【フィギュア】第89回日本学生氷上競技選手権大会 藤澤、渡邉入賞ならずも健闘!

スケート

【フィギュア】第89回日本学生氷上競技選手権大会 藤澤、渡邉入賞ならずも健闘!

日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)
2017年1月7日(土)~8日(日)
沼ノ端スケートセンタ―

今シーズンの集大成を見せる場となるインカレ。法大からは藤澤亮子(文3)、渡邉直弥(通2)の2人が出場。入賞こそ叶わなかったが、個性あふれる演技でそれぞれの存在感を示した。

 

★法政大学体育会フィギュアスケート部門Facebookはこちら

IMG 0518 S
インカレ初出場を果たした渡邉

試合結果

クラス 選手名 順位 SP FS 総合得点
 男子Aクラス 渡邉直弥  18位 53.86点⑭ 94.12点⑲ 147.98 点
女子Aクラス 藤澤亮子  17位  42.37点⑯ 72.49点⑱   114.86点
 ※SP:ショートプログラム、FS:フリースケーティング。丸数字は種目別順位。

戦評

SP

  最初に行われた男子AクラスSP。法大からの出場者は渡邉直弥(通2)。SP「レ・ミゼラブル」、右手を胸に当てる決めポーズからなめらかに滑り始めた。冒頭、コンビネーションジャンプ、そして3ルッツを軽やかに決め、上々の滑り出しを見せる。続く得意のスピンも綺麗に回転し余裕さが垣間見えた。しかし、次の2アクセルでは着氷する際に少し体勢を崩してしまう。その後、終盤「民衆の歌」が流れると、マリウスを思わせるかのような力強さが表現に加わり会場内は盛り上がりを見せた。ステップを踏む時には手拍子が起き、最後のスピンも速さをつけつつ綺麗に決め笑顔で曲を締めくくった。得点は53.86、14位でFSへと折り返した。


IMG 0527 S
渡邉の演技中、その表情の変化にも注目だ

 続いて女子AクラスSP。涙で終わった東日本選手権から2ヶ月、藤澤亮子(文3)がインカレのリンクに立った。東日本では見事な演技を見せたSPに期待が高まった。冒頭のジャンプは3ループを予定していたが、1ループとなってしまう。しかし「びっくりはしなかった」との言葉の通り、続くコンビネーションジャンプを落ち着いて成功させた。藤澤の持ち味は抜群の美しさのスピン。また、ステップでは音に動きをしっかりと合わせ、観客からは拍手が起こった。調子が上がらないなか、演技をまとめあげた藤澤。結果は42.37点で16位。明日のFSでの巻き返しなるか。

IMG 0797 S
序盤ミスがあったものの、落ち着いて演技をまとめ上げた藤澤

FS

 2日目の男子FS。「シルク・ドゥ・ソレイユ」の曲にのせて、前日の14位という成績からさらに順位を上げていきたい渡邉。最初のジャンプ、2アクセルは見事成功、好調な滑り出しを見せた。その後のコンビネーションジャンプでは回転不足が目立ってしまうが、得意のスピンやステップを丁寧にこなし、「渡邉にしか生み出せない世界観」を全面に出すことができた。フリーの得点は94.12点。総合得点147.92点、18位で今大会を終えた。前日の滑走で右足を負傷し、FSは右足をかばいながらの苦心の滑りとなった渡邉だったが、初出場の今大会に「緊張は無かった」と話し、終始客席を沸かせる演技を魅せた。全国各地から沼ノ端に集結した選手たちの活躍を見て、「皆ジャンプは、自分よりもはるかに難しいことをやっている。参考にしながらも、自信を持って自分の練習を続けていきたい」と力強く口にした。

DSC 0075 S
右足の痛みを抱えながらFSへ臨んだ渡邉

 SP16位スタートとなり、FSで巻き返しを狙う藤澤の演技。冒頭の3ループは惜しくも2ループに。続く3トゥーループと2アクセルは綺麗な着氷。中盤のスピン、ステップは圧倒的な美しさで会場を沸かせた。勝負の後半、3トゥーループをしっかりと決めると、今季なかなか入れることができなかったコンビネーションジャンプを決めた。体力の無くなってくるこの場面での、高い3トぅ―ループの成功に観客からも驚きの声が上がった。最後の2アクセルは抜けてしまったが、しっかりと魅せる演技を披露した藤澤。合計114.86で16位となった。

DSC 0267 S
藤澤はFS後「満足はしていないがやりきった」と振り返った

 インカレが幕を閉じ、今季を振り返るとフィギュアスケートという競技の見た目の華やかさ反面、その過酷さが垣間見えたのではないだろうか。法大勢では藤澤がオフシーズンにヘルニアが発覚、休息をとり体と相談しながら練習を続けた。さらに、主将である宮田大地(文2)がケガにより東日本選手権を欠場。インカレでは、渡邉が右足の痛みを抱えながらFSへ挑んだ。大学生になり、彼らの競技生活もあとわずか。だからこそ、不安な要素を抱えながらも自分の持つ力を出し切ろうとリンクへと向かう。その姿からは内に秘める強さが見える。
 来シーズンで、藤澤は競技生活に終止符を打つことを宣言している。果たしてどんな姿を見せてくれるのか。さらに、フィギュア部門には2人の新入生が加わる。人数が増え盛り上がりを見せるであろうフィギュア部門、来季彼らの活躍を見逃してはならない。(阿部暁野、下石川愛実、岡崎祐平、梶山麗)

 

 

選手コメント

藤澤亮子

(SP後)

-今のお気持ちは
東日本が終わってから集中力が切れたというか、体がオフになっていました。なので仕上げるのにも時間がかかったんですが、その中では仕上がった方だと思っています。ただやっぱりループは跳びたかったですね。

-いい演技とは言えない
そうですね。

-東日本からどのように過ごされましたか
東日本が一番重要な試合だったので、とりあえず1回体を休めて。滑りにはいかないとな、というのはあったんですが、跳べなくてもあまり考えないようにするとか。靴を替えたのが体的にはすごくオフになりました。

-ループのパンクの要因は
練習で全然決まってなかったので。あんまり自分では失敗してびっくりはしなかったですね。逆に、この後まとめなくちゃと思いました。

-2番滑走でした
びっくりはしたんですけど、自分は遅いことがあまりないので、いつも早くて。今回はまあ人数も多いのでさっさと終わって、FS行ければと。

-今季通してアクセルに対する意識は変わっていますか
パンクはすごく試合で出やすいので、普段からとにかく締めるようにして。転んでもステップアウトとかオーバーターンでもなんでもいいのでとにかく締めるようにしています。

-今大会の目標は
西の子たちも強いので、とにかくFSに行きたいというのが目標です。そのあとは調子が悪いですけどFSではループを締めたいので、東日本のリベンジができたらいいなと思います。

 (FS後)

-演技を振り返って
練習よりいいところもありつつ、全然できなかったところもありつつですね。満足はしてないですけど、全部が悔しいというわけではないです。やりきった感じはありますね。
 
-できたところというのは
後半トゥーループがはいったところですね。
 
-満足してないところというのは
3ループです。
 
-東日本でもFSは苦しみました
東日本のときは仕上げてからの挑戦だったのですごく緊張していたんですけど、今回はあまりFSも通してないなかで、自分でも体力的にどうなるんだろうという方が大きくて、全然気持ちは違う感じでした。
 
-表情が少し暗いように見えましたが
ただただしんどかったです。すごく声援も聞こえて。体力的にキツかったのが顔に出ただけで、気持ち的には温かいなかで滑れました。
 
-法大として今季を振り返ると
上がいなくなって人数も減って、春関からどうやって盛り上げていこという中、自分がオフにヘルニアになって春関に出られないというところから始まって。上が3人抜けたのはすごく大きくて、どんな雰囲気になるのかなというのを探りつつ。でもみんなあまり変わらず頑張って来れたので、自分も残り少ないし、みんなと頑張っていこうと。最後に宮田くんがけがしちゃったのでインカレも来れなくて寂しいんですけど、彼も主将なのもあって全日本(選手権)出られなかったのも悩んでると思います。とりあえず人数が少ないのでそれぞれいろいろあると思うんですけど、全員が頑張ってるのは感じるので、自分も頑張ろうと思います。
 
-藤澤選手個人としてはどんなシーズンでしたか
4月にヘルニアになったので、去年から調子が上がらなくて、だめかなと思ったところでループが跳べたり。踏ん張れる部分もありました。そこからはあっという間でした。
 
-腰の調子は
ヘルニアって1回なったら治るものじゃないので。今回もビールマンスピンができなくて、ショートで久しぶりにやったらFSは無理かなと思ってやめたんですけど。難しいですね。あと1年なので。だましだまし。痛くなったら潔く休んで、体とも向き合いながらやりたいと思います。
 
-来季はどんなシーズンにしたいですか
目標は3ルッツを曲に入れたいというのがあって。1年生が二人増えるので、法政のみんなと楽しくシーズンを終えたいです。
 
-具体的な順位などはありますか
もちろん全日本は行きたいですけど、枠とか難しい部分もあるので、ルッツを入れてループもはいって、自分が納得の行く演技がしたいですね。
 

渡邉直弥 

(SP後)

-今日を振り返って
終わった直後は嬉しかったんですけど、もう一度振り返って見ると笑っちゃいけないと思うところで嬉しくて笑っちゃってました。全然他の人には気にならないんですけど、ストーリー的に悲しいところというところで笑っちゃってて、ツイッターのレポとか見ると笑ってたから良かったって言ってて笑ってたんですけど、そこはやっぱり表情とかこだわっていたところだったので少し悔しかったです。明日は落ち着いて普通通りやれたらいいと思います。
 
-3つめのジャンプが、少し体勢が崩れました
これ決めたらノーミスだと思って上がっちゃったので、明日は欲を無くして落ち着いて普通通りやればいけるので普通通りやりたいなと思います。
 
-今回は去年と違い、法政大学からは男子1名での出場でしたが、心境としてはいかがでしたか
去年見ていた側で、ここで滑りたいと思っていて(今年)ここに来たんですけど、やっぱり去年とちょっと違う状態になって、ここで頑張んないでいつ頑張るんだろうなと思いました。でも普通通りにやった結果が渡邉直弥が出て良かったって思ってもらえる形になればいいと思っています。だから、普通通りやればそう思ってもらえる人が1人でも多くなるじゃないかなと思いながらやりました。でも寂しいですね、やっぱり(笑)。
 
-演技前に監督とはどのようなお話をされていたんですか
丁寧に大胆にとアドバイスをいただきました
 
-今回、衣装に手袋を足されていたのですが何か理由があるのですか
練習から手袋をしていて、あと、白いリンクだったので映えるかなと思ってつけました。別に意味とかはそんなないんですけど、ジャンプの感覚が変わっちゃうんでつけました。
 
-明日への意気込みをお願いします
明日も普段通りやれば皆さんをびっくりさせられると思うので。今日は焦っちゃったところもあって、焦ったら焦ったでしょうがないですけど、できるだけ普段通りにやればノーミスでいけると思うので、しっかり普段通りと思い過ぎずにできるように頑張ります。

 
(FS後)
-前日の結果を受けて、今日はどんなことを課題に滑りましたか
(前日の)14位はすごく悔しいなと思ったのですが、結局SP1位でも14位でもやることは変わらないなと思っていて、自分ができることしかできないからいつも通り、普通にやれば全然いけるかなと思っていたので、結果を受けて(自分の課題は)変わってはいなかったですね。
 
-体調やコンディションは
リンクの氷が硬くて、昨日の滑りで少し右足をケガしていたみたいで、歩くのもちょっと痛くて。ルッツとかフリップが公式練習から上手くはまっていなくて、本番はどうなるんだろうという感じで不安な要素はありました。
 
-リンクの広さはいかがでしたか
狭かったですね。もうちょっとエッジワークを使ってやればよかったのですが、余裕があまりなくて残念でした。
 
-インカレ初出場ということで、緊張などは
初出場の緊張というものは特になくて、いつも通りやっていけたらいいやという風に思っていたのですが、一人っていうのがなかなか今までなかったので、法大としての一人での出場というのは初めてだったので、そこでちょっと緊張はありました。
  
-序盤、最初のアクセルは成功。滑り出しはいかがでしたか
最初は全然悪くないなとは思いました。最初のアクセルは練習でジャンプを直していて、全てのジャンプを直したのですが、一番こだわって直したジャンプだったので、まあよかったかなと思います。
 
-序盤にジャンプのミスが続きました
調子自体は悪くなかったと思うのですが、力で跳んでしまうというジャンプになってしまってあまり良くなかったんですけど、ループは多分本当に久しぶりに締めれたので、今回はできていないところが多すぎるんですけど、できるようになっている点も多いので、その二つは仕方ないかなという感じです。
 
-中盤のスピンはとても綺麗でしたが、序盤のミスを引きずらずに滑ることはできましたか
そうですね、ミスはミスで終わって次やることに集中してできたので、スピンも上手く回転できました。綺麗でしたか、ありがとうございます(笑)。
 
-SPより長い時間滑るFSの演技、体力の消耗などは
体力的には大丈夫だったんですけど、足を(ケガで)かばっていた分、体の負担が昨日とは違っていてそこが少しだけ練習と違う点だったのですが、まあ練習してきたので体力の消耗としては大丈夫で後半まで滑ることができました。
 
-滑り切って感じたことや、課題は
感じたことは、出場している皆が上手いということです。だから自分は結構変わったと思っていましたが、この成長じゃまだ追いつけないなと思いました。それほど「ダメだった」とかでは思うのではなく、出来てきた点は多くなっているので、やって来たことは間違いじゃないと信じているので、それを今シーズンは終わりますが、来シーズンまで続けていって皆と戦えるような選手になりたいと思いました。
 
-全国の選手が出場した今回のインカレ。演技を見て他の選手から吸収していきたいと思った部分は
やはりジャンプが皆めちゃくちゃ上手くて、スケーティングももちろんなんですが、ジャンプが自分よりもはるかに難しいことをやっているという点では、すごく参考にしたいなと思う点ではあります。でも自分が絶対に勝てないとは今回の試合ではあまり思わなかったので、そこは自信をもって自分の練習を続けていきたいと思います。
 
-沼ノ端スケートセンターの歓声を受けて
いつも本当にありがたいと思っています。こんなに出場者がいるのに、誰にでも声援を送っていただいて、自分も応援していただいてすごくいつも暖かいなと思っています。感謝しています。
 
-これからの目標や達成したいことを教えてください
目標は「いつも通りできるような選手になる事」です。いつも通りやれば、多分大抵上手くいくんですけど、練習ではできたのに試合でできなくなってしまうタイプなので、だから練習でできていたものは試合でもいつも通りできるようにすると、そこが上手い人とそうでない人の違いだと思うので、目標にしていきたいです。
 
-ファンの皆さんにメッセージを
数少ないファンの皆さん(笑)、いつもTwitterなどを見ていつもすごく元気をもらっているので、これからも飽きずに応援していただけたらすごくうれしいと思います。よろしくお願いします。
 
 

フォトギャラリー

  • IMG 0814 S藤澤SP
  • IMG 0795 S藤澤SP
  • IMG 0484 S渡邉SP
  • IMG 0473 S渡邉SP
  • DSC 0406 S藤澤FS
  • DSC 0261 S藤澤FS
  • DSC 0071 S渡邉FS
  • DSC 0154 S渡邉FS
 

 

関連記事一覧