿とかでいろいろ教えられたんじゃないかなとは思います。
馬島:濃かったですね(笑)。監督が変わったりとかいろんなことがあって考え直すことが多かったです。人として成長できた場面が多かったなと思います。
―具体的にどんなことを考え直したのですか
馬島:今まで自分は練習するのがそんなに好きじゃなくてだらけていた部分もあったんですけど、ウエイトとかも本格的に始まって自分で鍛え直さないといけないなと思ったので、毎日ウエイトしたり自分にプラスになることを多くすることが増えました。
―周りからの影響もあったのでしょうか
馬島:同級生もウエイトを練習後とかにやってて、それを見て刺激を受けてやり始めました。
―馬島選手にとって四年生はどんな存在でしたか
馬島:本当に尊敬する存在ですね。人間的にもそうだし、フットボール面でも尊敬することが多くて本当にお手本になる人たちですね。
―同じポジションでもある鈴木さんについては
馬島:学ぶことが多かったですね。チームメイト、特にオフェンスに与える影響が大きくて、言葉だったりプレー中の表情やプレースタイルとかは自分たちと違っていい影響を受けました。雰囲気がかっこよかったです(笑)。
―今年のチームはどんなチームでしたか
鈴木:本当にスローガンの「挑戦」がぴったりだった代だなってのはすごく感じますね。監督が変わったりだとかいろいろなことがあった中でも、「挑戦、挑戦」って言っていることは変わらなかったので、そこはすごくそういう挑戦をできたチームだったなと感じます。そういう面ではキャプテンも「人として成長することが大切」っていうのはずっと言ってて、成長する中でもただただフットボールがうまくなるのではなくて人として成長できたチームだったなと思います。
―石神主将はどんな主将でしたか
鈴木:本当に頼れるキャプテンでした。というのは、春はキャプテン自身が試合に出られなくて大変なこともあったと思うんですけど、声を出してくれたりチームを支えてくれました。本当にいい奴です。
馬島:鈴木さんの言った通り、本当に頼り甲斐のあるキャプテンです。
―「甲子園を知らない世代」ということで甲子園ボウルに懸ける思いは強かったですか
鈴木:やっぱりあそこでプレーしてみたいなという思いはずっとあったんですけど、結局できずに悔しい思いはあります。でも最後のシーズンは自分の全てを出せたなと思っているのでそんなに後悔はないです。(甲子園に)行きたかった悔しさはありますが、自分のプレーとか成長の面ではよかったなと思います。
ー馬島選手は来年は最上級になりますが、どんな1年にしたいですか
馬島:まず、絶対に甲子園に行くというのは決めていて鈴木さんが行けなかった分、自分が行くことでそれがいろいろなことを教えてもらった鈴木さんへの恩返しになると思うので、絶対に甲子園に行きたいです。4年だしQBということで、オフェンスをまとめなければいけないと思うのでそこは自覚を持ってやっていきたいです。
―馬島さんの理想の選手像は
馬島:安田監督もおっしゃっているんですけど、雰囲気のあるQBというのはグラウンドにいるだけで結構流れとかも変わってくると思うし、周りに与える影響も大きいと思うので雰囲気のあるQBを目指しています。
―来季の目標を
馬島:学生日本一です。
―改めて4年間を振り返って
鈴木:結構大変でしたね。1年からずっと出させてもらっている立場ではあったので、思うように結果が出なかったり自分が出てチームが勝てないという辛さというのは正直ありました。
―応援してくださった方へのメッセージを
鈴木:応援してくださる方々の声援というのは、本当に助けになっててパスとか決めて歓声を上げてくれるのが後押しになってどんどん自分も乗ってきたりということもあったので本当に応援してくださる方の存在は大きいなと感謝しています。
―最後に後輩たちへのメッセージを
鈴木:特に馬島には頑張ってほしいっていうのはあって、QBという立場というのはアメリカンフットボールの中では特殊なポジションで、そういう面では大変なこともとてもあると思うんですけどオフェンスメンバーやチームを引っ張ってくれる存在になってくれたらなと思います。
尾崎聖弥(営4)・阿部康成(文4)
―慶大戦を振り返って
尾崎:最高に楽しかった。
阿部:相手が慶應だったので。気持ちよかったです。
―WR陣としての作戦はありましたか
尾崎:日本一のレシーバーだと思っていたので、それを出すしかないというか。勝手に出ちゃうとは思っていたんですけど。
阿部:個人(の力)を最大限に出すっていう。
―浜スタでの勝利は久しいものでした
尾崎:あんまり浜スタでの勝利で、というのはあまりなかったです。
阿部:でも勝ってなかったから、3年間。
尾崎:浜スタで勝ったから、とかいうのはあまりないですけど、やっぱりリーグ戦最後っていうのもあって感慨深いものがあるというか。楽しかったです。
阿部:勝って終わったから、あんまり実感もないし、まだ次あるという気持ちです。
―今シーズンを振り返って、3位という順位については
尾崎:結果として数字では3位ですけど、3位だとは思っていないです。俺は圧倒的に1位かなと思っています。結果は出ちゃいましたけど、1位になったくらいの気持ちです。3位で、1位になれなかったのは悔しいですけど、1位になったくらい得たものや価値がありました。悔いに残るのは甲子園行きたかったことくらいですかね。
阿部:結果は3位で、悔しいなっていうのは一番にあって。楽しかったですし、終わりもよかったのであまりはたから見ても、法政3位っていう印象はないんじゃないかなという感じです。
―今シーズンのご自身のプレーについて
尾崎:俺は目立つプレーが多かったんですけど、でも自分の思い通りのプレーができたとは思っていないです。もっとすごいプレーとかできたんじゃないかなとか思いますね。結果はいいの出てるんですけど、タッチダウンとかキックオフリターン(タッチダウン)とか。
阿部:でもみんなそうだよ。みんなもうちょっといけたんじゃないかって感じは残ってます。
尾崎:俺はけがしてから自分本来の動きができないっていうのはあったから、自分でも動きは分かってるけどそれが体でできないのはあったので、そこが悔しいですね。もっとすごい動きができたんじゃないかと思いますけど、印象あるプレーができたので。
―今シーズンは上位3チームが1敗で勝率が並び、混戦となりました。これは予想されていましたか
阿部:いや、まったく。もうシーズン始まった時、負ける気がしなかったですし混戦どころかあっさり決まるんじゃないかと。
尾崎:俺も思ってた。第6戦で俺らの優勝が決まるんじゃないかって思っていました。
阿部:でも日大が負けたり、ほかのところで番狂わせがあって。変わっちゃったですけど、負けるとは思っていませんでした。
―今年はWRの活躍が目立ちましたが、その要因は
尾崎:去年からチームでレシーバーが活躍していたというか、自分たちでもそう思っていたし、俺らが一番だと思っていたし。今年も圧倒的に俺らが日本で一番だと思っていましたし、それ(活躍)は必然的だなと。それで甲子園ボウルにいって勝つことができなかったのは悔しいですけど…。
阿部:今の代の4年生は、2年生の頃から経験していて。
尾崎:2年生から(試合に)出てたので。
阿部:ずっとチームのレシーバーはこの代が出ていたので。経験がありますね。
尾崎:フットボールの経験、実力、雰囲気。一番だという雰囲気とか、スター性というものは俺らが創り出していて。そういう雰囲気の方が上手くなるというか、競い合えるので。
阿部:俺らの代はずっと仲良くて、何があってもこのレシーバーの6人で一緒に高めあってきたのはありますね。
尾崎:よく遊ぶしね。
阿部:オフもね。
―石神選手が率いる今年のチームはいかがでしたか
阿部:よくやってくれました。個性強すぎのチームで、みんな我が強すぎて、相当まとめると大変だったと思うし、いい意味で意見も言うし。みんなバラバラだったのが、こうして一つにまとまっているのは、本当に彼のおかげです。
尾崎:すごいなと思う。
阿部:絶対一番つらかったよな。すごいなと思います。
―4年間、トマホークスでプレーして得たもの
阿部:自分たちの小ささとか、自分たちが世界においていかに小さい存在かみたいな、視野を広げてもらったということですかね。
尾崎:俺も昔そうだったんだけど、何が何でも日本一になりたい、日本一になるために全てを捧げてる。でも日本一になれなかったら、みんな終わりだと思っちゃうわけで。それは俺もそうだったんですけど、日本一っていうのは結果であって、どうでもよくて。人生のためにフットボールが、この4年間があるので。そこで人生のためのフットボールを4年間する上で何を学べるのか、なので。それを監督から教わって、昔は日本一になりたくて、それがすべてだったから。でもそうじゃなくて、それを目指す上でなにを学んだかが今後の人生で生かすことなので。深いでしょ(笑)。俺はすごくそれが心に刺さった言葉ですかね。後はもろもろいっぱいあります。けがはちゃんと治さなきゃいけないとか、けがをしないための体づくりとか、ウエイト大切とか。俺は細いんですけど、細くてもスピードとかキレがあったので、(ウエイトが)いらないと思っていたんです。でも栗原(嵩・平21年度卒=現IBM BIG BLUE)さんというレシーバーのコーチが来たんですけど、(筋肉が)あって越したことはないし、一緒にメニューをやってもらっていたりして。自分でも体が変わりましたし、それがプレーにも、これ生きてるなって実感できて。それで結果も良くなったので、ウエイトは大切だなっていう4年にして発見です。もっと早く気づいておけば強くなれたなという。後は同じポジションを大切にすることかな。ポジションの後輩はもちろん、同級生。結局、4年生のシーズンでいかに成長するか、結果を残せるかということをずっと思っていたので、俺は3年生の時にけがをして。一個上の(小島)太郎(平27年度卒=現オービックシーガルズ)さんとか恒吉(幸紀・平27年度卒)さんとか、すごく思い入れがあったんだけど、もちろん日本一になりたかったんだけど、それ以上に自分たちの代で日本一になりたいと思っていて。大切にするというか、俺はポジションリーダーやってたので。
阿部:まとまってないよ。
尾崎:いや、めっちゃまとまってたから!(笑)だから結果が出たわけで。
阿部:あんまりだよ(笑)。
尾崎:影でやってたから!まとめるとかはしてなかったんですけど、周りから見られたときにレシーバーというユニットとしてどう見られるかとかはすごく考えてやっていたので、同じポジションを大切にして誇りに、一番だと思うことは昔からそれは大切だと思っていましたけど、(トマホークスで)学んだことですね。
―阿部選手はいかがですか
阿部:(尾崎が)全部話してくれました。
―4年間を一言で表すとなんでしょうか
尾崎:さっきの「フットボールのための人生じゃなくて、人生のためのフットボール」っていうのと、俺は高校生の頃から好きな言葉があって。「自分なりのスタイル」っていう。個性っていうものがあって。阿部ちゃんは身長高いし、俺は身長高くないけどスピードがあると思っていて。人それぞれ個性があるじゃないですか、そういう個性を自分で伸ばすというか、それで一番だと思っているので。自分のスタイル、俺といえばこうだよ、法政の1番といえばああだよねっていうものですね。自分なりのスタイルを持って、大切にすることです!
阿部:まとめるって難しいね。まとまらないですね(笑)。
―なぜ尾崎選手は背番号1番になったのですか
尾崎:かっこいいじゃん。1番かっこよくない?俺、昔83番で、髪長くて。とにかく目立ちたくて、試合中でもばって見たときに一番最初に目につきたい人で。他の人よりも違う雰囲気というか、高校生の時からあいつは違うなというようになりたくて。まず1番は目立つじゃないですか。81とか86とか、目立たないじゃん。
阿部:こらこら(笑)。
尾崎:「1」って白いユニフォームだったら、白い部分がたくさんあって、目立ちますよね。後、一番になりたくて。
―阿部選手の背番号81番は立候補されたのですか
阿部:いや、ずっと86番でいくつもりで。高校からずっと86番つけていて。最初は86番ってなんだと思っていて、元々88番をつけていたんですけど、逆に背中いっぱいの番号、88とか86とか。88は高校の時に先輩がつけていて、次に(背中が)埋まっている86番をもらって。あんまり(86番を)好きじゃなかったんですけど、変えるのもめんどくさくなって。それで大学に入っても86番が空いていて。86番を法政のエース番号にしようと。86番といったら阿部選手、といわれるくらいに、育てるじゃないですけど。そういう感じで86番に愛着がわいてきたんですけど、最後は81番というエース番号を継いで。86番が好きだったし、エースがつける番号なので81番はみんなつけられないというふうになって。
尾崎:そういう変ですけど、良い伝統があって。ちょっとへっぽこな選手がつけられなくて。
阿部:じゃあお前しかいないって言われて。お前に継いでほしいと太郎さんにも言われたのもあって。それで継いだという感じですね。
尾崎:そういう背景があります。俺も11番つけるという話があったんですけど、1番がよかったので。
阿部:今の法政のユニフォームに変わったのが、確か栗原さんの代でその時栗原さんが81番をつけていて。来年、ユニフォームが変わると思うんだけど、栗原さんで始まって、阿部で締めると。
―同期であるレシーバーの方に向けて
尾崎:俺はポジションリーダーやっていたので、みんなに感謝してます。すごく楽しかったし、楽しくなるのは分かっていたんですけど、楽しくしたいですし。険悪なムードは嫌なので、やることはみんなでやりたいと。皆で取り組んで良い結果が出たら最高だなって。ありがとうっていうのと、みんなが日本一だよっていう。俺らが日本一のレシーバーユニットだよって。みんな分かってるとは思うんですけど、それが一番ですかね。まとめてだと難しいですね、一員だから。
阿部:本当に、誇りに思う。一生の友になるって確信しているし、うちの代のレシーバー陣は正直へっぽこなやつはいなくて。全員一本目で。
尾崎:十人十色ですね。みんなすごく個性があって。
阿部:ひとりひとりに言ったら尽きないと思いますけど、本当に誇りに思います。大好きっていう。
―お互いに向けて
阿部:俺らもう高校から一緒で。
尾崎:そう、俺は日大の附属(日本大学高等学校)で。チームは違ったんですけど、選抜が一緒で。
阿部:その時に初めて知って。
尾崎:ちなみに高校の頃、神奈川県で。アメフトでレシーバーで、有名って言われていたのは、阿部ちゃんはあんまり言われていなくて。
阿部:言われてたよ!(笑)
尾崎:そんなじゃん(笑)。俺と、中央にいる松岡っていうやつと、あと慶應のやつと。二高はそもそもパスプレーが多くて、(阿部選手が)あんまり目立っていなかったんです。代表例に挙げられていなくて。でも俺は阿部ちゃんがずっとうまいと知っていて、分かっていたので、阿部ちゃんか俺が一番だと思っていたんです。本当ですよ!(笑)。俺が一番だと思っていたんですけど(笑)。中央の松岡も背が大きくてうまいんですけど、(阿部選手は)センスがあるなと思っていて。すごく一緒にやりたかったし、最初阿部ちゃんはチームに入っていなくて。
阿部:俺、ほぼ1年やってないんです。
尾崎:俺はスポーツ推薦で入ったけど、阿部ちゃんは途中から入ってきて。俺はずっと一緒にやりたくて。それで阿部ちゃんが入ってきてくれてよかったと思って。同期が6人いて、誰もやめなかったし。良(奥津)もいて、あいつも高校の頃からすごい選手っていうのは知っていて。「ラッキー、超強いじゃん」みたいな感じでした。
阿部:俺も知ってた。
尾崎:俺は阿部ちゃんが入ってきてくれて、すごく嬉しかったし良かったし、最後一緒にフィールド立てて楽しかったです。よくうちに遊びに来るし。
阿部:オフ一番遊んでたよな。
尾崎:仲良しです。
阿部:プライベートでもフィールドでも。
尾崎:良きライバルであり、良き仲間でありという感じですね。
阿部:(尾崎選手が)3年でけがした時、こいつもうできないなと思った時は本当にすごくこっちが落ち込んだというか。
尾崎:俺3年の夏にひざけがして、手術したんです。ひざの手術って結構昔から選手生命絶たれるっていわれるくらいで。実際できましたけど、俺もすごくショックで。どうしようかな、アメフトやめようかなと思ったこともありました。
阿部:すぐ話持っていく(笑)。だからフィールド戻ってきた時は嬉しかったし、これで揃ったと思いました。去年もやってないよな、シーズン。
尾崎:うん、秋。春はやってたよ、去年大活躍してた。今年の春はやってない。
阿部:そうそう、今年の春もやっていなくて、夏くらいからできて。本当に嬉しかったです。尾崎がいないとレシーバーがまとまらないので。
尾崎:俺がいてのレシーバーだからね!本当だよ!
阿部:そうだよ。だから、尾崎で良かったなって。俺も一番ついてたし。
尾崎:背番号にね。
―後輩の方々に向けて
尾崎:俺は、これ引退した試合の後にも話したんだけど、大切にしてほしい2つのことがあって。スター性とイメージすること。この二つですね。特にレシーバーとしてはスター性というのを大切にしてほしくて。このチームといったらレシーバーだよっていう、そういうことをすごく大切にしていたというか。そうありたかったし、トマホークス、法政フットボールといえばレシーバーだよねということを確立してほしいというか。さらに広げてほしいという思いはありますね。
阿部:これだけできる4年生がいなくなった後は、大変だとは思うけど…。
尾崎:6人抜けるしね。レシーバーの俺らの代は、本当にすごいからね!(笑)
阿部:俺も後輩にこう言ったけど、練習はやりたいようにやればいいと思うし、俺はなんとかなるという信念で生きているので、でも結果にはこだわってほしいと思います。すべてが結果なので、俺らは3位で終わって。結果は3位ですけど、3位のチームじゃないので。結果にこだわってほしいということですね。
―ファンの方々に向けて
阿部:ファンいっぱいいたからね。
尾崎:すごく多かったです。チームで1、2番です。
阿部:今までは挨拶しかなかったですけど、試合後行き始めて改めて知って。
尾崎:試合後、スタジアムの外で。
阿部:お見送りするんですけど。その時にトマホークスの応援してくれている人が、こんなにいるんだとすごく嬉しかったです。こんなに多くの人に応援されて、応援されるフットボールをしなきゃいけないと思っていたし、本当に感謝ですね。
尾崎:友達や家族はもちろん応援してくれるんですけど、OBの人たちが応援してくれているのをすごく感じて。親父もOBなんですけどその周りの人から、俺らからしたら知らない人ではあるんですけど、それでも「尾崎すごかったね」とか試合終わった後とかに、日大戦で初めていろんな人に声を掛けられて。こんなに応援されてるんだ、こんなに注目されてるんだと思って。すごく嬉しかったというか、感動しました。プレーを見てすごいって言ってくれるって、俺、すごいスポーツやったなと思っています。感動したというか、ありがとうございますという感じで。
阿部:だから俺らは今後も、代々応援される法政フットボールっていうのをやっていかなきゃいけないのかなと。そういうかたちで恩を返すというか、感謝を示すことは大事かなと。
―最後に、フットボールは続けられますか
尾崎:続けないです。
阿部:説得しておいてください、多分続けると思うので。続けた方がいいよ。俺は本当に今実感がないから。負けたっていう、終わったっていう感じがなくて。まだ部員だし、チームで動いていないのであんまり実感がなくて。次のことを考えられないですね。また明日練習あるんじゃないかという感じですし、まだ考えてない、考えられないですね。これが2月とか3月とかになったら、また考えるのかなと思いますけど。
尾崎:阿部ちゃんはやるよ。俺はやらないよ。
―尾崎選手の決意は固いのですか
尾崎:固いね。俺は続けない。続けないつもりです。
阿部:俺は分からないしか言えない。正直やる可能性もあります。
尾崎:俺はもうけがしたくないので、だからやりたくないっていうのはありますね。
山田一輝(法4)・奥津良介(文4)
―慶大戦を振り返って
山田:勝った。って感じですね。
奥津:個人的にレシーバーは満遍なく活躍できたっていうのが良かったかなって。三橋(大地・人4)とか、特に。
山田:そうだねえ。
―リーグ戦3位という結果については
山田:それは日本一がいいに決まってますよね。
奥津:日本一が良かったんですけど、一敗して悔いはないというか。3位だけど、言っちゃえば同率一位だから。悔いはないです。最後の試合は全員で出れて楽しかったし、やりきった感じがあったので、結果はそんなに気にしていないです。
―慶大戦に対してプレッシャーは
山田:いや、絶対勝てると思っていたので。絶対勝つぞと。慶應を高校時代からあまり好きじゃなかったので(笑)。ずっと1位を争ってきたライバルで、ずっと意識していたので。
奥津:無いですね。慶應がどうこうとかじゃなく負けるつもりもなかったですし、負けたくない気持ちが強かったというか。慶應に勝って、次の早稲田対日大の結次第で俺たちも優勝できるからとりあえず勝ちたかったですね。
―早大戦について
山田:本当に悔しかったという一言ですね。全然取りきれるところで点数が取れなくて。そっちの方が悔いが残りますね。
奥津:試合に負けたというより自滅が多くて。試合の流れもそうですけど。10点差で良い流れだったのにキックを外したり最後のスナップミスとかインターセプトとかがあって。自分達のミスであんな大差がついてしまって、苦しい感じになってしまったという。
―今まで得失点差で順位決定というのは
奥津:ないです。今までずっと全勝対決だと思います。
山田:最初の頃は日大戦から全部勝てばいいくらいに思ってたんですけど、早稲田負けて、得失点差で「マジか」って。
―日大と早大の試合について
奥津:早稲田強いなって思いました。純粋に。あと日大が怪我人も多くて0点に抑えられてて。ちょっと同情しちゃうような。大丈夫か、とは思いましたね。
山田:日大は今までずっと強かったから…4敗?これで。ちょっと残念です。
―練習中の同期の雰囲気は
奥津:ヘタレが基本いなかったから、4年生のレシーバーは。声掛けられなくてもつらくてもみんなやってるから、自分でやらないとというのはありました。
山田:レシーバーは4年生が6人いて、試合に出られるのが強いところだと5人くらいで。出られない人が絶対に出てくるから、みんなで切磋琢磨していく感じでやっていました。
―「甲子園を知らない世代」として1年が始まりました
奥津:そんな簡単に行けねぇよとは思いましたね実際。
山田:周りから言うのは簡単だもんね。
奥津:行けなかったことは確かに嫌だけど、そんなに悔いが残ってないから気にしてないです。
―やりきったという思いが強いのですか
奥津:楽しかったよね。
山田:慶大戦が本当に楽しくて。しかも勝って終わるというのも今まで無くて。そういった面でもやりきったというのはあるかもしれません。
―今年のチームの印象は
奥津:(石神)宇貴が頑張ってたというのもあるけど、結構周りから支えられてたっていうのは思います。みんな宇貴のこと好きだったというのもあります。嫌いな奴いないもんな。
山田:絶対いないと思う。結構性格もプレーも個性が強かったと思うから。それを宇貴が頑張ってまとめたなと思います。
―石神選手はどんな主将でしたか
山田:オンとオフがしっかりしてるなと思います。練習始まるとすごいガチなんだけど、部室とかだとすごいふざけてて。
奥津:あまり仲良くないと(笑)。山田さんは。
山田:まあ基本的に僕はあまり友達がいないタイプなので(笑)。でも宇貴も結構友達いないタイプだよ。
奥津:宇貴もいないね。1年の頃のオフは毎回遊んでて、2年からアイツが幹部になって全然遊ばなくなって。忙しそうだなと思ってました。
山田:そこから友達いなくなっちゃったんだよね(笑)。
奥津:遊ぶ機会も減っちゃったし。けど4年になってからの方が絡むようになったよね。
―特に苦しかったのはいつでしょうか
山田:振り返ってキツいのは夏合宿じゃない?
奥津:そうだね。一番キツいのは。
山田:長いじゃん。
―4年間を振り返ると
奥津:同期のレシーバーが6人いてみんな面白かったしさ、その人たちといるのが楽しかったから続けてこれたのかなと。
山田:俺もその意見で大丈夫だからその意見で(笑)。レシーバーはそれぞれキャラクターがあるので。
―同期で思い出は
奥津:いっぱいあるわ。レシーバーの4年生でオフどこか行こうみたいなのがあって。ディズニー行ったし、沖縄に旅行もした。とりあえず焼き肉みたいな日もあるし。
山田:ハワイアンズにも行った!(笑)いろんなところ行ったね。
奥津:遊びはそれくらいかな。出掛けたのもそうだし、部室にいる時間が面白かったです、一番。練習じゃないんだけど、部室でロッカーとかがみんな固まってて、一緒にただ話してるだけだったけど、それが楽しかったですね。
山田:部室で面白いってのはね、この人(奥津)が俺らのことをいじめて来るわけよ。それでなんか笑いをかっさらっていくから(笑)。
奥津:俺は笑いに対して貪欲だから、みんなを楽しませたいんだよ(笑)。
―次のWRを引っ張るキーマンは
奥津:高津佐(隼矢・キャ2)ですね。
山田:まあ高津差ですね。
奥津:あと別府(絋行・文3)!
山田:ああ絶対言うと思った(笑)。
奥津:別府!いい奴だよ。本当に。いいと思う(笑)。
山田:裏で俺らの悪口言ってるから(笑)。別府!
奥津:二人に頑張って欲しいです。俺ら6人抜けると相当キツいというか。チームのユニットとして。レシーバーを引っ張るというか、チームでレシーバーをいい位置にして欲しいですね。今年を越えるくらいの勢いで。
―ファンの皆様へ
山田:自分はファンクラブあるらしいんですけど。
奥津:え!そうなの?
山田:嘘です。
奥津:そうだよね。
山田:本当に監督とか変わってから、応援してくださる人も増えて、3位という結果にはなってしまったんですが、ありがとうございましたと言いたいです。あと、そっくりなお母さんが毎日応援してくれたので(笑)。
奥津:そう!そっくりなのママが(笑)!
山田:見た瞬間お母さんって分かるお母さんが本当に応援してくれたので。そこにも感謝したいですね。
奥津:なんだろう。なんかね、「1年生のときからファンです」って言ってくれた人がいて。その人限定ってわけじゃないんだけど。父母会の人が多いので、迷惑掛けたけど最後まで応援してくれてありがとうと言いたいです。あとOB。応援に来てくださったり、寄付とかしていただいて。ありがたいなと4年生になってから特に思いました。
―卒業後は
奥津:俺は一応続ける形で。
山田:いやまあやりたいっていう気持ちはあります。この人たちと敵で戦う面白さっていうのもあると思うんですけど。でも、仕事の関係で忙しいというのもあるので。やれたらやります!
フォトギャラリー
- 「日本一のレシーバー」の一員である尾崎㊧、阿部
- 和気あいあいとした雰囲気の中でのインタビューとなった(左から山田、奥津)
- 「やりきった」ともらした鈴木
- 来年、OFの主軸となる馬島は鈴木へ恩返しをすると語った
- ポジションリーダーを務めた尾崎は熱き胸のうちを明かしてくれた
- 同期であるレシーバー陣のは一生の友という阿部の言葉にWR陣の絆の固さがうかがえる
- 慶大相手に「意識してきた」、そして「本当に楽しかった」と山田
- 「やりきった」とさわやかな表情で語った奥津