3年ぶりの開催となった上尾ハーフ。多くの大学にとって本大会は、箱根に向けた練習やメンバー選考として重要な意味を持つ。法大からは、内田隼太(4)、松永伶(3)をはじめとした10名が出場した。
学内トップでフィニッシュしたのは松永。62分06秒というタイムは、今年3月に卒業した鎌田航生(現・ヤクルト)に並ぶ法大タイ記録となる。「自分でもびっくりしている」と語るように、想定よりも速いペースを保ち続けて学生4位という健闘を見せた。「(松永を)後ろから見守りながら走っていた」という内田は、松永と7秒差の62分13秒で5位。学内3位は、三大駅伝の出場経験がない宮岡幸大(2)だった。宮岡も62分30秒という好タイムで、箱根駅伝初出場に向けて大きく前進する結果となった。箱根経験者の川上有生(4)や小泉樹(2)はペース走として臨み、同タイムの63分44秒でフィニッシュした。
現チームのエース級だけでなく、三大駅伝未経験の選手も好記録をマークした今大会。選手個人だけでなくチームとしても、箱根に向けて勢いをつけることができただろう。(取材:川口綜一朗、齋藤彩名、窪田真一、嘉藤大太)
選手インタビュー
内田隼太
ーレースを振り返って
今日は自分のペースで余裕を持って走るつもりだったので、しっかり目的通りの走りをできて良かったです。
ー自身のタイムについて
ある程度よく走れたと思っていますが、今日はタイムも順位もあまり気にせず走る予定だったのであまり気にしていないです。
ーチーム順位2位という結果については
松永が元々先頭集団に着いていく予定だったので、僕は後ろから見守りながら走っていました。
ー本日の調子は
先週10000m(日体大記録会)を走っていたので、その疲労があったことも加味して上げすぎずに走りました。
ー今大会の位置付けは
箱根駅伝まで1ヶ月なので、20kmの確認という意味で出ました。
ー今後の課題は
練習通りの走りができたので、ここからは1ヶ月試合がないので箱根駅伝1本で調整して、しっかりと走れるように準備したいと思っています。
ーチームの状態、雰囲気は
前回の世田谷ハーフから全体のタイム的な意味でも雰囲気も、いい状態で仕上がってきているなと出雲駅伝くらいの時期から思っているので、ここからあと1ヶ月チーム一丸となって箱根駅伝総合5位に向けて頑張っていきたいと思います。
ー先週の日体大記録会でのレースを振り返って
タイムを狙って出場したんですけど、あまり前半はペースが上がらなかったこともあって後半自分で走る形になったんですけど、これも練習通りの走りをして27分台を見据える走りができたかなと思っています。
ー日体大の位置付けは
練習が積めていた中で全日本大学駅伝が今年僕たちはなかったので、その代わりとして1本叩くように意識して走りました。
ー法大記録の28分15秒に対する意識はありましたか
元々あったんですけど、レース中はほとんど考えずに走っていました。狙えるタイムではあったのですが自分は切れずに終わってしまったので、僕の後輩には松永とかがいるのでぜひ切って欲しいなと思っています。
ー出雲駅伝から1ヶ月弱でしたが、どのような調整をしていましたか
出雲駅伝ではある程度スピードに乗って走れていたので、状態を維持してきました。
ー出雲駅伝でのエース区間での好走が自信になりましたか
練習通りの走りができればあのくらいのタイムが出せると思っていたんですけど、駅伝でああいったレースを1本しっかり走れたのは自分の自信にもなったので、これをしっかり箱根駅伝にもつなげていきたいと思います。
ー松永選手、小泉選手も自己ベストを大きく更新しました。主将として彼らの活躍をどのように見ていますか
彼ら2人は走れると自分も思っていました。他にも10000mを走ればタイムを出せる選手もいるので、全体の平均タイムでは他大に比べて遅いんですけど走力的には走れる力があります。それをしっかりと箱根駅伝当日に発揮出来ればなと思っています。
ー今後の意気込みを
僕の学生での陸上は残り箱根駅伝だけになるので、そこでしっかりとチームの総合5位に貢献できる走りをして終われたらという風に思います。
川上有生
ー今回のレースを振り返っていかがでしたか
今回はペース走という形での出場で、設定したペースより少し速かったんですけど、しっかり余裕を持って最後まで走り切ることができたので、現状を知るという上でも良かったです。
ー今回の目標は
ペース設定が3分3秒から2分台入らないくらいを目標にしていて、平均多分3分1秒ちょっとくらいで走れていたので、よかったです。
ー今回の戦略はどういったものでしたか
スタートがみんなと一緒で最初の5kmは速くなるかと思ったんですけど、あまり先頭も速くなかったので、しっかり前半の5kmから自分たちの目標としていたペース通り、しっかりリズムを刻むといういいイメージを持って、走ることができました。
ー今回の気温や天候はいかがでしたか
雨が降るかもしれないということだったのですが、あまり僕は寒いと感じてなかったので、アームウォーマーや手袋もつけずに走りました。
ーご自身のコンディションはいかがでしたか
11月の1週目あたりから全体の練習に合流して、しっかりポイント練習もすることができていたので、しっかり箱根に向けていいコンディションが戻ってきている感じがあります。
ーチームとして今回のレースはどういった位置付けでしたか
箱根メンバーの16人の選考という位置付けです。
ー今後に向けての課題は
今回は21キロの平坦なコースだったのですが、箱根になると単独走で上り下りがあり、ここよりもきついコースになると思うので、そういったところで今回の21キロを走ったイメージをどうやって23キロまでしっかり持っていけるかというのが課題だと思います。
ー今後に向けての意気込みをお願いします
箱根駅伝総合5位という目標に向けてチームがいい状態になってきているので、このチームの波に乗って状態を上げ、しっかりチームに貢献できる走りができたらなと思います。
松永伶
―今大会の位置づけは
先週追い込んだレースをしていたので、練習の一環かつある程度のペースで走って箱根のイメージをつかむためのレースでした。予想よりもタイムが出て自分でもびっくりしていますが良いレースができたと思います。
―レース展開を振り返って
内田先輩や坪田監督から15kmを過ぎてからがきついからそのあたりまでは先頭の方でと言われていて、その通りになりました。15kmくらいで日本人の先頭集団から離れてしまいましたが、先週レースがあった中ではよくできたと思います。
―現在の調子は
夏合宿後1か月くらいは疲労で調子が上がらなくて、出雲もある程度ではいけましたが上手く走れませんでした。合宿の成果が出るのが2か月後とよく言われているので、合宿の疲労も抜けて合宿の成果も出てきて、調子は上がってきているのかなと思います。
―レースプランは
先頭集団でという指示で、ペースも2分56秒くらいでと言われていました。実際は2分51秒くらいで想定より速くてペースの上下もありましたが、コンディションも良かったのでいい結果が出たかなと思います。
―タイムも62分1桁でした
ダウン中に先輩から聞いた話だと法政の歴代1位か2位らしくて、自分でもびっくりしてるんですけど、内田さんだったらしっかり狙ったレースであればもっと(タイムが)出ると思うので、満足せずに今後も頑張りたいと思います。
―続いて先週の日体大記録会について伺います。日体大での結果についてはどのように捉えていますか
箱根前最後のタイムを出すレースだったので、しっかり調整して28分34秒を出せて結構いい結果だったのかなと思います。
―レースを振り返って
ペース的にもいい感じで進めることができましたが、内田さんはやっぱり強いなと。
―タイムについてはいかがですか
狙っていたタイムが出たと思います。
―出雲駅伝後の練習については
全日本(大学駅伝)に出ていたら出雲、全日本、MARCHという流れになっていたと思うんですけど、全日本には出場できなかったので先週の日体と今日のハーフという流れでした。それに合わせて上手く調整できたと思います。
―今後に向けて一言お願いします
ライバルに遅れを取っていたので、自分の名をさらに広められるようにできたらいいなと思います。
宮岡幸大
―レースを振り返って
初めてのハーフだったんですけど、63分切れたらいいなと思っていて、実際その目標も達成できました。内容的にも15~20kmの一番きつい5kmをしっかり粘れて、すごい自信になって良いレースだったなと思います。
―コンディションは
練習とかではすごい調子良かったんですけど、アップの段階ではちょっと動き硬いなという感じでした。
―監督からの指示は
特になくて、「スタートやカーブでの転倒に気をつけて」くらいでした。
―集団の中で気を付けたことは
ペースがゆっくりっていうのもあったんですけど、無理に前に出ず、最初は力を使わず集団が崩れるのを待っていました。
―今後のレース出場予定は
特にはないです。
―部内の競争が激しくなっていますが、これからの練習で意識したいことは
ここからは練習を積むというより箱根に向けて合わせるという感じなので、無理し過ぎずと言うか、選考も大事なんですけどそこにばかり集中せず、自分のやれることをきっちりやっていけたらいいかなと思います。
小泉樹
ー上尾ハーフの結果(63分44秒)への率直な感想は
今回の大会はペース走で練習の一環として出たので、正直気にしてないです。
ー目標などは
大体の目安として、1km3分から3分3秒くらいと言われてたので、 64分か64分切るぐらいの想定で予定通りという感じでした。
ー日体大記録会から間隔が短かったですが体調面は
10000mの疲労が思ったよりはなく、調子も悪くない状態で順調に今日を迎えられました。調整としても今日走ることができてよかったと思います。
ーレースではどのような練習を
僕と川上さんが法政の列より後ろの方でスタートだったので、誰かについていくとかじゃなく、川上さんと並んでビルドアップというか、前の選手がたれて落ちてくるのをずっと抜かしていく感じだったので、単独走に近い練習ができました。
ー川上選手としたやり取りなどは
かなり喋りながら楽しく走って、ペースの話だったりきつい時はきついねとか、ペースが速い遅いかというのを話しながら走っていました。
ーレースを終えて感じた箱根への目標は
前回の箱根駅伝で思うような走りができなかったので、今年は自分の目標にしている走りをして、チームに貢献できるようにしたいです。残り1ヶ月半くらいしかないですが、1日1日を大切にして、頑張っていきたいと思います。
ー続いて先週の日体大記録会について伺います。レースの展開は
内田さんと松永さんは練習の時からすごく強いので、勝てるかどうかは本当に厳しいなと思ったんですけど、そこに無理についていかず、自分のペースで刻んで、タイムもある程度狙っていこうと思って走りました。
ー目標などは
28分40秒から45秒ぐらいで走りたかったので、もうちょっと走りたかったかなという感じでした。
ーこの記録会に向けた調整などは
出雲駅伝が終わってからこの記録会まで時間があり、トラックに対応した練習をして臨めたのですが、もう少し記録を出したかったかなとは思いました。
ータイム的にはあまり満足できなかったのですか
まあ最低限のタイムかなと。タイムが出過ぎて怪我をするよりは、このくらいのタイムで次につなげられたかなと思います。
ー箱根の選考に向けては満足いく結果でしたか
自分は今回の箱根で絶対走らないといけない立場なので、オーダーとかを気にせずに、のびのびと練習や大会にかけてやらせてもらってるので、選考とかはあまり気にしてなかったですね。
ーこの結果から感じた箱根に向けての感想は
箱根では最初の10kmでも28分台が必須になってくるので、トラックでも28分台は絶対に必要だなと思っていました。駅伝の10kmの入りというのも意識しながら、この記録会の10000mで箱根にも繋がる走りができたかなと思います。