【テニス】全日本学生テニス選手権大会 男子ダブルス準決勝
全日本学生テニス選手権大会
2016年8月13日(日)
岐阜メモリアルセンター
法大勢最後の望みとなった小見山僚(スポ3)・楠原悠介(経2)ペア。今日の対戦相手は寒川雄太(スポ4)・鈴木保貴(スポ2)が敗れた相手、河野優平・坂井勇仁(早大)ペアだ。今日はどんな試合を繰り広げてくれるのか。
試合結果
男子ダブルス準決勝
勝敗 | 選手名(学部・学年) | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
● | 小見山僚(スポ3)・楠原悠介(経2) | 7-6(6),2-6,12-14 | 河野優平・坂井勇仁(早大) |
戦評
男子ダブルス
刺さるような日差しの中、男子ダブルス準決勝が行われた。法大から準決勝まで駒を進めることができたのは小見山僚(スポ3)・楠原悠介(経2)のみ。2回戦、3回戦はフルセット、準々決勝はストレートで勝利を収めた2人。昨日の好調さを維持できるのかがポイントとなった。
試合は早大ペアのサーブから始まった。準決勝では簡単にポイントを取らせてもらえない。力強く、速いサーブに対応できずラブゲームで第1ゲームをキープされる。良いとは言えない出だしだった。主導権を相手に握られたまま始まった第2ゲーム。流れを変えることができず、連続ポイントを許した。しかし、小見山・楠原は積極的に前へ出て攻撃を仕掛け、追いつくことに成功。デュースとなった。早大ペアが2度アドバンテージを手にするも、小見山・楠原ペアは必死の思いでブレイクを阻止。キープに成功した。ここから小見山・楠原ペアの本領が発揮される。第3ゲームを小見山のリターンエースや、楠原のクロスなどの得点でブレイク。第4ゲームも小見山のサーブや楠原のボレーなど、前後の2人の歯車がかみ合い、キープし3-1と優位に試合を進めた。しかし第8ゲーム、試合は振り出しに戻る。肩のけがの影響もあり、小見山のサーブの威力が減っていた。それを待っていたかのように決まる相手のリターンで連続失点。ブレイクバックを許した。芳しくない雰囲気に包まれた小見山・楠原ペア。しかしここで予期せぬ事態が起きる。楠原が鼻血を出し、約20分間のメディカルタイムアウト。「何やってんだよ」と小見山は苦笑い。2人に笑顔が戻り、小見山・楠原ペアらしい空気感が漂った。
ハプニングに見舞われた楠原とそれを見守る選手たち
止血した後の楠原は強かった。幾度となくサービスエースやボレー、スマッシュで得点を稼いだ。楠原の活躍もあり、キープが続きゲームカウント6-6。今試合はサーブを中心とした短期決戦型の攻撃が多く見られた。それが顕著に表れたのがファーストセットのタイブレークだった。14ポイント中7ポイントがサービスエースやリターンエースによる得点。最後は小見山のサービスエースで8-6。ファーストセットを制した。
セカンドセットもサーブが決め手となった。小見山のサービスゲームの第3ゲーム、第7ゲームで相手がリターンエースを連発。ブレイクされてしまう。2-6でセカンドセットを終え、運命のスーパータイブレークへ。
肩の影響でサーブは弱まったが小見山の強力なフォアハンドは健在。小見山のフォアハンドや反応の良さを生かした楠原のボレーでポイントを得る法政に対し、早大はサーブで攻撃。大事な局面で「リターンミスをしてしまった」。2度マッチポイントまでたどり着いたが、あと1ポイントが足りなかった。12-14という驚異的な長さのスーパータイブレークの末、勝利の女神は早大ペアに微笑んだ。
サーブとリターン。テニスの基本とも言えるプレーが試合の決め手となった。しかし、小見山・楠原ペアはやり切ったといわんばかりの笑顔で早大ペアと握手を交わした。悔しさは残るものの、2人に「後悔」の字はない。(高野茜)
笑顔で健闘を称えあった
総評
法大女子テニス部はダブルスのインカレ本戦出場こそかなわなかったものの、シングルスは急成長を遂げた。昨年のインカレ出場者は江見優生乃(社4)だけだったのに対し、今年は下級生の下地奈奈(社2)・竹内あやか(社1)も本戦へ出場。個の力が伸びたことによってダブルスにも期待できるだろう。
監督・選手コメント
植村直己監督
ー女子シングルスについて
女子は2人が予選から勝ち上がりました。下地(奈奈・社2)は第2シードに勝ちました。下地は2回勝ち、竹内(あやか・社1)は1回勝ちということでなかなか頑張ってくれました。インカレ本戦出場が3人でリーグ戦に臨めるのは女子の進歩を感じました。普段の練習の工夫がこういうところで生きたと思います。次に期待できるような結果だったと思います。
ー女子ダブルスは予選敗退となりました
残念でしたが長野(あさか・社4)も江見(優生乃・社4)も就活をしながらだったので練習不足はしょうがないと思いました。いろいろ調整、工夫をしながら夏関(関東学生選手権)、リーグ戦に臨むという感じですね。でもやっぱりシングルスが良かったのでチームが勢いづくかなと思います。全体的に良かったと思います。
ー男子シングルスについて
予選から何人か勝ち上がりましたが春関(関東学生トーナメント大会)でストレートイン(本直)が5,6人いて予選にも数人いるっていう例年のパターンができなかったです。予選にまわってしまうとどうしても2回戦でシードに当たってしまうので春関の不振が影響してしまったなと思います。でも太田がいい試合してチームに勇気を与えてくれたと思います。普段の練習の成果が出てました。他の選手も普段の練習をしっかり取り組めばもっと上がれると思います。
ー男子ダブルスは好成績を残しました
小見山・楠原がよくがんばりましたね。ベスト4に入ったのは2年ぶりくらいですね。寒川(雄太・スポ4)・鈴木(保貴・スポ2)はベスト8でした。ちょっと鈴木が自信をなくしているのが心配なんですけど真面目に考えて彼なりに一所懸命やっていると思うのでリーグ戦までには立て直してくれるんじゃないかと思います。太田・前崎(直哉・経3)も気合の入ったプレーを見せてくれました。ああいうプレーがチームに良い影響を与えてくれると思います。
ー夏関・リーグ戦で期待している選手は
春関を出られなかった楠原が夏関には出ます。それから松尾(魁人・社3)が1年間のリハビリから復帰して今回本戦に出るということで今まで出ていなかった選手が出ることによって選手層が厚くなるのかなと。ダブルスはペアを少し変えるんですがインカレでの反省を生かして欲しいです。積極的な姿勢で戦って欲しいです。
小見山僚(スポ3)・楠原悠介(経2)
ー今日の試合を振り返って
小見山:疲れました(笑)。相手が強いのは元々分かっていました。でも自分たちのテニスがいい感じにできていたと思います。ファーストセットもタイブレーク取れました。ファイナルセットはスーパータイブレークで12-14で負けちゃって悔しいんですけど取れなかったものはしょうがないし勝てなかったのもしょうがないですね。今年春関から楠原と組み始めたんですけどここまで来れたのは大きいと思うのでここで終わらずにリーグでチームの役に立てるようにつなげていきたいです。
楠原:今日の相手は予選からだったんですけど相当強いペアでした。1回戦から準決勝まで小見山さんと思い切りプレーできてよかったです。スーパータイブレークで自分たちにマッチポイント何回も来たのにリターンミスしてしまいました。そこが取れれば勝てたと思います。そういう大事なところでの1ポイントのリターンがていねいにできたらいいなと思います。次、競った試合になったらリターンは強気でいきたいなと思います。
ー鼻血が止まらないというアクシデントは大丈夫でしたか
楠原:本当にびっくりしました(笑)。焦りました。相手の坂井(勇仁)さんが優しくてティッシュくれて大量に出たんですけど試合に戻れました。
ーシングルスについて
小見山:シングルス得意じゃないというか途中でいつも心が折れちゃうんで夏関は頑張れればと思います。
楠原:夏関が初めての本戦です。インカレはダブルスしか出てないので動けるのかわかんないんですけど短い期間でしっかり動いてシングルスでも頑張りたいと思います。
ー春関からインカレまでどんなことをしましたか
楠原:僕はダブルスしかなかったです。あとは夏関の予選がありました。夏関は柚木(武・スポ1)と組んでいて予選が長引いてしまってずっと柚木と練習してました。小見山さんと練習したのは3日間くらいでした。それでこの結果はほんとに良かったです。
ーインカレの目標は何でしたか
楠原:2回戦くらいまで勝てたらいいなって感じでした。目標は達成しました。
小見山:優勝です!来年は優勝します!
ー今後の目標は
楠原:まず夏関ですね。柚木とベスト4以上狙います。リーグでもしっかりダブルスで勝てるようにしていきたいです。
小見山:夏関はダブルス今回よくできたのでそのままいい流れでいけたらいいなと思いました。僕は前崎が1番組みやすいんで今回のペアより強いペアだと思うんでもっと上に行けるように頑張りたいです。リーグはとりあえずダブルスは全勝目指して頑張ります。
フォトギャラリー
- 笑顔で表彰を受ける楠原(左)・小見山
- 小見山のストロークは強烈だ
- 楠原のサーブは好調だった
- 常に前向きにプレーする2人
- 猛暑の中戦い抜いた
- ベスト4入りを果たした