【陸上】日本学生個人選手権 関東王者金井伏兵に敗れ準優勝 ユニバーシアード代表選出に暗雲…
日本学生個人選手権
2017年6月9日(金)〜11日(日)
Shonan BMW スタジアム平塚
8月のユニバーシアード出場選考がかかった今大会。110mHでは関東インカレを制した金井の優勝が期待されたが、惜しくも届かず準優勝。代表選出から遠のく形となった。他にも多くの選手が出場したが、入賞を果たしたのは、400mHの豊田など寂しい結果に。日本選手権直前の大会であったが、不安の残る結果となった。
試合結果
種目別結果
種目 | ラウンド | 組 | 選手名 | 記録 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|
男子200m | 予選 | 1 | 江藤拓都 | 22秒03(-2.1) | 4着 |
2 | 川辺隼也 | 21秒91(-1.0) | 4着 | ||
6 | 伊深愛生 | DNS | – | ||
7 | 佐久間滉大 | DNS | – | ||
8 | 村瀬翔太 | 21秒57(+2.3) | 5着 | ||
男子400m | 予選 | 4 | 本間大介 | 49秒00 | 5着 |
5 | 片山雄斗 | 48秒48 | 4着 | ||
男子110mH | 予選 | 1 | 金井大旺 | 14秒00(+0.4) | 1着 |
5 | 吉間海斗 | 14秒67(+0.6) | 4着 | ||
7 | 川島滉平 | DNS | – | ||
準決勝 | 2 | 金井 | 13秒64(+1.3) | 1着 | |
決勝 | 金井 | 13秒64(+1.6) | 2位 | ||
男子400mH | 予選 | 4 | 小林英和 | 52秒16 | 1着 |
5 | 高田一就 | 52秒22 | 4着 | ||
6 | 中矢光一 | 51秒11 | 1着 | ||
7 | 豊田将樹 | 52秒42 | 2着 | ||
準決勝 | 1 | 小林 | 51秒43 | 3着 | |
2 | 豊田 | 50秒32 | 3着 | ||
中矢 | 50秒35 | 4着 | |||
高田 | 52秒62 | 8着 | |||
決勝 | 豊田 | 52秒23 | 7位 | ||
男子走高跳 | 決勝 | 芋川駿 | 2m05 | 11位 | |
小川僚太 | NM | – | |||
男子走幅跳 | 決勝 | 坂田銀次郎 | 7m53 | 12位 | |
松添基理 | 7m41 | 14位 | |||
佐久間滉大 | DNS | – | |||
男子やり投 | 決勝 | 望月雄太 | 65m89 | 22位 | |
男子円盤投 | 決勝 | 沖見拓真 | 46m26 | 15位 | |
女子100m | 予選 | 6 | 田植晶子 | DNS | – |
女子200m | 予選 | 3 | 鈴木志保 | 26秒28 | 7着 |
9 | 田植晶子 | DNS | – | ||
女子100mH | 予選 | 1 | 鈴木美帆 | 13秒89 | 2着 |
準決勝 | 3 | 鈴木美 | 13秒93 | 6着 | |
女子400mH | 予選 | 1 | 川端涼夏 | 1分1秒13 | 1着 |
準決勝 | 2 | 川端 | 1分0秒41 | 2着 | |
決勝 | 川端 | 1分2秒22 | 8位 |
戦評
今大会最初の種目、女子100mHには鈴木美帆(スポ3)が出場。予選では自身より資格記録が約0.5秒速い選手たちと先頭争いを繰り広げると、初の13秒台となる13秒89をマーク。2着に入り準決勝に進む。
男子110mHには2選手が登場。ルーキーの吉間海斗(1)は序盤からハードルに足がかかり、スピードに乗れないまま4着で予選敗退に終わった。ユニバーシアードを狙う金井大旺(スポ4)は、予選では1台目から抜け出すと最後は流す余裕を見せ、1着で準決勝進出。準決勝では隣のレーンの栗城アンソニー(国武大)と競るも最後まで先頭を譲らず、自己ベストまで0秒01と迫る13秒64を記録する。決勝では、準決勝で全体トップのタイムを出して今大会絶好調の野本周成(早大)の隣に。得意のスタートで抜けたいところだったが、思うようなリードを作れずに10台目を野本とほぼ同時に越える。寸分でも先着しようと金井は必死のトルソーでフィニッシュしたが、無情にも0秒01差で勝ったのは野本。ユニバーシアード出場権が遠のく2位となった。
男子400m予選には日本選手権B標準記録を持つ片山雄斗(スポ3)と本間大介(スポ4)が出場。しかし両者とも、本来のスタートから流れに乗る走りに欠け予選敗退に終わった。
男子やり投決勝には望月雄太(経4)が出場。今大会活躍が目立つ台湾勢の選手が80mに迫る好記録を連発するハイレベルな展開の中、ベストに肉薄できず試技を終えた。
男子200mには唯一の20秒台のベストタイムを持つ川辺隼也(スポ2)を筆頭に3選手が出場。資格タイムでは準決勝に進むことが予想されたメンバーだったが、予選で姿を消すこととなった。男子400mHには関東インカレで入賞を果たした3選手が出場。中矢光一(スポ4)は準決勝で日本選手権標準を切る好走を果たしたが、惜しくも準決勝で姿を消した。
女子400mHに出場した川端涼夏(院2)は予選を危なげない走りで突破すると準決勝では60秒台を記録しで見事決勝進出を果たした。だが決勝では思うような走りが出来ずに8位に沈んだ。
一方の豊田将樹(スポ2)はタイムで拾われ見事決勝進出を果たした。法大が出場する最終種目となった男子400mH決勝。豊田はスタートから流れに乗ることができず、後半の伸びに欠き7位に。日本選手権では自己ベスト更新が期待される。
男子走幅跳には坂田銀次郎(経4)、松添基理(スポ3)が出場したが、ハイレベルな争いに加わることができず、トップ8にも残ることはかなわなかった。
男子円盤投では、大台の50mを越える選手も続出したハイレベルな戦いで、沖見拓真(経3)も1投目で自己ベストこそマークしたもののトップ8には残れなかった。
男子走高跳決勝には、小川僚太(現4)と芋川駿(スポ3)が出場。小川は記録なしに、芋川は2m05は跳んだものの11位に終わった。
日本選手権に向け弾みをつけたい試合であったが、去年に比べ入賞の少ない寂しい結果に。再来週の日本選手権は各々の選手が調子を上げ、最大限の力を発揮できることを期待したい。(小島雄太、濱口隆太、手島莉子)
選手インタビュー
金井大旺
―レースを振り返って
自分の走りに集中して決勝は挑んだのですが、負けてしまって悔しい気持ちです。
―この試合の位置づけは
ユニバーシアードは今年最大の目標にしていたので、すべてをユニバーシアードに懸けました。その重いプレッシャーの中で失敗しないレースはできたのですが、あとは悔しいとしか言いようが無いです。
―準決勝では風がある中でいいタイムでしたが
どちらも100点満点のレースではなかったのですが、相手がいる中で自分のレースをしていかなければならないのでそこは自分の実力不足だと思います。
―このレースに向けて練習で工夫した点は
関東インカレでいい型がつくれたので、その延長線上で今回の試合は臨みました。特に変えた点はないです。
―2週間後の日本選手権で目標となるタイムは
今年は実業団の選手が強いのでまずは表彰台に上がれるように。13秒5台は今年出したいタイムなので決勝の舞台で出したいです。
―その中でライバルになるような選手は
今日負けた野本(周成,早大)選手であったり、13秒4台を出している実業団の選手ですね。そういう選手に食らいつけるようにしたいです。
―日本選手権までの課題は
1台目のリズムアップ、またその延長で3台目までの切り返しを重点に頑張っていきたいです。2週間で修正をしていきたいです。
―日本選手権に向けて意気込みを
13秒5台の自己ベストを出してしっかり表彰台に上がれるように頑張りたいと思います。
豊田将樹
ー今日のレースを振り返って
ユニバーシアードの標準が50.00で、選ばれるには上位入賞とか、上位を狙わないといけなくて、それを目標でいったんですけど何一つかすらなくて。ちょっと情けないレースしちゃったなって感じです。
ー学生個人初の決勝進出でしたが
たぶん今までの学生個人選手権の中でレベルは1番高かったと思うので、準決勝のタイムも去年の優勝タイムを上回ってて、そのレベルの高い中で決勝に残れたってことだけは、自分でも評価できるところなのかなと思います。
ー後半硬くなってしまった印象でしたが
前半から周りの選手に置いていかれちゃってちょっと後半硬くなっちゃいましたね。
ー同期の高田選手が予選、準決勝ともにあまり良くない走りだったようですが
高田は、この間の関カレの結果で日中韓(3ケ国交流大会)の代表に選ばれて、僕はそれに選ばれなかった分、学生個人にかける思いというか、そのぶん頑張ろうと思ったのですけどね。
ートレーニングで工夫している点は
あまりみんなで練習をしていて前を走ることがないので、普通に走ったら。だから専門種目の400mHでは、いかに走る以外で自分のハードルの技術とかでカバーするかっていうのを練習では考えてます。
ー日本選手権に向けて
いろんなトップレベルの選手と走れるいい機会だと思うので、その中でトップ選手と戦っていけるように。今回は準決勝でプラス8だったのでちょっと厳しいと思うんですけど、決勝に残れるように、トップ選手に負けないような走りがしたいです。前半が課題なんで、周りに置いていかれないように前半からいけるように頑張ります。
坂田銀次郎
―試合を振り返って
特に調整というのはなかったです。練習の一環でという感覚でした。
―関東インカレ9位という結果を改めて振り返って
調子がとても良い状態で臨めた分、悔しさというのは大きかったですね。大事な試合で結果を残せないという自分の弱さも再確認できて、反省点の多い試合だったと思います。
―シーズン初めから続く松添選手の不調、同じ練習仲間である坂田選手の目にはどう映っていますか
まだまだ本調子ではありませんが、本人なりに徐々に上げてきているなとは思います。実力はありますし、同学年には佐久間という良いライバルもいるので、うまく切磋琢磨しながら結果を残していってほしいです。
―最後に日本選手権に向けて一言お願いします
頑張ります。
フォトギャラリー
- 準優勝に終わった金井
- 決勝進出した川端
- 関東インカレ選考漏れの悔しさを晴らす走りをみせた小林主将
- 6月末の日本選手権に出場する坂田
- 不本意な結果に終わった芋川
- 初の決勝進出を果たした豊田
- 自己ベストを更新した沖見
- 村瀬はあとわずかで準決勝を逃した