【重量挙】全日本学生個人選手権 最終日 優勝者なしに終わるも、福本、野中が表彰台に上る!
全日本学生個人選手権
2017年4月30日(日)
はびのきコロセアム
迎えた大会最終日。94㌔級、105㌔級、+105㌔級が行われ、福本龍馬が自己ベストを更新し3位。野中雅浩がジャークで210㌔を成功させ準優勝と、それぞれ表彰台に乗った。東日本大学対抗戦に向けて、大きく弾みをつけた大会となった。
試合結果
個人成績(丸数字は順位)
選手名 | 階級 | 順位 | スナッチ | クリーン&ジャーク | トータル |
---|---|---|---|---|---|
奥脇開斗 | 94kg級 | 5位 | 120kg⑩ | 160kg⑤ | 280kg |
雨宮玄剛 | 8位 | 120kg⑪ | 150kg⑦ | 270kg | |
福本龍馬 | 105kg級 | 3位 | 135kg④ | 170kg③ | 305kg |
舟久保涼介 | 13位 | 113kg⑫ | 140kg⑭ | 253kg | |
野中雅浩 | +105kg級 | 2位 | 165kg② | 210kg② | 375kg |
宮城昌義 | 8位 | 130kg⑨ | 165kg⑧ | 295kg |
戦評
大会最終日。94㌔級、105㌔級、+105㌔級の競技が行われ、法大からは6人の選手が出場した。
悔しい結果に終わった全日本ジュニア選手権から約2か月。94㌔級の奥脇は課題であったジャークを2本成功させ、順位を上げるもスナッチのミスが響き5位。同じく941㌔級の雨宮もスナッチとジャーク1本ずつの成功に留まり7位に終わった。試合後、2人が口を揃えた課題は「成功率の向上」。全日本大学対抗戦に向け、チーム内での出場争いも激しくなるだろう。どちらが課題を克服し、結果を残していけるか、注目だ。
そして法大勢最初の表彰台に上がったのは105㌔級の福本。奥脇と同じく、3月の全日本ジュニア選手権で世界ジュニアへの切符を逃していた。
スナッチの1本目で125㌔を成功させると、2本目は130㌔を惜しくも失敗。しかし「自信があった」と3本目で135㌔を挙げ、自己ベストをたたき出した。その後のジャークでも見事試技を3本成功させ、こちらも自己ベストを更新。トータル305㌔で表彰台に乗った。
そして大会最後の+105㌔級。野中と日大の村上との一騎打ちとなった+105㌔級は、スナッチ1本目で3位以下を10㌔以上突き放す160㌔に成功。続く165㌔も成功させる。しかし村上が1本目から170㌔を成功させると、3本目には大学記録となる180㌔に成功。差をつけられる。続くジャークで野中は大会記録タイとなる210㌔を成功させるも、村上も同重量に成功。スナッチの差が響き、惜しくも2位で大会を終えた。
試合後「今日は楽しめた」と淡々と語った野中。けがの影響でまだ本調子ではないものの、来る全日本選手権ではライバルたちとの再戦が待っている。ユニバーシアード代表選考も兼ねた全日本までの1か月でどれだけ仕上げることができるかだろう。
表彰台2人、優勝者なし。決して満足のいく結果とはいえないだろう。しかしルーキーの台頭、ベストの更新など、得たものが自信につながる大会となった。団体戦として挑む7月の東日本大学対抗に向け、ここからさらに全員が記録を伸ばす必要がある。法大リフターたちがここからどれだけ成長してみせるか、目が離せない。(阿部暁野)
選手コメント
雨宮玄剛・奥脇開斗
―試技を振り返って
雨宮:スナッチ・ジャークともに一本しか取れなかったので、そこは課題ですね。ただ重量としてはほぼベストの記録だったので、その辺りを触れたのは良かったなと思います。ただもっと成功率をあげなくちゃいけないなとは思います。
奥脇:スナッチの本数が足りなくて、ひとつ上の順位にそのせいで届かなかったので、スナッチが自分の弱点なのかなと思います。
―順位には満足していない
雨宮:そうですね。記録ももっとあげないといけないと思います。
―奥脇選手は課題を挙げると
奥脇:スナッチの成功率ですね。スナッチでもっと流れを作らなければいけないと思います。
―次に向けて
雨宮:出られるか分からないんですけど、次の試合が東日本大学対抗戦なので。そこのメンバーを目指して。そこで出られたら点を取ってチームに貢献することが目標です。
奥脇:自分は東日本のメンバーに入って、点をとることですね。
福本龍馬
―試技を振り返って
調子が良かったので。スナッチもジャークも自己新をとりたくて、実際にとれたので良かったと思います。なれないと思っていたので、3番になれたことも嬉しいです。
―記録が伸びている要因は、
特にないですね。単に調子がいいだけです。調子が良くて狙ったらとれたという感じです。
―同じ階級の舟久保選手について
まだまだ安定していないし記録も全然なので。頑張ってほしいですね。
―スナッチの2本目で130㌔を失敗した中で、3本目は135㌔まで重量を上げました。自信があったのでしょうか
自信はあったのと、監督さんがそこで後押しをしてくださったので。
―今後目標とする数字はありますか
具体的に数字を考えてはいないですが、スナッチはまだまだ伸ばさないといけないと思います。東のインカレで通用しても、全日本では通用しないのでもっともっと伸ばしたいです。
―次に向けて
一応まだ調子はいい方なので、記録を狙って伸ばしていきたいと思います。
舟久保涼介・宮城昌義
―今日の試合を振り返って
舟久保:この試合に入る前に2日前には5㌔も足りなくて。そういった体調管理の面でもしっかりとできなかったというのが反省点です。それがスナッチ1本、ジャーク1本で自分のベストには遠く及ばない結果になってしまったと思います。
宮城:自分はちゃんとした練習ができていなかったのが大きかったと思います。あと事前の合宿で体重が減っていて、そこから体重が戻せなかったのも、いい結果が残せなかった要因だと思います。
―大学の試合の印象はいかがでしょうか
舟久保:高校の試合とは違って、重量も高くて強い選手が多くて。その中で自分たちも戦っていかなければいけないという恐怖心というか引いてしまう気持ちはあります。ただそういった部分はだんだん試合でなくしていきたいと思います。
宮城:自分はベストをとっても3位以内には入れなかったので、そこでレベルの高さを感じました。もし全日本大学対抗戦に出る機会があれば、確実に3位以内を狙っていける重量をやっていきたいと思います。
―法大の部の雰囲気はいかがですか
舟久保:自分は高校時代は練習場も小さくて部員も少ないところでやっていたんです。法大も決して他大と比べれば多いとは言えないんですが、日本代表などの高いレベルでやっている先輩がいる中で自分もやれているというのはすごく刺激になるので、そういった面で充実していますし、強くしていけたらいいなと思っています。
宮城:ほかの大学と比べたら人数は少ないですが、一人一人の能力が高いですし、1位を取れるような先輩たちと一緒に練習をさせていただいていて、自分もだんだんセットの本数も上がってきたので、確実に強くなれる雰囲気だなと思っています。
―次に向けて
舟久保:次の大会まで自分は時間があるので、基礎的な部分を1から見直していって。生活習慣であったり勉学であったり練習であったり、基礎的な部分をしっかりと積み上げていって、上位に食い込めるようね選手になっていきたいと思います。
宮城:自分は今回の大会で足りないところが多すぎたので、また最初のデットリフトとかスクワットとかフォームを一からやり直して、本数をいっぱい組んでいって、力を貯められるような練習をしたいと思います。
野中雅浩
―試合を振り返って
3週間前に自己新記録が練習ででて、そこからあまり調子が良くなかったんです。そこから前日とか前々日に重量に触って、調子が良くなってきてるなというのは感じていました。ただ試合で自己新記録はとれませんでしたし、2番でしたし。スナッチは15㌔差で負けちゃったんですけど、ジャークに関しては最近村上(英士朗・日大)さんともいい勝負ができているし、ジャークに関しては仕方なかったかなと。試合を楽しめたかなという感じですね。
―村上英士朗選手(日大)とのインカレ以来の対決になりました
そうですね。向こうもインカレでは団体戦で順位を確定させるために低い重量から始めたので自分が1番でした。今日は大学に入ってから初めて村上さんとはいい勝負ができたと思います。今年の12月までにはスナッチとジャークで競れるようにしたいなと。頑張っていきたいと思います。
―同じ階級の宮城選手について
入ってきたときは自分もこれくらいの記録だったので、ここ一年間で練習を積んで記録を伸ばして、全日本大学対抗戦で活躍してほしいと思いますね。
―来月出場される全日本選手権について
今大会と全日本選手権が、台湾で行われるユニバーシアードの選考会になているので、今回棄権した知念(光亮・沖国大)選手とかも自分より学生ランキングが上のところにいるので、勝って自分がユニバーシアードに出られるように。記録にこだわらないと言ったらおかしいんですが、勝てるような記録を取るしかないので、その2人を目指してやっていきたいと思いますね。
―次に向けて
2月に膝を疲労骨折してしまったのでそのけがをちゃんと治しながら全日本を迎えられるように。あとスクワットとデッドリフトを元に戻すというか、最近良くないので。その補強をして、全日本で自分らしい試合ができるように頑張っていきたいと思います。
フォトギャラリー
- この結果は福本にとって大きな自信になるだろう
- 105㌔級 福本
- 94㌔級 雨宮
- 94㌔級 奥脇
- 105㌔級 舟久保
- +105㌔級 宮城
- +105㌔級 野中
- 全日本の舞台でリベンジを誓う(野中)